JavaScriptは、HTMLやCSSと並んで、Webサイトのフロント開発に多く用いられるプログラミング言語です。JavaScriptエンジニアの仕事内容はフロント開発にとどまらず、Webアプリケーションやスマホアプリの開発など多岐にわたります。キャリアをさらに広げたいエンジニアにとっては、JavaScriptは気になる言語の1つではないでしょうか。本記事では、JavaScriptの特徴や学習メリット、JavaScriptの仕事内容や求められること、向いているエンジニアの特徴などを解説します。
- JavaScriptとは?
- JavaScriptを扱うエンジニアの仕事内容
- JavaScriptを学習するメリット
- JavaScriptエンジニアに求められる知識やスキル
- JavaScriptエンジニアが押さえておきたい基礎知識
- JavaScriptの仕事で役立つ資格
- JavaScriptエンジニアに向いている人の特徴
- JavaScriptエンジニアの求人案件や年収
JavaScriptとは?
はじめに、JavaScriptの概要について解説します。
JavaScriptの概要
JavaScriptは、1995年にリリースされたオブジェクト指向のプログラミング言語です。Webブラウザ上で動作し、アニメーションなどの動的な画面表示やボタン操作の処理などを担います。
JavaScriptの用途は多岐にわたり、スマホアプリ開発やサーバーサイドのアプリ開発、ゲーム制作などに活用されています。
関連記事:JavaScriptとは?Web業界で価値が高い理由について
JavaScriptの特徴
JavaScriptには、主に以下3点の特徴があります。
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・主要なブラウザすべてに対応している・プログラム作成後、すぐに動作確認ができる
・開発フレームワークが多数提供されている
JavaScriptは、Google Chrome やMicrosoft Edge、Mozilla Firefox、Apple Safariといった主要ブラウザすべてに対応しています。また、JavaScriptでプログラムを作成した後は、すぐに画面上で動作確認ができる点も便利です。
さらに、さまざまな開発フレームワークが用意されているため、すべてを一から開発する必要がなく、効率的に開発できます。
JavaScriptを扱うエンジニアの仕事内容
続いて、JavaScriptを扱うエンジニアの仕事内容について見ていきましょう。主な仕事内容としては、以下4点が挙げられます。
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・Webサイトのフロント開発・Webアプリケーションの開発
・スマホアプリの開発
・ゲーム制作
それぞれ解説していきます。
Webサイトのフロント開発
JavaScriptエンジニアの代表的な仕事内容が、Webサイトのフロント開発です。Webサイトのフロント開発では、基本的にHTMLやCSSを使ってWebサイト上の説明文やレイアウト、配色などを整えます。
ただし、HTMLやCSSだけでは、アニメーションなどWebサイト上の動的処理の実現は困難です。JavaScriptを使うことで、ユーザーがWebサイト上で目にする画面のアニメーション操作などの動的処理を実現でき、ユーザビリティの向上を図れます。
また、フロントとサーバーサイド間の連携部分の機能開発を担うことで、両者間のデータ受け渡しを可能にします。
Webアプリケーションの開発
JavaScriptはフロントエンドだけではなくサーバーサイドでも利用可能です。
JavaScriptを使って、サーバーサイド上で機能するWebアプリケーションの開発を行えます。JavaScriptのさまざまな開発フレームワークを活用することで、効率的に開発できるでしょう。
スマホアプリの開発
JavaScriptではWebアプリケーション開発に加え、スマホアプリの開発も可能です。JavaScriptの開発フレームワークを活用することで、スマホのOSに依存せずに開発できるため、iOS用とAndroid用で言語を分ける必要がない点も便利です。
ゲーム制作
前述のWebアプリケーション開発やスマホアプリ開発のノウハウを活かして、Webブラウザ上やスマホアプリでのゲーム制作も可能です。
JavaScriptには、ゲーム制作を効率的に進められるフレームワークも用意されています。
JavaScriptを学習するメリット
JavaScriptエンジニアを目指して、これからJavaScriptの学習を検討している方もいるでしょう。ここでは、JavaScriptを学習する5つのメリットを解説します。
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・あらゆる開発場面で活躍できる・マルチプラットフォームで汎用性が高い
・豊富なフレームワークが提供されている
・他言語との組み合わせが可能
・学習の教材が豊富にある
あらゆる開発場面で活躍できる
JavaScriptを習得することで、フロントエンドやWebアプリケーション、スマホアプリ、ゲーム制作など、あらゆる開発場面で活躍できます。
