Javaの将来性と需要状況
現状、Javaを採用しているシステム開発の需要は安定しています。2024年3月15日時点でレバテックキャリアにおいて言語別に求人・転職情報を分類した場合、求人数・案件数についてもJavaが最も多い状態です。今後もこの状況はすぐに大幅な変化はなく続くと考えられるため、Javaについては安定した需要があり将来性があると言えます。
また、Javaはシステム開発では長く用いられている言語であり、多くの既存システムがJavaで作られているため、保守・運用の需要も安定しています。
サーバーサイドでの需要が高い
Javaは堅牢で正確性が高く、処理速度も速いという特性を持っており、Webなどのシステムにおいてユーザーの見えないところで動作しているサーバーサイド(バックエンド)の処理に適しています。このため、Javaはサーバーサイド処理の構築でよく採用される言語です。
サーバーサイドにおいては、Javaは中規模の企業から大企業にいたるまで高い需要があり、Javaエンジニアが活躍できる場は数多くあります。Javaの持つ構造化による開発対象が分割しやすい特性も大規模な開発に適している理由の一つです。
サーバーサイドのアプリケーションはJavaサーブレットを基本に開発されており、Spring FrameworkやPlay Framework、JSF(JavaServer Faces)などのフレームワークが充実していることも需要が高まる要因です。
拡大が続いているスマホアプリ市場での人気が高い
スマートフォンのOSはAndroidとiOSが大半を占めていますが、iOSの需要が高いのは日本のみで、世界的規模ではAndroidの需要が過半数を占めています。Androidアプリの開発にはJavaが最も多く使用されており、Androidアプリを開発できるJavaエンジニアの需要は高いです。
また、Androidアプリ開発で注目を集める言語にKotlinがあります。KotlinはJavaの動作環境上で動作し相互運用性があることも、Javaの言語としての寿命を伸ばし将来性を高めるものです。関連して、他にもScalaやGroobyなどの言語はJavaの動作環境上で動作するプログラミング言語であり、Kotlin同様に言語の人気を下支えするものです。
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Kotlinとは?Javaとの違いや将来性、年収について解説
Scalaとは?将来性やメリット・デメリット、Javaとの関係も解説
Javaの将来性が高いと考えられる理由
Javaの需要の高さについて、その理由を説明してきましたが、今後の需要はどのように変動していくのでしょうか。本項では、Javaの将来性について肯定的な意見を紹介します。
プログラミング言語にはトレンドが存在しますが、一度普及した言語には継続的に需要が発生する傾向も強く、Javaも広く普及していることが新たな需要に繋がっています。
世界中で広く使われている言語であり、歴史も長い
Javaは歴史の長い言語であり、これまで世界中で多くの開発に使われてきた実績があります。
Javaの開発元であるOracle社によると、Javaは世界中で510億以上のアプリケーションが稼働しており、開発者は数百万人と広く利用されています。あらゆるプログラミング言語の中で、最も標準的な言語であるとも言われており、現在でも新規開発にJavaを採用するケースは多くあります。たとえ新規開発が減ったとしても既存システムの保守開発が発生するため、そう簡単にほかの言語に置き換えられることは考えにくいでしょう。
大規模開発に向いている
Javaはオブジェクト指向型で大規模な開発案件に適したプログラミング言語です。大人数で開発する際にも、部品を組み立てるようにシステムを構築していくことができます。また、Javaは堅牢な言語であるため、金融機関の大規模システムなど高い品質が求められる開発でも用いられています。
大規模システムほど、リリース後の利用期間も長くなる傾向があります。Java以上に大規模開発に適した言語が登場しない限り、Javaで開発した大規模システムには引き続きJavaが用いられるでしょう。
ほかのプログラミング言語を習得する際に応用がきく
Javaは代表的なオブジェクト指向型言語であり、IT企業の新人エンジニア研修でも多く使われています。Javaが持つ概念や機能は、ほかのプログラミング言語でも応用できるため、新人が習得すべき基本言語として多くの企業が取り入れているのです。
Javaで身につけたオブジェクト指向は、C#やPHP、Ruby、Pythonなどの、そのほかのオブジェクト指向の言語を習得する際にも役立ちます。文法についても、多くの言語がJavaの影響を受けて開発されています。
他言語との親和性の高さからも、まだまだJavaの需要は高い状態が続くと考えられます。
