システムエンジニア(SE)におすすめの資格一覧!難易度やメリットも紹介

最終更新日:2025年4月24日

システムエンジニア(SE)としてスキルアップを目指す中で、「どの資格を取得すべきか分からない」と悩む人も多いのではないでしょうか。SEに関連する資格は種類が多く、目的や業務内容によって求められる知識やレベルが大きく異なります。

この記事では、キャリアの段階や目指す方向に応じておすすめの資格をわかりやすく紹介します。

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※2023年1月~2024年3月実績

この記事のまとめ

  • SEのキャリアや目的に応じたおすすめ資格を紹介
  • 各資格の試験内容・難易度・メリットがわかる
  • 未経験者・経験者それぞれに合った資格の選び方も解説

SEにおすすめな資格の選定方法

SEに関連する資格は数多くありますが、何を重視するかによって選ぶべき資格は変わってきます。やみくもに挑戦するのではなく、以下のポイントを意識して選ぶのが効果的です。

  • ・自分のキャリアパスにあった資格を選ぶ

    ・今の自分のスキルに適したレベルの資格を選ぶ

    ・いくつか資格を比較検討して選ぶ

SEの業務は、要件定義から設計、開発、運用・保守まで多岐にわたります。資格を通じて特定の領域に強みを持つことで、業務の幅を広げたり専門性を高めたりすることにもつながります。現在のスキルや目指す方向によって最適な資格は異なるため、焦らずじっくり選ぶことが大切です。

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未経験・初心者SEにおすすめの資格

未経験・初心者SEには基礎基本を学ぶ資格がおすすめです。異業種からの転職者にも活かせる資格を3つ解説します。

資格名 おすすめの人
ITパスポート試験 ・ITの基礎知識を身につけたい未経験者
・IT業界全体の理解を深めたい人
基本情報技術者試験 ・システム開発の基礎やプログラミングの考え方を学びたい人
・ITエンジニアとしての土台を固めたい人
マイクロソフト
オフィススペシャリスト
・ドキュメントや資料作成の効率を高めたい人
・業務でExcelやWordを活用する機会が多い人

ITパスポート試験

ITパスポートは、ITに関する基礎知識を問う国家資格で、情報処理推進機構(IPA)が運営しています。CBT方式でいつでも受験でき、出題形式は多肢選択式です。

IT業界における用語や仕組み、業務全体の流れなどを理解していることを証明できます。プログラミングやアルゴリズムといった高度な内容は含まれず、初心者でも取り組みやすいのが特徴です。

SEとしての業務では、ITに関わる全体像をつかみながら、用語や基本概念を理解したうえでチームの会話や業務内容を把握する力に活かせます。

試験内容 ITに関する共通基礎知識
開催時期 随時
難易度 ITSSレベル1
受験料 7,500円(税込)
おすすめの人 IT初心者やエンジニア未経験者、
社会人としてIT知識を身につけたい人
格率 平均して50%前後
資格種別 国家資格

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、IT全般に関する基礎的な知識と技術力を問う国家資格で、情報処理推進機構(IPA)が実施しています。ネットワークやデータベース、アルゴリズムなど、実務に直結する幅広い内容から出題されます。

SEとしての業務では、ITの構造や開発の流れを理解したうえで、チーム内での役割を正しく把握し、スムーズに業務を進める基礎力として活かせます。

試験内容 ITに関する基礎知識と技能
開催時期 随時
難易度 ITSSレベル2
受験料 7,500円(税込)
おすすめの人 ITエンジニアを目指している人、
ITの重要スキルを体系的に学びたい人
格率 2024年度(合計):47.1%
資格種別 国家資格

マイクロソフトオフィススペシャリスト

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、WordやExcel、PowerPointなどMicrosoft Office製品の操作スキルを証明できる民間資格です。文書作成や表計算などのスキルを実務レベルで活用できるかを問われます。

