Web業界とは
Web業界とは、インターネットを介して法人や個人に向けてサービスを提供したり、集客を目的とした施策を実行したりして、最終的に利益を得ることをビジネスとしている業界です。
たとえば、動画やスポーツ中継などをWebで閲覧できるサブスクリプションサービスや支払いで使えるQRコード決済サービス、商品をオンライン上で購入できるECサイトなどは、Web業界のビジネスとして分類できます。
ここからは、Web業界に関わる仕事の魅力やその内容、市場状況などを解説します。
Web業界の仕事の魅力
Web業界で働く魅力としてよくいわれるのは、パソコンとインターネット環境で完結できる点です。
オフライン(対面)の必要性が他業界より少なく、昨今増えつつあるリモートワークの導入が進んでいます。フリーランスとして活躍している人も多く、ライフスタイルに合わせたキャリアプランを描きやすい点は魅力といえるでしょう。
Web業界の主な仕事内容とは
Web業界の主な仕事内容は、Webサイトや自社Webサービスの開発・管理です。そのほかにも、Webデザイン、Webシステム、Webアプリの開発・メンテナンスやネットメディアの管理など、Webブラウザを通じたさまざまな仕事が挙げられるでしょう。また、客先へ直接訪問せずに顧客とのコミュニケーションや商談を行う、インサイドセールスを中心とする営業部門も存在します。
Web業界の仕事は、計画・設計・制作・運用/改善の流れで進められるケースが多いです。その各工程の仕事を取り仕切るのが、WebプロデューサーやWebプランナー、Webディレクターになります。
Web業界の市場規模と今後の展望
Web業界を下支えするICT(情報通信技術)市場は堅調に成長しています。総務省が発表した、令和5年「情報通信に関する現状報告」(令和5年版情報通信白書)によると、国内の2022年度のICT市場規模は27.2兆円で前年比では5.2%増でした。また、デジタルインフラの整備・強化に向けた取り組みも始まっています。
たとえば、セキュリティやプライバシー保護を強みとするWeb3.0の到来、次世代情報通信インフラBeyond 5G(6G)の実現の推進など、ICTを利活用する潮流が活発です。
以上のことから、今後もWeb業界はICT市場とともに成長し続け、社会にとっても欠かせない業界となっていくでしょう。情報収集や学習、娯楽、ビジネスなど、あらゆる目的が果たせるWebの存在は非常に大きいといえます。
Web業界での仕事もより重要性が高まっていくと考えられますが、AI(人工知能)など新たな技術の普及によって、業務内容が変化したり代替えされたりする可能性は否定できません。そのため、Web業界で仕事を続けていくには、業界動向や最新の情報技術について注視し時代の流れに適応していく柔軟性が必要でしょう。
Web業界が扱う主なサービス
Web業界に属する企業が提供しているサービスは、主に8つに分類されます。そのため、Web業界での仕事はこのうちのいずれかに該当する場合が多いです。インターネットを日常的に使っている人にとって、馴染みのない言葉もあるでしょう。これまで知らなかったWebサービスの存在が分かると、仕事の選択肢も増えます。ここでは、Web業界が扱う主なサービスについて、それぞれ解説していきます。
1. Web広告
Web業界が扱う代表的なサービスとして、Web広告が挙げられます。Web広告とは、検索結果やWebサイト、SNSなどWeb上に表示される広告です。広告主または広告主から委託された代理店といった第三者が運用しており、テキストや画像、動画などさまざまな形式のWeb広告が存在します。
Web広告は、広告を見た閲覧者の購買意欲を促進したり、特定のWebサイトやプラットフォームに誘導したりするためのサービスです。
2. eコマース
いわゆるインターネット通販(電子商取引)のサービスがeコマースと呼ばれます。最近では決済機能や顧客管理機能だけを提供するサービスも登場しており、個人規模のWebサイトでもインターネット通販のサービスを提供できるようになりました。Amazon、楽天市場などを代表とするネットショップやネットオークションもeコマースです。
3. SNS
