インフラエンジニアにAWSスキルは必要?取得のメリットと学習方法を解説

インフラ環境のクラウド化が進む中、AWSに関するスキルはインフラエンジニアにとって重要性を増しています。この記事ではさらに詳しく、インフラエンジニアがAWSスキルを習得することの重要性やメリット、学習方法などについて解説します。
この記事の監修者
レバテックキャリア編集部
レバテックキャリアは、IT/Web業界のエンジニア・クリエイター向けに特化した転職エージェントです。当メディアでは、エンジニア・クリエイターの転職に役立つノウハウから、日々のスキルアップや業務に活かせる情報まで、幅広いコンテンツを発信しています。
インフラエンジニアにとって、AWS(Amazon Web Services)のスキルが必要な理由は、主に以下の2点です。
1. インフラ環境をオンプレミスからクラウドへと移行する企業が増えているから
2. AWSが最大級の市場シェアを持つクラウドサービスだから
多くの企業が、設置場所の制約や可用性の向上といったメリットを考慮し、従来のオンプレミス環境からクラウドへの移行を進めています。総務省の「令和6年通信利用動向調査」によると、8割を超える企業がクラウドサービスを利用しているとの結果が出ています。

※総務省『令和6年通信利用動向調査』より作成
また、AWSは幅広い導入実績を持つクラウドサービスです。Gartnerによるパブリッククラウドサービス市場シェアの調査によると、2024年の市場シェアにおいてAWSは37.7%を占め、業界1位のシェアを誇っています。

※Gartner『世界のIaaSパブリッククラウドサービス市場シェア、2023~2024年(百万米ドル)』より作成
これらの理由から、インフラエンジニアとしてのキャリア発展には、クラウド技術、特に市場をリードしているAWSのスキル習得が重要なのです。
インフラエンジニアがAWSスキルを習得することで得られる3つのメリットを紹介します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
インフラエンジニアがAWSスキルを習得するメリットとして、さまざまな案件に対応できるようになることが挙げられます。
近年、基幹システムは従来のオンプレミス環境で運用しつつ、Webサービスや分析基盤などはクラウドで構築するといったケースが増えています。そのため、両方の環境を理解し、適切に連携させられるエンジニアの需要が高まっているのです。
また、クラウド移行プロジェクトやシステム設計案件は今後も増加傾向が続くと予測されています。高単価案件やリモートワーク案件などの好条件のプロジェクトにも挑戦しやすくなります。
このようにAWSスキルの習得は、キャリアの選択肢を広げ、より良い就業条件を獲得するための効果的な手段となっているのです。
インフラエンジニアがAWSスキルを習得するメリットとして、年収アップが期待できることが挙げられます。
レバテックキャリアの年収調査によると、インフラエンジニアの平均年収が443万円であるのに対し、AWSに関わるエンジニアの平均年収は509万円です。約66万円もの差があり、これはAWSスキルの市場価値の高さを示しています。
| インフラエンジニア の平均年収 |
443万円 |
| AWSに関わるエンジニア の平均年収 |
509万円 |
そのため、AWSスキルを習得することは、インフラエンジニアが収入を向上させるための、有効な手段です。
インフラエンジニアがAWSスキルを習得することで、日本国内だけでなく、グローバルに活躍できる可能性も広がります。AWSは世界共通のプラットフォームであり、AWSのスキルは海外企業や国際プロジェクトでも活用できるからです。
実際に、AWSのスキルを証明するAWS認定資格は世界各国で通用し、海外企業での採用時にも高く評価される場合があります。
このように、AWSスキルの習得は、将来的に海外で働くことを視野に入れている方にとってもアドバンテージになるでしょう。
インフラエンジニアが具体的なAWSの使用方法を学ぶ前に押さえておきたい2つの基礎知識を紹介します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
AWSを学ぶ前に、まずはクラウドコンピューティングの基本概念を理解することが重要です。クラウドの特性を理解せずにAWSを学ぶと「なぜこのような設計になっているのか」という根本的な部分が理解できず、表面的な操作方法だけを覚えることになりかねません。
「オンプレミス」と「クラウド」の基本的な違いは以下の表のとおりです。
| 項目 | オンプレミス | クラウド |
|---|---|---|
| 初期コスト | 高い (サーバー購入費、設置費など) |
低い (初期投資不要) |
| 運用コスト | 定額 (減価償却費など) |
従量課金 (使った分だけ) |
| スケーラビリティ | 限定的 (物理的制約あり) |
高い (必要に応じて拡張可能) |
| 導入期間 | 長い (機器調達、設置に時間がかかる) |
短い (即時利用可能) |
| セキュリティ | 自社で対応 | 共同責任モデル |
この表から分かるように、クラウドのメリットは初期費用が少なく、必要に応じてスケールでき、運用コストを調整しやすいことにあります。これらの特性を理解した上でAWSを学ぶことで、オンプレミスとクラウドそれぞれの位置づけや使い方をより深く理解できるようになります。
インフラエンジニアがAWSの知識を身につける過程では、既存のオンプレミス環境での経験を活かしつつ、クラウド特有の概念に適応することが重要です。オンプレミスで培った知識をAWSに対応させることで、スムーズにクラウド環境への移行ができるようになります。具体的には、以下の項目への理解が必要です。
これらの要素を理解することが、AWS環境でのインフラ構築・運用の基盤となります。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
インフラエンジニアがAWS環境に適応するには、VPC(Virtual Private Cloud)の概念を深く理解する必要があります。VPCはAWS上の仮想ネットワーク環境であり、オンプレミスのネットワーク設計の知識を活かせる部分が多く存在します。
物理的な配線やラッキング作業が不要になる代わりに、ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)としての思考が必要です。VPC設計やサブネット分割、仮想ファイアウォールの設定などは、オンプレミスでのネットワーク知識を基にしながらも、クラウド特有の柔軟性を活かした設計が可能です。
このようにオンプレミスのネットワーク知識をAWS上の概念に紐付けて理解することで、VPCを効果的に設計・運用できるようになります。
AWS環境での運用においては、責任共有モデルを理解することも重要です。オンプレミス環境との決定的な違いは、セキュリティやメンテナンスの責任がAWSと利用者の間で分担されることにあります。
オンプレミスでは、ハードウェアからアプリケーションまで全てのレイヤーの責任はインフラエンジニアにありました。一方、AWS環境では「クラウドのセキュリティ」はAWS側の責任、「クラウド内のセキュリティ」は利用者の責任と明確に区分されています。
たとえば、EC2のパッチ適用は利用者の責任である一方、基盤となるハードウェアの保守はAWSの責任です。この「どこまでが自分の担当か」を常に意識することが、クラウド環境でのインフラ運用には求められます。
AWS環境への適応において、セキュリティの考え方を「ネットワーク防御」から「ID防御」へと転換することも重要です。この思想の違いはクラウド環境での安全性を確保する上で核心的な要素となります。
オンプレミス環境では、「社内ネットワークの内側は信頼できる」という前提で、境界防御(ファイアウォールなど)を中心としたセキュリティモデルが主流でした。しかし、AWSのようなクラウド環境ではそのような境界が曖昧になります。そのため、「どのネットワークからアクセスしても、適切に認証されたIDでなければアクセスできない」というゼロトラスト型のセキュリティモデルが基本になるのです。
このセキュリティ思想の転換を理解し、IAM(Identity and Access Management)を中心としたアクセス制御の設計ができるようになることが必要です。
年収700万円へのキャリアプランをつくる