SEとしての業務では、設計書や提案資料、議事録などの作成に活かせるため、業務効率を高めたい人や文書スキルに自信をつけたい人におすすめです。

試験内容 Word、Excel、PowerPointなどの基本操作・応用操作スキル
開催時期 随時
難易度 ITSSレベル1〜2
受験料 一般:10,780円(税込)〜
※科目・レベルにより異なる
おすすめの人 資料作成や文書管理のスキルを
高めたい人・業務効率を上げたい人
格率 一般レベルで約70%
資格種別 ベンダー資格

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3年程度の経験を積んだSEにおすすめの資格

ある程度の経験をもつSEにおすすめしたいのは応用情報技術者試験です。

応用情報技術者試験システム開発に関するより専門的な知識と技術を問う国家資格で、情報処理推進機構(IPA)が実施しています。IT全般の理解に加え、マネジメントや戦略立案に関する問題も出題され、SEとしての応用力を証明できる内容です。

SEとして幅広く活躍したい人や、自分の進みたい分野がまだ定まっていない人にも適しており、キャリアの方向性を考えるうえでも有益な資格です。

試験内容 IT全般の応用的な知識
(ネットワーク、開発、マネジメント、情報戦略など)
開催時期 年2回(4月・10月)
難易度 ITSSレベル3
受験料 7,500円(税込)
おすすめの人 SEとしての経験を積んできたが、
今後の方向性を明確にしたい人
格率 約20〜25%程度
資格種別 国家資格

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上流工程を目指すSEにおすすめの資格

システムの構想段階から設計に関わる上流工程を目指すSEには、要件定義やアーキテクチャ設計のスキルが求められます。ここでは、上流工程に強いSEを目指す方に適した資格を2つ紹介します。

資格名 おすすめの人
システムアーキテクト試験 システム開発の上流工程に携わりたいエンジニア、
システム全体の設計やアーキテクチャ設計の
主導を担う高度エンジニア
システム監査技術者試験 情報システムの監査やリスク管理
に携わるスペシャリスト、
ITガバナンス強化を目指す管理職

システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験は、業務内容とその課題を分析し、的確なシステム設計や提案を行うスキルを証明します。システム開発の上流工程を主導する立場として総合的な提案を行うため、一般的な情報システムはもちろん、IoTを活用した組込みシステムなど幅広いIT関連の知識が要求されます。

ITストラテジスト試験と同様、毎年4月に試験が実施され、2024年度の合格率は15.0%となっています。

試験内容 要件定義・システム設計、
プロジェクトマネジメント、
アーキテクチャ設計に特化した内容
開催時期 春期
難易度 ITSSレベル4
受験料 7,500円(税込)
おすすめの人 システム開発の上流工程に携わりたいエンジニア、
システム全体の設計やアーキテクチャ設計の
主導を担う高度エンジニア
合格率 15.0%(2024年度)
資格種別 国家資格

システム監査技術者試験

システム監査技術者試験は、情報システムの責任者や監査担当者に求められるリスク分析、システムの評価や検証に関するスキルを証明します。ガバナンス強化が求められる企業において、情報システムが適切にコントロール、管理されていることは極めて重要であり、それを明確に説明する立場として監査役が存在します。

試験は毎年10月に実施され、2023年度の合格率は16.4%と難易度の高い資格です。

試験内容 監査対象から独立した立場でシステム点検、
評価、検証する知識を問う内容
開催時期 秋期
難易度 ITSSレベル4
受験料 7,500円(税込)
おすすめの人 情報システムの監査やリスク管理に携わる
スペシャリスト、ITガバナンス強化を目指す管理職
合格率 16.4%(令和5年度秋期)
資格種別 国家資格

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マネジメント力の向上におすすめの資格

プロジェクトの進行管理やチームのマネジメントも、SEとして成長するうえで欠かせないスキルです。ここでは、プロジェクト管理やITサービスの運用改善など、マネジメント力を高めたいSEに適した資格を紹介します。

