未経験からSE(システムエンジニア)になるには?
新卒・第二新卒の場合を除き、未経験からSEになるには「まずプログラマーとして働き、実務や資格取得などを通じてプログラミング(開発)や設計スキルを研鑽しつつ、SEを目指す」ステップが王道です。未経験可のSE求人も増えてきていますが、その多くは段階を経ればSEになれるという内容である点に注意しましょう。
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まずはPG(プログラマー)を目指す
SEはプログラマーの上位職種のため、まずはプログラマーとしてシステム開発の経験を多く積むことが大事になります。要件定義などのシステム開発の上流工程を任せてもらうためには、豊富な経験や知識が必要です。
そのため未経験者がいきなりSEとして採用されることは、ほとんどありません。これからSEを目指すのならば、企業にプログラマーとして就職して、多くのシステム開発を経験してキャリアアップを目指すのが良いでしょう。
SE(システムエンジニア)に求められるスキルを習得する
未経験からSEになるには、SEに求められるスキルを習得することが欠かせません。SEに求められるスキルは、プログラミングやデータベース、ネットワーク、セキュリティなど幅広いです。
未経験者の場合は、基礎的なITスキルの習得からスタートするといいでしょう。学習を進める際は、自分が興味を持てる分野や取り組みやすい分野から着手すると、挫折しにくくなります。
事前にポートフォリオを作成しておく
ポートフォリオとは、自分の能力や実績を証明するための作品です。SEとして転職する際に、採用担当者にポートフォリオを提出すると自身のプログラミングスキルをアピールできます。
ポートフォリオの例としては、Webシステムやスマホアプリなどのアプリケーションが挙げられます。単純に手順に沿って作成するのではなく、自分なりのオリジナルの要素を追加し、説明できると良いでしょう。
研修が充実している未経験OKのSE求人を探す
転職エージェントで「未経験可」のITエンジニアを検索すると、数多くの募集案件が見つかります。未経験者を募集している企業では、研修の教材や効果的な教育方法などが用意されている場合が多いです。そのため独学でゼロからスキルを磨くよりも、短時間で効率よくスキルが身につきます。
未経験者の募集の中には、テスト、運用、保守を中心として下流工程のみを担当するケースもありますが、それではSEとしてのキャリアアップが見込めません。求人に応募する前には必ず業務内容を確認しておきましょう。
SE(システムエンジニア)になるために必要な基本スキル
SEが最低限持っておくべき基本スキルを紹介します。プログラマーからのキャリアアップとしてSEになるのが一般的なため、プログラミングや開発スキルなどは前提として備えておくべきといえるでしょう。
情報処理推進機構(IPA)は、IT関連サービスの提供に必要なスキル・知識を体系化した「ITSS(ITスキル標準)」という指標を策定しています。この指標には、各エンジニア職種に必要なスキルが詳細に記述されているため、キャリアを考える際の参考になるでしょう。もちろん、SEに求められるスキルも定義されています。
以下では、SEに必要とされるスキルについてそれぞれ解説します。
関連記事:SEに必要な7つのスキル!関連職種からスキルアップの方法まで紹介
プログラミング知識
SEの主な仕事は、システムやアプリケーションを設計し、その内容をまとめた設計書を作成することです。設計書をもとにプログラマーが開発を行います。プログラミング知識がなければ、プログラマーが理解しやすい設計ができず、想定したシステムも開発できません。そのためSEにとって、プログラミング知識は必須のスキルといえます。
また、プログラミング言語によって、どのような設計をすれば良いかが変わってきます。たとえば、Javaであればオブジェクト指向の考え方を踏まえた設計をしなければなりません。プログラミング言語を考慮した設計でなければ、内容をどのようにプログラムに落としていくべきかが分からなくなります。場合によっては、設計したものとまったく異なるものが開発されることも起こりえます。
このような認識齟齬をなくすためにも、設計した内容がきちんとプログラマーに伝わるように考慮すべきであり、そのためにプログラミング知識が必要です。対応できるプログラミング言語が多いほど、SEとしての価値が高まります。
