SEからPMへ!システムエンジニアからマネジメントキャリアを目指すSE(システムエンジニア)からプロジェクトマネージャーを目指す方法

最終更新日:2022年9月6日

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SE(システムエンジニア)はITシステムの設計、開発、運用・保守を担当するエンジニアの総称です。ソフトウェア(アプリケーション)や各種のインフラなど、対象とする主な業務領域が存在し、システム開発プロジェクトの内の一部を責任範囲とします。

一方、PM(プロジェクトマネージャー)はプロジェクト計画の立案やリソース管理、リスク管理、品質管理など、主にマネジメント業務を担当する職種です。システム開発プロジェクト全体を率い、開発現場の責任者となるポジションです。

SEとPMは明確に役割の異なる職種ですが、SE職でPL(プロジェクトリーダー)などを経験した後、PMとなるキャリアパスを多くのエンジニアが志します。それでは、SEからPMとなるためにはどの様な経験を積み、スキルを身に着ける必要があるのでしょうか。

本記事では、PMを目指すキャリアプランを持つSEに向けて、SEとPMのそれぞれの仕事内容と求められるスキル、SEからPMを目指す方法について紹介します。

SE(システムエンジニア)とプロジェクトマネージャーの違い

SE(システムエンジニア)とプロジェクトマネージャーに明確な定義はありません。しかし、それぞれの業務範囲には差異があるのも事実です。本項では、一般的なSEとプロジェクトマネージャーの仕事内容から、各職の違いを解説します。

関連記事:プロジェクトマネージャーとは?仕事内容や必要なスキルを解説

SEの仕事内容

SEという職種については詳細は企業やプロジェクトによって異なるものの、システム開発プロジェクトにおける上流工程と呼ばれる要件定義から設計を主に担当します。また、プログラミングやテスト工程においては管理業務を行う場合も多いです。

SEはシステム開発プロジェクト全体に関わる場合が多く、システム開発手法の知識やプログラミングスキル(詳細設計を行うために必要)、ハードウェアやネットワーク、ソフトウェア、ミドルウェアの基礎知識などが幅広く求められます。

要件定義

要件定義では、顧客の要求を明らかにします。具体的には、ビジネスモデルやサービスの概要、業務の流れ、それらを支えるシステムイメージ、システムに求められる機能の概要などをヒアリングしていきます。その上で、要求を満たすITシステムの大枠とその具体化策を要件定義書にまとめます。

基本設計

基本設計では、要件定義で決定したシステムを機能単位(画面入力、バッチ処理、帳票出力など)で分割し、それぞれの役割を決めます。また、機能間の連携や入出力データ仕様、データベースの論理設計などの外部とのインタフェースも、基本設計で定めます。

詳細設計

基本設計で決定した機能ごとに、具体的な処理内容・項目などを設計します。一般的には、プログラマーがプログラミングを行うために必要な情報(命名規則やクラス設計などの規約)を網羅して詳細設計書に落とし込みます。プロジェクトによっては、プログラマーの仕事に含まれることもあります。

プロジェクトマネージャーの仕事内容

プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体に責任を持ち、QCDを確保しながら推進することがミッションとなります。

マネジメント業務およびクライアントへの報告、提案、交渉といったプロジェクトマネジメントスキルが必要であり、プロジェクト内のリスク管理や進捗管理などはSEと連携して行うため、前述したSEに求められるスキルと知識も必須です。

プロジェクトの管理運営

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトが円滑に進むようさまざまな管理を行います。具体的には、人員の調達やコスト管理、プロジェクト内のチーム間における人員調整、定例会議の主催、リスク管理、ステークホルダー管理、納期管理などが該当します。

成果物の品質管理

システム開発プロジェクトにおいて、顧客が直接評価するのは成果物です。主な成果物は要件定義工程では要件定義書、設計工程では設計書、プログラミングではプログラムコード、テスト工程ではテスト仕様書と成績書です。これらの成果物に対し、ソフトウェア開発上の高い品質を担保する対応を行うこともプロジェクトマネージャーの責務となります。具体的には、各種成果物のレビュー、課題や障害件数と開発規模からの品質分析を行ったり、そこで発見された問題への対処を行います。

クライアントとの交渉

ITシステムを構築するプロジェクトでは、その推進上でさまざまな微調整が必要になります。顧客業務や要求の変化、認識の齟齬などを吸収し、プロジェクトの成果物に反映されるように調整しなくてはなりません。プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、顧客とのコミュニケーションが重要になります。

