- 未経験・初心者インフラエンジニアにおすすめの資格一覧
- インフラ経験者のスキルアップにおすすめ資格
- インフラエンジニア向けの資格を取得するメリット
- インフラエンジニアの資格取得に向けたロードマップ
- インフラエンジニアの資格取得に向けた勉強方法
- インフラエンジニアに関するよくある質問
- まとめ
未経験・初心者インフラエンジニアにおすすめの資格一覧
インフラエンジニアに役立つ資格は、大きく分けて「国家資格」と「ベンダー資格」の2種類があります。未経験や初心者のインフラエンジニアにおすすめの資格としては、国家資格である「ITパスポート試験」や「基本情報技術者試験(FE)」が挙げられます。
これらの資格を取得するためには、IT全般に関する幅広い知識が必要です。以下では、未経験・初心者向けのインフラエンジニアにおすすめの資格を紹介します。
資格名 | おすすめの人 |
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ITパスポート試験 | ITに関する基礎知識を身につけたい人など |
基本情報技術者試験(FE) | ITエンジニアとしてのキャリアを目指す初級エンジニアなど |
ITパスポート試験
ITパスポート試験は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施する国家資格です。この資格はエンジニアだけでなく、ITに携わる人やITの基礎知識を身につけたい人も対象としています。
IT関連の資格の中では比較的難易度が低く、短期間の勉強で合格できる可能性が高いとされています。そのため、インフラエンジニアを目指す人にとって、資格取得の第一歩として最適です。
試験はCBT方式(Computer Based Testing)で実施され、内容は「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」の3分野に分かれています。
試験内容 | ストラテジ系:企業戦略、経営計画、マーケティング、法規制など マネジメント系:プロジェクト管理、システム開発、情報セキュリティ、ITサービスマネジメントなど テクノロジ系:ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、データベースなど |
開催時期 | 随時 (CBT方式) |
難易度・合格率 | ITSSレベル1 (令和5年度:合格率50.3%) |
受験料 | 7,500円 (税込) |
おすすめの 人 | IT未経験者や初心者など |
2.基本情報技術者試験(FE)
基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門とされる国家資格で、ITエンジニアに求められる基礎知識を証明できます。資格取得の学習を行うことで、サーバーやネットワーク、セキュリティに関する基礎知識を網羅的に身につけることが可能です。
2023年から試験制度が変更され、それまでの年2回(春期・秋期)実施から、通年で受験できる形式に移行しました。これにより、自分の都合に合わせて日時や場所を選んで受験できるようになり、試験方式もコンピューターを使用するCBT方式に変更されています。
新制度下では合格率が約50%前後となっており、比較的取得しやすい資格といえます。まずはこの資格の取得を目指し、その後、さらなるステップアップとして他の資格に挑戦するのがおすすめです。
試験内容 | 科目A(テクノロジ系・ マネジメント系・ストラテジ系) 科目B(アルゴリズムと プログラミング、情報セキュリティ) |
開催時期 | 随時 (CBT方式) |
難易度・合格率 | ITSSレベル2 (令和6年11月度・合格率41.2%) |
受験料 | 7,500円 (税込) |
おすすめの 人 | 新人エンジニアなど |
インフラ経験者のスキルアップにおすすめ資格
インフラエンジニアの経験者がスキルアップを目指す際には、国家資格やベンダー資格の取得がおすすめです。国家資格には、応用情報技術者試験(AP)やデータベーススペシャリスト試験(DB)、ネットワークスペシャリスト試験(NW)などがあります。
一方、ベンダー資格では、AWS認定やシスコ技術者認定(CCNA)などが挙げられます。これらの資格を取得することで、専門知識を深めるだけでなく、キャリアの選択肢を広げることが可能です。以下では、インフラ経験者のスキルアップにおすすめの資格を紹介します。
資格名 | おすすめの人 |