大手企業や官公庁が好む安定した既存技術である
大企業や官公庁などの大きな組織では、システム開発に使用する技術として安定した既存技術が好まれます。大きな組織ではシステムの規模も巨大になり、万一システム障害が発生した場合の影響は非常に大きくなるため、最新の機能を持っていることよりも、動作実績が多く、障害が避けやすく、技術者も確保しやすい言語が適しているためです。また、再利用性が高いため、これまでに開発した案件の資産を有効に活用できる選択肢でもあります。
Javaは1995年に公開されてから現在まで、多くの企業のシステム開発に採用されてきた実績・事例があります。
Javaには「処理速度が速く、セキュリティ性能も高い」「オブジェクト指向言語のため大規模開発に向いている」という特徴を持っています。そのため安全性が求められる大企業や官公庁、金融機関のシステムに多く用いられています。
すでにJavaで組まれたシステムの保守案件がある
多くの既存システムがJavaで構築され、現在も稼働中です。そのためこれらのシステムの保守案件はJavaの案件として継続的に発生します。
将来的には、Javaの新規案件が減っていく可能性もあります。しかし、多くの大企業や金融機関などでJavaで作られたシステムが現在も稼働しています。したがって、もし新規案件が減少したとしても、今後も長期間にわたって保守案件は継続して発生すると言えます。
Javaの将来性を危惧する意見
Javaの将来性については、否定的な意見もあります。登場してから時間が経っていることにより、近年登場したプログラミング言語と比較して劣る部分があることも認識しておくべきでしょう。
以下では、Javaの言語としての将来性、Javaエンジニアの将来性を危惧する意見について解説します。
求人案件数は多いが、収入面は高くない
Javaはプログラミング言語別で見た場合、日本国内の求人案件数はあらゆるプログラミング言語を上回り、トップの求人数を誇ります。レバテックキャリアにて2024年3月15日時点で公開中の求人・転職情報を参照すると、Javaは7,061件(募集中2,692件)の求人があり、言語別で最大の求人数でした。
しかし、エンジニアの数が多い分、年収はほかの言語と比較すると高いとはいえない部分があります。Javaを扱えるエンジニアが多い分、市場価値が上がりにくいためです。
Javaの求人・転職情報>
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未経験からJavaエンジニアに転職・就職する方法
他言語が伸びてきており「時代遅れ」と思われることがある
Javaは多くの開発に使われてきた実績のある言語ですが、近年はほかの言語に徐々にシェアを奪われつつあります。特にオブジェクト指向型言語であるScalaは、コーディング量がJavaの半分で済み、安全性も高いといった特徴から、Javaの代替言語として注目されています。Javaとの相互運用性も高いため、今後もJavaエンジニアとして活躍するのならScalaの習得は必須であるといった意見もあります。
そもそもJavaとは
そもそもJavaとはどのようなプログラミング言語なのでしょうか。Javaの将来性を考えるうえで必要な基礎情報と他の言語との比較について解説します。
Javaの概要
Javaは世界中で広く使用されているプログラミング言語です。サンマイクロシステムズが開発して1996年にリリースし、その後、Oracle社が開発元となっています。
「Google三大言語」のひとつとして、Google社のシステム開発にも採用されています。汎用性が高く、非常に幅広い分野の開発に使用できるのが特徴で、WebアプリやWebサービス、デスクトップ向けアプリ、スマホアプリ、組み込み系アプリケーションの開発にも用いられています。近年では、IoTの分野の開発でもJavaの注目度が高まってきています。
大きな特徴として、オブジェクト指向を採用したコンパイラ言語であることがあげられます。オブジェクト指向言語として早い段階で登場し、C言語に替わる言語として人気を高めてきました。
また、インタプリタとコンパイラ言語の両方のメリットを兼ね備えており、マルチプラットフォームにも対応しています。オブジェクト指向のモジュール分割がしやすいメリットと合わせて、プラットフォームを超えたモジュールの再利用性が高いことも普及の大きな要因です。
関連記事:Javaとは?特徴や学習方法などをわかりやすく解説
Javaを使ってできること
Javaはさまざまな分野の開発で利用できます。Javaを用いて実現できる開発の種類を、以下では紹介します。
Webアプリの開発