SEからプロジェクトマネージャーを目指す方法

SEからプロジェクトマネージャーを目指すための、具体的な方法について解説します。

前述したように、SEとプロジェクトマネージャーの仕事内容、求められるスキルには大きな違いがあります。SEが「技術職」である一方、プロジェクトマネージャーは「管理職」です。つまり、SEからプロジェクトマネージャーを目指すためには、SEとして技術業務も行いながらマネジメントスキルを身につけていく必要があります。

一般的には、以下のような経験を積みながらプロジェクトマネージャーを目指します。

関連記事:未経験からプロジェクトマネージャーになるには

上流工程の経験を積む

SEからプロジェクトマネージャーを目指す場合は、できるだけシステム開発における上流工程に携わる機会を増やしましょう。ここで言う上流工程とは、要件定義、基本設計などを指します。これらの業務は、クライアントと対話する機会が多いため、プロジェクトマネージャーに求められる「交渉力」や「提案力」を磨く絶好の機会です。

仮に上流工程の担当ではない場合でも、「詳細設計やプログラミングの参考にしたいので、打ち合わせに同席させて欲しい」と上長に申し出て、参加する機会を増やすのも一つの手段です。

数人規模のチームでマネジメント経験を積む

数人規模のチームリーダーを目指し、マネジメントの経験を積むことも大切です。チームメンバーの進捗管理や課題の吸い上げ、コミュニケーション、モチベーションの維持、工数管理などをプロジェクトマネージャーの補佐として担当します。

数人規模のチームリーダーとはいえ、チームメンバーをまとめつつ自分の仕事をこなすことで、管理・マネジメントの基礎が身につきます。また、チームリーダーへの昇格・抜擢は、プロジェクトマネージャーが行うことが多いです。もし、社内公募や打ち合わせの席でリーダー希望者を募っているようなら、積極的に手を挙げるようにしましょう。

資格取得によるアピール

すでに述べたように、マネジメントを経験できるポジションに就ける機会は限られています。そのため、資格取得によって適性や志向をアピールし、機会を増やすことも大切です。

関連記事:プロジェクトマネージャーに役立つおすすめの資格と難易度を解説!

プロジェクトマネージャーに役立つ資格としては、「PMP」や「プロジェクトマネージャ試験」があげられます。企業やプロジェクトによっては、この2つのうちいずれかを持っている人材を、プロジェクトマネージャーやチームリーダー候補と見なすこともあります。

PMP

PMPはPMI本部が運営するプロジェクトマネジメントスキルに関する国際的な資格です。ITに限らず、プロジェクトマネジメントについてのデファクトスタンダードとして扱われています。

プロジェクトマネジメントに関する知識の習得に加え、実務経験も問われるため、計画的な取得が必要となります。

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営し、経済産業省が認定する国家資格です。情報処理技術者試験の一区分であり、スキルレベルは4(最難関)の高度情報技術者試験です。国家資格であり国内のIT業での知名度も高く、所有によりプロジェクトマネジメントスキルの保有を示せます。

中小SIerに転職してリーダー経験を積む

大手SIerのプロジェクトマネージャー求人は、経験者のみを対象にしていることがほとんどです。そこで、まずは中小SIerでチームリーダーの経験を積むという選択肢もあります。

中小SIerでは、マネジメント経験がなくてもプロジェクトマネージャーやチームリーダー候補として積極採用している場合があるため、求人は常にチェックしておきましょう。入社後は、プロジェクトマネージャーの支援を受けながらマネジメントスキルを磨いていくことになります。

SEとプロジェクトマネージャーの年収比較

SEとプロジェクトマネージャーの想定年収について、政府統計とレバテックキャリアから紹介します。

政府統計(厚生労働省)

厚生労働省の職業情報提供サイトjobtag(日本版O-NET)より、SEとプロジェクトマネージャーの年収を紹介します。出典は令和3年賃金構造基本統計調査です。

プロジェクトマネージャ(IT):733.6万円
システムエンジニア(業務用システム):523万円
※それぞれプロジェクトマネージャ(IT)が属する主な職業分類(情報処理プロジェクトマネージャ)とシステムエンジニア(業務用システム)が属する主な職業分類(ソフトウェア開発技術者)の統計情報です。

レバテックキャリアの求人例

プロジェクトマネージャー
求人A(不動産業)…年収600万円~800万円
求人B(サービス業)…500万円~1000万円
求人C(IT・通信業)…500万円~800万円

SE
求人A(IT・通信業)…420万円~650万円
求人B(IT・通信業)…420万円~600万円
求人C(IT・通信業)…350万円~700万円

このように、SEとプロジェクトマネージャーの年収には、150~300万円程度の差があることがわかります。プロジェクトマネージャーにキャリアアップすることができれば、大幅な年収アップも不可能ではありません。