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応用情報技術者試験(AP) | インフラエンジニアとしてステップアップを目指す中級者など |
データベーススペシャリスト試験(DB) | データベース設計や運用、管理に携わる中級~上級エンジニアなど |
ネットワークスペシャリスト試験(NW) | ネットワーク設計や構築、運用を担当する中級~上級エンジニア |
情報処理安全確保支援士試験(SC) | ITインフラやシステム運用でセキュリティを担当するエンジニアなど |
AWS認定 | AWS環境の運用や管理を担当するエンジニアなど |
Google Cloud認定資格 | Googleのクラウドサービスを取り扱うインフラエンジニアなど |
Microsoft認定資格 | Azureを取り扱うインフラエンジニアなど |
LinuC (Linux認定資格) | Linuxサーバーの構築や運用に携わるエンジニアなど |
シスコ技術者認定(CCNA) | ネットワークエンジニアを目指す初心者や若手エンジニア |
オラクルマスター | オラクルのデータベースの運用や管理を担当するエンジニアなど |
1. 応用情報技術者試験(AP)
応用情報技術者試験は、高度IT人材として必要な応用的な知識や技能を身につけ、高度IT人材としての方向性を確立した人が取得できる国家資格です。この試験は、基本情報技術者試験よりも難易度が高く、合格率は20%台とされています。そのため、インフラエンジニアがスキルアップを目指す際に挑戦する価値のある資格です。
試験内容 | 午前試験(多肢選択式:ITの基礎理論やアルゴリズム、 コンピュータ構成要素、データベース、ネットワークなど) 午後試験(記述式:経営戦略やシステムアーキテクチャ、 ネットワーク、データベースなど) |
開催時期 | 春期(4月)・秋期(10月) |
難易度・合格率 | ITSSレベル3 (令和6年度秋期・合格率28.5%) |
受験料 | 7,500円 (税込) |
おすすめの 人 | 経験3~7年程度のITエンジニアなど |
2. データベーススペシャリスト試験(DB)
データベーススペシャリスト試験は、データベースに関連する技術を活用し、情報システムの企画や要件定義、開発、運用、保守などを行うインフラエンジニア向けの資格です。この試験は情報処理技術者試験の中でも最高難易度とされるレベル4に位置し、合格には十分な知識と経験が求められます。試験では、データベース設計やSQL、DBMS関連など、データベース技術に特化した内容が出題されます。
試験内容 | 午前試験(多肢選択式:コンピュータの基礎知識、 システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア、 データベースの構造、SQL、トランザクション処理、 データベース設計、セキュリティなど) 午後試験(記述式:データベース設計やSQL、 大規模なデータベースシステムの構築や 運用に関する事例解析など) |
開催時期 | 秋期(10月) |
難易度・合格率 | ITSSレベル4 (令和6年度春期・合格率15.4%) |
受験料 | 7,500円 (税込) |
おすすめの 人 | データベースエンジニアなど |
関連記事:データベースエンジニアにおすすめの資格一覧!将来性や必要スキルも紹介
3. ネットワークスペシャリスト試験(NW)
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークに関する高度な専門知識を証明する国家資格です。サーバーはネットワークを介して通信するため、インフラ設計を行う際にも役立つ資格です。情報処理技術者試験のレベル区分において最高難易度のレベル4にあり、ネットワーク技術に関する十分な知識と経験が必要になります。
試験内容 | 午前試験(多肢選択式:コンピュータの基礎知識、 システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア、 ネットワーク、セキュリティなど) 午後試験(記述式:ネットワーク設計や構築、 運用、トラブルシューティングなど) |
開催時期 | 春期(4月) |
難易度・合格率 | ITSSレベル4 (令和6年度春期・合格率15.4%) |
受験料 | 7,500円 (税込) |
おすすめの 人 | ネットワーク設計や構築に携わるエンジニアなど |
関連記事:
ネットワークスペシャリストの年収は?難易度や合格率も解説
ネットワークスペシャリストを目指す人向け!年収やキャリアプランを徹底解説
4. 情報処理安全確保支援士試験(SC)
