Javaの将来性は?需要が高い理由や平均年収も紹介

最終更新日:2024年3月8日

ITエンジニアとして活躍している方や、これからITエンジニアを目指そうとしている方の中には、自分が使用するプログラミング言語に将来性があるのか気になっている方も多いのではないでしょうか?

ITは進歩が速く、次々とプログラミング言語が生まれています。AIや機械学習などトレンドとなる技術がある中、習得してスキルを磨いていくプログラミング言語の選択はITエンジニアにとっても重要です。

また、開発されてから長い期間が経っても需要の存在している言語も存在します。例えば、C言語は1972年に開発されたプログラミング言語ですが、その後バージョンアップを重ね、2023年時点でもC言語エンジニア向けの求人が多数あります。

本記事では、数ある言語の中でも特にJavaの将来性について、エンジニアとしての展望を知りたい若手Javaエンジニアに向けて解説します。Javaは現在トップクラスの需要と人気を誇り、今後も需要の高い言語だと言われていますが、その理由はどこにあるのでしょうか。

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この記事のまとめ

  • Javaはオブジェクト指向のプログラミング言語で、マルチプラットフォームに対応しているため広く利用されている
  • Javaに安定的な需要がある要因として、サーバーサイドに適している、スマホアプリ市場でも人気が高いことなどがある
  • 登場から時間がたち安定した技術であり、大規模開発にも向き、既に世界中で多数Javaのアプリケーションが存在しているため、開発・保守案件は今後も存在するといえる
  • Javaエンジニアが今後も活躍するためには、様々な分野での経験を積み、上流工程やマネジメント、FWなどの知識をつけてスキルアップすることが求められる

Javaの将来性と需要状況

現状、Javaを採用しているシステム開発の需要は安定しています。求人数や案件数についてもJavaが最も多い状態です。今後もこの状況が続くと考えられるため、Javaについては安定した需要があり将来性があると言えます。

また、Javaはシステム開発では長く用いられている言語であり、多くの既存システムがJavaで作られているため、保守・運用の需要も安定しています。

サーバーサイドでの需要が高い

Javaは堅牢で正確性が高く、処理速度も速いという特性を持っており、Webなどのシステムにおいてユーザーの見えないところで動作しているサーバーサイド(バックエンド)の処理に適しています。このため、Javaはサーバーサイド処理の構築でよく採用される言語です。

サーバーサイドにおいては、Javaは中規模の企業から大企業にいたるまで高い需要があり、Javaエンジニアが活躍できる場は数多くあります。サーバーサイドのアプリケーションはJavaサーブレットを基本に開発されており、Spring FrameworkやPlay Framework、JSF(JavaServer Faces)などのフレームワークが充実していることも需要が高まる要因です。

関連記事:Pythonエンジニアの将来性は?JavaやRubyとの需要も比較

拡大が続いているスマホアプリ市場での人気が高い

スマートフォンのOSはAndroidとiOSが大半を占めていますが、iOSの需要が高いのは日本のみで、世界的規模ではAndroidの需要が過半数を占めています。Androidアプリの開発にはJavaが最も多く使用されており、Androidアプリを開発できるJavaエンジニアの需要は高いです。

また、Androidアプリ開発で注目を集める言語にKotlinがあります。KotlinはJavaの動作環境上で動作し相互運用性があることも、Javaの言語としての寿命を伸ばし将来性を高めるものです。

関連記事:Kotlinとは?Javaとの違いや年収、学習方法について解説

Javaの将来性が高いと考えられる理由

javaの将来性が高い理由


Javaの需要の高さについて、その理由を説明してきましたが、今後の需要はどのように変動していくのでしょうか。本項では、Javaの将来性について肯定的な意見を紹介します。