SNSはソーシャル・ネットワーキング・サービスの略で、インターネットを介し他者との交流ができるプラットフォーム(Webサービス)のことを指します。文面や画像による投稿・交流が基本ですが、広義で捉えると動画や配信を通じて交流ができるものもSNSの1種といえるでしょう。よく知られているのは、X(旧:Twitter)やInstagram、Facebook、YouTube、LINEなどのSNSです。
4. ソーシャルゲーム
SNSをプラットフォームとして提供されるゲームが、ソーシャルゲームです。SNSアカウントと連携すると、SNSのプロフィールをゲーム上でも利用できます。また、多くのゲームにチャット機能があり、他者と交流ができるのも特徴です。ソーシャルゲームは、若者を中心に利用者が増加しています。
5. eラーニング
eラーニングとは、インターネットを介した学習サービス全般を指します。eラーニングの普及によって、昨今では分厚い本を読まずともPCやスマートフォンで学習できるようになりました。
たとえば、Web業界の職種であるWeb系エンジニアには、JavaScriptなどプログラミング言語のスキルが必要です。その習得の手段として、インターネット環境があればどこでも学習できるeラーニングを活用する人が増えています。
6. 電子書籍
電子書籍もWeb業界が扱うサービスの1つです。電子書籍とは、紙の書籍を電子化しPCやスマートフォン、タブレットなどで閲覧できるようにしたものを指します。eコマースを通じて書籍の電子データを購入した上で、電子書籍リーダーを使って読むサービスです。電子書籍は紙に比べて出版にかかる費用が圧倒的に低いため、個人が出稿し販売しているケースも珍しくありません。
7. ポータル
ポータルとはインターネットを利用する時の入口になるWebサービス全般を示す言葉です。ポータルには以下のとおり複数の種類があります。
総合ポータルサイト | ニュースや天気、ファイナンスなどの あらゆる情報を網羅的にまとめたWebサイト |
検索ポータルサイト | 検索エンジンを代表とする世界中の情報を 検索できるWebサイト |
業種特化ポータルサイト | 特定のジャンルに絞って運営されているWebサイト |
8. キュレーション
キュレーションサービスとは、Web上のコンテンツを、ある特定のテーマや切り口で読みやすくまとめたものを指します。Web上の情報量は膨大なため、特定の情報に絞って探したい人には便利なサービスでしょう。たとえば、ニュース特化型のグノシーやSmartNews、ビジネス特化型のNewsPicsなどが挙げられます。
自社コンテンツとして発信するオウンドメディアと混同されがちですが、キュレーションサービスはほかのWebサイトから情報を集めて編集し発信する「まとめサイト」である点が違いです。
Web業界の代表的な9つの職種と仕事内容
Web業界は幅広いサービスを提供しているため、それに付随するさまざまな職種や仕事が存在します。Web業界の代表的な職種は9つです。1つのWebサイトを作成するだけでも、企画から運用までにあらゆる職種が携わり、仕事内容も細分化されているケースが多いでしょう。
ここでは、Web業界の代表的な9つの職種と仕事内容について、それぞれ解説していきます。あわせて紹介する平均年収は、2024年7月時点でレバテックキャリアに掲載されている求人情報から算出しました。
関連記事:未経験からWebディレクターになるには?転職のポイントを解説
1.Webデザイナー
Webデザイナーは、Webサイトのデザインを担当する職種です。センスが必要な専門職ですが、基本的な作業を把握し専門知識を身につければ、未経験者でも転職はできます。しかし、Webデザインのトレンドは日々変わり続けるため、最新のデザインに関する知識やスキルが求められるでしょう。そのため、学習し続ける姿勢が必要です。
以下に、Webデザイナーの平均年収と必要なスキルについてまとめました。
平均年収 | 約569万円 |
必要なスキル | デザインの知識、グラフィックツール(Adobe) の操作スキル、HTML/CSSのコーディングスキル |
Webデザイナーの求人・転職情報一覧>
関連記事:Webデザイナーに必要なスキル・スキルマップとは
Webデザイナーの仕事内容
