社内SEにおすすめの資格まとめ!難易度や取得時の注意点も紹介

最終更新日:2025年2月14日

社内SEに転職する、社内SEとしてスキルアップを目指すなら、資格の取得は有効な手段の一つです。しかし、どの資格を選べば良いのか悩む人も多いのではないでしょうか。

本記事では、社内SEにおすすめの資格を難易度別に紹介し、それぞれの特徴や取得時の注意点も解説します。ITパスポートや基本情報技術者試験といった基礎的な資格から、PMPや情報処理安全確保支援士などの上級資格まで幅広くカバーするため、キャリアアップを目指す方はぜひ参考にしてください。

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この記事のまとめ

  • 社内SEの資格は「基礎知識」「技術系」「マネジメント系」「IT戦略・経営系」の4つに分けられる
  • 社内SEの関連資格は多く難易度も高いため、目指す職種や業務内容に応じて取捨選択することが重要
  • 社内SEの資格を取得するときは「学習計画」と「優先順位」に注意する

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社内SEの資格は主に4種類

社内SEに関連する資格は以下の4種類に分けられます。1つずつ詳しく解説します。


社内SEの詳しい仕事内容は「社内SEの仕事内容とは?業務や必要なスキル・資格など向いている人も解説」にまとめています。

1. 基礎知識の資格

基礎的な資格は、「ITの基本的な概念」「社内業務に必要な知識」を身につけるためのものです。社内SEには幅広い知識とIT関連の業務経験が求められますが、これらの経験に自信がないIT未経験者が転職で社内SEを目指す場合や、キャリアチェンジ、新卒で社内SEを目指す人におすすめです。

基礎知識の資格は、幅広い基礎をカバーし土台を固めるために活用できます。日々の業務に直結する知識も含まれるため、スキルアップとしても役立つ資格です。

2. 技術系の資格

技術系の資格とは、社内SEの業務に関連する「社内のシステム開発・運用」や「トラブル対応に必要な専門的スキル」を磨くためのものです。ITインフラの管理、プログラミング、セキュリティ対策に応じるスキルと知識を身につけると、実務で即戦力となります。

そのため、社内SEとして仕事の幅を広げたい場合、昇進やキャリアアップを目指すために活用できます。

3. マネジメント系の資格

マネジメント系の資格とは、社内SEとしてプロジェクト管理やチームリーダーとしての役割を担う場合、必要なスキルを習得するためのものです。社内SEの業務にはスケジュール管理や人材育成などが含まれるため、マネジメント系の資格を所有するとより高度な業務にも携われるようになります。

そのため、技術者からマネージャー職へのステップアップを目指す人におすすめです。これまでリーダーとしての経験が少なかった人、実践的なマネジメント能力を身につけたい人も活用できます。

4. IT戦略・経営系の資格

IT戦略・経営系の資格とは、社内SEが経営戦略やITガバナンスに関与する場合に役立つものです。ITシステムの運用だけでなく、企業の成長に向けたIT活用戦略を提案、実現するためのスキルを磨きます。

社内SEからのキャリアパスを形成する場合や、最上流の業務を担当するには、単なるITスキルだけでは不足する場面も多いです。経営やビジネス全体に関わる社内SEを目指したい人、上位ポストを目指す人はこれらの関連資格が活用できます。

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社内SEにおすすめの基礎知識の資格

社内SEにおすすめの基礎知識を身につける資格を以下にまとめました。

資格名 おすすめ度 難易度
ITパスポート試験 ★★☆☆☆ ITSSレベル1
基本情報技術者試験 ★★★☆☆ ITSSレベル2
応用情報技術者試験 ★★★★☆ ITSSレベル3
簿記(日本商工会議所) ★★★☆☆ ITSSレベル対象外

