システムエンジニア(SE)のやりがい10選!大変なことも解説

最終更新日:2024年7月18日

近年、日本国内のIT人材不足は顕著な傾向になっています。ITの活用の高まりと人口構造による問題がIT人材不足の要因であるため、IT人材不足の終息は予測されていません。ますますシステムエンジニアの需要は高まると考えられているため、システムエンジニアは将来性のある有望なキャリアの選択肢といえるでしょう。

その一方で、システムエンジニアの具体的な仕事内容ややりがい、適性などが不透明で転職に迷うケースもあるでしょう。「仕事が大変、忙しい」といったネガティブなイメージがあるかもしれません。

この記事では、システムエンジニアへの転職を検討している方に向けて、システムエンジニアの具体的な仕事内容、やりがい、適性について解説します。キャリア検討の参考にしていただければ幸いです。

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この記事のまとめ

  • システムエンジニアのやりがい・魅力には、モノづくりの楽しさや自分の成長を実感できることなどがある
  • 一方で「納期に追われる」「残業や休日出勤が発生しやすい」など、ネガティブな面もある
  • システムエンジニアにはコミュニケーションスキルや論理的思考力、好奇心、ITに興味があることなどが求められる

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システムエンジニア(SE)とは

システムエンジニアとは、システム開発プロジェクトに従事するITエンジニアの総称です。ここでは、システムエンジニアの仕事内容や需要などについて解説します。

システムエンジニア(SE)の仕事内容

SEの仕事内容


システムエンジニアの主な仕事内容は、ITシステムやインフラの設計、開発、運用保守です。一般社団法人情報サービス産業協会(JISA)の「2021 年版 情報サービス産業 基本統計調査」によると、情報サービス業の売上高のうち約45%がSIサービスでした。SIサービス領域では、IT技術により顧客の課題を解決したり、顧客に利益をもたらすことが求められます。

その他にもソフトウェア開発・販売、サービス・プロダクトの開発・運営等を行うエンジニアもシステムエンジニアに含まれます。

要望を「聞き」、システムを「考える」のがメインの仕事

要望を「聞き」、システムを「考える」ことがシステムエンジニアのメインの仕事といえます。SIerの場合、顧客の課題を聞き出すことから仕事が始まります。課題は表面化していないことも多く、しっかりと顧客の声に耳を傾け、要望の中から本当に利益につながる施策を提案します。

ITシステムは、ハードウェアやソフトウェア、プログラムの集合体です。システムエンジニアは、実際にプログラムそのものを作るわけではありません。その前段階として、どの様なプログラムが必要かを考え、それに合わせた設計を行うことが主な業務範囲です。

上流工程と下流工程の仕事内容の違い

システム開発プロジェクトには、複数の開発モデルが存在します。その中で最も浸透しているのが、ウォーターフォール型の開発モデルです。ウォーターフォール型モデルでは、作業工程は大まかに「要件定義」「設計」「開発」「テスト」に分けられます。先頭から順に工程を実施し、前の行程が終わると次の工程に移ります。水が流れ落ちるように、工程が進んだら前には戻らないためウォーターフォール(滝)になぞらえています。

この工程のうち「要件定義」「設計」を上流工程、「開発」「テスト」を下流工程と呼びます。上流工程では、システム作成対象は顧客の要望という曖昧な状態です。それを下流工程に進むにつれ、細かく分けて明確化していきます。

ウォーターフォール型は、上流工程での決定が下流工程に影響する構造です。誤りがあった場合の影響も、上流工程の方が大きくなります。どの工程も重要ですが、上流工程には経験がありスキルの高いエンジニアが配置されます。

システムエンジニア含むIT人材の需要

システムエンジニア含むIT人材は、人材不足の状態が今後も続くと予測されています。2023年2月に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発表した「DX白書2023」によると、DXを推進する人材が大幅に不足していると回答した企業は、2021年の30.6%から2022年は49.6%と増加しています。このように現在は、多くの企業でシステムエンジニア含むIT人材が不足しています。