SE(システムエンジニア)におすすめのプログラミング言語
覚える言語は開発するシステムによって異なりますが、おすすめなのは、Java、Ruby、PHP、Pythonです。Java、Ruby、PHPは需要の高いWeb系システムで多く用いられ、Pythonは汎用性が高く近年注目されている機械学習でも用いられるプログラミング言語だからです。
プログラミング言語はSEがシステムを開発する際に必要なので、覚えることで仕事の幅が広がります。
開発スキル
開発スキルとは要件定義から設計、開発およびテスト、運用・保守といった一連の開発工程を行うのに必要な幅広い知識とスキルを指します。各工程で必要なスキルは主に以下のとおりです。
要件定義
要件定義は、まず顧客の業務要件を明確にし、その内容をもとにシステム要件を決める工程です。システム開発プロジェクトの方向性を決める重要な工程になります。要件定義の工程では、システム開発手法の知識が欠かせません。また、クライアントのビジネスに関する業務知識も求められます。
設計・開発・テスト
設計から開発、テストまでの各工程では、幅広いスキルが求められます。効率的な設計をするには、アルゴリズムの知識が重要です。また、ハードウェアやミドルウェア、ソフトウェアの関係など、システム構成要素の知識も必要になります。開発やテストの工程では、プログラミングスキルや開発ツール、オープンソースの知識が欠かせません。
運用・保守
運用・保守の工程では、システム監視や顧客のサポートなどサービス運用スキルが求められます。また、障害対応やシステムを改善するために、ネットワークやデータベースの知識もあるといいでしょう。特に仕組みや設計・運用方法などを習得することをおすすめします。
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マネジメントスキル
マネジメントスキルとは、システム開発における進捗管理や品質管理、リソース管理などのスキルを指しています。システム開発はプロジェクトマネージャーや多くのSE、プログラマーとチームで行います。
作業の進捗管理や成果物の品質管理、リソース管理などのマネジメント業務は、SEの役割です。SEは進捗や品質状況などを上位職種であるプロジェクトマネージャーに報告します。
プロジェクトマネージャーほどの広範なマネジメントスキルは求められませんが、円滑にシステム開発を進めるためにはSEにもマネジメントスキルが必要です。
関連記事:SEからプロジェクトマネージャーになるには?年収や業務内容を比較
コミュニケーションスキル
SEの業務は一人で黙々と進めていくイメージを持たれがちですが、良好な人間関係を作り上げ、円滑にプロジェクトを進めていくためのコミュニケーションスキルは必須です。SEは顧客に対して、ヒアリングや提案・交渉などをする機会が多くあります。
その際に顧客の要望や意図を適切に汲み取ることが重要です。順調に仕事を進めるためにも、高いコミュニケーションスキルを備えておく必要があります。
論理的思考力
コンピューターは基本的にプログラムに書かれた内容をそのまま実行します。そのため、プログラムが想定しない動作をしたり、不具合が発生したりした際は、必ずその結果に結び付く原因が存在します。
このような問題に対して原因を突き止め対応していくためには、なぜそのような結果になったのか1つずつ論理的に考えることが重要です。
論理的思考力はすぐに身につくものではありません。何度も課題にぶつかり対応を繰り返すことで身につきます。よって、業務を行っていく中で日頃から論理的に考える癖を付けておくと良いです。
SE(システムエンジニア)に必要な開発スキルの習得方法
SEになるための必要な基本スキルはプログラマーと重複する部分が多いです。そのため、SEに必要な開発スキルを身につけるのにおすすめの方法は、プログラマーとして業務経験を積むことです。
それが難しい場合には書籍や学習サイトを活用して、開発スキルを身につける方法もあります。また、専門学校や大学で開発スキルを習得することもひとつの方法です。本章では、SEに必要な開発スキルの習得方法について解説します。
関連記事:独学による勉強でSE(システムエンジニア)を目指す方法
書籍を活用する
書籍は必要な知識が体系的に書かれており、比較的低予算で知識を得ることが可能です。また技術的な知識以外にも、著者が得た経験から学べるものもあるため、書籍での学習は非常に有用です。