ITパスポート試験

試験日 資格種類 難易度
年中実施 国家資格 ITSSレベル1程度

ITパスポート試験は、ITを利用して業務を行う人を対象とした基礎的なIT知識・リテラシーを証明する資格です。試験では、情報システム、ネットワーク、データベースなどについての利用知識が問われます。「基礎」とはいえ、パソコンの基本操作以上に、ITの仕組みや活用方法、ITビジネスを理解する内容が含まれており、やや高度な学習も求められます。

この資格はIT業界で働く専門者向けのものではなく、ITを知るための初歩的な資格という位置づけです。そのため、未経験から社内SEを目指す人や業界知識を証明したい人にとってはとても有用です。

「将来的に社内SEを目指したいが、何から学べば良いかわからない」という初心者や、異業種からキャリアチェンジを目指す人におすすめできます。この資格を取得することで、ITに関する基本的な素養を身につけ、次のステップで専門性を高める準備ができます。

基本情報技術者試験

試験日 資格種類 難易度
年中実施 国家資格 ITSSレベル2

基本情報技術者試験は、ITエンジニアとしての基礎的なスキルや知識を証明する国家資格です。この試験はITの基礎から応用まで幅広い分野をカバーしており、情報処理技術者として最初のステップに位置づけられます。

試験では、プログラミング、システム開発、IT戦略と経営、情報セキュリティなど社内SEとして知っておきたい基礎基本が含まれます。基礎といってもIT業界未経験者にとっては専門的な内容も多く、プログラミングの基礎知識を試す問題も出題されるため、十分な試験対策が求められる資格です。

資格を取得することで、IT技術の全体像を理解し、次のステップとなる専門資格や実務経験への土台を作れます。そのため、「社内SEを目指す中で、エンジニアとして基礎から始めたい」「社内SEとして即戦力を身につけたい」という人におすすめです。

応用情報技術者試験

試験日 資格種類 難易度
春期、秋期に実施 国家資格 ITSSレベル3

応用情報技術者試験も基本情報技術者試験と同様、情報処理推進機構(IPA)が運営し、経済産業省が認定する国家資格です。試験は毎年4月(春期)と10月(秋期)の2回開催されます。

その名の通り基本情報技術者試験よりもワンランク上の応用力が問われる問題が多く、ITエンジニアやシステム管理者を対象としています。IT全般の知識をさらに深める内容が試験範囲となっており、社内SEの業務範囲である「システム設計」「プロジェクト管理」「IT戦略立案」などが含まれているため、スキルアップを目指す人に最適な試験です。

この資格はIT業界でキャリアアップを目指す人、具体的には中堅エンジニアとして活躍したい人や社内SE、IT管理者におすすめです。資格を活かせる業務範囲が広く、IT知識の応用力も身につくため、資格取得後はさらに専門性の高い資格に挑戦する道も開けます。

簿記(日本商工会議所)

試験日 資格種類 難易度
統一試験(1~3級):年3回
ネット試験(2級・3級)
:ネット試験会場が設定する任意の日
民間資格 ITSSレベル対象外

簿記(日本商工会議所)は、日本商工会議所が主催する民間資格で、企業会計や経理の知識を証明する資格です。ビジネスにおける「お金の流れ」を理解し、財務諸表の作成や分析、経営判断に必要な基礎スキルを身につけることを目的としています。

簿記はIT技術者として直接関係するスキルではありません。ただし、取得すると社内SEにとって「会計システムやERPの導入・運用に強くなる」「経営層や他部署と知識共有することで連携がスムーズになる」「IT部門のコスト管理・戦略立案に役立つ」といったメリットがあります。社内SEの業務範囲を考慮すると、2級以上の取得が望ましいです。

また、簿記は他資格と比べると学習範囲が狭く、短期間で取得可能です。さらにIT以外のビジネス分野でも活用できるため、「学びやすく即効性が高い資格でキャリアアップにつなげたい人」「業務知識とITスキルを兼ね備えた人材を目指す人」におすすめできます。

社内SEになぜ簿記がおすすめなのか、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:社内SEが簿記を取得するメリットは?勉強方法なども紹介