また経済産業省の「IT人材育成の状況等について」では、2030年までにIT人材が最大79万人不足すると発表しています。

関連記事:SEの将来性と市場需要|経済産業省のデータをもとに考察

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システムエンジニア(SE)のやりがい・魅力10選

SEのやりがい


システムエンジニアのやりがいは、モノづくりの楽しさや自分の成長を実感できることなどがあります。また、開発プロジェクトの規模が大きいほど、プロジェクト完了時の達成感や感動も大きくなります。この達成感や感動も、システムエンジニアのやりがいに繋がるでしょう。

ここでは、このようなシステムエンジニアのやりがい・魅力について解説します。

関連記事:SE(システムエンジニア)になるには?独学の方法や資格を解説

1.モノづくりの楽しさを実感できる

システムエンジニアの主な業務内容は、システムの設計・開発・運用保守です。この業務は、デジタル上におけるモノづくりといえます。システム、ソフトウェア、アプリケーション、プログラムというモノを作り上げる仕事に、楽しさを感じるシステムエンジニアも多くいます。プロジェクトの規模が大きいほど、達成感や感動も大きくなるでしょう。

また、システム開発の要件はプロジェクト毎に異なり、設計もその都度変わります。これは「仕事が同じことの繰り返しでつまらない」という問題が起こりにくい環境です。

関連記事:独学による勉強でSE(システムエンジニア)を目指す方法

2.比較的高収入である

厚生労働省の発表した「令和3年版賃金構造基本統計調査」によると、全職種の平均年収が489.3万円であることに対し、システムエンジニアの平均年収は530.7万円と比較的高い傾向です。
※職種「システムコンサルタント・設計者、ソフトウェア作成者、その他の情報処理・通信技術者」についての平均年収を、システムエンジニア平均年収としています。

システムエンジニアは、特定の資格が必須な職種ではありません。システムエンジニアになるためのハードルも、決して高くはない点も魅力です。システムエンジニアとして活躍するには、専門的なスキルが必要となります。しかしIT人材の不足の影響で、未経験者にも門戸は開かれています。

以下の記事では、未経験からシステムエンジニアに転職するための方法やコツを紹介しています。システムエンジニアへの転職をお考えの方は、こちらも参照してみてください。

関連記事:
SEに就職するには|企業の種類や、未経験から目指す方法とは
未経験でSEに転職はきつい?勉強方法や適性、実際の働き方を解説

3.専門的な技術や汎用性の高いスキルが身につく

システムエンジニアは、業務上で各種のプログラムやサーバー、データベースなどのミドルウェア、その他の様々なツール等を扱います。そのため、専門的な技術を身につけていくことが可能です。

IT業界は進化のスピードが早く、新たな技術への対応が常に求められます。現場で常に最新の技術・情報に触れ、技術的スキルを身につけることで、市場価値の高い人材であり続けることができます。

また、社会人として汎用性の高いスキルも身につけられます。例えばWordやExcelなどのアプリケーションソフトのスキルや、ビジネスマナー、メールの書き方、クライアントとのコミュニケーション能力などです。このような汎用性のあるスキルを身につけられることも、システムエンジニアの仕事の魅力になります。

以下の記事では、システムエンジニアから転職する際の業界・職種について解説しています。システムエンジニアの汎用性の高さがわかる内容となっていますので、あわせて参照してみてください。

関連記事:SE(システムエンジニア)の転職先を業界・職種で徹底解説

4.成長を実感できる

システムエンジニアの仕事は、プロジェクト単位で大きく区切られます。プロジェクトの規模はケースバイケースで、期間も数ヶ月から数年単位まで幅広くあります。

これらのプロジェクトをやり遂げたとき、プロジェクトでの評価や自分の成長を確認できます。自分の成長が実感できることは、システムエンジニアの大きなやりがいとなります。