Stack Overflowのソフトウェア開発者調査「2022 Developer Survey」によると、JavaScriptは数あるプログラミング言語のなかで最も開発に使用されている言語です。10年連続で使用言語のトップに君臨していることからも、JavaScriptの高い需要が伺えるでしょう。
関連記事:JavaScriptの将来性とは?需要状況を解説
マルチプラットフォームで汎用性が高い
JavaScriptはマルチプラットフォームに対応しています。スマートフォンやPCなどのプラットフォームに依存せずに利用できるため、汎用性が高い点が学習メリットです。
豊富なフレームワークが提供されている
JavaScriptは、豊富なフレームワークやライブラリが提供されていることが大きな特徴です。既存のフレームワークやライブラリを活用することで、自分で1からすべて開発する必要がなく、効率的に開発を進められます。
他言語との組み合わせが可能
JavaScriptは単体での利用に限らず、RubyやPHP、Javaなどの他のプログラミング言語と組み合わせて開発することも可能です。
JavaScript単体でも汎用性が高いうえに、他の言語と組み合わせられる柔軟性も兼ね備えています。
学習の教材が豊富にある
JavaScriptは国内・国外ともに広く普及している言語であるため、学習教材が豊富にあります。書籍や動画、セミナーなど、JavaScript習得に向けた学習の選択肢が多い点もメリットといえるでしょう。
JavaScriptエンジニアに求められる知識やスキル
もともとJavaScriptの主な用途は、Webブラウザの動的処理やHTMLのデータ送受信でしたが、年々進化し、さまざまな用途で活用されるようになりました。用途の多様化に伴い、JavaScriptエンジニアに求められることも増えてきています。
本章では、JavaScriptエンジニアに求められる知識やスキルについて、以下の3点を解説します。
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・フレームワークやライブラリに関する知識やスキル・サーバーサイドに関する知識やスキル
・UI/UXに関する知識やスキル
フレームワークやライブラリに関する知識やスキル
JavaScriptが発展してきた大きな理由として、フレームワークやライブラリの多様化が挙げられます。
フレームワークやライブラリを活用して開発する場合と、1からすべてプログラミングする場合では、開発のスピードや品質に大きな差が生まれるでしょう。
JavaScriptエンジニアとしてパフォーマンスを発揮するためには、フレームワークやライブラリを有効活用して、効率的な開発を行うことが重要です。
サーバーサイドに関する知識やスキル
JavaScriptエンジニアの仕事内容は、フロントエンドのアニメーションのような動的処理だけではありません。フロントエンドとサーバーサイド間のデータ連携や、サーバーサイド上のアプリケーション開発も担います。
そのため、フロントエンドに加えて、サーバーサイドに関する知識も必要です。
UI/UXに関する知識やスキル
JavaScriptエンジニアには、UI/UXに関する知識やスキルも求められます。UI/UXは開発とは関係ないように思えますが、JavaScriptではユーザーから見える部分の動的処理などを扱うため、UI/UXも大切な要素です。
開発においてIT技術はあくまで手段であり、開発の目的はユーザー満足度の向上にあります。
ユーザー視点に立ち、ユーザー満足度の向上につながるUI/UXを考えていくことも、JavaScriptエンジニアの大事な役割です。
JavaScriptエンジニアが押さえておきたい基礎知識
ここでは、JavaScriptエンジニアが押さえておきたい基礎知識について、以下の5点を解説します。
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・フレームワーク(一例)・ライブラリ(一例)
・サーバーサイド
・カスタマージャーニー
・ABテスト
フレームワーク(一例)
フレームワークは、開発効率性を高めるうえで重要です。代表的なフレームワークを以下に紹介します。
Express.js
Express.jsは、開発効率化を図るためのフレームワークであり、サーバーサイドのJavaScriptの実行環境で使用されます。
Sails.js
Sails.jsフレームワークを使うことで開発環境を構築する手間が省け、効率的かつ簡単にWebアプリなどを作成できます。
Hapi.js
Hapi.jsは拡張性の高いフレームワークであり、開発用途に合わせてプラグインで拡張していく形式です。そのため、開発者が自由にカスタマイズできます。
Bootstrap
Bootstrapは、JavaScriptやCSSのフレームワークであり、デザインテンプレートが用意されています。テンプレートを活用することで、担当者のスキルに依存せずデザイン性の高いUI部品を設置可能です。
ライブラリ(一例)
フレームワーク同様、ライブラリも開発効率の向上に役立ちます。代表的なライブラリは以下のとおりです。
jQuery
jQueryは、JavaScriptのなかでも有名なライブラリです。ブラウザの種類に依存せずに扱える点が便利です。
