社内SEに必要なスキルとは?

社内SEとは、企業内のIT業務全般を担当するポジションです。その役割は幅広く、具体的には以下のような仕事内容があります。
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・IT戦略の立案:経営戦略、業務課題、DX推進などに応じたIT施策の企画や提案
・社内システムの構築:社内ニーズに合わせたシステムの導入や実行、改修、外部ベンダーとの連携
・社内システムの運用、保守:ネットワーク、サーバー、PC、ソフトウェアなどの運用保守
・問い合わせ対応:PCやソフトのトラブル対応、ユーザー向けのIT教育やサポート
・セキュリティ対策:ウイルス対策、情報漏洩防止など、外部ベンダーとの連携やプロジェクト管理
仕事内容は企業によって異なりますが、社内SEはエンジニア職の中でも対応分野が幅広く、業務理解が重要なポジションです。また、エンジニアといっても直接手を動かすばかりではなく、技術力とコミュニケーション能力の両方が重要な「ハイブリッド型」職種です。
そのため、社内ITが理解できる専門知識と、問題解決に必要な技術力に加え、「マネジメントスキル」「コミュニケーションスキル」が求められます。他エンジニア職と異なる特徴は「ソフトスキルも重視されること」です。
以上を踏まえて、次の章から具体的な必要スキル・経験をチェックしてみましょう。
社内SEになるために必要な8つのスキル・経験
社内SEになるために必要なスキルと経験を以下の8つにまとめました。
社内SEの仕事内容と求められるスキルの具体例について、社内SEの仕事内容とは?業務や必要なスキル・資格など向いている人も解説も参考にしてください。
| 必要なスキル | スキル概要 |
|---|---|
| 論理的思考力 | 物事を体系的かつ論理的に整理し、 原因を突き止めて解決策を考える能力 |
| IT戦略全般や会計・ 経営に関する知識 |
企業の経営方針やビジネスニーズに合わせて IT戦略を立案・実行する際に必要な、会計や経営の基本知識 |
| 戦略立案スキル | 現状分析を行い、将来の業務を想定した 戦略スキル、社内外の意見を取りまとめるスキル |
| 設計~開発~保守までの 一連の業務経験 |
システムの設計・開発・運用・保守までの ライフサイクル全般経験、業務要件に基づいた設計やベンダーと連携した開発経験 |
| マネジメントスキル | プロジェクトのスケジュール管理や予算の調整、 メンバーのタスク管理を的確に行う能力 |
| ソフトウェアに 関する知識 |
ソフトウェア導入・運用のための経験や知識、 新規ソフトウェア選定に必要な基礎知識 |
| ハードウェアに 関する知識 |
ネットワーク機器、サーバー、ストレージ、 PCや周辺機器の知識 |
| セキュリティに 関する知識 |
情報セキュリティの基本知識、ネットワーク セキュリティ、セキュリティ対策ソフト ウェアの運用、内部脅威への対策など |
論理的思考力
論理的思考力とは、物事を体系的かつ論理的に整理し、原因を突き止めて解決策を考える能力です。
たとえば、システム障害が発生した場合、社内SEには迅速かつ正確な対応が求められます。ここで、原因を特定するための分析や効率的な復旧手順の策定に、論理的思考が役立つのです。また、業務プロセスの問題点を洗い出し、ITを活用した効率化の提案をする際にも、論理的思考を活用します。
論理的思考力は、課題解決能力の核となるスキルです。フレームワークを理解し活用したり、問題を分解して考える習慣をつけたりすることで、論理的思考力を習得できます。
IT戦略全般や会計・経営に関する知識
社内SEは、企業の経営方針やビジネスニーズに合わせてIT戦略を立案・実行します。そのため、ITの知識だけでなく、会計や経営の基本知識も必要です。
これらの知識はIT投資のコストパフォーマンスを考えたり、経営層にIT施策を提案する際に役立ちます。また、ビジネスの流れを理解して初めて、効果的なITソリューションを設計できます。
こういった経営全体を理解し、ITをどう活用するかを考える視点を持つのは難しいです。コンサルタントや経営に関する資格を取得するなど、知識を深めていきましょう。
戦略立案スキル