また、システムエンジニアは成長によって複数のキャリアパスの道が広がります。以下の記事ではキャリアプランの具体例もあわせて紹介しています。ぜひ御覧ください。

関連記事:SEのキャリアパスとは?キャリアプランの具体例を詳しく解説

5.プロジェクト完了時に達成感がある

システム開発プロジェクトの規模は、プロジェクトによって異なります。ほとんどの場合は、チームを組んでシステム開発を行います。プロジェクトチームでは、計画的に作業を分担することで目的達成を目指します。

チームの力をを集結させて、大きな成果を実現するプロセスは得難い経験です。プロジェクトが完了する際には、大きな達成感を得ることができるでしょう。これは、システムエンジニアならではのやりがいといえます。

6.IT関係をはじめさまざまな業界に関われる

ITシステムを活用していない業界は、ほとんどありません。SIer(システムインテグレーター)に所属するシステムエンジニアは、幅広い業界のシステム開発に業務上で関わります。

業務上で携わるクライアントに関しても、中小企業の小規模な社内システムを開発することもあれば、大企業の大規模なネットワークシステムの開発に携わることもあります。さまざまな規模のシステム開発に携われることもシステムエンジニアの魅力です。

7.将来的にニーズが高まることが予想される

システムエンジニアは、IT人材の不足による影響で将来的にニーズが高いことも魅力のひとつです。上述したように、経済産業省が2019年に発表した「IT人材需給に関する調査 調査報告書」によると2030年までに最大で79万人のIT人材が不足すると予測されています。

IT人材不足の根本には、IT人材には長期的な教育が必要であることや、日本の労働人口の減少があるため、すぐに解決される問題ではありません。今後もIT人材の不足は続くことから、システムエンジニアのニーズの高まりも予測されます。そのため、システムエンジニアは将来性が高い職種といえます。システムエンジニアを目指す方にとっても、このような点は非常に魅力となるのではないでしょうか。

8.コミュニケーション能力やチームで働くスキルが磨かれる

コミュニケーション能力やチームで働くスキルが磨かれることも、システムエンジニアのやりがいや魅力といえます。

システムエンジニアは、業務上でクライアントやプロジェクトメンバーなど多くの人々と関わります。クライアントとのヒアリングでは、課題や要望を引き出すことが重要になります。他にも、プロジェクトメンバーとの打ち合わせや会議も多くあります。このような経験を積み重ねることで、コミュニケーション能力が磨かれます。

また、プロジェクトチームでシステム開発をすることで、メンバー間で協力して働くスキルも向上します。プロジェクトの成功を目指して、さまざまなメンバーと仕事ができる楽しさはやりがいや魅力につながります。

関連記事:SEからプロジェクトマネージャーを目指す方法

9.顧客と長く付き合えたり感謝されたりすることもある

システムエンジニアは業務上顧客と多くのコミュニケーションをとります。長期間に渡るシステム開発プロジェクトを通じて、顧客との付き合いが長くなり、さまざまなトラブルも一緒に解決していくようになります。

業務がうまくいけば感謝されることもあるため、こうした顧客とのコミュニケーションを通してやりがいを感じることも少なくありません。

10.仕事が社会貢献になる

今では多くの業界でシステムが稼働しており、社会インフラを支えています。例えば銀行や証券などの金融業界、鉄道や道路などの交通もすべて裏ではシステムで繋がっています。これらシステムの開発に携わることは、大きな社会貢献につながるのです。

「自分が携わったシステムが多くの人の役に立っている」という点が、システムエンジニアの仕事の大きな魅力です。

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システムエンジニア(SE)で大変・苦労することとは

SEが苦労すること


システムエンジニアの仕事では、大変と感じてしまうこともあるでしょう。ここでは、システムエンジニアで大変なことについて解説します。

納期に追われることがある

システムエンジニアの仕事は、クライアントから依頼されるプロジェクトであり、納期が設定されています。この納期の実現のため、スケジュールも細かく定められます。システム開発プロジェクトは、常に順調に進むとは限りません。想定外の問題が発生したり、クライアントからの要望が頻繁に変わるなど、予定通りに進まないことが多くあります。