ただしプログラミングスキルなどを学んでいて、分からないことがあった場合に自力で解決しにくい難点もあります。
おすすめの書籍
以下では、開発に関する知識を身につけるのに役立つ書籍を3冊紹介します。
『この1冊ですべてわかる 新版 SEの基本』(日本実業出版社、山田隆太)
SEに必要な基本スキルであるテクニカル・マネジメント・ヒューマンスキルを解説している書籍です。SEとしての心構えについても書かれているため、目指したい人が最初に読むべき本といえます。
『ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの新人研修 第3版』(翔泳社、飯村 結香子、大森 久美子、西原 琢夫、川添雄彦)
NTTの新人研修に採用された書籍で、初心者向けにシステム開発の各工程の役割などを丁寧に解説しています。システム開発の全体像がつかめます。
『ピープルウェア 第3版』(日経BP、トム・デマルコ、ティモシー・リスター、松原友夫、山浦 恒央、長尾 高弘)
SEが押さえておくべきヒューマンスキルを解説しています。情報共有やリーダーシップ、チームメンバーへの業務指示などにおける、チーム開発を進める上で必要なコミュニケーション方法が学べます。
学習サイトを活用する
動画などの視覚的コンテンツを用いてプログラミングの学習ができます。動画だからこその分かりやすさが魅力で、最近注目されている学習手段です。
PCだけでなくスマホやタブレットでも学習が可能なため、通勤時間などのスキマ時間にも活用できます。書籍の学習と併用すれば、より効果が上がるでしょう。
おすすめの学習サイト
以下では、代表的なプログラミング学習サイトを4つ紹介します。
Udemy
各種プログラミング言語やデータベース・ネットワークなどの動画講座が数多くある学習サイトです。SEに必要なプログラミングスキルとして、JavaやC#、Pythonなどを学習できます。
ドットインストール
プログラミングやデータベースなどをレッスン動画で学習するサイトです。すべてのレッスンは無料で、1動画につき3分以内に編集されています。プレミアム会員になると、現役のエンジニアに疑問点などの質問ができます。
CODEPREP
1冊あたり約10分で学習できるようまとめられた100冊以上のブックが無料で学習可能なサイトです。実践型なのでインプットとアウトプットが両方でき効率よく学習できます。
Progate
イラストで分かりやすくまとめられており、直感的にプログラミングの学習ができるので、基本的な概念を学びたい初心者にはぴったりです。学習を進めると各ユーザーのレベルが上がっていくなど、楽しく学習を継続するための工夫がされています
実際にシステムを開発する
開発スキルを身につけるための効率的な方法は、実際に自分でシステム開発をすることです。自分でシステム開発をしてみると、さまざまな障壁や疑問点に気づきます。それを自分で調べて解決することで、システム開発スキルを磨けます。
まずはAWSやGCPなどのクラウドサービスを使って、開発環境を構築してプログラミングを自分で行ってみるのがおすすめです。
専門学校・大学に通う
専門学校や大学でシステム開発に必要なスキルを学ぶ方法もあります。専門学校や大学のカリキュラムでは、システム開発の基礎から応用まで体系的に学べます。
実際の現場では、多くの開発メンバーが協力してプロジェクトを進行させていきます。専門学校や大学のカリキュラムでは、実践的なグループワークも多く、複数のメンバーと協力してプロジェクトを進める経験が積めます。独学では難しいチームでの共同作業も、教育機関なら自然な形でできるでしょう。
学校を選ぶポイント
専門学校や大学は、さまざまな種類があり学校選びに悩む方も少なくありません。学校を選ぶポイントとしては、SEになるためのカリキュラムが存在するかを確認することです。
また、開発の実習があるかもチェックしましょう。さらに就職サポートが充実しているかも確認すべき項目です。
SE(システムエンジニア)のスキル習得に役立つ資格
SEを目指す上で資格は必須ではありません。しかし、資格学習をすることで必要な知識やスキルが身につくため、SEになるには効果的な手段といえます。
また、資格を取得できれば転職時などに自身のスキル証明として使えます。自身の持っている知識や能力をアピールするための材料は、多ければ多いほど良いでしょう。本章では、SEのスキル習得に役立つ資格を紹介します。