戦略立案スキルとは、現状を正確に分析し、不足部分を洗い出した上で、将来の業務を想定して具体的な計画を立てる能力です。社内SEがシステム導入や改善に向けたIT戦略を企画・立案する際に重要となるスキルです。
たとえば、新しい基幹システムを導入する際には、現状の課題や業務ニーズを踏まえて最適なシステムを選定する必要があります。このスキルがあれば、経営層や社内の関係者を納得させる提案が可能です。また、DX推進の場面でも、長期的な目標を見据えた計画を立てる際に役立ちます。
戦略立案スキルを高めるには、企業や業界のビジネスモデルを深く理解することや、小規模なプロジェクトで戦略立案を実践する経験が効果的です。また、社内SEは経営陣や各部署と連携する機会が多いため、関係者の意見をまとめ、合意形成を図るスキルも同時に求められます。
設計~開発~保守までの一連の業務経験
社内SEは、システム導入と提案に携わる以上、システムの設計・開発・運用・保守までのライフサイクル全般を把握する必要があります。
特に、業務要件に基づいた設計やベンダーと連携した開発経験は強みになります。たとえば、開発後の運用やトラブルシューティング時には、設計意図や技術的な背景を理解していることで、スムーズな対応が可能です。
全体の流れを理解していることで他部署との連携も取りやすくなり、社内SEとして信頼が得られやすくなります。業務経験はプロジェクト全体を管理する能力にもつながり、将来的なキャリアパスも広がります。
マネジメントスキル
社内SEに求められるマネジメントスキルとは、プロジェクトのスケジュール管理や予算の調整、メンバーのタスク管理を的確に行う能力です。これにより、プロジェクトを計画通りに進めるだけでなく、効率的かつ確実に成果を出すことが求められます。
さらに、複数の部署やベンダーと連携しながらプロジェクトを進行する場面では、関係者の意見を適切に調整し、一つの方向性にまとめるリーダーシップが不可欠です。これらのスキルを発揮することで、チーム全体を効率よく運営し、より大きな成果を達成することができます。
マネジメントスキルを高めるためには、まずプロジェクト管理の基本を学ぶことが重要です。また、実務の中でチーム運営や管理の経験を積むことで、このスキルを磨くことができます。たとえば、トラブル対応を任された際には、状況を冷静に分析し、解決策を迅速に実行することでスキルが向上します。
マネジメントスキルについて、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:PM(プロジェクトマネージャー)に向いている人の特徴を解説
ソフトウェアに関する知識
社内SEに求められるソフトウェアに関する知識とは、業務システム(ERP、CRM、グループウェア)の知識や開発基礎知識、運用と保守に関する知識を指します。クラウドを導入する企業では、AWSやSaaSなどのクラウドサービスの知識と、管理スキルも求められます。
また、社内SEはソフトウェア導入にも携わるため、導入経験があると即戦力につながりやすいです。業務プロセスに合わせてカスタマイズしたり、新しいソフトウェアを選定する際には、適切な判断をするための基礎知識が求められます。
ソフトウェアに関する知識は、現場での経験を通じて学び、手を使って開発・運用を実践するサイクルによって身につけられます。社内SEがソフトウェア開発を直接行うことは少ないですが、ベンダーや開発部との連携を深めるために、基本的な知識は必要です。
ハードウェアに関する知識
社内SEに求められるハードウェアに関する知識とは、ネットワーク機器、サーバー、ストレージ、PCや周辺機器の知識です。これらのハードウェアを適切に運用・保守する能力とあわせて、ハードウェアの導入や選定に携わる際には、技術仕様やコストを総合的に判断するスキルが求められます。
また、近年ではハードウェア運用の負担軽減を目的に、仮想化やクラウド環境への移行を進める企業も増えています。仮想化ではVMwareやHyper-V、クラウドではAWSやAzureなど、実務で利用されるツールやプラットフォームに関する理解が必要です。