Webデザイナーは、WebサイトやWebサービスの制作において配色やレイアウト、フォントの選定などのデザインが主な仕事です。見た目だけでなく視認性や回遊性といったユーザビリティも含めてデザインを作成しなければなりません。作成するWebサイトはコーポレートサイトやECサイトなどさまざまです。
グラフィックソフトで作成したデザインをサイトに反映するコーディングを担当する場合もあります。近年ではモバイルを含めたレスポンシブデザインが主流であるなど、つねにトレンドの情報を追いかけWeb業界のクライアントニーズを満たすことが重要です。
関連記事:Webデザイナーとは?仕事内容や他職種との違い、未経験からの目指し方も紹介
Webデザイナーの将来性
Webデザイナーの活躍の場はインターネット広告やWebサイト制作などの現場が多く、広告に携わる仕事は今後ますます増えていくでしょう。
2024年2月27日に電通が発表した「2023年 日本の広告費」によると、2023年の日本のインターネット広告費は3兆3,330億円にものぼり、前年比107.8%と成長速度が顕著です。また、コロナ禍でも成長を続け、マスコミ四媒体(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)の広告費を超えています。
総広告費で見ても、アフターコロナといわれる2020年から3年連続で増加しており、Web業界の追い風となっているといえるでしょう。そのため、Webデザイナーの需要はしばらく続くと考えられます。
関連記事:Webデザイナーは将来性がない?後悔しないために知るべきこと
2.Webマーケター
Web上のビジネス戦略に欠かせないプロモーションを行うWebマーケターも、Web業界の代表的な職種です。Webマーケターには、Web業界の深い知識と必要な情報を選び取る情報収集力や分析力が求められます。
以下に、Webマーケターの平均年収と必要なスキルについてまとめました。
平均年収 | 約642万円 |
必要なスキル | マーケティングの知識・技術、戦略設計力、分析力、 ロジカルシンキング、各種マーケティングツールや Excelなどの操作スキル |
Webマーケターの仕事内容
Webマーケターの仕事は、インターネットを活用したプロモーション活動です。Webマーケティングのさまざまな技術やサービスを用いて商品の宣伝や販売を行い、集客やブランド認知向上、売上につなげる役割を担います。
オフラインのマーケティングと違って、Webマーケティングは訪問者数や成約率、ページ滞在時間などのあらゆる状態を数字で計測できるため、検証や改善が容易である点がメリットです。代表的なWebマーケティングの施策としては、検索エンジンに上位表示する施策であるSEOや、検索連動型広告、ディスプレイ広告などの、有料の出稿媒体を活用するインターネット広告が挙げられるでしょう。
SNSマーケティングやWebアクセス解析からのデータ分析などを行うのも、Webマーケターの仕事です。さらに、CRMツールの代替としたリストマーケティングも取り入れられています。
3年前の技術が役に立たないといわれるほど変化の激しい分野であるため、つねに新しい情報を仕入れて応用していける人材が求められます。
Webマーケターの将来性
近い将来、Webマーケターの需要がなくなるとは考えにくいです。Web業界のビジネスにはマーケティング手法が欠かせず、その高いスキルをもつWebマーケターの存在は重要といえます。また、Web業界でも特にインターネット広告市場は拡大し続けており、広告を用いたWebマーケティングも活発に行われています。
近年、SNSマーケティングや動画マーケティングが注目されているように、トレンドとなるプラットフォームの移り変わりは激しいです。それに伴ってWeb業界でのビジネス戦略も変化していくため、流行に合わせてスキルをアップデートしていけるWebマーケターには将来性があるでしょう。
3.Web系エンジニア
Web系エンジニアとは、Webコンテンツ全般のシステム開発・保守を担う職種です。Web系エンジニアは、主にフロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアなどに分類され、Webシステム構築のためには欠かせない職種といえます。また、Webサービス開発用の言語をクライアントの要望に合わせて使いこなす必要があり、需要が高い職種です。