情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善を通して組織の情報セキュリティ確保に貢献し、脅威から継続的に組織を守るための基本的なスキルを認定する試験です。
2016年に廃止となった情報セキュリティスペシャリストの後継資格です。サイバーセキュリティに関する専門的な知識を持っていることを証明できます。ITインフラはシステムの基盤であるため、セキュリティの知識が欠かせません。
試験内容 | 午前試験(多肢選択式:コンピュータの基礎知識、 システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア、 ネットワーク、情報セキュリティリスク管理、 セキュリティ対策、インシデント対応など) 午後試験(記述式:与えられたケーススタディに 対して、適切なセキュリティ対策や インシデント対応策を記述するなど) |
開催時期 | 春期(4月)、秋期(10月) |
難易度・合格率 | ITSSレベル4 (令和6年度秋期・合格率15.1%) |
受験料 | 7,500円 (税込) |
おすすめの 人 | ITインフラやシステム運用でセキュリティを担当するエンジニアなど |
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5. AWS認定
Amazonが運営するクラウドサービス「AWS(Amazon Web Service)」の認定資格です。AWSは国内だけでなく世界でシェアトップクラスであるため、おすすめの資格です。AWSにはさまざまな資格がありますが、インフラエンジニアとしては次の3つの資格取得を目指すと良いでしょう。
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・クラウドプラクティショナー(ファンデーショナル):クラウドの基礎知識を証明する資 格
・ソリューションアーキテクト(アソシエイト):AWSを使ったインフラ構築に関する基礎 スキルを証明する資格
・ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル):AWSを使ったインフラ構築に関す る高度なスキルを証明する資格
合格率は非公開ですが、ファンデーショナルが半年の実務経験レベル、アソシエイトが一年の実務経験レベル、プロフェッショナルが2年の実務経験レベルが対象です。資格の有効期限は3年となっており、効果を継続するには同じ資格を再度受験し合格するか、上位の資格を取得することが必要です。上記以外にも、データベースやセキュリティなど、特定分野に特化した「スペシャリティ」資格も存在します。
試験内容 | ファンデーショナル:AWSの基礎的な知識など アソシエイト:特定のロール(ソリューションアーキテクト、デベロッパー、SysOpsアドミニストレーターなど)に特化した知識とスキル プロフェッショナル:アソシエイトレベルよりより高度な設計や実装能力など スペシャリティ:特定の専門分野(ネットワーク、セキュリティ、機械学習など)に関する深い知識など |
開催時期 | 随時(CBT方式) |
難易度・合格率 | AWSを利用した実務歴 ファンデーショナル:6カ月 アソシエイト:1年 プロフェッショナル:2年 合格率:非公開 |
受験料 | ファンデーショナル:100ドル アソシエイト:150ドル プロフェッショナル:300ドル スペシャリティ:300ドル |
おすすめの 人 | AWS環境の運用・管理に携わるエンジニアなど |
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6. Google Cloud認定資格
Google Cloud認定資格は、Googleが提供するクラウドサービスに関するスキルを証明する資格です。資格は「基礎」「アソシエイト」「プロフェッショナル」の3段階に分かれています。
この資格は、Googleのクラウドサービスを取り扱うインフラエンジニアにとって、欠かせないスキルを証明するものです。クラウド関連のキャリアを目指す際に役立ちます。
試験内容 | 基礎:クラウドのコンセプト、 Google Cloud のプロダクト、サービス、ツール、 機能、メリット、ユースケースに関する幅広い 知識など アソシエイト:クラウド プロジェクトをデプロイして 維持するための基礎スキルなど プロフェッショナル:主要な技術職務と Google Cloud プロダクトの設計、実装、 管理における高度なスキルなど |
開催時期 | 随時(CBT方式) |
