社内SEの仕事内容と求められるスキル、SI企業に所属するSEと社内SEの違いを解説社内SEに必要なスキル

社内SEとは、その名のとおり自社のITを専門に担うエンジニアのことを指します。社内SEの業務範囲は非常に広く、IT戦略の立案や新規システムの選定、開発、システムの運用保守などさまざまなものがあります。では、社内SEを目指すにはどのようなスキルを身につければよいのでしょうか?

この記事では、社内SEの仕事内容と求められるスキルをはじめ、SI企業に所属するSEと社内SEの違いについても解説します。

1. 社内SEの仕事内容

 まず、社内SEの仕事内容について解説します。

IT戦略の立案

経営計画で決められた方針に沿って、IT戦略やIT企画の立案を行います。
例えば、「月次決算の早期化」という経営方針が出された時に、ITでどのような支援を行うのか戦略や施策を立案します。この仕事の多くは、システム部門のマネージャー以上が担います。

社内システムの構築(改修含む)

新規に開発を行う場合は、システム化ニーズを分析した上で方向性を立案しプロジェクト化します。プロジェクト開始後は、要件定義、設計、開発、テスト、運用といったシステム開発の全工程に携わります。また、新規開発だけでなく、既存システムの改修なども同様の流れで対応します。

社内システムの運用・保守

社内システムが正常に動作し続けるよう、サーバーやPCといったハードウェアやネットワーク、ソフトウェアの運用・保守を行います。日々これらの監視を行い、必要に応じてスペックの増強や増設といった対応を行います。また、障害が発生した場合は、原因調査および復旧作業も行います。

問い合わせ対応

社員からのシステムに関するさまざまな問い合わせに対応します。業務システムに対する「ログインできない」「使い方がわからない」といった問い合わせや、WindowsやOfficeなどのソフトウェア、PCやプリンターなどハードウェアに関する問い合わせなど幅広く対応します。また、新規システムの導入依頼や既存システムの改善要望なども受付けます。

セキュリティ対策

社員が利用するソフトウェアのアップデートや、ウイルス対策ソフトの導入、不正アクセスの監視などのセキュリティ対策を行います。また、ウイルス感染を防止するため不審なメールを開かないよう社員に通知したり、セキュリティに関する教育を行ったりすることもあります。
 
このように社内SEは幅広い仕事を担当します。企業によって、分業されていることもあれば、一人のSEが開発から問い合わせ対応、運用・保守と幅広く担当するケースもあります。

2. SI企業に所属するSEと社内SEの違い

次にSI企業に所属するSEと社内SEの違いについて解説します。
 
SI企業はシステム開発を受注し、プロジェクトチームを構成して要件定義、設計、開発、導入、運用などの業務を請け負います。プロジェクト期間が終了すればチームは解散し、メンバーはそれぞれ別のプロジェクトに配属されます。つまり、プロジェクトによってクライアントも開発するシステムも変わっていくのです。
 
一方社内SEは、自社システム専任のエンジニアのため、このようにクライアントが変わることはありません。期間が定められているプロジェクトももちろんありますが、プロジェクト終了後は運用・保守という定常業務フェーズに変わるだけでシステムがなくなるわけではないからです。つまり、社内SEは中長期的に自社のシステムに携わっていくことになるのです。

3. 社内SEに求められる知識・スキル

最後に社内SEに求められるスキルを解説します。
社内SEとしてどの領域に携わるかによって求められるスキルは異なってきますので、下記すべての知識とスキルが必要というわけではありません。

IT戦略の立案に必要な知識・スキル

最上流工程であるIT戦略の立案を行うには、ITだけでなく経営や会計などの知識とスキルが必要となります。

【求められる知識】
・経営戦略およびIT戦略の幅広い知識
・会計に関する知識
・組織に関する知識
・最新のIT技術に関する知識 など


【求められるスキル】
・ロジカルシンキング
・戦略立案スキル


【役立つ資格】
ITストラテジスト試験
IPAが運営する国家資格で、経営に関する知識からIT戦略まで幅広く学ぶことができます。

ITコーディネータ試験
経産省が推奨する資格です。試験合格者のみが受講できるIT戦略立案に関する講習を提供しています。

社内システムの構築に必要な知識とスキル

この領域に従事するSEに求められる知識とスキルは、SI企業に所属するSEに求められるものと大きく変わりません。

【求められる知識】
・自社の業務に関する知識
・業務システムに関する知識
・システム開発の知識
・ソフトウェア、データベース、ハードウェアの知識


【求められるスキル】
・プロジェクトマネジメントスキル
・設計スキル
・開発(プログラミング、データベース、サーバー構築、品質管理)スキル
※社内で開発を行わない場合、プログラミングスキルは不要
・ベンダーマネジメントスキル