未経験者なら「基本情報技術者試験」
基本情報技術者試験は、情報処理推進機構(IPA)が運営する国家試験です。ITエンジニアに必要な基本知識を体系的に学べる資格として、IT関連で働く方や就職希望者に人気があります。令和5年からCBT方式により随時実施されています。令和6年度の平均合格率は42.6%でした。
プログラミング経験があるなら「応用情報技術者試験」
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位に位置づく資格試験です。ワンランク上のITエンジニアに必要なスキルの証明として、中級レベルのエンジニアにおすすめです。令和6年度春期の合格率は23.6%でした。
プログラマーとしてのスキルや知識を身につけたあとは、応用情報技術者試験を取得してシステム開発の上流工程を目指してみましょう。
SE(システムエンジニア)になるメリット
SEへの転職を視野に入れる上で、業務上のやりがいや将来のキャリアなど、どのようなメリットが得られるかは気になるところでしょう。
転職後のミスマッチが生じないように、SEになるメリットが、自身の利得につながりそうか考えてみてください。本章では、システム開発のプロフェッショナルであるSEになることを想定したメリットを解説します。
スキルを磨けている実感を得やすい
SEになるメリットの1つとして、スキルを磨けている実感を得やすいことが挙げられます。プログラミングなどのシステム開発スキルを日々の学習や作業経験などで向上させると、実務作業が効率的になります。そのため自分のスキルが磨かれていく実感を得やすいでしょう。
達成感がありやりがいを感じやすい
SEの仕事は達成感があり、やりがいを感じやすいです。システム開発では、自分が作ったシステムが成果物として分かりやすい特徴があります。そのため、システムが完成した際には達成感がありやりがいを感じやすくなります。
関連記事:システムエンジニア(SE)のやりがい10選!大変なことも解説
モノづくりの楽しさを感じられる
モノづくりの楽しさを感じられるのも、SEになるメリットでしょう。顧客の要望や条件を汲み取り、最適なシステムを自分の力で作り上げるのはSEの仕事の醍醐味です。SEとしてモノづくりの楽しさを感じるのは、大きなメリットです。
独立しやすい
SEは業界や業種を選ばずにスキルと経験を活かせる面が強いため、フリーランスとして独立しやすいといえます。場所や環境に縛られず、多様な働き方を目指している方におすすめできる職業です。
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SEのキャリアパスとは?キャリアパスの具体例を詳しく解説
SE(システムエンジニア)におすすめの転職先を業界・職種別に解説
SE(システムエンジニア)の仕事がきついといわれる理由
世間的なイメージとして、SEの仕事がきついといわれることがあります。SEになって間もないころは、業務への不慣れさや知識・技術の不足などで大変と感じる場面はあるでしょう。また、キャリアアップしていく過程で仕事量や責任が大きくなっていくのは避けられません。本章では実際にSEの仕事で、大変だと思われることについて解説します。
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プロジェクトによって納期や業務スケジュールがハードである
システム開発では、しばしばトラブルや仕様変更などが起こります。そのため案件によっては、納期までの業務工数が多くなり激務になる場合もあります。
また、顧客からの要望で、開発スケジュールがハードに設定されるケースも考えられるでしょう。納期間近の一時的な作業環境の変化が、SEの仕事がきついといわれる要因でもあります。
関連記事:社内SEとSEの違いは?仕事内容や必要スキルを徹底比較
高いスキルが求められる現場が多い
ITの技術はつねに進化していくため、SEになって身につけた技術がいつの間にか古くなっている場合があります。そのため、最新スキルを率先して学び、知識をブラッシュアップする習慣が重要です。高度なITスキルを維持し続けなくてはいけないのも、SEの仕事がきついといわれる理由の1つです。
SE(システムエンジニア)になるには学歴・学部は関係する?