世界中で広く使われている言語であり、歴史も長い

Javaは歴史の長い言語であり、これまで世界中で多くの開発に使われてきた実績があります。Javaの開発元であるOracle社によると、Javaは世界中で510億以上稼働しており、開発者は数百万人と広く利用されています。あらゆるプログラミング言語の中で、最も標準的な言語であるとも言われており、現在でも新規開発にJavaを採用するケースは多くあります。たとえ新規開発が減ったとしても既存システムの保守開発が発生するため、そう簡単にほかの言語に置き換えられることは考えにくいでしょう。

大規模開発に向いている

Javaはオブジェクト指向型で大規模な開発案件に適したプログラミング言語です。大人数で開発する際にも、部品を組み立てるようにシステムを構築していくことができます。また、Javaは堅牢な言語であるため、金融機関の大規模システムなど高い品質が求められる開発でも用いられています。

大規模システムほど、リリース後の利用期間も長くなる傾向があります。Java以上に大規模開発に適した言語が登場しない限り、Javaで開発した大規模システムには引き続きJavaが用いられるでしょう。

ほかのプログラミング言語を習得する際に応用がきく

Javaは代表的なオブジェクト指向型言語であり、IT企業の新人エンジニア研修でも多く使われています。Javaが持つ概念や機能は、ほかのプログラミング言語でも応用できるため新人が習得すべき基本言語として多くの企業が取り入れているのです。

Javaで身につけたオブジェクト指向は、C#やPHP、Rubyなどのそのほかのオブジェクト指向の言語を習得する際にも役立ちます。他言語との親和性の高さからも、まだまだJavaの需要は高い状態が続くと考えられます。

大手企業や官公庁が好む安定した既存技術である

大企業や官公庁などの大きな組織では、システム開発に使用する技術として安定した既存技術が好まれます。大きな組織ではシステムの規模も巨大になり、万一システム障害が発生した場合の影響は非常に大きくなるため、動作実績が多く、障害が避けやすく、技術者も確保しやすい言語が適しているためです。

Javaは1995年に公開されてから現在まで、多くの企業のシステム開発に採用されてきた実績があります。また、Javaには「処理速度が速く、セキュリティ性能も高い」「オブジェクト指向言語のため大規模開発に向いている」という特徴を持っています。そのため安全性が求められる大企業や官公庁、金融機関のシステムに多く用いられています。

すでにJavaで組まれたシステムの保守案件がある

多くの既存システムがJavaで組まれています。そのためこれらのシステムの保守案件はJavaの案件として継続的に発生します。

将来的には、Javaの新規案件が減っていく可能性もあります。しかし、多くの大企業や金融機関などでJavaで作られたシステムが現在も稼働しています。したがって、もし新規案件が減少したとしても、今後も保守案件は継続して発生すると言えます。

Javaの将来性を危惧する意見

Javaの将来性については、否定的な意見もあります。ここでは、将来性を危惧する意見について解説します。

求人案件数は多いが、収入面は高くない

Javaの求人案件はあらゆるプログラミング言語を上回り、トップの求人数を誇ります。レバテックキャリアにて2023年6月22日時点で公開中の求人・転職情報を参照すると、Javaは6,525件の求人があり、言語別で最大の求人数でした。

しかし、エンジニアの数が多い分、年収はほかの言語と比較すると高いとはいえない部分があります。Javaを扱えるエンジニアが多い分、市場価値が上がりにくいためです。

関連記事:
Javaエンジニアが転職するときの4つのポイント - 求人例も紹介
未経験からJavaエンジニアに転職・就職する方法

他言語が伸びてきており「時代遅れ」と思われることがある

Javaは多くの開発に使われてきた実績のある言語ですが、近年はほかの言語に徐々にシェアを奪われつつあります。特にオブジェクト指向型言語であるScalaは、コーディング量がJavaの半分で済み、安全性も高いといった特徴から、Javaの代替言語として注目されています。Javaとの相互運用性も高いため、今後もJavaエンジニアとして活躍するのならScalaの習得は必須であるといった意見もあります。