しかし、納期は基本的に変更することはできません。そのため、システムエンジニアは納期に追われることが多くなります。また納期直前にさまざまな業務が重なり、大きな負担を感じることもあるでしょう。

予定通り進まず残業や休日出勤が発生することがある

プロジェクトが予定通りに進まない場合、納期に間に合わせるために残業や休日出勤が発生することもあります。

また既存システムのサポート業務では、深夜や休日に不具合が発生したら、勤務時間外でも出勤して対応が求められることもあります。残業や休日出勤は常に発生するわけではありませんが、突発的な勤務時間外の業務を強いられることは、システムエンジニアにとって苦労するポイントといえます。

稼働中のシステムの改修プロジェクトなどでは、営業時間内にシステムの入れ替えができず、長期の休みなど一定期間のシステム停止にあわせてリリース・移行作業をするケースもあります。この場合、年末年始やお盆などに出勤することもありえます。

チームの動き方を意識する必要がある

システムエンジニアの仕事は、業務分担をしながらチームで進めていきます。そのため自分自身の動きだけでなく、チーム全体の動き方を意識しなければなりません。予定通り進んでいないチームやメンバーがいる場合は、積極的に助けるなど協調性が必要です。

クライアントとのコミュニケーションを取る必要がある

システムエンジニアには、クライアントとの綿密なコミュニケーションが求められることがあります。クライアントはITの知識が少ないことも多く、専門的な技術や用語を、かみ砕いて丁寧に説明するスキルも欠かせません。相手に合わせて会話をすることが苦手な方にとっては、コミュニケーションで苦労するかもしれません。

最新技術を常に学んでおく必要がある

システムエンジニアは、日々進歩しているIT技術に対応するために、最新技術を常に学んでおく必要があります。IT技術以外にも、電気や機械、数学などを学ぶ必要もあるでしょう。

またクライアントのビジネス分野について、業界知識や慣習などを学ぶ必要も出てきます。これらの学習時間や労力が苦となる方もいるでしょう。

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システムエンジニア(SE)の仕事に対する否定的な意見

システムエンジニアの仕事は、やりがいがあるという一方で、否定的な意見もあります。ここでは、システムエンジニアの仕事に対する否定的な意見を紹介します。

上流工程の開発にのみ関わるため自分が作った実感を得にくい

システム開発プロジェクトは大まかに要件定義、設計、開発、テストという工程を経てシステムを作り上げます。システムエンジニアの担当工程は明確に定まっているわけではなく、所属企業やプロジェクトによっても変わります。一般的には、要件定義や設計工程などの上流工程を担当して、以降の工程では管理業務にまわることが多いです。すなわち、設計書を作成することが主な業務内容といえます。

システム開発プロジェクトでは、プログラミングはプログラマーが担当することが多く、システムエンジニアはプログラミングをほとんどしないことが多々あります。このため「モノづくりの楽しさを実感できる」という声がある一方で、「自分で作った実感がない」という意見もあります。

ユーザーからのフィードバックを受け取りにくい

SIerやSESのシステムエンジニアにとって、クライアントは企業の情報システム部門の担当者であるケースが多いでしょう。つまり、コミュニケーションを取れるのが、クライアントのシステム担当者までということになります。そのため、システムを利用するエンドユーザーの声を、聞く機会は少なくなりがちです。

努力してシステム開発をしても、エンドユーザーの率直な感想や感謝の声を把握しづらく、仕事の成果が実感しがたいと感じる方もいます。

Web系企業のエンジニアに転職するという選択肢も

Web系企業のシステムエンジニアで、一般ユーザー向けWebサイトやWebサービスの開発・運用保守業務に携わる場合は、WebサイトやWebサービスの利用者がクライアントになります。この場合は、利用者の生の声を聞くことができ、感謝の言葉や率直な改善意見に触れることが可能です。ユーザーからのフィードバックにやりがいを感じる方は、Web系企業のエンジニアに転職するという選択肢をおすすめします。