難易度・合格率 | Google Cloudを利用した実務歴 基礎:無し アソシエイト:6カ月 プロフェッショナル:3年 |
受験料 | 基礎:99ドル アソシエイト:125ドル プロフェッショナル:200ドル |
おすすめの 人 | Googleのクラウドサービスを 取り扱うインフラエンジニアなど |
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7. Microsoft認定資格
Microsoft認定資格は、同社が提供するソフトウェアやサービスに関するスキルや知識を証明する資格です。Microsoftのクラウドプラットフォーム「Azure」を利用する企業も多く、Azureを運用・管理するインフラエンジニアには欠かせない資格と言えます。
この資格は、「Fundamental」「Associate」「Expert」の3つのレベルに分かれています。AzureのAssociateおよびExpertレベルでは、役割や専門分野に応じた複数の資格が用意されており、自分のキャリアに合わせて学習を進められます。
試験内容 | Fundamental:Azureなどの基礎的な知識など Associate:Azureなどの中級レベルの知識とスキルなど Expert:Azureなどの高度な専門知識とスキルなど |
開催時期 | 随時(CBT方式) |
難易度・合格率 | 初級、中級、上級のレベルで複数の試験が存在する。 未経験からプロフェッショナル向けまで。 |
受験料 | Fundamental:12,180円(税抜 Associate・Expert:20,300円(税抜) |
おすすめの人 | Azure環境の運用・管理に携わるインフラエンジニアなど |
関連記事:Microsoft Azure認定資格一覧!難易度別に紹介
8. LinuC(Linux認定資格)
LinuCとは、LPI-Japanが提供する、Linuxをベースとしたシステム構築・運用の基礎が学べる民間資格です。Linuxサーバーは、Windowsサーバーと並んでシェアの高いサーバーであり、インフラエンジニア必須のスキルです。LinuCレベル1・LinuCレベル2・LinuCレベル3・LinuCシステムアーキテクトと、レベル別に4つの試験が提供されています。
LinuCレベル1・LinuCレベル2はどちらも基礎的な内容のため、まずはLinuCレベル2までの取得を目指すことがおすすめです。さらに、Linuxサーバーに強みを持ったインフラエンジニアを目指すのであれば、LinuCレベル3やLinuCシステムアーキテクトの取得を目指しましょう。資格の有効期間は5年間であり、効果を維持するには認定日から5年以内に再認定が必要です。
試験内容 | LinuCレベル1:Linuxシステムの基礎的な操作や設定、 パッケージ管理など LinuCレベル2:ネットワークの設定、仮想化技術、セキュリティなど LinuCレベル3:クラウド環境でのLinuxシステムの構築や 運用、大規模システムの設計など LinuCシステムアーキテクト:Linuxシステム全体の設計、構築、 運用に関する深い知識と、システムアーキテクチャに関する広範な知識など |
開催時期 | 随時(CBT方式) |
難易度・合格率 | LinuCレベル1:ITSSレベル1 LinuCレベル2:ITSSレベル2 LinuCレベル3:ITSSレベル3 LinuCシステムアーキテクト:ITSSレベル4 合格率:非公開 |
受験料 (税込) |
LinuCレベル1(101試験/102試験):各16,500円 LinuCレベル2(201試験/202試験):各16,500円 LinuCレベル3(300試験/303試験/304試験):各16,500円 LinuCシステムアーキテクト(SA01試験/SA02試験):各27,500円 |
おすすめの人 | Linuxサーバーの構築や運用に携わるエンジニアなど |
関連記事:Linuxのおすすめ資格LinuC・LPICとは?違いや難易度を解説
9. シスコ技術者認定(CCNA)
シスコ技術者認定は、ネットワーク製品で高いシェアを持つシスコシステムズ社が主催する資格です。この資格を取得することで、同社製品を活用したネットワーク設計や構築、運用スキルを証明できます。
試験は「エントリー」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「エキスパート」の4段階に分かれており、アソシエイトレベルが「CCNA」に該当します。資格の有効期間は3年です。