以下に、Web系エンジニアの平均年収と必要なスキルをまとめました。
平均年収 | 約747万円 |
必要なスキル | PHP・Ruby・JavaScriptなどのプログラミングスキル、 サーバー構築スキル、SQL・データベース関連の知識 |
Web系エンジニアの求人・転職情報一覧>
関連記事:Webエンジニアが転職を成功させるには?6つのステップで解説
Web系エンジニアの仕事内容
Webエンジニアは、WebサイトやWebサービスに関連するシステムの開発・保守を主に行う仕事です。Webサービスとは、Google ChromeやFirefoxなどのブラウザを通じて、ユーザーにサービスを提供するシステムを指します。身近な例としては、ECサイトのショッピングカート機能やSNS、動画配信サービスなどです。
Webエンジニアは、JavaScriptを用いたフロント開発やRubyやPHPを用いたサーバーサイドの開発などに携わります。担当する領域・案件によってはHTMLやCSSを用いてデザインコーディングを行うケースもあるでしょう。
関連記事:フロントエンドエンジニアとWebデザイナーの違いは?多角的に比較
Web系エンジニアの将来性
Web業界を支えるWeb系エンジニアの需要は、すでに高く将来的にも有望といえます。自動化やAIの発達による将来性への懸念の声もありますが、保守や改修など自動化が難しい業務もあるのが現状です。仕事内容が変化していく可能性はあるものの、エンジニアが不要になる将来は現状考えづらいでしょう。
4.Webライター
Webライターとは、Webサイト上に掲載される文章やキャッチコピー、ネーミングなどの制作を手掛ける専門職です。Webライターが創り出す文章は、Webコンテンツの魅力を大きく左右し、その成否に直結するため、Webコンテンツの制作工程において欠かせない存在といえるでしょう。Webライターは、Webコンテンツ制作の分野において、デザインと並ぶ重要なクリエイティブな役割を担います。
WebディレクターやWebデザイナーがWebライターを兼任する場合もあり、Webライターのみの求人は比較的少なめです。
以下に、Webライターの平均年収と必要なスキルをまとめました。
平均年収 | 約563万円 |
必要なスキル | SEO、Webマーケティングの知識、情報収集力、 文章作成力、CMSの操作スキル、基礎的な コーディング・デザインスキル |
Webライターの仕事内容
Webライターは、Webサイト上のさまざまなコンテンツやサービスを構成する文章を作成する仕事です。主にWebサイトのコラム記事や広告記事など幅広いジャンルのライティングを行います。
特定のジャンルに限ったWebライターもいますが、ジャンルを絞らず文章を請け負う場合もあり、比較的幅広い知識が必要となります。また、検索エンジンや集客SEOの知識、Googleアルゴリズムの理解などWebサイトや関連コンテンツの専門知識も必要です。
Webライターの将来性
WebコンテンツのテキストはAIでも作成可能です。しかし、コンテンツにテキストを載せる目的が「SNSでの拡散」「特定の人に向けたPR」「実際の体験や対話を掲載する記事」など多様なため、人が作成した文章にAIが勝るのはまだまだ先になるでしょう。AIは客観的な記事は作成できても、正確性に欠けていたり人の感情までは書き起こせなかったりするなど、未熟な部分も多いからです。
仮にAIがライティングを担う時代が到来しても、最終チェックや修正を行うのはWebライターです。文章の整合性を確認したり記載情報を精査したりする修正や、既存記事の見直しをするリライト作業は今後も重要とされるため、Webライターの将来性は決して低くないと考えられます。
5.Webディレクター
WebディレクターはWeb関連職種からなるメンバーをまとめ、現場の指揮を執る役割を持ちます。いわば、Webサイト制作やWebサービス開発における現場監督のような存在です。現場側とクライアント側の双方の落としどころを見つけ、Webにまつわる制作を目的に向かって進めます。
以下に、Webディレクターの平均年収と必要なスキルをまとめました。
平均年収 | 約760万円 |
必要なスキル | 企画・提案・統率力・交渉・問題解決力、 コミュニケーション・マネジメントスキル、 Web表示の法律関連などWeb全般の知識 |