ハードウェア知識を身につける方法としては、実務経験を積むのが最も効果的です。また、CCNAなどの資格取得を目指すことで、体系的に学ぶこともできます。ハードウェアメーカーは公式ドキュメントやトレーニングリソースを公開しているため、これを活用し、業務に必要な知識を選んで習得することをおすすめします。
セキュリティに関する知識
社内SEに求められるセキュリティに関する知識とは、情報セキュリティの基本知識、ネットワークセキュリティ、セキュリティ対策ソフトウェアの運用、内部脅威への対策など多岐にわたります。社内SEは企業のIT環境や情報資産を守る責任を担うため、これらの知識と対策スキルは不可欠です。
現代の企業において、セキュリティ対策は最優先事項です。社内SEは、ウイルス対策や不正アクセス防止、データ漏洩のリスク管理を行う必要があり、セキュリティ知識はコンプライアンス対応や経営にも貢献できます。
セキュリティ知識は、情報技術が進化する中で常にアップデートが必要です。社内SEとしての実務経験を積むだけでなく、情報処理安全確保支援士などの資格取得や継続的な学習を通じて、最新のセキュリティ知識とスキルを身につけることが重要です。
社内SEのスキルを身につける方法

社内SEのスキルを身につけるには、「独学で基礎知識を習得し、興味や強化したい分野を見極める」「オンラインスクールで体系的に知識を深める」「実務経験を積む」という3つのステップが挙げられます。これらを組み合わせて活用すると、実践的なスキルを身につけられるでしょう。
インターネットや本で独学する
インターネットや書籍を活用し、独学で社内SEのスキルを学ぶことができます。独学では、技術の基礎知識や実務に役立つ情報が得られます。
独学はコストも低く、自分のペースで学ぶことが可能です。まずは足りないスキルや分野、強化したい素養などを見極めるために、独学から始めるとスキルアップのハードルが下がります。
おすすめの学習リソースを以下にまとめました。
| 書籍 | ・「この1冊ですべてわかる 新版 SEの基本」 (日本実業出版社、山田隆太) :SEに求められる技術力とコミュニケーション 能力の両方を解説した書籍 ・「情シス・IT担当者必携 システム発注から 導入までを成功させる90の鉄則」(技術評論社、田村寛平) :情報システム部門や、ユーザー企業で発生する 「発注業務」にフォーカスした書籍 |
| インターネット | ・YouTube:IT系Youtuberの解説動画 ・Qiita:プログラミングや運用に関する 記事を共有する技術者コミュニティ |
また、社内SEの仕事に役立つ本16選では上記の書籍以外にもおすすめの本を紹介しています。
独学は自分で学習計画を立てる必要があり、モチベーションの維持が難しいのがデメリットです。社内SEに求められるスキル・知識の幅広さを考慮すると、独学だけで完結するのは難しい場合が多いでしょう。そのため、資格取得や実務を経験するなど、他の手段と組み合わせる必要があります。
オンラインスクールに通う
オンラインスクールは、インターネット環境があれば受講できる学習方法です。スクールはカリキュラムが体系化されており、講師やサポートがついている場合も多いため、効率的に学べます。
オンラインスクールでは、社内SEに必要なプログラミングや業務効率化、インフラ系スキルなどが身につけられます。資格対策を行うスクールもあり、取得を考えている場合にも有効です。
主要なオンラインスクールを以下にまとめました。
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・TechAcademy:社内SEに必要なプログラミング、インフラスキルが学べる
・Udemy:AWSやネットワーク構築、Pythonプログラミングなど、特定スキルが学べる
・Progate:プログラミングの初心者向けのオンライン教材
気軽に受講できるのがメリットであるオンラインスクールですが、費用と時間の投資は必要です。また、いつでもはじめられるために自主性も求められます。オンラインスクールの特徴を踏まえて、学習計画をしっかり立てて自分に足りないスキルを補うために活用しましょう。
就職・転職して実際に経験する