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システムエンジニア(SE)に求められること

ここまではシステムエンジニアのやりがいや魅力、大変なこと、否定的な意見などを紹介しました。システムエンジニアには、どのような適正が求められるでしょうか。ここでは、システムエンジニアに求められることを解説します。

関連記事:【SEへの転職を目指す人向け】自己PR作成のポイントを徹底解説|未経験者向け情報も

コミュニケーションスキルがある

システムエンジニアの重要な業務のひとつは、クライアントが求めているシステムの要件について正確に聞き出し、その実現方法を分かりやすく説明することです。そのためには、高いコミュニケーションスキルが求められます。

また、システムエンジニアはチームで活動するため、プロジェクトメンバーと円滑にコミュニケーションを取ることも要求されます。さまざまな関係者と適切にコミュニケーションできるスキルは、システムエンジニアにとって重要なスキルといえるでしょう。

論理的思考力(ロジカルシンキング)がある

システムエンジニアの主な業務は、システムの設計を行うことです。システムの構造を把握し、最も効率の良い実行案を生み出すためには論理的な思考力が必要です。

コンピュータがあり、ネットワークに接続しており、それを通してユーザの入力データが渡される。コンピュータ側ではそれを受け取り、データベースに格納またはデータの抽出をする。もっと細かくも分割できるのですが、これらの一連の流れを曖昧性なく順序だてて組み立てる能力がロジカルシンキングです。

変化に柔軟に対応できる姿勢がある

IT技術は進化のスピードが非常に速く、日々新しいプログラミング言語や開発プラットフォームなどが開発されています。システムエンジニアとして長く活躍するためには、常に最新の情報をチェックして学ぶことが重要です。すなわち、システムエンジニアには変化に柔軟に対応できる姿勢が求められます。

好奇心が旺盛である

システムエンジニアは、あらゆる業種のクライアントと関わることになります。自分が知らなかった知識や人・業界に対して、好奇心旺盛に対応できる人であれば、クライアントともスムーズに会話を進めることができるでしょう。

ITに興味がある

ITに興味があることは、システムエンジニアにとって最大の適性といえるでしょう。コンピュータやシステムに関する技術や知識は、毎日のように進化を続けています。これらの情報をキャッチアップして仕事に活かすためには、ITに興味があることが必須です。理系文系に関係なく、ITに興味がある方はシステムエンジニアの仕事に向いているでしょう。

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システムエンジニア(SE)の目指し方

システムエンジニアはIT未経験からでもなれますが、なにもスキルがない状態ですぐになれるものではありません。システムエンジニアとして業務を行うためには、ある程度のスキルを身につけておく必要があります。

ここでは、システムエンジニアの目指し方として、身につけるべき必要なスキルと、システムエンジニアへの転職の仕方について解説します。

システムエンジニアに必要なスキルを身に付ける

システムエンジニアになるには、ITの基礎となる多くのスキルを身につけることから始まります。代表的なものとして、以下が挙げられます。

  • ・プログラミング言語の理解

    ・システムの設計方法

    ・データベースの構築、ネットワークの知識など、ITインフラの基本知識

また、技術の進化は速いため、常に新しい知識を吸収し、スキルをアップデートしていく姿勢も必要です。

以下の記事では、システムエンジニアに必要なスキルについて詳しく解説しています。さらに深く知りたい方は、こちらの記事も御覧ください。

関連記事:SEに必要な7つのスキル|関連職種からスキルアップの方法まで紹介

システムエンジニアへの転職に有利な資格を取得する

システムエンジニアになるのに資格は必須ではありません。しかし、資格はあなたのスキルを証明する手段となるため、転職が大変有利になります。例えば、情報処理技術者試験の基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などは、国家資格であり、多くの企業で評価されています。その他、ベンダー企業が主催する認定資格を取得することも、技術力の証明につながります。