Webディレクターの求人・転職情報一覧>
関連記事:
Webディレクターとは?仕事内容や求められるスキルについて
Webディレクターに必要な20のスキル!役立つ資格も紹介
Webディレクターにおすすめの資格!効率的な勉強方法も紹介
Webディレクターの仕事内容
クライアントからヒアリングしたニーズをもとに企画を立てて調整を行い、メンバー選定やスケジュールの仕様を決定してプロジェクトを立ち上げます。営業に代わって、現場目線で予算の交渉や契約を行う場合もあるでしょう。
プロジェクトが立ち上がったらスケジュールに従って仕事を進めていきます。Webデザイナー、Webマーケター、Webエンジニアなどから構成されるチームを率いて、プロジェクト全体を進行・管理します。納品前には、クライアントから求められているニーズを満たせているか、品質の最終チェックを行うのもWebディレクターの仕事です。
Webディレクターの将来性
Web業界にはさまざまなプロジェクトが存在し、市場も成長の一途を辿っているため、Webディレクターの役割は重要です。
また、Webサイト、Webサービスの進化スピードは目覚ましく、競合他社に遅れをとらないためには定期的に改修を行う必要があります。実際に手を動かすのはデザイナーやエンジニアですが、各タスクの舵取り役であるWebディレクターは自動化やAIでは代用が難しい存在であり、今後も必要不可欠といえるでしょう。
関連記事:Webディレクターに将来性はない?今後の需要やスキルアップする方法
6.Webプロデューサー
Webディレクターが現場監督としての役割を持つ一方、Webプロデューサーは全体の責任者の立場を持ちます。クライアントとのやりとりも増えるため、多角的な視点でWebプロジェクトを進める必要があります。
以下に、Webプロデューサーの平均年収と必要なスキルをまとめました。
平均年収 | 約633万円 |
必要なスキル | 企画・提案・統率力・交渉・問題解決、予算管理力、 コミュニケーション・マネジメントスキル、 Web表示の法律関連などWeb全般の知識 |
Webプロデューサーの仕事内容
Webプロデューサーはクライアントの要望をくみ取り、制作すべきWebサイトの企画を考えて顧客に提案します。Webディレクターの仕事と重複する部分もあるでしょう。また、プロジェクトによっては、WebディレクターがWebプロデューサーの業務を兼任するケースもあります。
Webプロデューサーの将来性
Web業界のトレンドの移り変わりは速いため、そういった潮流に敏感で、斬新なアイデアを提案できるWebプロデューサーは今後も需要があるといえます。
近年では、さまざまな業界の企業がWeb上で自社のコンテンツを発信したり、Web上でのマーケティング戦略を実行したりすることに前向きです。そのため、Web業界のクライアントはより増加していくと考えられ、Webプロデューサーが行う提案や企画の重要性も高まるでしょう。
7.Webプランナー
クライアントから要望を聞き取り、Web的戦略を立てるのがWebプランナーです。制作するWebサイトへの深い理解が必要となり、Webディレクターが兼任する場合も多い仕事となります。
以下に、Webプランナーの平均年収と必要なスキルをまとめました。
平均年収 | 約637万円 |
必要なスキル | Webサイト全般の知識、 ヒアリング・コミュニケーションスキル |
Webプランナーの仕事内容
Webプランナーは、クライアントの要望やイメージをもとに、制作するWebサイトやWebサービスのプランを立てる職種です。立場的には、WebプロデューサーとWebディレクターのあいだに存在するイメージです。Webディレクターよりもクライアントと距離が近い仕事といえるでしょう。
しかし、Webプランナーとして1つの職種で分けるケースは日本ではあまり少なく、企業やプロジェクトの規模次第で、営業かWebディレクターが担当するのが一般的です。
Webプランナーの将来性
Webプランナーの仕事が近い将来なくなるのは考えにくいです。しかし、Webプランナーの仕事が細分化されてきている傾向が見られます。たとえば、求人例などを参考にすると広告やゲーム、Webサイト制作など、ある分野に精通している人材を募集している場合が多く、単に「Webプランナー」の肩書きだけでは活躍しにくい面も考えられます。