Javaエンジニアとして今後も活躍し続けるためには

Javaエンジニアとして今後も活躍し続けるために、必要なこと、取り組むべきことを紹介していきます。

アプリケーション開発をはじめさまざまな案件に挑戦する

Javaはさまざまな開発に使用されてきた汎用性の高い言語です。そのため、Javaエンジニアとして活躍の場を広げるには、さまざまな案件に挑戦することが重要です。多様な開発経験を積み重ねることで、Javaエンジニアとして対応できる幅も広がります。

業務系アプリケーションでも大規模から中小規模、Webサービス系、Androidアプリ、IoTを含む組み込み系アプリなど、Javaを利用した開発は複数種類が存在します。それぞれの現場で特徴があり、新たな知見を得ることができるため、成長できる機会となります。

関連記事:C#エンジニアの将来性が高い8つの理由!Javaとの比較や平均年収も解説

上流工程での業務スキルを身に着ける

システムやアプリケーションの開発において、要件定義や基本設計などの上流工程のスキルを持つことも活躍の幅を広げることに繋がります。上流工程では顧客の要望を吸い上げるヒアリング能力、システムの概要を設計するスキル、顧客の業務に対する知識などが必要なため、積極的に参加できるよう働きかけましょう。

上流工程のスキルは利用するプログラミング言語に関わらず、エンジニアにとっては普遍的に活用できるスキルです。Java以外の言語のプロジェクトに参加する際にも役立ちます。

プロジェクトマネージャーとしての経験を積む

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトのメンバーを動かすことで開発を進めていく役割です。プロジェクトマネージャーはエンジニアの仕事を把握する必要があるので、Javaエンジニアとしての経験が役に立ちます。また、プロジェクトマネージャーの経験を積むことでJavaエンジニアとしての成長にも繋がります。

ただし、開発担当のエンジニアに突然プロジェクトマネージャ―が任せられるわけではありません。プロジェクトに従事するあいだに、チーム単位などのマネジメント業務などに積極的に参加し、スキルを身に着けることがステップとなります。

フレームワークに関するスキルを身につける

フレームワークとはシステムやソフトウェアの骨組みとなる部分を提供する枠組みのことです。システム開発の土台となるソフトウェア部品と捉えることもできます。Javaのフレームワークとしては「Spring」や「JSF」などが広く知られています。

フレームワークを利用するメリットの一つは、作業が効率化できることです。すぐに使えるテンプレートや部品として再利用できるクラスライブラリが用意されているため、コーディングの手間が省けます。また、フレームワークを利用することで自然にコードの統一性を保つことができ、品質の向上が期待できます。

資格を取得する

Javaに関する資格を取得することで、Javaエンジニアとしてのスキルを客観的に示すことができます。また、将来的なキャリア目標としてプロジェクトマネージャーを目指すのであれば、マネジメントについての資格を取得しておくのも有効です。これらの資格があれば転職時にも有利です。

関連記事:Java資格の最新一覧と各試験の難易度やおすすめの書籍を紹介

Oracle認定Javaプログラマー

Oracle認定Javaプログラマーは、2023年6月22日時点でJava開発元であるOracle社が運営しているJavaの認定資格試験です。この認定試験は「Bronze」、「Silver」、「Gold」の3つに分かれていますが、Javaエンジニアとしてのスキル向上を目指すのであれば、中上級者向けの資格である「Gold SE 11 認定資格」の取得を目標にするのが良いでしょう。

Javaプログラミング能力認定試験

Javaプログラミング能力認定試験は、サーティファイ情報処理能力認定委員会が運営しているJava認定資格です。受験者数が6万人を超えている資格で、Oracle認定Javaプログラマーに次いで認知度が高い資格です。受験資格に制限がなく気軽に受験できます。転職時にも有効ですので、おすすめの資格です。

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している情報処理技術者の国家資格です。将来のキャリア目標としてプロジェクトマネージャーを目指している方はこの資格の取得にチャレンジするのもよいでしょう。また、エンジニアとしてのキャリアアップを図る上で、マネジメントに関するスキルや資格は役立ちます。興味のある方は資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。