JavaはWebアプリのサーバサイドでの需要が高い言語です。サーバサイドの開発ではJavaサーブレットを基盤としてWebサービスを構築することができます。Javaの安定性、コンパイラ言語であることによる処理速度の早さ、マルチプラットフォームへの対応、大規模開発への適性、部品化による再利用性の高さなどの特性がサーバーサイドでの開発にマッチしていることが大きな要因です。
小規模のシステムから大規模開発まであらゆるサーバサイドの開発現場で、Javaのエンジニアは需要が高いと言えるでしょう。
Androidアプリの開発
Javaはスマートフォンアプリの開発でも高い需要があります。スマートフォンのOSとしてはiOSとAndroidがありますが、世界全体ではAndroidのほうがシェアが大きいと言われています。JavaはAndroidでのアプリ開発に対応しており、高いシェアを持ちます。したがってJavaはAndroidアプリ開発における需要が高いと言えます。
組み込みシステムの開発
Javaは元々組込みシステム用の言語として開発されました。組込みシステムとは、家電などの機器に組み込まれるソフトウェアのことです。JavaはOSやハードウェアに依存しないという特徴があるので、Javaを採用することで製品のメンテナンス性が向上します。Javaの組込みシステムが搭載されている例としてはスマートフォンやBlu-rayプレーヤーなどがあります。
金融機関などの基幹システムの開発
Javaはその安定性とセキュリティ性能の高さから、金融機関などの大企業の基幹システムの開発に用いられています。Javaはオブジェクト指向言語であり、部品を組み立てるように開発を進めることができるという特徴があります。そのため、大人数での大規模開発に向いています。また、登場から多くの時間が経ち、安定性、信頼性に関する実績・事例が多いことも金融機関などの基幹システムで採用される要因です。
ほかの言語との違い
Javaとほかの人気のある言語の違いについて紹介します。これらの違いが、Javaの求人数を支える要因といえます。
Pythonとの違い
JavaとPythonの大きな違いは、Javaがコンパイラ言語(より正確にはインタプリタも併用)であるのに対しPythonはインタプリタ言語(またはスクリプト言語)であるということです。
コンパイラ言語はプログラムの実行前にコードを評価し、実行形式への変換を行います。この時点でプログラムに誤りがある場合は、コンパイルエラーとなり実行形式が作成できません。また、実行形式への変換により機械語に近い記述に変換されるため実行速度を高める効果があります。
一方のインタプリタ言語は、プログラムの実行時に初めてコードを評価します。プログラムにエラーがある場合には、エラーの前までを実行して、その後エラーが発生する順序で動作します。実行時に機械語への翻訳を行うため、処理速度ではコンパイラ言語に劣ります。その代わりに、データの型などにも柔軟なため、開発に必要とされるスキルはコンパイラ言語より低いとされています。
また、AIの開発やデータサイエンス分野ではPythonが利用されることが多いです。その理由は、PythonにはAI開発やデータ分析に用いるライブラリが充実しており、先行的にAIやデータサイエンス分野で活用が進んだことがあげられます。実績や事例が蓄積されているため、さらに同分野で活用されているというサイクルに繋がっています。
関連記事:Pythonの将来性|メリットやJava・Rubyとの比較も解説
C言語との違い
JavaとC言語の大きな違いはプログラミングパラダイムにあります。Javaはオブジェクト指向言語、C言語は手続き型(命令型)言語です。
プログラミングパラダイムとは、プログラムに対しての考え方で、オブジェクト指向言語ではモノを中心としてプログラムを作成します。一方の手続き型言語では、必要な手続きを並べていくという考え方でプログラムを作成します。
オブジェクト指向はモノを中心にプログラムを作るため、モノごとの部品ができあがり、再利用性が高い特徴を持ちます。オブジェクト指向が後発のプログラミングパラダイムで、今日のプログラミング言語では主流となっています。
なお、Javaはオブジェクト指向に対応しつつ、手続き型のプログラミングパラダイムに沿ったプログラムの記述も可能です。
また、別の違いとしてメモリ管理の方式があげられます。Javaでは、メモリの確保については開発者が意識する必要はなく、メモリの解放はガーベッジコレクションという内部的な仕組みが自動的に実施します。一方、C言語ではメモリの確保および解放はプログラムの作成者がプログラム内で明示的に記載する必要があります。このメモリ管理の方式は単に優劣を示すものではなく、開発者に委ねられる範囲が異なるといえます。
PHPとの違い
JavaとPHPの違いは、コンパイラ言語とインタプリタ言語(またはスクリプト言語)の違いと、主な用途にあります。
Javaはコンパイラ言語、PHPはインタプリタ言語で、その違いはPythonとの違いで記載したとおりです。