資格名 おすすめの人
プロジェクト
マネージャ試験
ITプロジェクトの管理者、
リーダーシップを担うエンジニア、
キャリアアップを図りたいプロジェクトマネージャー
PMP プロジェクトの進行管理やチーム運営を
体系的に学びたい人・グローバルに通用する
マネジメント資格を取得したい人
ITサービス
マネージャ試験
ITサービスの計画や設計、運用改善を指揮する
ポジションの人、管理職を担うITプロフェッショナル
PMOスペシャリスト™
認定資格
プロジェクト横断での支援・調整業務に
関わりたい人・PMOとしての専門スキルを
身につけたい人

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、システム開発における全体計画を立案し、予算やスケジュール、人員管理、品質管理などのプロジェクトマネジメントスキルを証明します。システムエンジニアとしてのキャリアを積み重ね、PLやPMなどにステップアップする上では有効な資格といえるでしょう。

毎年10月に試験が実施され、2023年度の合格率は13.5%と難易度の高い資格となっています。資格を取得すれば評価やスキルアップにつながりやすく、すでにプロジェクトマネージャーとして働いている人にもおすすめの資格です。

システムエンジニアからプロジェクトマネージャーへのステップアップを考えている方は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:SEからプロジェクトマネージャーになるには?年収や業務内容を比較

試験内容 プロジェクトマネジメントに特化した内容
開催時期 秋期
難易度 ITSSレベル4
受験料 7,500円(税込)
おすすめの人 ITプロジェクトの管理者、リーダーシップを担うエンジニア、
キャリアアップを図りたいプロジェクトマネージャー
格率 13.5%(令和5年度秋期)
資格種別 国家資格

PMP

PMPは、PMI(Project Management Institute)が提供する国際資格で、プロジェクトマネジメントに関する体系的な知識と実務経験を証明できます。スケジュール管理やリスク対応、ステークホルダーとの調整など、プロジェクト全体を管理するスキルが問われます。

マネジメント業務に携わるSEや、チームの進行管理を担う立場にある人にとって、信頼性の高いスキル証明として役立つ資格です。海外を含むグローバルなプロジェクトにも通用するため、キャリアの選択肢を広げたい方にもおすすめです。

試験内容 プロジェクトマネジメントの知識体系(PMBOK)
に基づく出題。実務経験やケーススタディ形式の問題も含む
開催時期 通年(ピアソンVUEにて随時受験可能)
難易度 ITSSレベル4~5
受験料 PMI会員:405 USD/非会員:555 USD
おすすめの人 プロジェクト進行やマネジメントに携わる
SE・国際的な資格を取得したい人
格率 非公開
資格種別 ベンダーニュートラル資格

ITサービスマネージャ試験

ITサービスマネージャ試験は、情報システムの安定的な稼働を実現するために設計から構築、運用までを担い、IT投資効果を最大化させるスキルを証明します。一般的なシステムエンジニアに求められる技術的な知見やスキルだけではなく、顧客満足度を向上させるためには何が求められるのか、という面も含めて問われる試験です。

試験時期は毎年4月で、2024年度の合格率は15.0%となっています。

試験内容 ITサービスの企画、設計、
提供などに特化した内容
開催時期 春期
難易度 ITSSレベル4
受験料 7,500円(税込)
おすすめの人 ITサービスの計画や設計、
運用改善を指揮するポジションの人、
管理職を担うITプロフェッショナル
合格率 15.2%(令和5年度秋期)
資格種別 国家資格

PMOスペシャリスト™認定資格

PMOスペシャリスト™認定資格は、プロジェクトマネジメントを支援するPMO(Project Management Office)業務に必要な知識やスキルを証明できる民間資格です。プロジェクトの全体最適や複数案件の調整、標準化など、PMOとしての実務に直結した内容が学べます。