【役立つ資格】
基本情報技術者試験
IPAが運営する国家資格で、上記の知識を網羅的に学ぶことができます。

システムアーキテクト試験
IPAが運営する国家資格で、システム設計に特化して学ぶことができます。

PMP
プロジェクトマネジメントスキルを証明する国際資格です。プロジェクトマネジメントを体系的に学ぶことができます。

プログラミング言語のベンダー資格
JavaやPHP、Rubyなどさまざまな言語では、スキルを証明する資格制度があります。企業によって導入されている言語が違いますので、どの言語が必要か見極める必要があります。

データベースのベンダー資格
OracleやSQL Serverなど各種データベース製品はベンダー資格を提供しています。データベースの構築からチューニングまで幅広く学ぶことができます。

Microsoftテクニカル認証
マイクロソフトが提供するサーバー資格です。サーバー構築から運用保守まで幅広く学ぶことができます。

Linux技術者認定資格(Linuc)
マイクロソフトに次いでサーバーシェアを持つLinuxの資格です。サーバー構築から運用保守まで幅広く学ぶことができます。

JSTQB 認定テスト技術者資格
ソフトウェアテストや品質管理に関する知識を得られる資格です。

社内システムの運用・保守に必要な知識とスキル

運用・保守を主に担当しますので、高度な開発スキルは不要です。一方で、サーバーの設定変更やデータベースのチューニングなどのスキルが必要となります。

【求められる知識】
・自社システムの知識
・サーバーの知識
・ネットワークの知識
・データベースの知識


【求められるスキル】
・監視ソフトのスキル
・サーバースキル(構築・チューニング)
・ネットワークスキル
・データベーススキル(チューニング・SQL)


【役立つ資格】
ITサービスマネージャ試験
IPAが運営する国家資格で、運用保守や継続的な改善手法に関する知識を得ることができます。

Microsoftテクニカル認証
マイクロソフトが提供するサーバー資格です。サーバー構築から運用保守まで幅広く学ぶことができます。

Linux技術者認定資格(Linuc)
マイクロソフトに次いでサーバーシェアを持つLinuxの資格です。サーバー構築から運用保守まで幅広く学ぶことができます。

シスコ技術者認定
ネットワーク機器大手のシスコの認定資格です。シスコ製品を使ったネットワーク構築や設定、運用保守に関する知識を得ることができます。

問い合わせ対応に必要な知識とスキル

ヘルプデスク業務になりますので高度な知識とスキルは必要ないでしょう。

【求められる知識】
・自社業務の知識
・PCの全般知識


【求められるスキル】
・OS(Windows)の操作スキル
・Office製品の操作スキル
・グループウェアの操作スキル
・自社システムの操作スキル


【役立つ資格】
マクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
マイクロソフトのオフィス製品全般の知識を得られる認定資格です。

セキュリティ対策に必要な知識とスキル

セキュリティに関しては、セキュリティを考慮したテクニカルスキル以外にセキュリティマネジメントなど経営視点での知識が必要となります。

【求められる知識】
・セキュリティマネジメントに関する知識
・最新のサイバー攻撃手法に関する知識
・セキュリティ対策方法に関する知識


【求められるスキル】
・ネットワーク設計、構築スキル
・インフラ設計、構築スキル
・ファイアウォール設計、構築スキル
・セキュリティソフトの設定スキル

4. まとめ

この記事では、社内SEの仕事内容、SI企業に所属するSEと社内SEの違い、社内SEに求められるスキルについて解説しました。社内SEは幅広いスキルが必要な職種ですが、この記事で解説したスキルすべてを持ってないと就けない職種というわけではありません。企業によって求められるスキル範囲は大きく異なります。どの分野で活躍したいのかを明確にした上で、まずは特定の領域にしぼってスキルを身につけていくと良いでしょう。 

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