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社内SEにおすすめの技術系の資格

技術系資格は社内SEにとって「業務環境次第で必要性が変わる資格」であるため、実際の業務と照らし合わせ取捨選択することが大切です。ここでは、代表的な社内SEにおすすめの技術系資格をまとめました。

資格名 おすすめ度 難易度
ITIL® 4資格制度 ★★★★☆ ITSSレベル2~4
システム
アーキテクト試験
★★★★★ ITSSレベル4
ネットワーク
スペシャリスト試験
★★★★★ ITSSレベル4
情報処理安全
確保支援士試験(RISS)
★★★★★ ITSSレベル4
ORACLE MASTER ★★★★☆ ITSSレベル2~5
CCNA ★★★★☆ ITSSレベル2~3
LinuC ★★★★★ ITSSレベル2~5
LPIC ★★★★★ ITSSレベル2~5

ITIL® 4資格制度

試験日 資格種類 難易度
年中実施 ベンダーニュートラル資格 ITSSレベル2~4

ITIL®とは、IT対応サービスを管理・運用するためのベストプラクティスを体系化したフレームワークがまとめられた書籍のことを指します。ITIL®4資格制度はこのITILに沿ったITサービスマネジメントに関するスキルを証明する資格体系です。


ITサービスの設計、運用、改善を効率的に行うための知識・スキルを習得することを目的としており、次の4階級にわかれています。

  • 1. Foundation:基本概念、用語などを学ぶ初級資格

    2. Managing Professional(MP):実務に特化した中級資格

    3. Strategic Leader(SL):IT戦略を構築、組織の成長をサポートするリーダー向け資格

    4. Master:実務経験がありITIL®の応用力を証明する最高レベル

国内の主要研修会社でITIL®4研修が行われており、Foundationのみ研修を受けずに受験可能ですが、上位研修への理解と業務への適用を考慮すると、研修またはセミナーの受講が推奨されています。社内SEとして資格を活用するには、MPもしくはSL相当(ITSSレベル4)がおすすめです。

社内SEは社内全体の業務効率化、コスト削減に携わりますが、その際にITIL®4のフレームワークを活用すると、無駄を削減する仕組みを構築できます。また、試験内容には「サービス提供者としての視点」が含まれており、他部署との調節や折衝が求められる社内SEには最適です。

システムアーキテクト試験

試験日 資格種類 難易度
年1回 国家資格 ITSSレベル4

システムアーキテクト試験は、IPAの提供する「高度情報処理技術者試験」に分類される、高難易度の国家資格試験です。システム開発の上流工程を主導する際に必要となる「要件定義スキル」「システムのグランドデザイン設計スキル」「アーキテクチャ設計スキル」などが問われます。社内SEとして上流工程に挑む際のスキルを示せる資格です。

社内SEの役割で求められるシステム設計、要件定義、プロジェクト管理のスキルは、この試験内容と密接に関連しています。また、試験内容には従来のシステム構築だけでなく、クラウドや仮想化、セキュリティ関連の最新技術にも対応した知識が含まれるため、「社内SEとしてのスキルを強化したい」「経営視点を持ったキャリアアップを考えている」という人におすすめです。

ネットワークスペシャリスト試験

試験日 資格種類 難易度
年1回 国家資格 ITSSレベル4

ネットワークスペシャリスト試験はIPAが主催する国家資格です。ネットワーク技術の専門家を対象としています。情報技術の背景から知るべき原理、基礎となる知識とスキルを幅広くカバーする試験内容であり、「ネットワークの設計・構築」「ネットワークの運用・保守」「セキュリティ」などが社内SEと深く関わっています。

社内SEは社内ネットワーク環境を効率的かつ安全に保つための設計・運用スキルが求められますが、この資格により、スキルの強化が可能です。また、ネットワーク障害の原因を迅速に特定し、適切な対策を取る知識も資格によって得られるため、社内SEを目指す人や社内SEとして業務の幅を広げる人におすすめできます。