JavaとPHPは用途の面でも大きな違いがあります。Javaは汎用的な言語で、業務アプリケーションやWebアプリケーション、スマホアプリなど様々な形態のソフトウェアを開発することが可能です。一方のPHPはWebアプリケーションに特化しており、事実上Webアプリケーション専用の言語です。このため、Javaのほうが利用シーンが広いといえます。
Javaを使うメリットとデメリット
Javaを開発言語とする場合のメリット・デメリットについて紹介します。学習する言語を選択する際にも、言語としてのメリット・デメリットを認識しておくことがおすすめです。
Javaを使うことのメリット
Javaは環境に依存しない汎用性の高い言語です。JVMを用いて動作する仕組みによりWindows、Mac OS、iOS、LinuxなどあらゆるOS上で動作させることができるマルチプラットフォームへの対応を実現しています。
コンパイラ言語であるため処理速度も速く、プログラムの動作も軽快です。また、オブジェクト指向の言語であるためプログラムの管理性に優れており、複数人での開発も効率よく進めることができます。
人気のある言語であることから、学習や課題解決に必要となる情報も集めやすく、開発者も探しやすい点もメリットです。
Javaを使うことのデメリット
Javaはトップクラスの人気を誇る言語ですが、習得の難易度が高いため、挫折しやすい言語であると言われています。理由として、スクリプト言語と比べると厳格な型管理を行っているためコンパイル時のエラーが発生しやすいこと、多様な分野の開発に使用されている分、学ばなければならない技術体系が幅広いということがあげられます。
また、開発環境の構築やプログラムを実行するためのコンパイルなど、コードを書く以外の作業に手間がかかる点もデメリットです。
Javaエンジニアとして今後も活躍し続けるためには
Javaエンジニアとして活躍中のエンジニアが今後も活躍し続けるためには、プラスアルファのスキル習得が必要となります。本項では、Javaエンジニアが成長するために必要なこと、取り組むべきことを紹介します。
アプリケーション開発をはじめさまざまな案件に挑戦する
Javaはさまざまな開発に使用されてきた汎用性の高い言語です。そのため、Javaエンジニアとして活躍の場を広げるには、さまざまな案件に挑戦することが重要です。多様な開発経験を積み重ねることで、Javaエンジニアとして対応できる幅も広がります。
業務系アプリケーションでも大規模から中小規模、Webサービス系、Androidアプリ、IoTを含む組み込み系アプリなど、Javaを利用した開発は複数種類が存在します。それぞれの現場で特徴があり、新たな知見を得ることができるため、成長できる機会となります。
関連記事:C#エンジニアの将来性が高い8つの理由!Javaとの比較や平均年収も解説
上流工程での業務スキルを身につける
システムやアプリケーションの開発において、要件定義や基本設計などの上流工程のスキルを持つことも活躍の幅を広げることに繋がります。上流工程では顧客の要望を吸い上げるヒアリング能力、システムの概要を設計するスキル、顧客の業務に対する知識などが必要なため、積極的に参加できるよう働きかけましょう。
上流工程のスキルは利用するプログラミング言語に関わらず、エンジニアにとっては普遍的に活用できるスキルです。Java以外の言語のプロジェクトに参加する際にも役立ちます。
プロジェクトマネジメントの経験を積む
ITエンジニアとして開発を行う場合、一人で行える作業には限界があります。それ以上に成果を出すためには、他のエンジニアの開発を管理することが一つの手段となります。他の開発者の業務、開発の管理をすること、つまりはプロジェクトマネジメントの経験を積み、プロジェクトマネジメントスキルを習得することが重要です。
プロジェクトマネジメントスキルを習得して、将来的にはプロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーへキャリアアップを目指すキャリアパスは、ITエンジニアの定番のキャリアパスです。ただし、開発担当のエンジニアに突然プロジェクトマネジメント業務が任せられるわけではありません。開発者としてプロジェクトに従事しながら、チーム単位などのマネジメント業務などに積極的に参加し、スキルを身に着けることがステップとなります。
フレームワークに関するスキルを身につける
フレームワークとはシステムやソフトウェアの骨組みとなる部分を提供する枠組みのことです。システム開発の土台となるソフトウェア部品と捉えることもできます。多くのJavaプロジェクトでは、アプリケーションの品質および開発効率を目的としてフレームワークを活用した開発が行われています。Javaのフレームワークとしては「Spring」や「JSF」などが広く知られています。