試験内容 | ネットワークの基礎、ネットワークアクセス、IP接続、 IPサービス、セキュリティの基礎、自動化と プログラマビリティなど |
開催時期 | 随時(CBT方式) |
難易度・合格率 | ITSSレベル2 (合格率:非公開) |
受験料 | 42,900円(税込) |
おすすめの人 | インフラエンジニア・ネットワークエンジニアなど |
10. オラクルマスター
オラクルマスターは、データベース管理システムのOracle Databaseを提供するOracle社が運営する資格試験です。4段階のレベルに分けられていて、上からPlatinum、Gold、Silver、Bronzeとなっています。データベースの管理、運用、SQLのスキルを問う問題が出題範囲です。
Oracle Databaseは世界中でシェアの高いデータベースであるため、オラクルマスターを取得することでデータベースのスキルの証明になります。また、基本的にデータベースの使い方はデータベース管理システムの種類を問わず共通しているため、別のデータベース管理システムのスキル証明も可能です。
オラクルマスターには有効期間が設定されていませんが、資格にはバージョンがあり、定期的に再受験するか、上位資格を取得してバージョンを更新することが推奨されます。
試験内容 | Bronze:データベースの基礎知識、SQLの基礎、データベースの 管理に関する基本的なスキルなど Silver:Bronzeの知識をベースに、より高度なSQL、 PL/SQL、データベースのチューニングなど Gold:データベースの設計、構築、管理に関する高度な専門知識など Platinum:特定の分野(高可用性やパフォーマンス チューニングなど)に特化した専門知識 |
開催時期 | 随時(CBT方式) |
難易度・合格率 | Bronze:ITSSレベル1相当 Silver:ITSSレベル2相当 Gold:ITSSレベル3相当 Platinum:ITSSレベル4相当 合格率:非公開 |
受験料(税込) | Bronze:37,730円 Silver:37,730円 Gold:37,730円 Platinum:231,000円 |
おすすめの人 | Oracleデータベースの設計・運用・管理を行うエンジニアなど |
インフラエンジニア向けの資格を取得するメリット
インフラエンジニアが資格を取得するメリットとしては、次のようなものが挙げられます。
・自分のスキルを客観的に証明できる
・採用担当者へのアピールポイントになる
・企業によっては資格手当が支給される
資格を取得することで、キャリアの幅が広がり、自分の市場価値を高めることができます。また、学習を通じて新たな知識やスキルを身につけることで、実務における課題解決力や業務効率の向上にもつながります。本章では、インフラエンジニア向けの資格を取得するメリットについて詳しく解説します。
自分のスキルを客観的に証明できる
インフラエンジニアが資格を取得することで、自分のスキルを客観的に証明できます。その理由は、資格試験が特定の知識や技術の習得を測る基準となっているからです。
たとえば、ネットワークスペシャリスト試験では高度なネットワーク技術に関する知識が問われ、合格すればネットワーク分野での専門性を証明できます。同様に、AWS認定資格やCCNAなどのベンダー資格は、特定の製品やサービスを活用するスキルを持っていることの証明が可能です。
これにより、自分の実力を第三者にわかりやすく示すことが可能になります。
採用担当者へのアピールポイントになる
資格の取得は、採用担当者へのアピールポイントにもなります。なぜならば、資格は応募者が一定の知識やスキルを持っていることを客観的に示す証明となるからです。国家資格や業界標準のベンダー資格は信頼性が高く、採用担当者にとって応募者の能力を判断する重要な材料となります。
また、資格を取得するためには学習意欲や努力が必要であるため、それ自体が熱意や向上心のある人物であることをアピールする要素にもなります。このような点から、資格は他の応募者との差別化に役立つ強力な武器となります。
なおレバテックキャリアは、ITエンジニア専門の転職エージェントとして、企業の特徴に合わせた個別の面接対策を実施しています。
詳しくは次の記事「レバテックキャリアの面接対策サービスと利用者の口コミ・評判を解説」をご覧ください。
企業によっては資格手当が支給される
企業によっては資格手当が支給される点も資格取得のメリットです。資格が社員の専門スキルを向上させ、業務に直接的な貢献をもたらすと考えている企業は多く存在します。