プロジェクトを横断して支援・管理に関わりたい方や、PMOとしてのキャリアを目指すSEにとって、専門性を高めるための有効な資格です。

試験内容 PMOの業務範囲
(標準化、進捗管理、課題・リスク対応、
教育・改善提案など)に関する知識と実践力
開催時期 通年(Web試験)
難易度 ITSSレベル3~4
受験料 16,500円(税込)
おすすめの人 プロジェクト支援・PMO業務に関わる人
・管理系スキルを強化したい人
合格率 非公開
資格種別 ベンダーニュートラル資格

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DB構築・運用の技術力を高めたいSEにおすすめの開発資格

業務でデータベースに関わる機会が多いSEにとって、構築や運用のスキルを体系的に学ぶことは重要です。ここでは、DB関連の知識を深めたい方におすすめの資格を紹介します。

資格名 おすすめの人
データベース
スペシャリスト試験
データベース関連の専門スキルを磨きたい人、
ITインフラやシステム設計に関わる人
ORACLE MASTER データベースの基礎知識を身につけたい初
心者から高度な運用・管理を担う
中級~上級エンジニア、データベース環境の
設計や構築に携わる人

データベーススペシャリスト試験

データベーススペシャリスト試験は、データベースの専門家として情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守を担うスキルを証明します。

難易度は高めで、SQLやER図設計、トランザクション管理など専門知識を幅広く問われます。試験内容は、要件定義、設計、パフォーマンス最適化、バックアップなど、実務に直結したテーマが中心です。

データ量の増大が進む中でデータベースの効率的な管理と活用は企業の課題であり、専門性を持つエンジニアへのニーズは転職市場でも高まっています。

この資格の将来性として、クラウド技術やビッグデータの発展に伴って、資格保有者の市場価値がさらに向上する見込みがあります。そのため、実務でのスキル向上やキャリアアップを目指す人に最適です。

試験内容 組み込みシステムの企画、
設計、構築などに特化した内容
開催時期 秋期
難易度 ITSSレベル4
受験料 7,500円(税込)
おすすめの人 データベース関連の専門スキルを磨きたい人、
ITインフラやシステム設計に関わる人
合格率 17.2%(令和6年度秋期)
資格種別 国家資格

ORACLE MASTER

ORACLE MASTERは、「Oracle Database」のほか、Java、Oracle Cloudといった、オラクル社製品におけるスキルを証明する資格です。特にOracle Databaseはデータベース分野で世界1位のシェアを誇っているため、データベースの管理スキルを証明する資格として有名です。

認定は4段階で、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの順に難易度が高くなっています。初学者はデータベースの基礎知識が問われるBronze DBAから受験することをおすすめしますが、基礎知識に自信がある人は最初からSilver DBAを受験することも可能です。

受験するにはチケットを購入し、全国にあるピアソンVUE社テストセンター、またはオンライン(試験監督付き)で受験できます。

試験内容 オラクル社のOracle Databaseの
管理スキルを問う内容
開催時期 希望日時を選択して予約
難易度 ITSSレベル2~4
受験料 数万円~数十万円
おすすめの人 データベースの基礎知識を身につけたい
初心者から高度な運用・管理を担う
中級~上級エンジニア、データベース環境の
設計や構築に携わる人
合格率 非公開
資格種別 ベンダーニュートラル資格

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ネットワーク構築・運用の技術力を高めたいSEにおすすめの資格

ネットワークの設計や構築、運用・保守に携わるSEにとって、専門的な知識を体系的に学べる資格は大きな武器になります。ここでは、ネットワーク領域でのスキルを深めたい方におすすめの資格を紹介します。

資格名 おすすめの人
ネットワーク
スペシャリスト試験
ネットワーク関連知識と専門性を高めたい人、
ネットワークエンジニアを目指す人
シスコ技術者認定 ネットワークエンジニア、
シスコ製品に関わるエンジニア、
高度なネットワーク技術が求められるエキスパート

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークシステムに精通した高度な知識およびスキルを証明します。クラウドシステムの普及にともない、情報システムやアプリケーション開発はネットワーク上で提供されるケースが増えてきており、システムエンジニアにとってもネットワークの知識が要求される場面が多くなりました。