そのため、今後はスキルを掛け合わせたり特定の専門知識を発揮できるWebプランナーが活躍していくでしょう。
8.Webオペレーター
Webオペレーターとは、Webサイトの運用・管理を主に担う職種です。Webサイトの情報更新や顧客とのやりとりがメインです。難しい技術は求められずマニュアルさえあれば始められる未経験からでも参入しやすいでしょう。また、Webサービスによっては対応時間が決められている場合があり、ライフワークバランスがとりやすい職種でもあります。
以下に、Webオペレーターの平均年収と必要なスキルをまとめました。
平均年収 | 約375万円 |
必要なスキル | Web制作に関する知識、基本的なパソコン操作スキル |
Webオペレーターの仕事内容
主な仕事内容はWebサイトの情報更新や不具合対応、カスタマー窓口などで、サイト全体の運用や管理です。Webオペレーターが開発やスタートアップに立ち会う機会はなく、ほとんどの場合で既存Webサイトに関わります。Webオペレーターは企業によって業務内容の違いが大きいため、事前に仕事内容を確認する必要があるでしょう。
Webオペレーターの将来性
Webオペレーターの将来性は低いといえます。ただし、Web業界への転職するきっかけとするなら
良いでしょう。実際に、「Webオペレーター」で募集している求人は少ないのが現状です。Webサイトの運用・管理はほかの職種が兼任している場合も多く、わざわざポジションを設けている企業が少ないといえるでしょう。また、年収もほかのWeb業界の仕事と比べて低めです。近い将来では職種自体がなくなる可能性も否定できません。
9.Webコーダー
Webコーダーとは、Webライターが作成したテキスト、Webデザイナーの制作した画像やデザインなどを、Web上で閲覧できるように記述(コーディング)する職種です。Webサイトを指定されたデザインどおりに仕上げるには、そのデザインを正確に表現する技術力と、精密なコーディングの知識が欠かせません。
以下に、Webコーダーの平均年収と必要なスキルをまとめました。
平均年収 | 約507万円 |
必要なスキル | HTML/CSS・JavaScriptなどのプログラミング、 可読性の高いソースコード記述、グラフィックツールの操作スキル、 Webデザインの知識 |
Webコーダーの仕事内容
主な業務内容として、コーディング作業や文章構造の設計、制作ページのデバッグなどが挙げられます。コーディングにはHTMLやCSSの知識が必要不可欠で、バグを見つけて修正もするのもWebコーダーの仕事です。
Webエンジニアとの違いは、Webコーダーがコーディングをするのに対して、Webエンジニアは開発業務にも携わります。Webコーダーとしての経験を積み、Webエンジニアに転身する人も多いです。
Webコーダーの将来性
Webコーダーの需要は年々減少しているため、Web業界で長く仕事をしていきたい人にはおすすめできません。レバテックキャリアの求人に限っても、その数は極端に少ないのが現状です。また、コーディングスキルだけでは活躍が難しくなっておきており、デザインやマーケティングの観点も考慮したハイレベルな人材が求められているといえます。
たとえば昨今のWeb制作では、コーディングスキルのない人でも簡単にコンテンツが制作・アップロードできるCMSやノーコードといったツールが活用されています。定型的なコーディングや簡素な作業の自動化が進んでいるため、Webコーダーの将来性を懸念する声も多いです。
未経験からWeb業界の仕事へ転職するには
Web業界には、未経験で転職しやすい仕事もあれば、一定以上の経験が求められるハイレベルなものもあります。そのため、未経験からの転職を成功させるには、職種の見定めが重要といえるでしょう。ここでは、未経験からWeb業界の仕事に転職するためのポイントについて解説します。未経験からWeb業界に転職を検討する際の判断材料として役立ててください。
関連記事:未経験からWeb業界へ転職する方法を職種別に解説
未経験から転職しやすいWeb系職種
未経験におすすめのWeb業界の職種としては、WebデザイナーやWeb系エンジニア、Webライターが挙げられます。入社後に研修が受けられたり、先輩のサポートを受けながら仕事を覚えていけたりする体制が整っている企業を選択するのがポイントです。