Javaエンジニアの平均年収

レバテックキャリアにて、2023年6月22日時点で公開中の転職・求人情報よりプログラミング言語「Java」の30件を抽出し平均を取ることにより、Javaエンジニアの平均年収を想定しました。30件の年収の最大値と最小値の中間値の平均は約562万円と算出されます。ほかの言語と比較しても、平均的な数値です。

Javaの転職・求人情報は調査時点で6,525件もあり言語別では最多です。このため、年収が高い案件も低い案件も存在しています。複数の言語を扱う案件や、プロジェクトマネジメントスキルが求められる案件、上流工程から携わる案件は必要とするスキルが高いため高年収につながる傾向が見られます。

Javaの転職・求人情報>

他言語との平均年収比較

Javaと多言語の平均年収を比較します。以下の平均年収は2023年6月時点でレバテックキャリアに掲載されている求人から30件づつランダムにピックアップし平均を算出したデータになります。また平均年収は年代別に紹介します。

言語 下限平均 上限平均
Java 375万円 712万円
Python 408万円 630万円
C 390万円 680万円
COBOL 413万円 620万円
JavaScript 385万円 590万円
Swift 402万円 480万円
PHP 380万円 579万円
Ruby 398万円 602万円

多くのプロジェクトで使用されているプログラミング言語を抜粋しました。言語を比較すると、差はあるものの大幅ではありません。またある年代では平均年収が高かった言語が、別の年代では平均年収が低いといったこともあります。結果的に、多言語と比較してJavaの平均年収は低いとも高いとも言えない印象です。

Javaエンジニアのキャリアパス例

Javaエンジニアのキャリアパスとして、以下が挙げられます。


・スペシャリストになる

・PLやPMにキャリアアップする

・他言語を習得しキャリアチェンジする

・フリーランスとして独立する

スペシャリストになる

Java案件をこなしながら自分でも学習していくことで、Javaのスペシャリストを目指すキャリアパスもあります。キャリアパスというよりは、今のままさらにスキルに磨きをかけていくイメージです。IT業界では上流工程を目指すべきという考え方がありますが、下流工程のスペシャリストとして高収入を得ている人も多いです。

PLやPMにキャリアアップする

PLやPMはマネジメント職種です。PLは自身でも手を動かしながらマネジメントも行いますが、PMはマネジメントに特化しています。Javaのスキルを活かしつつマネジメントスキルを身に付け、PLやPMにキャリアアップするケースは多いです。マネジメント職種は収入が上がりやすい傾向があります。

他言語を習得しキャリアチェンジする

Java以外の言語スキルを身に付けることで、別言語の案件に参画できます。キャリアチェンジという形で別言語に特化する選択肢もありますが、Javaの案件に参画したり別言語の案件に参画したりといったことも可能です。いろいろな言語が扱えると、開発でもマネジメントでも役立ちます。

キャリアチェンジ例に応じた習得すべき言語

どのような開発にキャリアチェンジするかによって、習得すべき言語が変わってきます。具体的には、以下のようになります。

【フロントエンド開発】
HTML、CSS、JavaScript

【サーバーサイド開発】
PHP、Ruby

【AI開発】
Python

【スマホアプリ開発】
Kotlin、Swift、Java

関連記事:KotlinとJavaの違いとは?特徴やメリット・デメリットを比較

キャリアチェンジするメリットとデメリット

キャリアチェンジにはメリットとデメリットがあります。それぞれ紹介します。

【キャリアチェンジのメリット】
・スキル、知識の幅が広がる
・自身の市場価値、年収がアップする可能性がある
・モチベーションアップにつながる場合がある

【キャリアチェンジのデメリット】
・勉強する必要がある
・年収が下がる可能性もある
・大変に感じることもある

以上のように、キャリアチェンジにはメリットもデメリットもあります。重要なのは、メリットのあるキャリアチェンジをすることです。単にキャリアを変えるだけではあまり意味がないので、キャリアアップになるように動いていくのがおすすめです。