試験内容はネットワーク技術や設計・構築はもちろん、セキュリティや最新技術もカバーしています。そのため、ネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアを目指す人におすすめの資格です。

試験内容 ネットワーク企画、設計、
構築、保守運用などに特化した内容
開催時期 春期
難易度 ITSSレベル4
受験料 数万円~数十万円
おすすめの人 ネットワーク関連知識と専門性を高めたい人、
ネットワークエンジニアを目指す人
合格率 15.4%(2024年度)
資格種別 国家資格

シスコ技術者認定

シスコ技術者認定は、ネットワークに関する優れた知識や技術、シスコ製品の扱い方などのスキルを認定するものです。ネットワークエンジニアやシステムエンジニアの実務においても役立つ資格です。認定は難易度ごとにエントリー、アソシエイト、スペシャリスト、プロフェッショナル、エキスパートの5段階に分かれています。

まずは、エントリーレベルから受験し、段階的に上級レベルに挑戦していくのが一般的です。エントリーレベルの試験はネットワーキング試験とセキュリティ試験の2種類あり、合格すると「シスコ認定サポート技術者(CCST)」として認定されます。

試験内容 ネットワークおよびシスコ製品の知識、
スキルを問う主道資格
開催時期 希望日時を選択して予約
難易度 ITSSレベル2~4
受験料 【エントリーレベル】
約20,625円
【アソシエイトレベル】
約49,500円
そのほか認定レベルに応じた受験料
おすすめの人 ネットワークエンジニア、
シスコ製品に関わるエンジニア、
高度なネットワーク技術が求められるエキスパート
合格率 非公開
資格種別 ベンダー資格

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セキュリティの専門性を高めたいSEにおすすめの資格

システム開発や運用の現場では、情報セキュリティの知識がますます求められています。ここでは、セキュリティ分野の基礎から応用までを学び、専門性を高めたいSEにおすすめの資格を紹介します。

資格名 おすすめの人
情報セキュリティ
マネジメント試験
データベース関連の専門スキルを磨きたい人、
ITインフラやシステム設計に関わる人
情報処理安全確保
支援士試験
情報セキュリティの基礎知識を学びたい人、
セキュリティ管理を担当する非エンジニア

情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験は、情報システムを利用する部門において情報セキュリティの観点から正しい運用ができることを証明します。情報セキュリティ関連の規定やセキュリティポリシーの内容を適切に理解した上で、安定的な運用を維持することを目的としています。業界・業種問わず、さまざまな情報を扱う立場の人におすすめの資格であり、システムエンジニアにとっても情報や情報セキュリティを安全に活用するために役立つ資格の1つです。

試験は2022年度までは上期・下期にそれぞれ実施されていましたが、2023年度からはCBT方式で随時実施されています。CBT方式移行後の累計合格率は2023年12月時点で73.9%となっており、ITパスポート試験合格後のステップアップとして受験する方も多いです。

試験内容 ネットワーク企画、設計、
構築、保守運用などに特化した内容
開催時期 春期
難易度 ITSSレベル2
受験料 7,500円(税込)
おすすめの人 情報セキュリティの基礎知識を学びたい人、
セキュリティ管理を担当する非エンジニア
合格率 73.9%(2023年度)
資格種別 国家資格

情報処理安全確保支援士試験

情報処理安全確保支援士試験は、情報処理技術者試験のレベル4に相当する難易度の高い資格です。サイバーセキュリティに関する知識、スキルが問われます。サービスや情報システムの安全を確保し必要な助言・提案ができるセキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントを目指す人におすすめです。

試験に合格後、登録手続きを行い国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)」の資格保持者になれば、個人としての高い専門性を証明できるほか、雇用主である企業の対外的な信頼性にもつながります。

試験は午前Ⅰ(50分)、午前Ⅱ(40分)、午後(150分)に分かれており、午前は多肢選択問題、午後は記述式です。毎年4月と10月にそれぞれ実施され、2024年度4月試験の合格率は19.3%でした。