フレームワークを利用するメリットの一つは、作業が効率化できることです。すぐに使え、繰り返し再利用できるテンプレートや部品を、フレームワークの一部やクラスライブラリとして提供してくれているため、コーディングの手間が省けます。また、フレームワークを利用することで自然にコードの統一性を保つことができ、品質の向上が期待できます。
資格を取得する
Javaに関する資格を取得することで、Javaエンジニアとしてのスキルを客観的に示すことができます。また、将来的なキャリア目標としてプロジェクトマネージャーを目指すのであれば、マネジメントについての資格を取得しておくのも有効です。これらの資格があれば転職時にも有利です。
関連記事:Java資格の最新一覧と各試験の難易度やおすすめの書籍を紹介
Oracle認定Javaプログラマ
Oracle認定Javaプログラマは、2024年3月15日時点でJavaの開発元であるOracle社が運営しているJavaの認定資格試験です。この認定試験は「Bronze」、「Silver」、「Gold」の3つのレベルに分かれていますが、Javaエンジニアとしてのスキル向上を目指すのであれば、中上級者向けの資格である「Gold SE 11 認定資格」の取得を目標にするのが良いでしょう。
Javaプログラミング能力認定試験
Javaプログラミング能力認定試験は、サーティファイ情報処理能力認定委員会が運営しているJava認定資格です。2023年3月31日時点で受験者数が7万人を超えている資格で、Oracle認定Javaプログラマーに次いで認知度が高い資格です。受験資格に制限がなく気軽に受験できます。転職時にも有効ですので、おすすめの資格です。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している情報処理技術者の国家資格です。将来のキャリア目標としてプロジェクトマネージャーを目指している方はこの資格の取得にチャレンジするのもよいでしょう。また、エンジニアとしてのキャリアアップを図る上で、マネジメントに関するスキルや資格は役立ちます。興味のある方は資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。
Javaエンジニアの平均年収
レバテックキャリアにて、2024年3月15日時点で公開中の求人・転職情報よりプログラミング言語「Java」の30件を抽出し平均を取ることにより、Javaエンジニアの平均年収を想定しました。30件の年収の最大値と最小値の中間値の平均より、Javaエンジニアの年収は約570万円と試算されます。ほかの言語と比較しても、平均的な数値です。
Javaの転職・求人情報は調査時点で7,061件(募集中2,692件)もあり言語別では最多です。このため、年収が高い案件も低い案件も存在しています。複数の言語を扱う案件や、プロジェクトマネジメントスキルが求められる案件、上流工程から携わる案件は必要とするスキルが高いため高年収につながる傾向が見られます。
Javaの求人・転職情報>
関連記事:Javaエンジニアの年収|高年収な理由と年収アップの方法を解説
他言語との平均年収比較
Javaと多言語の平均年収を比較します。以下の平均年収は2024年3月15日時点でレバテックキャリアに掲載されている求人から30件づつランダムにピックアップし平均を算出したデータになります。
言語 | 下限平均 | 上限平均 |
Java | 423万円 | 717万円 |
Python | 499万円 | 873万円 |
C | 422万円 | 713万円 |
COBOL | 397万円 | 708万円 |
JavaScript | 487万円 | 866万円 |
Swift | 514万円 | 868万円 |
PHP | 430万円 | 721万円 |
Ruby | 464万円 | 804万円 |
多くのプロジェクトで使用されているプログラミング言語を抜粋しました。言語を比較すると、差はあるものの大幅ではありません。結果的に、多言語と比較してJavaの平均年収は低いとも高いとも言えない印象です。
Javaエンジニアのキャリアパス例
Javaエンジニアのキャリアパスとして、以下が挙げられます。
-
・スペシャリストになる・PLやPMにキャリアアップする
・他言語を習得しキャリアチェンジする
・フリーランスとして独立する
スペシャリストになる
Java案件をこなしながら自己学習してスキルを高めることで、Javaのスペシャリストを目指すキャリアパスが一つの選択肢です。キャリアパスというよりは、今のままさらにスキルに磨きをかけていくイメージです。IT業界では上流工程を目指すべきという考え方がありますが、下流工程のスペシャリストとして高収入を得ている人も多いです。