就職や転職によって実務経験を積むことも1つの手段です。実際の業務では、必要なスキルや応用力、トラブル対応力などを、仕事を通じて身につけることができます。業務の中で得られたスキルは経験になる以上に、即戦力にもつながるのが最大のメリットです。
実務経験を実際に得るには、
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・社内SEに関連する職業に転職する
・社内異動を目指す
・派遣や契約社員からスタートする
といった手段が考えられます。
社内SEは社内IT全般に携わることから、特に実務経験が重視される職種です。とはいえ、スキルアップのためにすぐに転職活動を始めるのは、勇気が出ない人がほとんどです。
豊富な社内SE求人を持つレバテックキャリアでは、転職によって社内SEへの道を一緒に模索できます。また、職業紹介による転職支援以外にも業務委託や派遣事業も行っているため、実務経験を通じて社内SEに必要なスキルを高めたい人に、最適な提案が可能です。
気になる人はぜひレバテックキャリアの転職エージェントサービスをチェックしてみましょう。
社内SEとして強くなれる資格4選
社内SEにとって関連資格は、専門知識の証明やキャリアアップを目指すうえで重要な意味を持ちます。資格は知識やスキルを客観的に示せるため、就職・転職で有利になるだけでなく、学びの指針として自信をつける手段としても活用可能です。
社内SEとして強くなれる資格には、以下の4つが挙げられます。
| 資格名 | おすすめ度 | 難易度 |
|---|---|---|
| 応用情報技術者試験 | ★★★★☆ | ITSSレベル3 |
| ITIL® 4資格制度 | ★★★★☆ | ITSSレベル2~4 |
| 情報処理安全 確保支援士試験(RISS) |
★★★★★ | ITSSレベル4 |
| PMP®資格 | ★★★★☆ | ITSSレベル4~5 |
これらの資格は社内SEの業務に深く関係しますが、取得する目的を示すと以下のようにまとめられます。
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・幅広いITスキルの基盤を固めたいなら「応用情報技術者試験」・システム運用・管理を効率化したいなら「ITIL® 4資格制度」
・情報セキュリティの専門性を高めたいなら「情報処理安全確保支援士試験(RISS)」
・プロジェクト管理能力を強化したいなら「PMP®資格」
資格の詳細や対策方法、資格取得の注意点は以下の記事を確認してください。
関連記事:社内SEの仕事・転職に役立つおすすめの資格を分野別に紹介
社内SEのスキルの将来性
社内SEで得たスキルは深い専門知識だけでなく、マネジメントスキルやコンサルタント能力といったソフトスキルも含まれます。そのため、IT業界に限らずさまざまな分野や職種で活かせるといえるでしょう。また、社内SEの技術的スキルや業務改善能力は、企業のIT化が進む現状において、幅広い需要があるのも事実です。
具体的には、次のような特長が挙げられます。
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・ITエンジニアとしてのキャリアが広がる
・ITコンサルタントやIT企画職へのステップアップにつながる
・経営に直結するポジションで活躍できる
・DXの推進役として活躍できる
・海外市場を視野に入れることができる
特に、DXやクラウド、セキュリティ分野は企業が重視するスキルが多い印象です。将来の選択肢を広げるために、参考にしてください。
社内SEのスキルの将来性について、以下の記事でも紹介しています。
関連記事:社内SEのキャリアパス!具体例やキャリアアップ転職のコツを解説
まとめ
社内SEは、システムの運用やトラブル解決にとどまらず、業務改善やIT戦略の提案など多岐にわたる役割を担う重要な職種です。本記事では、社内SEに求められる具体的なスキルや経験、取得すると強みになる資格、スキルアップの方法を解説しました。
まずは自分の強みや弱みを把握し、必要なスキルを計画的に習得することが大切です。社内SEを目指す方は、本記事を参考にキャリア形成の第一歩を踏み出してみてください。
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