これらの職種に転職するには、必要なスキルを身につけて実績を作り、成果物として提出できるポートフォリオを準備しておきましょう。ポートフォリオを作ると、自分の実力を選考段階でアピールできます。
未経験からの転職は難しいWeb系職種
WebディレクターやWebプロデューサーは、Webサイト制作やWebサービス開発に関する幅広いスキルや知識が求められるため、未経験可の中途求人は少ない傾向にあります。そのため、Web業界に入る第一歩として、まずはWebデザイナーやインフラエンジニア、Webコーダーとして転職し、現場での実践を積んでから検討すると良いでしょう。
関連記事:
未経験からWebディレクターになるには?転職のポイントを解説
Webディレクターの転職状況は?成功のコツやキャリアパス例も
志望動機の解像度を上げる
未経験の場合、経験者と比べると業務に直結するスキル面の説得力が弱くなりがちなため、志望動機が重要なアピールポイントになります。しかし、熱意ばかりが先行して志望動機が抽象的な内容になると、「自社への優先度がそこまで高くないのではないか」など採用担当者に好ましくない印象を与える場合もあるでしょう。
以下の4つのポイントを押さえつつ、具体的なエピソードも交えて志望動機を伝えられると、より好印象を与えやすくなります。
-
1. なぜその業界/職種で働きたいと思ったのか
2. 数あるWeb業界の中で、なぜその会社を志望したのか
3. 現在のスキルや経験をどのように活かせるか
4. 将来、Web業界で自分がどうなりたいか(キャリアプラン)
関連記事:
Webデザイナーの志望動機の書き方!書く時のポイントや例文を紹介
Webディレクターの志望動機の例文!書き方のポイントを解説
業界研究を入念に行う
志望動機の解像度を上げるためには、自身の意向やスキルを振り返るのは前提として、業界研究を入念に行うのも大切です。自分の志望する業界については、業界研究の重要項目として以下の4つを最低限押さえておき、志望動機を考えるステップを踏むと良いでしょう。
-
1. 現在の市場規模
2. 業界の課題
3. 将来の展望
4. 最新ニュース
エンジニアなど技術系職種の経験があると転職に有利
応募する職種が未経験でも、Web業界でエンジニアなどの技術系の仕事をした経験がある場合は有利になる場合があります。ただし、そういったケースでもWebディレクターやWebマーケターのような上流工程の職種は比較的難易度が高いでしょう。
そこでキャリア形成のために、まずはWebエンジニアといった技術系職種を目指すのが順当なステップといえます。Web制作やエンジニアリングの現場経験があると、予期せぬ問題が生じた際に対処できる能力が養え、Web業界でのさまざまな仕事にも役立つからです。
Web業界での長期的なキャリアを目指す方には、ファーストステップとして技術系職種の実務経験を積むことをおすすめします。
関連記事:SIerからWeb系企業への転職を成功させるには?難易度や成功例
キャリアプランを明確にする
志望動機の書き方や企業選びの際は、キャリアプランを明確にしておく必要があります。Web業界は技術革新のスピードが目覚ましく、トレンドとなる分野やスキルも移り変わりが激しいです。描いたキャリアプランどおりに5年後、10年後と歩みを進めるのが難しい業界といえるでしょう。
そのため、将来設計を安易に考えたまま転職活動に望むのはおすすめできません。採用担当はキャリアプランの「実現可能性」よりも「一貫性・論理性」を重視して見る場合が多いです。
現時点でのキャリアプランから逆算して「将来○○を目指しているため、まずは●●の実務経験を積みたいと考えました」といった形に落とし込めると、その職種に就きたい理由として説得力が上がるでしょう。
Web業界の仕事に関するよくある質問
Web業界への転職を検討している方から、Web業界の仕事に関するさまざまな質問が寄せられます。よくある質問は、文系からの転職可否や在宅勤務など勤務形態に関するものなどです。ここでは、Web業界の仕事に関するよくある質問に回答します。Web業界への転職に対する不安や疑問を解消し、転職活動に役立ててください。
Q1. Web業界への転職は文系からでもできますか?