情報処理安全確保支援士試験(RISS)

試験日 資格種類 難易度
年2回 国家資格 ITSSレベル4

情報処理安全確保支援士試験(RISS)とは、サイバーセキュリティ分野における高度な知能、実務能力を持つ証明を目的とした国家資格です。国内において、セキュリティ専門家として信頼性を高める目的で活用されます。試験範囲には「現実のセキュリティ課題を解決する能力を試すケーススタディ」「最新のセキュリティトレンド」「セキュリティインシデント対応、再発防止策」などが含まれます。

この資格は応用情報技術者試験の上位資格に該当し、対象者は企業内でセキュリティを担当する社内SEや管理職です。そのため、応用情報技術者試験を受験し、さらなる上位資格に挑戦したい人や、情報セキュリティのスキルを補強したい社内SEにおすすめです。また、経営層への提案力向上やクラウド、DX推進のリスク管理も身につくため、さらにキャリアアップしたい人にも向いています。

ORACLE MASTER

試験日 資格種類 難易度
年中実施 ベンダー資格 ITSSレベル2~5

ORACLE MASTERは商業用データベースとして大きなシェアを持つオラクルデータベースに関するスキルと知識を認定するオラクル社によるベンダー資格です。DBAと開発者を主なターゲットとしており、一般的なSQLに関する知識からオラクル製品に特有の知識までが求められます。

そのため、オラクルデータベースを利用している場合や、大量のデータを扱う企業、クラウド移行に対して社内SEの業務が関連している場合は特に有効です。即戦力の証明もでき、なおかつ実務への幅広い応用ができるため、社内SEを目指す人にはおすすめできる資格です。

CCNA

試験日 資格種類 難易度
年中実施 ベンダー資格 ITSSレベル2~3

CCNAはネットワーク機器大手のシスコ社によるネットワークエンジニアとしてのスキルを認定するベンダー資格の一区分です。ネットワークエンジニアとして一般的なスキルとシスコ社製品の取り扱いに関する知識などが問われます。ネットワーク分野では基礎知識を学ぶ入門資格として位置づけられており、この知識を基に高度なスキルを習得する中級~上級資格がCCNP Enterpriseです。

CCNAでは小規模~中規模のネットワーク環境の構築や運用に関する知識と対応法が学べます。日常的なネットワーク管理や基礎的なトラブルシューティングにも対応できるため、小〜中規模企業の社内SEにおすすめです。ネットワークの現場では、CCNA取得を条件とするケースもあります。

CCNP EnterpriseはCCNAで学んだことを基盤とし、さらに高度な内容への理解が求められます。転職・昇進の際に有利になる可能性があり、大企業に所属する社内SEや社内SEからのキャリア形成のためにおすすめです。

LinuC

試験日 資格種類 難易度
年中実施 ベンダーニュートラル資格 ITSSレベル2~5

LinuCは、Linux技術者の能力を認定するLPI-Japanが運営する試験です。WebサーバーなどのITインフラには、Linux OSが多く利用されています。

そのため、Linuxスキルを証明するLinuCは、社内SEにとって役立ちます。特に社内SEとしてLinuxサーバーを管理する必要がある人には有効です。LinuCは、初級者向けのレベル1からエキスパートレベルのレベル3、さらに上位のLinuCシステムアーキテクト試験など、幅広い段階の認定制度があります。

初心者の方は、LinuCレベル1の取得がおすすめです。この資格を取得することで、Linuxの基本的な操作スキルや管理・運用に必要な知識を証明でき、社内インフラ保守や運用業務が可能になります。

さらなるキャリアアップを目指す場合は、上位レベルの取得も検討すると良いでしょう。

LPIC

試験日 資格種類 難易度
年中実施 ベンダーニュートラル資格 ITSSレベル2~5

LPICは、Linux技術者のスキルを認定する国際的な資格です。Linux Professional InstituteというLinux技術者をサポートするNPO団体により運営されています。レベル1からレベル3までの3段階で、さらにレベル3は複数の専門分野向けの資格に分かれます。