このように資格を取得すれば、あなたの技術力をアピールし、転職活動を有利に進めることが可能です。

プログラマーや運用保守からの転職が一般的

システムエンジニアを目指す一般的な方法としては、プログラマーや運用保守の職から転職するケースです。システムエンジニアの業務であるシステムの設計・構築を行うのに、プログラマーや運用保守の経験が大変役立つからです。

そのため、システムエンジニアになるには、未経験からいきなりシステムエンジニアを目指すよりも、まずはプログラマーや運用保守エンジニアを目指し、システムエンジニアにキャリアアップするのがおすすめです。

未経験可の求人に応募する

未経験からシステムエンジニアを目指すのは不可能ではありません。企業によっては、未経験OKのシステムエンジニアの求人もあります。その場合は企業内で未経験からでも学べる研修が用意されていたり、OJTを通じてスキルを身につけてシステムエンジニアを目指す形となります。

転職では、職務経歴書や志望動機など、必要書類の書き方が大きなポイントになります。未経験からシステムエンジニアを目指すのであれば、より入念に準備したほうがよいでしょう。これらの書き方について、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて御覧ください。

関連記事
SE(システムエンジニア)の職務経歴書の書き方とテンプレート
【例文つき】システムエンジニアの志望動機の書き方とポイント

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システムエンジニア(SE)からのキャリアプラン例

ここからは、システムエンジニアから進めるキャリアプランについて解説します。システムエンジニアとしての経験・スキルは汎用性が高いため、キャリアプランも多く存在します。自分にとって理想のキャリアプランを考えてみるとよいでしょう。ここではシステムエンジニアからのキャリアプランの例をいくつか解説します。

スペシャリスト

スペシャリストは特定の分野で専門的なスキルを有している人材です。例えばインフラではネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリストなどがありますが、システムの設計・開発のスペシャリストでは「システムアーキテクト」という職種もあります。

どの分野のスペシャリストであっても、システムエンジニアの業務で得られた経験・スキルがベースになります。経験した業務の中から特定の分野を選択し、その分野に特化したスキルを身につけることによってスペシャリストへの道が開かれます。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの責任者として予算および期限内に目標を達成するように、計画から実行、完了までを管理する職種です。チームメンバーと協力してプロジェクトを推進していくとともに、クライアントやステークホルダーとのコミュニケーションをとって適切にプロジェクトを進めます。

プロジェクトマネージャーになるには、システムエンジニアの技術的なスキルをベースに、プロジェクトの全体を適切に管理する能力が必要です。例えば、コミュニケーションスキルやリーダーシップ、タイムマネジメントのスキルなどが挙げられます。

管理職

管理職は、実務を通して会社組織を支え、若手を指導・育成する役割を担います。IT技術を駆使して業務を行うよりも、リーダーシップや指導力を持って若手を教育することに重きを置きます。

IT人材が不足しているため、技術者育成は企業の中でも重要な課題です。システムエンジニアの経験を活かして優秀な人材を育成し、企業に貢献するというキャリアを歩みます。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、企業が抱えるITに関する課題やニーズに対して、ITを使って解決のための企業戦略や計画を策定し、支援を行う職種です。立案した計画が実行に移され、プロジェクトが発足すると、プロジェクト全体の管理はプロジェクトマネージャーが行い、ITコンサルタントはプロジェクトを支援する役割を持ちます。

ITコンサルタントへのキャリアは、システムエンジニアで得た技術的な知識だけでなく、さまざまな業界の課題やニーズを理解するための業務知識が求められます。また企業の課題やニーズに対して正しく理解し、最適なITソリューションを提案するために、高いコミュニケーション能力が必要です。

AIエンジニア

AIエンジニアは、機械学習モデルの開発、AIシステムの実装のほか、AIを用いたデータ解析を行う職種です。機械学習のアルゴリズムの設計からモデル開発、デプロイに至るまでの業務を行い、AIシステムを開発します。