関連記事:プロジェクトマネージャーの転職市場状況について

プロジェクトマネージャー以外のSEのキャリアパス

SEがプロジェクトマネージャー以外でキャリアアップを図る場合に、選択肢となるキャリアパスを紹介します。

よりモダンな技術を扱うSEになる

SEとして培った経験を活かしつつ、先進性の高いスキルを習得することでキャリアアップを図ることが可能です。先端技術を身に着けることが、収入とキャリアを高めることにつながります。(職種名等はケースバイケースで変わってきます。)

具体的に現在人気の高い技術として、AI、IoT、AR・VR、セキュリティ、データサイエンス、ブロックチェーンなどが挙げられます。

求人例(AI)

【業界】
◆IT・通信

【業務内容】
◆AI・機械学習エンジニア
外観検査、病理診断、故障予知、自動運転、来店者数予測などの各種AIや機械学習を用いたソリューション
・ビッグデータを用いた機械学習アルゴリズムの構築
・DeepLearningアルゴリズム構築
・学習済みモデルを活用したシステム開発

【求められるスキル・経験】
・IT実務1年以上(研究員・ポストドクター経験含む)
・AI技術要素の利用歴1年以上

【想定年収】
600~700万円

【勤務地】
東京都

求人例(IoT)

【業界】
◆IT・通信

【業務内容】
◆IoT・データエンジニア
データ分析基盤の企画・導入・運用・保守を担当するエンジニア
・データ分析基盤の導入・運用・保守
・データ分析の可視化とコンサルティング
・IoTを活用したデータ収集システム構築
・クラウド基盤を用いたCI/CD環境構築

【求められるスキル・経験】
・クラウドサービスを活用した業務経験1年以上
・システム開発経験1年以上

【想定年収】
500~700万円

【勤務地】
東京都

ITコンサルタント

SEやプロジェクトマネージャーよりさらに上流の工程であるコンサルティングを行うITコンサルタントもキャリアパスとして選択肢に入ってきます。特に顧客に対し要件定義やシステム提案を行う仕事に関わっている場合には、その延長線上にある職種です。

求人例

【業界】
◆IT・通信(SIer)

【業務内容】
◆ITコンサルタント
ユーザの業務改善支援、システム開発支援、提案書作成支援
・ユーザへの現行業務ヒアリング、業務整理、課題検討
・システム要求事項(RFP)検討支援
クライアントは生産管理、販売管理、物流など多岐に渡り、大規模プロジェクトで活躍可能です。

【求められるスキル・経験】
・システム企画、開発、運用保守等でクライアントと直接コミュニケーションを行う業務1年以上

【想定年収】
600~750万円

【勤務地】
東京都

PMO

PMO(Project Management Office)は、システム開発プロジェクトの推進においてQCDの達成を支援する職種です。システム開発プロジェクトの中心となるプロジェクトマネージャーを補佐し、プロジェクト管理業務を円滑に実施します。

求人例

【業界】
◆IT・通信

【業務内容】
◆PMOとして大型プロジェクトの推進を支援
・プロジェクトの成果物、ソフトウェアに対する品質保証活動
・開発プロセスの策定や指導など業務改善
・アジャイル・スクラムプロジェクトでの開発推進

【求められるスキル・経験】
・中規模以上の開発プロジェクトでのプロジェクトマネージャー/プロジェクトリーダー経験3年以上

【想定年収】
650~800万円

【勤務地】
東京都

フリーランスSEとして独立

フリーランスSEとして独立することもキャリアアップを図る選択肢の一つです。組織に所属せずフリーランスとしてプロジェクトごとにアサインする形態をとることで、報酬額のコントロールやワークライフバランスの実現などがしやすくなることがメリットです。一方で組織による教育や補償などのバックアップがなくなるため、一通りのスキルを身に着けて自信がついたのちに独立するケースが一般的です。

まとめ

本記事では、SEとプロジェクトマネージャーそれぞれの仕事内容や求められるスキルの違い、SEからプロジェクトマネージャーを目指す方法、年収の違いなどについて紹介しました。

SEからプロジェクトマネージャーになるには、単に資格取得や転職を繰り返すだけではなく、マネジメントやプロジェクト運営経験を積めるポジションを狙うことが重要です。企業や組織によっては、20代半ばであってもマネジメント業務の一部を任せてくれる場合もあります。プロジェクトマネージャーを目指すのであれば、なるべくそういった業務に携われる職場に身を置くことが大切です。

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