SEになるには、理系大学を卒業しないといけないイメージがある人もいるでしょう。エンジニア全般が理系の職種と思われがちです。
しかし実際は、そのようなことはありません。SEへの転職活動では学歴が問われるケースは少なく、理系・文系どちらでも平等にチャンスがあります。
また、学歴よりも、応募する時点でのスキルの数やレベル、転職に対する意欲などのほうが重視される傾向があります。本章では、SEになるには学歴が採用の合否に影響するのか、また理系と文系の有利さについて紹介します。
大学卒以外でもSEになれる
SEになるために学歴が重視されることは少なく、大学を卒業していなくても十分に活躍できます。SEなどのITエンジニアにとって重視されるのは高い技術やスキルです。企業の採用では、学歴でなく技術やスキルが評価につながり採用されるケースも多くあります。
すなわち技術力とスキルを身につければ、大学卒業の学歴がなくても同じスタートラインで転職活動を行えます。ただし一部の大手企業などでは、職種に関係なく全社で一律の学歴条件を設けている場合があるため、転職の応募前にチェックをしておくと良いでしょう。
文系・理系で差はあまり見られない
IPAが発行した『IT人材白書2020』によると、企業がIT従事者として採用した人の専攻を調査した結果、「IT・情報系」36%、「文系」30.2%、「IT・情報系以外の理系」26.4%、「その他」7.4%となっています。IT・情報系を重視した企業が多いものの、その割合は文系との差がほとんど見られないのが現状です。そのため、スキルを証明できれば文系でもSEを目指せます。
また同じくIPAが発行した『デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2022年度)企業調査報告書』でも、それを裏付ける結果が示されています。中途採用で特に重視する事項の上位3位が「保有する技術やITスキルの種類・水準(83.3%)」、「コミュニケーションなどIT・ビジネス関連以外のスキル(74.4%)」、「職務や仕事への資質・パーソナリティ適性(36.4%)」でした。
すなわち、企業は中途採用において技術やITスキルの次に、コミュニケーションなどのIT以外のスキルを重視していることが分かります。
SE(システムエンジニア)に向いている人の特徴
SEへの転職を目標としている方の中には、自分の資質に不安を抱える方も多いでしょう。向いていない職種に転職すると、仕事のモチベーションが保ちにくくその後のキャリア形成がスムーズに進められない可能性があるため、適性を慎重に判断する必要があります。
転職活動を始める前の段階で、SEに向いている人の特徴を知っていればそのような事態にはなりにくいでしょう。ただし、傾向だけで適性を判断するには十分といえないため、あくまで参考程度に留めておくことをおすすめします。
本章ではどのような資質を持つ方がSEの仕事に向いているのか解説していきます。
勉強熱心な人
SEには、最新技術への対応力が問われる場合があります。またその他IT職種のエンジニアとの交渉や提案などをすることもあります。
システム開発では、さまざまなトラブルに対応していかなくてはなりません。そのようなとき、勉強を苦と考えるのではなく、自身のスキルアップにつながるとポジティブに考えられる人材が望ましいでしょう。
コツコツした作業やものづくりが好きな人
大規模なシステム開発になると、途方もないボリュームの作業をコツコツとこなしていかなくてはなりません。地道な作業でも、着実に積み重ねて完成させることが好きな人はSEに向いているでしょう。
物事を正しく理解し、他人に伝えられる力がある人
要件定義の段階ではクライアントとコミュニケーションをとって仕様などを決めていきます。しかしクライアント側がコミュニケーションが苦手で、要望をうまく伝えられないこともあるでしょう。
コミュニケーション不足の状態でシステム開発を進めてしまうと、トラブルに発展する可能性が高まります。そのため相手の意図を正しく理解できる資質は重要です。加えて、自分の伝えたいことを簡潔に分かりやすく伝えられる方もSEの仕事に向いています。
市場変化に柔軟に対応できる人
IT業界の進化の速度は極めて早いため、SEが変化に対応ができないとシステムの品質に影響します。また、一人のSEとして評価されたいと思うなら、ほかのエンジニアよりも意識を高くもたなければならず、スキルを身につけたとしても、それがずっと使えるとも限りません。
将来起こりうる市場変化に柔軟に対応できる能力は、SEとして重要な要素になります。もちろんIT業界以外にも市場の変化が激しい業界はあるので、SEに限らずビジネスパーソン全体にも求められる資質です。
好奇心旺盛な人
SEに必要なスキルを身につけるには、さまざまなことに興味をもつ好奇心がとても重要です。最新技術に対して興味をもって積極的に勉強するだけでなく、できるだけ多くの開発現場を経験し自身の興味関心を刺激することが、スキルを習得するには効果的だからです。そのため、好奇心旺盛な人はSEに向いているといえるでしょう。
SE(システムエンジニア)の需要と将来性