React
ReactもJavaScriptライブラリの一種であり、Meta社が無償で提供しています。UI部品の構築に特化しており、FacebookやInstagramをはじめ、Yahoo!などにも適用されています。
サーバーサイド
サーバーサイドは、ユーザーから見えるWebブラウザ側ではなく、サーバー側でのWebサービスや管理全般を指す用語です。サーバーサイドで有名な言語にはJavaやPHP、Rubyなどがあります。
カスタマージャーニー
カスタマージャーニーとは、ユーザーが製品・サービスを知り、購入・契約に至るまでの一連のプロセスです。一連の購買プロセスが「旅」に似ていることから、カスタマージャーニーと呼ばれています。
JavaScriptエンジニアには、ユーザー目線でWebサイト上の動的処理を実装することが求められるため、ユーザーの導線を考えられるスキルが大切です。
ABテスト
ABテストとは、Webサイト上の画面などで、レイアウトや配置を変えたAパターン・Bパターンを用意して両者を比較するテストです。
ユーザーのクリック率などを比較し、どちらの画面が適しているのかを測定するうえで有効な手法となります。
JavaScriptの仕事で役立つ資格
JavaScriptエンジニアになるために、資格は必須ではありません。しかし、取得しておくと仕事上で役立つ資格はあります。ここでは、代表的な以下2つの資格について解説します。
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・CIW JavaScript Specialist・HTML5プロフェッショナル認定試験
CIW JavaScript Specialist
CIW JavaScript Specialistは、アメリカのITベンダーであるCertification Partner社が国際的に実施している、JavaScriptに特化した資格です。
JavaScriptの専門的な知識が問われ、英語で出題されるため英語の理解力も求められます。国際的な資格であるため、グローバルなキャリアプランを目指しているエンジニアにもおすすめです。
HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5プロフェッショナル認定試験は、HTML5およびCSS、JavaScriptの知識やスキルが問われる資格です。基礎と応用の2つのレベルが用意されています。
公式の教材やセミナーなどが豊富にあり、独学でも資格取得に向けた学習がしやすい点が特徴です。HTMLやCSS、JavaScriptの知識やスキルをまとめて学習できるため、スキルの幅を広げたいエンジニアにおすすめです。
JavaScriptエンジニアに向いている人の特徴
本章では、JavaScriptエンジニアに向いている人の特徴について解説します。
最新情報をキャッチする習慣がある
JavaScriptでは、便利なフレームワークやライブラリが常にアップデートされていきます。仕様の変更や新機能の実装が日々行われるため、最新情報をキャッチする習慣が大切です。日頃からTwitterなどで開発者の発信情報を追うようにしましょう。
特定の言語を極めるよりも、さまざまな言語を幅広く習得したいと考えている
JavaScriptは、フロントエンド・サーバーサイドともに活用できる言語です。他のプログラミング言語とも組み合わせて、さまざまなWebアプリケーションやスマホアプリの開発が可能です。
したがって、特定の言語に絞って専門性を深めたいエンジニアよりも、JavaScriptを含めてさまざまなプログラミング言語の知見を広げたいエンジニアに向いています。
ユーザー視点で物事を考えることを重視している
JavaScriptはユーザーが目に見えるWebサイトの動的処理を扱うため、ユーザーとの距離が近いプログラミング言語です。
たとえば、ユーザーのWebサイト上でのコンバージョン率や滞在時間などをチェックしながら、柔軟に画面を修正していくケースも少なくないでしょう。
そのため、ユーザー視点で物事を考えられるエンジニアに向いています。
JavaScriptエンジニアの求人案件や年収
JavaScriptエンジニアを目指す方にとっては、実際の求人案件や年収も気になるところでしょう。
レバテックキャリアの求人情報(※2022年12月時点)を見ると、JavaScriptに関する募集中の求人は約2,000件です。PHP(約1,800件)やRuby(約1,300件)よりも求人数はやや多くなっています。
関連記事:JavaScriptの転職市場状況について
年収レンジは400万〜2,000万円と、幅広く提示されています。年収の高い求人に関しては、コンサルティング企業の案件も存在します。
JavaScriptエンジニアとして年収を上げていきたい方は、JavaScriptの技術力をベースに、関連知識(HTMLやCSS、サーバーサイドなど)も含めて習得することが効果的です。広範な知識・スキルを活かして総合的なWebサイト改善提案・コンサルティングなどができると、年収アップにつながるでしょう。
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