希望年収や職種/業界に沿ったキャリアプランをいま作成すれば、明日から年収UPに向けて動き出せます!
AWSのスキルを効率的に習得するための学習方法を2つ紹介します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
AWSスキルを習得する効果的な方法の1つは、公開されているサンプル構成やハンズオン記事を参考に、実際に自分の手で環境を構築してみる(写経する)ことです。。既存の事例を再現する利点は、理論だけでなく実践的なスキルが身につくことです。教科書的な知識だけでは実際の環境構築には対応できないケースが多くありますが、実例を通じて学ぶことで現実的な課題への対処法も同時に学べます。
たとえば、GitHubにはAWSを利用するサンプルプロジェクトが多数公開されています。まずはこうしたサンプルをそのまま実装してみて、動作を確認することから始めると良いでしょう。理解が深まったら、少しずつ機能を追加したり、別のサービスと連携させたりと、アレンジを加えていくことで応用力も身につきます。
このように、他者の事例の再現から始め、徐々に自分なりのアレンジを加えていくことで、実践的なAWSスキルを効率良く習得できるでしょう。
AWSのスキル習得において、自分で作ったものを外部へ発信することは効果的な方法です。外部発信が有効な理由は、やってきたことを他者に理解してもらえるように整理する必要が生じるからです。他人に分かりやすく説明しようとすると、理解の抜け漏れや曖昧な部分が明らかになります。
自分が理解していることと、それを相手に伝えることは別のスキルが必要です。しかし、この「伝える力」はエンジニアとしてのキャリアにおいても重要です。レバテックの「中途エンジニア採用着眼点調査」によると、中途エンジニア採用において採用側が最も重視しているのは「技術力(48.0%)」で、次いで「コミュニケーション能力(45.3%)」という結果でした。