SEの需要は、社会のIT化の促進に伴いさまざまな業種で上昇の一途といえます。経済産業省が2019年4月に発表した『IT人材需給に関する調査(概要)』では、SEを含むITエンジニアの人手不足は、2030年までに最大で約79万人にまで拡大する見込みです。
また、IPAが発表した『DX白書2024』でも、事業会社におけるIT人材の「量」と「質」の両方について不足感が高まった状況は、2022年度の調査と比較して「大幅に不足している」が増加しています。そのため、IT業界の人手不足は続くものと考えられています。
スマートフォンなどのモバイル分野、クラウドサービス分野、AI分野など今後の需要がさらに高まる分野では、よりSEの存在が重要になることでしょう。
関連記事:SEの将来性と市場需要!経済産業省のデータをもとに考察
SE(システムエンジニア)の年収
厚生労働省の職業情報提供サイト『jobtag』によると、SEの平均年収は基盤システム系で684.9万円、Webサイト開発系で557.6万円、業務用システム系で557.6万円でした。
この金額は、国税庁が発表した『令和4年分 民間給与実態統計調査』にある給与所得者の平均年収458万円を上回る金額です。SEがさらに高い年収を得るには、高度なスキルや豊富な経験が求められますが、これらが備わっていれば十分に可能でしょう。
関連記事:システムエンジニア(SE)の平均年収は?1000万円を目指す方法も紹介
SE(システムエンジニア)の求人例
レバテックキャリアに掲載されている求人の中から、SEの求人例をピックアップして紹介します。
【想定年収】
350~450万円
【業務内容】
アプリケーションエンジニアとして下記領域でのシステム開発(基本/詳細設計、製造、試験、実装、保守など)
・Web系開発
・ERP/CRMなどパッケージ関連開発
・情報系システムの開発(営業支援、ワークフローシステムほか)
・銀行/保険/医療/販売/物流系システムの開発 など
<仕事の特色>
・上流工程から携われる
下流工程(製造、テスト)のみの案件は、ほとんどありません。多くのプロジェクトで、上流工程に携われます。
・個々のスキルを考慮したアサインが可能
幅広い領域・フェーズの案件があるので、保有スキルや経験にマッチしたプロジェクトを探してアサインします。
【求められるスキル・経験】
<経験>
・Java/.NET/C#/Cいずれかの言語での開発実務(1年以上)
<マインド>
・常に前のめりで、高いチャレンジマインドがある
・成功に向けて努力できる
・チームプレーを発揮して問題解決できる
関連記事:システムエンジニア(SE)の職務経歴書のテンプレと例!書き方も紹介
SE(システムエンジニア)の求人・転職情報>
SEに関するよくある質問
本章では、SEに関するよくある質問に回答します。SEに関してレバテックキャリアに寄せられる質問には、どうしたらなれるのか、どのようなスキルがあれば良いのかなどが多いです。
SEになるには学歴や職歴がIT業界とは関係なくてもチャンスがありますが、何も知らずにSEを目指すのは効率的ではありません。本記事の内容とあわせて下記の質問と回答もぜひ参考にしてください。
Q1. SEになる方法を教えて下さい
SEになるにはプログラマーとしてシステム開発などの経験を積んで、上位職種であるSEにキャリアアップを目指すことをおすすめします。
独学でも必要なスキルを学べますが、実務経験の有無は転職時の強みになります。プログラマーとして経験を積みながら独学でもスキルの向上・習得を目指すとより近道でしょう。
Q2. SEに求められるスキルは何ですか?
プログラミングなどの開発スキル、良好な人間関係を作り上げ円滑にするコミュニケーションスキルは必須です。システム開発における進捗管理や品質管理、リソース管理などのマネジメントスキルなどがSEに求められるスキルです。ネットワーク、データベースの仕組みや開発ツールなどを扱うスキルも必要です。
Q3. 独学で開発スキルを身につける方法はありますか?
書籍や学習サイトを活用して独学でスキルや知識を身につけられます。書籍と学習サイトを併用することで、より効果が上がるでしょう。
また、資格取得に取り組むのも効果的です。SEになるには「基本・応用技術者試験」などがおすすめで、合格すればエンジニアとしてのベーススキル以上があることを証明できます。
まとめ
本記事では、SEの目指し方をはじめ、求められるスキルや独学の方法、役立つ資格、年収などを解説しました。まずはプログラマーとしてシステム開発の経験やスキルを磨き、上位職種のSEへキャリアアップを目指しましょう。市場変化が激しい業界なので、つねに最新技術を学ぶ姿勢をもつことも重要です。
SEとしての市場価値を高めるには、「システムアーキテクト試験」に挑戦してみるのも良いでしょう。システム全体を設計するシステムアーキテクトはSEの上位職種にあたります。SEになるには、その先のキャリアパスも考慮した上で、身につけるスキルを選別することも大切です。
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