社内SEは、サーバーの運用・管理も業務に含まれ、ITシステムの運用業務などでもLinuxサーバーを利用する機会があります。Linuxのシステム管理者に必要なスキルが問われるLPIC-1からキャリアに合わせて取得することがおすすめです。

LinuCとの違いは、LPICがLinux全般に関するスキルを認定する国際資格であるのに対し、LinuCは国内向けに最適化された資格という点です。どちらもLinuxサーバーを管理する社内SE向きの資格ですが、海外での活躍を視野に入れている場合は、世界中で認知されているLPICがより活用できます。

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社内SEにおすすめのマネジメント系の資格

社内SEにとって、業務を効率的に管理しプロジェクトやチームを成功に導くためには、マネジメントスキルが欠かせません。マネジメント能力を証明できる、社内SEにおすすめのマネジメント系資格を以下にまとめました。

資格名 おすすめ度 難易度
ITサービスマネージャ試験 ★★★★★ ITSSレベル4
プロジェクトマネージャ試験 ★★★★☆ ITSSレベル4
PMP®資格 ★★★★☆ ITSSレベル4~5
プロジェクトマネジメント・
アソシエイト認定資格
(NPMO認定PM-A™資格)
★★★★☆ ITSSレベル2~3
PMOスペシャリスト™認定資格 ★★★★☆ ITSSレベル2~3

ITサービスマネージャ試験

試験日 資格種類 難易度
年1回 国家資格 ITSSレベル4

ITサービスマネージャ試験はIPAが運営する情報処理技術者試験の内、高度な知識・技能を示す試験の一つです。対象者像は「高度IT人材として確立した専門分野をもち、サービスの要求事項を満たし、サービスの計画立案、設計、移行、提供及び改善のための組織の活動及び資源を、指揮し、管理する者」とされています。

この資格の出題範囲は「ITサービスマネジメント」や「運用管理」「ITサービスの提供と運用」などが含まれており、社内ITサービスの品質向上に役立つ知識と技術が身につきます。社内SEはインシデント管理や効率的な社内ITの運用が求められるため、社内SEとしてITサービスの運用管理を担当する場合におすすめです。

また、ITSSレベル4相当の高難易度資格であり、取得後は経営層と効果的にコミュニケーションを取れるようになります。そのため、組織全体のIT運用改善にも携われるIT人材を目指すことができ、キャリアアップを目指す大きな武器としても活用できます。

プロジェクトマネージャ試験

試験日 資格種類 難易度
年1回 国家資格 ITSSレベル4

プロジェクトマネージャ試験はIPAが運営する国家資格試験で、プロジェクトマネジメント全般に関する深い知識を問われます。習得のための学習により、進捗管理、リソース管理、課題管理、リスク管理、品質管理など幅広い領域の知識を身につけることが可能です。

この試験はプロジェクト管理能力を証明する国家資格として、企業内でも高い信頼性を持ちます。リーダーポジションへの昇進や、マネジメント職への転職活動にも強みになる内容が含まれ、社内プロジェクトの効率化や他部門との連携、経営層への提案の機会がある社内SEにはおすすめの資格です。

取得後はプロジェクト管理スキルが体系的に身につくため、実務において大きなアドバンテージを得られます。

PMP®資格

試験日 資格種類 難易度
年1回 ベンダーニュートラル資格 ITSSレベル4~5

PMP®試験はPMI本部が認定するプロジェクトマネジメントスキルを証明する資格です。PMBOKと呼ばれるグローバルスタンダードのプロジェクトマネジメント手法がベースとなっており、海外でも通用する国際資格のひとつです。IT以外のプロジェクトマネジメントでも評価されます。

資格を取得すると国際的なキャリアに有利になり、PMBOK®に基づくフレームワークを学ぶことでプロジェクト成功率の向上につながります。社内SEは社内プロジェクトにおいてシステム導入やアップグレードを管理するため、この分野の役割で活用するために資格がおすすめです。