試験内容 情報システムの企画、設計、
開発、運用やサイバーセキュリティ対策などに
特化した内容
開催時期 春期
難易度 ITSSレベル4
受験料 7,500円(税込)
おすすめの人 情報セキュリティの専門知識を深めたい人、
セキュリティエンジニアとして
キャリアアップを目指す人
合格率 15.1%(2024年度秋期)
資格種別 国家資格

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インフラ環境の構築・運用の技術力を高めたいSEにおすすめの資格

サーバーやクラウドなど、インフラ環境の設計・構築・運用を担うSEにとって、基礎から応用まで体系的に学べる資格は大きな武器になります。ここでは、インフラ領域のスキルを伸ばしたい方に向けた資格を紹介します。

資格名 おすすめの人
Linux技術者認定試験 Linuxに携わるエンジニア、基礎知識が求められる
初級エンジニアからセキュリティ・仮想化などを
深く学びたいスペシャリスト
AWS認定 AWSに関わる初級エンジニアからクラウド環境を
使ったシステム構築を行う上級エンジニア、
リーダーやエキスパート

Linux技術者認定試験

Linux技術者認定試験はLinuC(リナック)とも呼ばれ、オープンソース技術者の育成を行う非営利団体LPI-Japanで実施されている、グローバルに通用する試験です。クラウド時代に活躍できる人材として、システム管理やサーバ構築などのスキルを4つのレベルで認定します。

認定はステップアップ方式となっており、レベル1〜レベル3まで段階的に挑戦していき、最上位の認定であるLinuCシステムアーキテクトを目指せます。LinuCシステムアーキテクトとして認定されれば、上級エンジニアの証明としてほかのシステムエンジニアとの差別化を図れるでしょう。

他にも、ITエンジニアにおすすめの資格は存在します。紹介した資格以外のものも知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:ITエンジニアにおすすめのIT資格30選!初心者向けに難易度なども解説

試験内容 LinuxのOSスキルに加え、システム構築から
運用管理など現場で必要とされる知識や
実践的なスキルを問う内容
開催時期 希望日時を選択して予約
難易度 ITSSレベル1~3
受験料 【LinuCレベル1~3】
各16,500円
【LinuCシステムアーキテクト】
各27,500円
おすすめの人 業務上Linuxに携わるエンジニア、
基礎知識が求められる初級エンジニアから
セキュリティ・仮想化などを深く学びたい
スペシャリスト
合格率 非公開
※レベルによって異なる
資格種別 ベンダー資格

AWS認定

AWS認定はクラウドサービスで最もシェアが高いAWS「Amazon Web Service」におけるスキルを証明する資格です。基礎レベルのファンデーショナルレベル、アソシエイトレベル、プロフェッショナルレベル、スペシャリティーレベルの4段階12種類の資格があります。

現在ではシステム開発においてクラウドサービスの利用が当たり前のようになっているため、クラウドサービス関連のスキルは必須といってもよいでしょう。クラウドサービスは他にもGCP(Google Cloud)、Microsoft Azureなどありますが、スキルのベースとしてAWS認定がおすすめです。

試験ごとの合格率は公表されていません。また、資格の有効期限が3年と定められているため、認定期間を延長するためには上位の資格を取得するか、更新が必要です。

試験内容 AWS社のクラウドサービス
「AmazonWeb Service」に関する
スキルを問う内容
開催時期 希望日時を選択して予約
難易度 ITSSレベル2~5
受験料 試験の種類によって異なる
公式サイトを確認
おすすめの人 AWSに関わる初級エンジニアから
クラウド環境を使ったシステム構築を
行う上級エンジニア、リーダーやエキスパート
合格率 非公開
資格種別 ベンダー資格