文系からの転職も可能です。Web業界は出身学部や学歴、年齢、性別による差はなく、未経験からも比較的転職しやすい業界といえます。特定の職種は経験が必要とされるため、それらの職種につきたい場合には、下流工程を担う職種などで経験を積みチャレンジすると良いでしょう。
Q2. Web業界は残業が多いですか?
働く業種や職種次第といえます。制作会社や代理店などはクライアント事情に合わせて動く必要があるため、残業が多くなりやすい傾向にあると考えられます。また、納期が厳しく設定されている仕事は、比較的残業になるケースが多いです。同業種・職種であっても、企業によって違いがあるでしょう。
Q3. Web系の職種だと在宅で仕事ができますか?
Web業界の職種は遠隔でも作業ややりとりが完結できる仕事が多く、在宅によるリモートワークがしやすいといえます。一部のクライアントによっては対面での打合せを希望される場合もあるため、窓口に近い職種に関しては、出社の可能性もあります。また、リモートワークを導入していない企業では原則出社となるでしょう。
Q4. Web業界とIT業界の違いは何ですか?
ITとは情報技術を指します。IT業界とは、システム開発やアプリケーションの開発、スマートフォンアプリやゲームなど、コンピュータに関係するほぼすべてのビジネスを包括的に指す言葉です。つまり、Web上でビジネスを展開するWeb業界もIT業界の大きな枠組みの中に含まれ、その範囲が違いといえるでしょう。
Q5. Web業界に向いている人とはどのような人ですか?
Web業界の仕事は、以下に該当する人が向いています。
-
・論理的に物事を考えられる
・人や集中してタスクを遂行する持続力がある
・コミュニケーション能力が高い
・つねに自己改善を求める意欲がある
このような資質は、Web業界のあらゆる仕事に共通して求められますが、日々の意識や努力で養えるものも多いです。
まとめ
Web業界は多岐に渡る職種が存在し、市場の拡大が年々見られる注目の分野です。しかし、Web業界の潮流の変化は激しいため、それに伴って職種に求められるスキル要件も変化していく可能性は否定できません。また、Web業界には未経験からでも挑戦しやすい職種が存在する一方、そういった仕事は近い将来なくなると懸念する声もあります。
そのため、未経験でWeb業界を目指すなら、まずは障壁の低い職種やエンジニア系の仕事に就き、経験を積むのがおすすめです。その後、将来性の高い職種へのキャリアチェンジを試みるのがより確実な道といえるでしょう。
Web業界に興味がある方は、本記事を参考に転職を検討してみてはいかがでしょうか。
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通しており、現状は転職のご意思がない場合でも、ご相談いただければ客観的な市場価値や市場動向をお伝えし、あなたの「選択肢」を広げるお手伝いをいたします。
「将来に向けた漠然とした不安がある」「特定のエンジニア職に興味がある」など、ご自身のキャリアに何らかの悩みを抱えている方は、ぜひ無料のオンライン個別相談会にお申し込みください。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが、一対一でさまざまなご質問に対応させていただきます。
「個別相談会」に申し込む
転職支援サービスに申し込む
※転職活動を強制することはございません。
レバテックキャリアのサービスについて