また、PMP®資格は国内に特化したマネジメント系資格であるプロジェクトマネージャ試験の海外向け資格です。海外進出を視野に入れている人や、外資系企業の社内SEを目指す人にも推奨します。

プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格(NPMO認定PJM-A™資格)

試験日 資格種類 難易度
年中実施 ベンダー
ニュートラル資格
ITSSレベル2~3

プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格(NPMO認定PJM-A™資格)はNPMO協会が運営するプロジェクトマネジメントの基礎知識を証明する資格です。プロジェクトマネージャ試験やPMPと比較して難易度が低いため、プロジェクトマネジメントのスキル確認をしたいエンジニアや、社内SEを目指すためにマネジメント領域を学びたい人に向いています。

試験範囲には「プロジェクトマネジメントの基礎知識」「プロジェクトの計画・実行」「チームマネジメントの基礎」が含まれ、専門的な資格に進む前に基礎をしっかり固められるメリットがあります。資格取得後はPMP®やプロジェクトマネージャ試験などの上位資格に挑戦する道が開けるため、社内SEやプロジェクトリーダーを目指す人の第一歩として活用するのがおすすめです。

PMOスペシャリスト™認定資格

試験日 資格種類 難易度
年中実施 ベンダー
ニュートラル資格
ITSSレベル2~3

PMOスペシャリスト™認定資格はNPMO協会が運営する、PMOに求められる知識を証明する試験です。★、★★、★★★の3段階のレベルがあり、★★★については2025年1月時点では策定中のため提供されていません。

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)とは、自社などの組織内におけるそれぞれのプロジェクトを横断してマネジメント支援することで、会社全体のプロジェクトの成功率を高める職種です。試験内容はPMOの役割と責任、プロジェクト進捗管理やリスクマネジメント、ステークホルダー管理からコミュニケーションスキルまでをカバーしているため、プロジェクト管理を強化し組織全体の効率向上が求められる社内SEに役立ちます。

資格取得後は、プロジェクトの補佐的役割からリーダーをサポートする形で、進行管理するスキルを証明できます。小規模プロジェクト向きではあるため、資格の合格を足がかりに上位資格であるPMP®やプロジェクトマネージャ試験などの高難易度資格へ挑戦するのもおすすめです。

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社内SEにおすすめのIT戦略・経営系の資格

社内SEとしてIT戦略や経営に携わるには、スキルを強化する資格が実務で活用できます。社内SEにおすすめのIT戦略・経営系の資格をまとめました。

資格名 おすすめ度 難易度
ITストラテジスト試験 ★★★★★ ITSSレベル4
中小企業診断士試験 ★★★★☆ ITSSレベル対象外

ITストラテジスト試験

試験日 資格種類 難易度
年1回 国家資格 ITSSレベル4

ITストラテジスト試験はIPAが運営する国家資格試験で、IT戦略やIT企画を立案するスキルが求められます。具体的には、情報技術を活用した事業戦略の策定、情報技術を活用したビジネスモデルの策定、情報システム戦略の策定、システム化計画の策定、システム調達などが出題されます。国家資格の中でも難易度は高めですが、その分信頼性の高い資格です。

社内SEは社内ITと経営の橋渡しとしての役割を担うため、経営層やCIO、IT部門のリーダーを対象としたITストラテジスト試験はおすすめです。IT戦略に関する知識が深まり、経営層との対話力向上につながります。

ITストラテジストについて、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:ITストラテジストとは?試験内容や転職時のキャリアを解説

中小企業診断士試験

試験日 資格種類 難易度
年1回 国家資格 ITSSレベル対象外

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応する診断・助言を行う専門家向けの国家資格です。日本中小企業診断士協会連合会が試験運営をしています。社内SEとして、企業の事業改善に役立つ提案、企画をする上で、役立つ資格となります。