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IoTの専門性を高めたいSEにおすすめの開発資格

エンベデッドシステムスペシャリスト試験は、組込みシステム(エンベデッドシステム)の設計や開発に必要な高度な専門知識と応用力を問う国家資格です。主にIoT機器、家電製品、自動車制御などの開発に関わるエンジニアを対象としており、ソフトウェアとハードウェアの両面から技術力が求められます。

IoTや組込み系の分野で活躍したいSEや、リアルタイム性や制御処理の知識を深めたい方にとって、価値のある資格です。

試験内容 組込みシステムの開発に必要な
リアルタイム処理、制御設計、
ソフト・ハードの連携技術など
開催時期 年1回(10月)
難易度 ITSSレベル4
受験料 7,500円(税込)
おすすめの人 IoT・家電・車載機器などの開発に
携わりたい人・組込み系技術を深めたいSE
合格率 16.6%(令和5年度秋期)
資格種別 国家資格

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テスト工程・品質の専門性を深めたいSEにおすすめの資格

システム開発において、品質を担保するテスト工程は欠かせません。ここでは、テスト計画・設計や品質管理に関する知識を深めたいSEに向いている資格を紹介します。

資格名 おすすめの人
JSTQB テスト工程の知識を体系的に
学びたい人・ソフトウェア
テストやQAの専門性を高めたいSE
IT検証技術者
認定試験
品質保証やソフトウェアテストの
実務に携わるSE・業務の品質向上に
取り組みたい人

JSTQB 認定テスト技術者資格

JSTQB 認定テスト技術者資格は、ソフトウェアテストの知識を体系的に学べる国際的な認定資格です。基礎レベルから上級まで段階的に分かれており、テスト設計・実行・評価といった業務に必要なスキルを身につけられます。

テスト業務に関わるSEやQA職種の方はもちろん、品質を意識した開発スキルを身につけたいエンジニアにも適しています。

試験内容 テスト技法、テスト計画、
テスト設計、欠陥管理、
テストプロセスの基礎
開催時期 年2回(3月・9月)
難易度 ITSSレベル2〜3
受験料 22,000円(税込)
おすすめの人 品質保証・テスト業務に関わるSE、
QAエンジニア
合格率 63.46%(2024年度)
資格種別 ベンダーニュートラル資格

IT検証技術者認定試験

IT検証技術者認定試験は、ソフトウェアの品質・検証に関する実践的な知識とスキルを評価する資格です。テスト計画の立案、リスク分析、レビュー手法など、実務寄りの内容が特徴です。

現場でテストを実行するだけでなく、改善提案や品質管理にも関わりたいSEに適しています。

試験内容 テスト設計、レビュー技術、
リスクベースドテスト、
品質分析・改善提案など
開催時期 年2〜3回
※レベルによって異なる
難易度 ITSSレベル2〜3
受験料 7,700円(税込)~
※レベルによって異なる
おすすめの人 品質管理・検証工程に関わる
SE・QAエンジニア
合格率 62.9%(2023年度)
資格種別 ベンダーニュートラル資格

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未経験者・初心者SEが資格を通してキャリアを高めるロードマップ

業界未経験者や初学者がSEを目指す場合、どのように資格を活かすのかを段階で解説します。以下の4つのステップを押さえておきましょう。

1. 専門性を高める前に基礎的な知識を養う

未経験の人が最初から高度な資格に挑戦するのは失敗しやすく、資格学習へのモチベーション低下にもつながります。まずはITの全体像や基本的な用語、システムの仕組みを理解するところから始めましょう。

ITパスポートや基本情報技術者試験は、ITの基礎力を養うための登竜門的な資格です。パソコン操作が苦手な人は、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)から始めるのもおすすめです。

2. 次の資格は現場の要請もしくはキャリアプランに従う

基礎力がついてきたら、次は現場で必要とされる資格や、自分の進みたい方向性に合わせた資格を選びましょう。SEの資格は多数あるため、すべてを網羅する必要はありません。

例えばネットワークに興味があればCCNA、データベース系ならORACLE MASTER、クラウドに関心があればAWS認定など、自分が携わりたい分野に合わせて選ぶことが大切です。