このように、多くの企業がエンジニア採用において、技術力とコミュニケーション能力の両方を重視しています。
「伝える力」を磨く具体的な実践方法としては、QiitaやZennといった技術ブログプラットフォームへの記事の投稿が挙げられます。たとえば「AWS Lambdaを使ってアプリ構築してみた」といったテーマで、設計思想や実装手順、つまずいたポイント、解決法などを記録すると良いでしょう。
このように、学習内容を外部に発信する習慣をつけることで、AWSスキルの習得効率を高めるとともに、エンジニアとしての総合的な価値を向上させられるでしょう。
インフラエンジニアとして活躍するためには、適切な資格取得が効果的です。ここでは、経験レベル別におすすめのAWS認定資格を紹介します。
IT業界未経験や初心者のインフラエンジニアの方に特におすすめのAWS認定資格は以下の2つです。
インフラ経験者の方のスキルアップに特におすすめのAWS認定資格は以下の2つです。
これらの資格は単なる知識証明だけでなく、体系的な学習を促進する効果もあります。また、転職市場では客観的なスキル指標として評価されるため、キャリアアップにもつながるでしょう。資格取得は目的ではなく手段として位置づけ、実務で活かせる知識の習得を意識して学習を進めることが重要です。
各資格についての詳細は以下の記事も参考にしてください。
関連記事:
AWS認定資格12種の難易度を一覧で解説!合格率やロードマップも紹介
【2025年版】AWS認定資格12種の勉強時間まとめ!合格に必要な学習期間は?
インフラエンジニアとAWSに関するよくある質問と回答を紹介します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
AWSエンジニアとインフラエンジニアには、専門領域と業務範囲に違いがあります。AWSエンジニアは、AWSというクラウドプラットフォーム上でのインフラ構築や運用を専門とするエンジニアです。一方、インフラエンジニアは、物理サーバーや仮想環境、クラウド環境など、さまざまな形態のITインフラを担当します。
インフラエンジニアがAWSを勉強する理由は、多くの企業がAWSを含むクラウドサービスの導入を進めており、AWSスキルが実務上の必須条件になりつつあるからです。従来型のオンプレミス環境だけを扱えるインフラエンジニアは、今後の市場価値が低下するおそれがあります。
AWSの勉強に関する詳細は「AWSの勉強方法!初心者向け6ステップや独学に必要な時間を解説」をご覧ください。
AWSを学ぶために必要な時間は、目標レベルや既存のIT知識によって異なります。たとえば、AWSの基礎知識を幅広く問われるCLFの合格には、実務経験者の場合は約30時間前後、初心者の場合は約40~60時間程度の学習が必要です。
AWS認定資格の勉強時間の詳細は「【2025年版】AWS認定資格12種の勉強時間まとめ!合格に必要な学習期間は?」をご覧ください。
AWSエンジニアの将来性は極めて高いといえます。クラウドコンピューティング市場は今後も拡大が続くと予測されており、その中でも市場シェアトップクラスのAWSに関わるエンジニアの需要は堅調に推移すると見込まれています。
AWSエンジニアの将来性については、「AWSエンジニアの将来性が高い理由は?求められるスキルや資格も解説」でさらに詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
年収700万円へのキャリアプランをつくる

希望年収や職種/業界に沿ったキャリアプランをいま作成すれば、明日から年収UPに向けて動き出せます!
この記事では、インフラエンジニアがAWSスキルを習得することの重要性と方法、メリットなどについて詳しく解説しました。クラウド環境への移行が加速する中、AWSスキルはインフラエンジニアにとって必須のものになりつつあります。
AWSスキルを身につけることで、活躍の場の拡大や年収アップといったメリットが期待できます。特に、AWSがパブリッククラウドサービスの市場シェア37.7%を占める現状では、AWSスキルの市場価値は今後も高い水準で推移するといえるでしょう。
AWS習得にあたっては、クラウドの基本概念を固め、オンプレミスの知識をAWSに対応させることが重要です。そのうえで、既存の事例を再現したり、学習内容を外部に発信したりするといった実践的な学習法を取り入れることで、効率良くスキルを身につけられます。
また、CLFやAIFいった基礎的な資格から始めて、徐々にSAAやSAPなどの上位資格へステップアップしていくキャリアパスも効果的です。
この記事の内容を参考に、ぜひAWSスキルの習得に取り組んでみてください。
※本記事は2025年11月時点の情報を基に執筆しております

AWSの勉強方法!初心者向け6ステップや独学に必要な時間を解説

AWSエンジニアは、クラウド時代の本格化に伴い需要が急拡大中
AWSエンジニアの仕事内容・求められるスキルとは

インフラエンジニアに役立つ資格一覧!難易度や習得ロードマップも解説

インフラエンジニアの転職で市場価値が上がるベストなタイミング3つ!

インフラエンジニアに必要なスキルは?知識、資格まで徹底解説

インフラエンジニアの勉強方法は?初心者もできる学習ロードマップ

インフラエンジニアに必要なプログラミングスキルは?おすすめの資格も紹介

インフラエンジニアの将来性は?需要やこれから役立つスキルや資格も解説

Web業界で働くなら知っておきたいインフラの基礎
インフラエンジニアでなくとも知っておきたいインフラの基礎がわかるスライドシェアまとめ10個

クラウド人材を目指すなら知っておくべき主要プラットフォームの得意・不得意
AWS・GCP・Azureの違いをわかりやすく比較して解説

インフラエンジニアの将来性と需要を経産省のデータやAI動向から考察

未経験からインフラエンジニアへの転職ロードマップ!業務内容や年収も紹介
【SREエンジニア】シニア/ソフトウェア開発/基盤の設計構築業務/サーバー設定/セキュリティ対策
【オープンポジション(インフラエンジニア)】商用インフラ基盤、社内ICT基盤
【サイトリライアビリティエンジニア】商用Webサービスインフラ基盤の構築・運用
正社員をお探しの企業様へ