試験内容はIT分野はもちろん、財務やマーケティングまでカバーします。企業経営や事業戦略に深く関わりたい人向けの資格であり、経営的視点を習得できるため、社内SEからのキャリアアップのためにも活用可能です。

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社内SEが資格を取得するメリット

社内SEが資格を取得するメリットには以下の2点が挙げられます。

転職しやすくなる

社内SEが資格を取得すると転職しやすくなります。なぜなら、資格とは一定のスキル証明や即戦力を示すものであり、企業は求職者に「専門スキル」と「即戦力」を求めているからです。特に社内SEは受け持つ業務範囲が広く、社内ITを一任される責任の大きいポジションです。関連資格には難関資格も多く、所有しているだけで信頼性が高まります。

資格は保有スキルを第三者的な立場から証明してくれるため、転職でも有利に働く点が資格の取得・保有の大きなメリットの一つです。

自分のスキルを客観的に評価しやすくなる

社内SEに求められるスキルには「マネジメントスキル」「IT戦略・経営スキル」「ネットワーク・セキュリティ関連知識」など、数値化できないものは多いです。このような専門的な分野は客観的な証明がしづらい中で、資格があるとわかりやすい指標として活用できます

また、資格取得のために学習する中で、自己スキルを整理し強み・弱みが客観視できるのもメリットです。客観視すると、社内SEに必要な素養のうち足りないものがわかるようになります。

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社内SEに関する資格を取得する際の注意点

社内SEの資格を取得するには、以下の2つの注意点を意識しておきましょう。
 

目標と今のスキルを明確にして学習計画を立てる

社内SEが資格取得を目指す場合、自分の現在のスキルと目標を明確にした上で、しっかりとした学習計画を立てることが重要です。なぜなら、具体的な目標を設定することにより「このラインまで学習すれば合格が見える」とわかるため、学習過程でのモチベーションを維持しやすくなるからです。

たとえば、漠然と難関資格に挑むのではなく、苦手な分野や経験のない分野は「初学者向け資格」からの取得がおすすめです。各資格に対して独学で必要な勉強時間をチェックし、平日と休日に分けどのくらいの時間を捻出できるかを算出し、試験日までに十分な時間数が取れるかを考えます。

社内SEの関連資格は、ITSSレベルの高いものが多いです。現在のスキルを明確にし、資格が求めるレベルとのギャップを把握することで、合格を確実なものにできます。社内SEとしてのキャリアアップにつなげるためにも、学習計画をしっかり立てましょう。

学習計画の立て方は以下の記事も参考にしてください。

関連記事:ITストラテジスト合格に必要な勉強時間は?学習ポイントも解説

目標と関係のないスキルは取らない

社内SEに関連するおすすめの資格は多数ありますが、これらの資格はすべてが必要になるわけではありません。「目標と関係のないスキルは選択しない」「目指す職種や業務内容に応じて取捨選択する」ことが大切です。なぜなら、社内SEに関連する資格はほとんどが難関資格であり、すべてを取得すると時間と労力がかかりすぎるからです。

たとえば、社内のシステムがすべてWindows Serverやクラウド(AWS、Azureなど)に移行済みで、Linuxに触れる機会がほとんどない場合は、Linux系資格であるLinuCとLPICは必要ありません。一方で社内SEを目指すために資格取得を考えている場合は、汎用性の高い応用情報技術者試験を受験し転職や就職に活用できます。

このように目標設定を今一度明確にし、現在の状況から取得する資格の優先順位をつけてみましょう。

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まとめ

本記事では、社内SEの仕事に役立つ資格を基礎知識、技術系、マネジメント系、IT戦略・経営系の4つに分類して解説しました。

さまざまな資格がありますが、社内SEとして効率的にスキルアップするには、今の仕事に必要なスキルと今後のキャリアパスで必要となるスキルを見極めることが重要です。資格試験を活用して効率的にスキルアップを図りましょう。

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この記事の監修

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