フリーランスとして独立する

Javaエンジニアを含むエンジニアは、フリーランスとして独立しやすい職業です。将来的に独立するためにエンジニアになる人も多いでしょう。フリーランスになれば、フルリモートワークなども可能です。またスキルアップに応じて年収が上がりやすいです。ただし案件や稼働時間などを自分で決めて自分で管理しなければならない大変さなどもあるので、その点はあらかじめ知っておいてください。

そもそもJavaとは

そもそもJavaとはどのような言語なのでしょうか。Javaの将来性を考えるうえで必要な基礎情報を解説します。

Javaの概要

Javaは世界中で広く使用されているプログラミング言語です。サンマイクロシステムズが開発して1996年にリリースし、その後、Oracle社が開発元となっています。

「Google三大言語」のひとつとして、Google社のシステム開発にも採用されています。非常に幅広い分野の開発に使用できるのが特徴で、WebアプリやWebサービス、デスクトップ向けアプリ、スマホアプリ、組み込み系にも用いられています。近年では、IoTの分野の開発でもJavaの注目度が高まってきています。

大きな特徴として、オブジェクト指向を採用したコンパイラ言語であることがあげられます。オブジェクト指向言語として早い段階で登場し、C言語に替わる言語として人気を高めてきました。

また、インタプリタとコンパイラ言語の両方のメリットを兼ね備えており、マルチプラットフォームにも対応しています。オブジェクト指向のモジュール分割がしやすいメリットと合わせて、プラットフォームを超えたモジュールの再利用性が高いことも普及の大きな要因です。

関連記事:Javaとは何?【初心者にも分かる基本と特徴を解説】

Javaを使ってできること

Javaはさまざまな分野の開発で利用できます。Javaでどのような開発ができるのか見ていきましょう。

AndroidやWebアプリの開発

Javaはスマートフォンアプリの開発で高い需要があります。スマートフォンのOSとしてはiOSとAndroidがありますが、世界全体ではAndroidのほうがシェアが大きいと言われています。Javaは特にAndroidでのアプリ開発のシェアが高くなっています。したがってJavaはAndroidアプリ開発における需要が高いと言えます。

JavaはWebアプリのサーバサイドでの需要も高いです。サーバサイドの開発ではJavaサーブレットを基盤としてWebサービスを構築していることが多いため、小規模のシステムから大規模開発まであらゆるサーバサイドの開発現場で、Javaのエンジニアは需要が高いと言えるでしょう。

組み込みシステムや金融機関の基幹システムの開発

Javaは元々組込みシステム用の言語として開発されました。組込みシステムとは、家電などの機器に組み込まれるソフトウェアのことです。JavaはOSやハードウェアに依存しないという特徴があるので、Javaを採用することで製品のメンテナンス性が向上します。Javaの組込みシステムが搭載されている例としてはスマートフォンやBlu-rayプレーヤーなどがあります。

Javaはその安定性とセキュリティ性能の高さから、金融機関などの大企業の基幹システムの開発に用いられています。Javaはオブジェクト指向言語であり、部品を組み立てるように開発を進めることができるという特徴があります。そのため、大人数での大規模開発に向いています。

ほかの言語との違い

Javaとほかの人気のある言語の違いについて紹介します。

Pythonとの違い

JavaとPythonの大きな違いは、Javaがコンパイラ言語(コンパイラ・インタプリタ言語)であるのに対しPythonはスクリプト言語であるということです。

コンパイラ言語はプログラムの実行前にコードを評価し、実行形式への変換を行います。この時点でプログラムに誤りがある場合は、コンパイルエラーとなり実行形式が作成できません。また、実行形式への変換により機械語に近い記述に変換されるため実行速度を高める効果があります。

一方のスクリプト言語は、プログラムの実行時に初めてコードを評価します。プログラムにエラーがある場合には、エラーの前までを実行して、その後エラーが発生する順序です。データの型などにも柔軟なため、必要とされるスキルはコンパイラ言語より低いとされています。さらに実行時に機械語への翻訳を行うため、処理速度もコンパイラ言語に劣ります。