たとえば、国家資格や業界で高く評価されるベンダー資格は、業務効率の向上やトラブル解決能力の強化につながり、企業全体の競争力を高める要素となります。そのため、企業は社員の資格取得を奨励し、資格手当や報奨金を支給することで、モチベーション向上やスキル向上を促しています。
インフラエンジニアの資格取得に向けたロードマップ
インフラエンジニアの資格取得に向けたロードマップには、次のようなものが挙げられます。
以上のようなロードマップであれば、目標達成に向けた明確なステップを踏むことができ、効率よく資格取得を目指せます。また、このロードマップを通じて自身のスキルや知識が体系的に整理されるため、実務にも役立つはずです。本章では、インフラエンジニアの資格取得に向けたロードマップを詳しく解説します。
1.キャリアプランや目標を明確にする
まずは、自分がどのようなインフラエンジニアを目指したいのか、キャリアプランや目標を明確にすることが重要です。具体的な目標を設定することで、キャリアパスを設計しやすくなります。また「どの資格を選ぶべきか」「どのように学習を進めるべきか」を計画的に進めることも可能です。
資格取得の目標期間を設定しておくと、必要な勉強時間が明確になり、効率的に学習を進める助けになります。目標設定、資格選択、学習計画、キャリア設計を立てることは、資格取得に向けた第一歩です。
2.どの領域の資格に挑戦するか検討する
キャリアビジョンが明確になったら、どの領域の資格に挑戦するか検討することも必要です。その理由は、自分が目指す分野やキャリアに直結する資格を選ぶことで、効率的にスキルアップができるからです。
たとえば、サーバーを担当するインフラエンジニアであれば、サーバーやシステム管理を中心に学べる資格としてLinuC(Linux認定資格)やAWS認定資格があります。また、ネットワークに携わるインフラエンジニアであれば、ネットワークスペシャリスト試験(NW)やシスコ技術者認定(CCNA)が役立ちます。
自身が、どのキャリアを目指すのかを明確にしておくと、自然とどの資格に挑戦するべきか見えてきます。
3.自分のレベルを把握する
インフラエンジニアの資格取得に向けて、自分の知識レベルを正確に把握し、計画的に学習を進めることは大切です。自分のレベルを把握していないと、現在のスキルに合わない難易度の資格を選んでしまい、学習が非効率になったり、モチベーションを失ったりする可能性があります。
たとえば、基礎知識が不足している段階で難易度の高い資格に挑戦すると、必要な準備が追いつかず挫折してしまうことがあります。一方で、すでに十分なスキルを持っているのに簡単な資格に取り組むと、成長の機会を逃してしまうかもしれません。
ITの資格は、ITSS(ITスキル標準)によって表されており、資格選定のための基準になります。ITSSは、各種IT関連サービスの提供に必要とされる能力を明確化・体系化した指標です。自身が現在どのレベルにいるのかを知り、自分に必要な資格を目指すことをおすすめします。
4.資格取得に向けて勉強する
資格取得に向けて、「キャリアプランや目標を明確にする」「どの領域の資格に挑戦するか検討する」「自分のレベルを把握する」を達成したら、いよいよ勉強を開始します。実際にどのように勉強していくべきか、学習計画を立てるとスムーズに進めることができます。自分に合った学習方法を見つけて、目標へ向かっていくことが大切です。
インフラエンジニアの資格取得に向けた勉強方法
インフラエンジニアに役立つ資格を取得するためには、効果的な勉強方法を理解することが欠かせません。効果的な勉強方法を理解していないと、時間を無駄にしてしまったり、非効率な学習を続けることで挫折する可能性があります。具体的な勉強方法としては、次のようなものが挙げられます。
以下では、これらの インフラエンジニアの資格取得に向けた勉強方法について解説します。
本や参考書を利用する
書店にいけばITインフラに関する書籍が多数あります。目的の資格試験の対策本があれば良いですが、対策本がない場合や基本的な知識を身につけたい場合は、専門書を利用しましょう。ここでは、ITインフラの基礎を学ぶためにおすすめの書籍を3冊紹介します。
『改訂新版 インフラエンジニアの教科書』(シーアンドアール研究所、佐野裕)
インフラエンジニアとはどういう仕事か、というところから解説されており、サーバーやネットワーク、ストレージ、クラウドなど多くの分野を扱っている1冊です。広く浅く学べるため、まずこの書籍をベースに知識を深めると良いでしょう。
『[試して理解]Linuxのしくみ ―実験と図解で学ぶOS、仮想マシン、コンテナの基礎知識【増補改訂版】』(技術評論社、武内 覚)