PLやPMにキャリアアップする
PLやPMはマネジメント職種です。PLは自身でも手を動かしながらマネジメントも行いますが、PMはマネジメントに特化しています。Javaのスキルを活かしつつマネジメントスキルを身に付け、PLやPMにキャリアアップするケースは多いです。マネジメント職種は収入が上がりやすい傾向があります。
他言語を習得しキャリアチェンジする
Java以外の言語スキルを身に付けることで、別言語の案件に参画できます。キャリアチェンジという形で別言語に特化する選択肢もありますが、Javaの案件に参画したり別言語の案件に参画したりといったことも可能です。いろいろな言語が扱えると、開発でもマネジメントでも役立ちます。
キャリアチェンジ例に応じた習得すべき言語
どのような開発にキャリアチェンジするかによって、習得すべき言語が変わってきます。具体的には、以下のようになります。
【フロントエンド開発】
HTML、CSS、JavaScript
【サーバーサイド開発】
PHP、Ruby
【AI開発】
Python
【スマホアプリ開発】
Kotlin、Swift、Java
関連記事:KotlinとJavaの違いとは?特徴やメリット・デメリットを比較
キャリアチェンジするメリットとデメリット
キャリアチェンジにはメリットとデメリットがあります。それぞれ紹介します。
【キャリアチェンジのメリット】
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・スキル、知識の幅が広がる
・自身の市場価値、年収がアップする可能性がある
・モチベーションアップにつながる場合がある
【キャリアチェンジのデメリット】
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・勉強する必要がある
・年収が下がる可能性もある
・大変に感じることもある
以上のように、キャリアチェンジにはメリットもデメリットもあります。重要なのは、メリットのあるキャリアチェンジをすることです。単にキャリアを変えるだけではあまり意味がないので、キャリアアップになるように動いていくのがおすすめです。
フリーランスとして独立する
Javaエンジニアを含むエンジニアは、フリーランスとして独立しやすい職業です。将来的に独立するためにエンジニアになる人も多いでしょう。フリーランスになれば、フルリモートワークなども可能です。またスキルアップに応じて年収が上がりやすいです。ただし案件や稼働時間などを自分で決めて自分で管理しなければならない大変さなどもあるので、その点はあらかじめ知っておいてください。
Javaに関するよくある質問
Javaに関するよくある質問と回答を紹介します。Javaの将来性を確認し、キャリアパスを検討する際に参考にしていただければ幸いです。
Q1. Javaが人気の理由を教えてください
Javaが人気の理由は複数ありますが、特にセキュリティが高いという点で長年使用され続けています。最近主流の言語に比べて人が実装しなければならない部分も多く、逆に言えば推測しにくいような設計にすることも可能です。オブジェクト指向の機能を活用して外部からハッキングしにくいコードを作っていくイメージです。
Q2. Javaの弱みは何ですか?
Javaはオブジェクト指向を理解しなければ使いこなせず、また小規模システムには適していません。オブジェクト指向は他の言語にも使えるので理解した方が良いですが、小規模システムに適さない点は明らかに弱みになるかもしれません。小規模システム開発では別の言語を使った方が良いです。
Q3. 将来性が低いプログラミング言語はありますか?
用途が限られている言語、可読性が低い言語、同じ用途で有望な後発が登場した言語は将来性が低い傾向にあります。
-
・ほぼWeb専用のPerl、PHP、Ruby・iOSのネイティブアプリ専用で後発のSwiftが有望なObjective-C
・Windowsアプリに用途が限られがちなVB.NET
・データサイエンス専用のR言語
まとめ
この記事ではJavaの需要状況や将来性に対するさまざまな意見を解説してきました。OS環境に左右されず動くJavaは汎用性能が高く、大規模開発にも広く利用されています。Javaを主力言語として採用している企業も非常に多いのが現状です。
他言語が伸びてきているなど、将来性を危惧する声はあるものの、今後数年のうちにJavaエンジニアの求人がなくなることは考えにくいでしょう。オブジェクト指向を身につけるには最適の言語ですので、Javaを学ぶメリットは大いにあります。
また、他言語への応用がきく言語であるため、スキルの幅を広げる上でもJavaは身につけておいて損のない言語といえるでしょう。
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