AIエンジニアを目指すには、機械学習およびデータサイエンスに関する深い知識、スキルが必要です。システムエンジニアで経験したIT技術をベースに、AI技術の専門スキルを身につけましょう。高いスキルが求められますが大変需要が高く、将来性がある職種です。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、企業・組織の情報セキュリティを守る職種です。業務は主にセキュリティポリシーの策定、リスク分析、脆弱性の評価、セキュリティ対策の実装と監視です。

例えば、新しく開発したシステムに対して企業が定めたセキュリティポリシーに合致しているか評価をしたり、リスクを分析し報告する業務を行います。また、外部からの攻撃に対してセキュリティ対策が行えるよう、セキュリティ面からプロジェクトに対して助言や支援を行います。

システムエンジニアからのキャリアプランとしては、システム開発の経験を活かし、セキュリティに関する専門的な知識とスキルを深めた後、セキュリティ関連の業務に従事する流れとなります。

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、サーバーやネットワーク、データベースといったITインフラの設計、構築、および運用保守を行う職種です。システムエンジニアやプログラマーが開発したプログラムを動作させるにはITインフラが必須です。インフラエンジニアは安定したITインフラを実現するために技術を用いて業務を行います。

システムエンジニアもシステムを構築するためにITインフラのスキルが必要ですが、インフラエンジニアはその技術に特化した職種といえます。サーバーや仮想化、ネットワーク、データベースなどの分野に分かれるほか、昨今ではクラウドの普及に伴いクラウド関連のスキルも求められます。システム開発において、プログラム開発よりインフラ構築に興味がある人は、インフラエンジニアへのキャリアパスを考えるとよいでしょう。

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システムエンジニアに関するよくある質問

最後に、システムエンジニアに関してよくある質問について解説します。

Q1.システムエンジニアのやりがいと楽しさは?

システムエンジニアは、モノづくりの楽しさ、自分の成長を実感できることなどのやりがいがあります。自らが関わったシステムが、多くの人々の生活やビジネスに役立ち、社会貢献につながることに大きなやりがいと喜びを感じることができます。また、顧客、プロジェクトメンバーなど多くの人と協力して仕事を行うことも楽しさを感じられます。

他にも、他の職種と比べ比較的高収入であり、身につくスキルも汎用性が高いことから、職種においても魅力が高い点もポイントです。

Q2.システムエンジニアに向いている人は?

システムエンジニアに向いている人は、以下のような人が挙げられます。

  • ・好奇心旺盛で新しいことに興味が持てる人

    ・メンバーと協力して仕事を行えるコミュニケーション能力をもった人

    ・論理的思考が得意な人


上記にあてはまる人はシステムエンジニアに向いており、能力を活かして活躍できるでしょう。

Q3.システムエンジニアの仕事内容は?

システムエンジニアは、顧客からの要件を正確に把握・整理し、それをもとにシステムを設計、開発、運用する仕事を行います。具体的には、要件定義から、システム設計、プログラミング、テスト、システム導入、運用・保守といったシステム開発における一連の流れを担当します。

技術的な仕事を行うだけでなく、必要に応じて顧客とコミュニケーションをとり、最適なITソリューションを提供します。

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まとめ

この記事では、システムエンジニアへの転職を検討している方に向けて、システムエンジニアの具体的な仕事内容、やりがい、適性について解説しました。システムエンジニアは、ITシステムやインフラに関わるITエンジニアの総称です。主な仕事内容は、企業や組織の根幹を支えるITシステムを設計、開発、運用・保守して提供することです。IT人材の不足から需要があることが予測されており、将来性の高い職種といえます。

システムエンジニアのやりがい・魅力に関しては、比較的高年収、専門技術が身につくという肯定的な意見もあれば、納期が厳しいといった否定的な意見もあります。システムエンジニアに興味がある方は、この記事を参考に転職を目指してみてはいかがでしょうか。

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