サーバーOSとして広く扱われているLinuxを学ぶことができる良書です。また、仮想マシンやコンテナなどサーバーに関して必要な知識も網羅されているため、一度手にとってみてみると良いでしょう。
『マスタリングTCP/IP 入門編(第6版)』(オーム社、井上直也、村山公保、 竹下隆史、荒井透、苅田幸雄)
ネットワーク技術の基本を学ぶのにぴったりの書籍です。イラストや図が豊富に使用されており、IT初心者の人にもわかりやすい解説によって学ぶことができます。
学習サイトを活用する
インターネット上では、資格に関する学習サイトも多数あり、中には無料で利用できるものもあります。たとえば、AWS資格においてはAWSがAWS Skill Builderを公開しており、無料で多数のコンテンツが利用可能です。
また、AWSやオラクル社などのクラウドベンダーは無償で環境を利用できるサービスも提供しています。このような学習サイトやオンライン上の環境を活用して知識を深めることもおすすめです。
スクールに通う
独学で勉強するのが難しいと感じる人は、ITスクールに通うのも1つの方法です。費用は発生しますが、まとまったカリキュラムで着実に学べる点や、困ったときに講師に質問できる点は独学に比べ大きなメリットになります。十分な時間や費用が用意できる人は、検討してみると良いでしょう。
勉強会に参加する
有識者が開く勉強会に参加して、直接話を聞くのも良い学習方法です。ほかの参加者とも交流して知識を深められるほか、人脈が広げられるというメリットもあります。勉強会はオンラインで実施しているものもあるので、探してみると良いでしょう。
ほかにも、さまざまな勉強方法があります。以下の記事では、IT未経験者、IT初心者でもできる勉強方法を詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
関連記事:インフラエンジニアの勉強方法は?未経験・初心者にもわかりやすく解説
インフラエンジニアに関するよくある質問
インフラエンジニアを目指している方や興味を持っている方からは、次のような質問がよく寄せられます。
これらのよくある質問とその回答を理解することで、インフラエンジニアとしてのキャリアプランがより明確になります。本章では、インフラエンジニアに関するよくある質問と回答について解説します。似たような疑問を持っている方は、ぜひ参考にしてください。
Q1. インフラエンジニアに資格はいらない?
インフラエンジニアになるために必須の資格はありませんが、資格を取得することで自分のスキルを客観的に証明でき、採用担当者へのアピールポイントになります。また、企業によっては資格手当が支給される場合もあるため、キャリアアップや転職活動での強みとして活用できます。
Q2. インフラエンジニアへの転職で必要・取るべき資格は?
インフラエンジニアへの転職では、資格を取得することで、転職活動を有利に進められる可能性が高まります。資格の具体例としては、国家資格なら基本情報技術者試験や応用情報技術者試験が挙げられます。ベンダー資格ならCCNAやAWS認定資格などがおすすめです。
Q3. 未経験から目指す際におすすめの資格取得の順番は?
未経験からインフラエンジニアを目指す際には、次の順番で資格取得を目指すのがおすすめです。
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1. ITパスポート試験2. 基本情報技術者試験
3. 応用情報技術者試験
これらの資格は、IT全般の知識を体系的に学べるため、未経験者が基礎を固めるのに最適です。
Q4. インフラエンジニアの最高峰の資格は?
インフラエンジニアの最高峰と言われる資格はいくつか存在し、どの分野に特化するかによって最高峰とみなされる資格が変わってきます。具体例としては、ネットワークスペシャリスト試験やデータベーススペシャリスト試験、情報処理安全確保支援士などが挙げられます。
関連記事:インフラエンジニアのスペシャリストになるには
まとめ
本記事では、インフラエンジニアが取得すべき資格や資格取得のメリット、勉強方法などについて解説しました。資格を取得することは、専門知識やスキルを証明する有効な手段であり、転職や就職の際にも役立ちます。
また、資格取得に向けた学習は、新たな知識やスキルを習得する貴重な機会となります。インフラエンジニアとしてのキャリアアップを目指す方は、ぜひ本記事を参考に資格取得に挑戦してみてください。
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