3. 自分のレベルを把握する

資格の勉強を進める前に、まずは現在の自分のスキルや知識レベルを客観的に見直すことも重要です。難易度が高すぎる資格を選んでしまうと、途中で挫折してしまうことも考えられます。

公式サイトのサンプル問題や模試、ITSS(ITスキル標準)を参考に、自分に合ったレベルの資格を選びましょう。

4. 資格取得に向けて勉強する

目標とする資格が決まったら、合格に向けた具体的な学習計画を立てましょう。業務と並行して学習を進める必要があるため、「いつ・何を・どのくらい学ぶか」を明確にすることが重要です。

まずは受験日を設定し、そこから逆算して週単位・月単位で学習内容を区切ります。平日は30〜60分、週末にまとめて学習するなど、生活リズムに合わせて無理のない計画を立てることで、継続しやすくなるでしょう。

現在では、書籍や問題集だけでなく、オンライン講座や模擬試験、アプリなど多様な学習ツールが充実しています。こうしたツールを併用することで、効率的に知識を定着させることができます。

ビジネスパーソンとして限られた時間のなかで最大の成果を出すには、計画性と自己管理が不可欠です。明確な目標設定と振り返りを繰り返すことで、合格ラインが現実的なものとして見えてくるはずです。

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経験者SEが資格取得を通してキャリアを高めるロードマップ

経験者が資格を取得するタイミングは「キャリアアップのため」が多いです。基礎力や経験はあるため、キャリアプランに沿った資格を選択し、学習を進めていく必要があります。以下のステップで資格勉強を進めてみましょう。

1. 領域内のどの資格に挑戦するか検討・勉強する

すでに現場経験を積んでいるSEにとっては、基礎力よりも「次に何を伸ばすか」がポイントです。ネットワーク、クラウド、マネジメントなど、自身の専門領域や今後のキャリアビジョンに沿った資格を選定しましょう。

同じ分野でも複数の資格が存在するため、難易度や実務との関連性、評価されやすさなどを比較検討し、納得のいく目標を定めたうえで学習をスタートすることが重要です。

2. 取得した資格を生かしてキャリアアップを目指す

資格取得はゴールではなく、キャリア形成の手段のひとつです。得た知識やスキルを業務で活かすことで、より高度な案件やリーダー、マネジメントポジションを任される機会も増えていきます。

現職でキャリアアップを目指すのが難しい場合は、転職によってポジションを変える選択肢も視野に入れましょう。資格は、自己成長だけでなく「市場での自分の価値」を示す強力なツールとなります。さらに、資格を通じて培ったスキルや志向性をどうキャリアに活かしていくかを考えるうえでは、キャリアアドバイザーに相談するのも有効な手段です。

IT領域に特化した転職エージェントレバテックキャリアでは、資格やスキルだけでなくあなたの経験・目標をふまえて、最適なキャリアパスを提案します。転職をすぐに考えていない方でも、自身の市場価値を客観的に知る機会として、気軽に活用してみるのがおすすめです。

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まとめ

システムエンジニア(SE)にとって、資格は単なる知識の証明ではなく、キャリアの方向性を明確にし、自分の市場価値を高めるための強力なツールです。

未経験からのスタートでも、段階的にスキルを積み上げていけば、着実に成長を実感できます。すでに経験を積んでいる人は、自身の専門性を深めたり、新たな領域に挑戦したりと、資格取得を通じてさらなるステップアップが可能です。

本記事を参考に「自分に必要な資格はどれか?」を見極めながら、計画的に学習を進めていきましょう。学んだ分だけ、未来の選択肢は広がります。

この記事の監修

レバテックキャリア編集部

レバテックキャリアは、IT/Web業界のエンジニア・クリエイター向けに特化した転職エージェントです。当メディアでは、エンジニア・クリエイターの転職に役立つノウハウから、日々のスキルアップや業務に活かせる情報まで、幅広いコンテンツを発信しています。

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