C言語との違い

JavaとC言語の大きな違いはプログラミングパラダイムにあり、Javaはオブジェクト指向言語、C言語は手続き型(命令型)言語です。

プログラミングパラダイムとは、プログラムに対しての考え方で、オブジェクト指向言語ではモノを中心としてプログラムを作成します。一方の手続き型言語では、必要な手続きを並べていくという考え方でプログラムを作成します。

オブジェクト指向はモノを中心にプログラムを作るため、モノごとの部品ができあがり、再利用性が高い特徴を持ちます。オブジェクト指向が後発のプログラミングパラダイムで、今日のプログラミング言語では主流となっています。

PHPとの違い

JavaとPHPの違いは、コンパイラ言語とスクリプト言語の違いと、主な用途にあります。

Javaはコンパイラ言語、PHPはスクリプト言語で、その違いはPythonとの違いで記載したとおりです。

JavaとPHPは用途の面で大きく違いがあります。Javaは汎用的な言語で、業務アプリケーションやWebアプリケーション、スマホアプリなど様々な形態のソフトウェアを開発することが可能です。一方のPHPはWebアプリケーションに特化しており、事実上Webアプリケーション専用の言語です。このため、Javaのほうが利用シーンが広いといえます。

Javaを使うメリットとデメリット

Javaを開発言語とする場合のメリット・デメリットについて紹介します。

Javaを使うことのメリット

Javaは環境に依存しない汎用性の高い言語であり、Windows、Mac OS、iOS、LinuxなどあらゆるOS上で動作させることができます。コンパイラ言語であるため処理速度も速く、プログラムの動作も軽快です。また、オブジェクト指向の言語であるためプログラムの管理性に優れており、複数人での開発も効率よく進めることができます。

Javaを使うことのデメリット

Javaはトップクラスの人気を誇る言語ですが、習得の難易度が高いため、挫折しやすい言語であると言われています。理由として、多様な分野の開発に使用されている分、学ばなければならない技術体系が幅広いということがあげられます。また、開発環境の構築やプログラムを実行するためのコンパイルなど、コードを書く以外の作業に手間がかかる点もデメリットです。

Javaに関するよくある質問

Javaに関するよくある質問と回答を紹介します。

Javaが人気の理由を教えてください

Javaが人気の理由は複数ありますが、特にセキュリティが高いという点で長年使用され続けています。最近主流の言語に比べて人が実装しなければならない部分も多く、逆に言えば推測しにくいような設計にすることも可能です。オブジェクト指向の機能を活用して外部からハッキングしにくいコードを作っていくイメージです。

Javaの弱みは何ですか?

Javaはオブジェクト指向を理解しなければ使いこなせず、また小規模システムには適していません。オブジェクト指向は他の言語にも使えるので理解した方が良いですが、小規模システムに適さない点は明らかに弱みになるかもしれません。小規模システム開発では別の言語を使った方が良いです。

将来性が低いプログラミング言語はありますか?

用途が限られているような言語や、読みにくい言語は将来性が低い傾向にあります。具体的には、Perl、Ruby、Objective-C、Rなどが挙げられます。

まとめ

この記事ではJavaの需要状況や将来性に対するさまざまな意見を解説してきました。OS環境に左右されず動くJavaは汎用性能が高く、大規模開発にも広く利用されています。Javaを主力言語として採用している企業も非常に多いのが現状です。

他言語が伸びてきているなど、将来性を危惧する声はあるものの、今後数年のうちにJavaエンジニアの求人がなくなることは考えにくいでしょう。オブジェクト指向を身につけるには最適の言語ですので、Javaを学ぶメリットは大いにあります。

また、他言語への応用がきく言語であるため、スキルの幅を広げる上でもJavaは身につけておいて損のない言語といえるでしょう。

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