ネットワークエンジニアとは?仕事内容から年収までわかりやすく解説

最終更新日:2024年9月27日

ネットワークエンジニアとは、社内ネットワークシステムなどの構築や運用を担う職種で、ITエンジニアのなかでも高年収といわれています。その一方で、ネットワーク開発の未経験者にとっては、仕事内容がつかめず、目指すために必要なスキルも分かりづらいでしょう。そういった理由から転職を諦めてしまうケースも少なくありません。

この記事では、ネットワークエンジニアとはどのような職種なのかについて焦点を当てています。詳しい仕事内容や向いている人、将来性、年収、キャリアパスについて解説します。

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この記事のまとめ

  • ネットワークエンジニアの仕事内容には、ネットワークの企画、設計、構築、運用/保守がある
  • ネットワークの専門家として高度なスキルが求められるが、生活のITインフラに関わり役立てるためやりがいのある仕事
  • クラウドやIoTの普及によりネットワークエンジニアの需要が高まっており、これらの専門的な知識を保有している人材の将来性は高い

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ネットワークエンジニアとは?

ネットワークエンジニアとは、ネットワークインフラの企画や設計、運用、保守などを行う職種です。ネットワークとは、データの通信をするためにパソコンなどの機器とサーバー間を接続する通信設備を指します。安定した通信ができるように設計・接続し、不具合が起きた際の修繕作業もネットワークエンジニアの仕事内容に含まれます。

関連記事 : ネットワークエンジニアとは?役割や仕事内容、未経験から目指す方法

他職種との違い

ネットワークエンジニアの仕事内容はほかの職種と似ている点があるため、混同されがちです。その中でもシステムエンジニアやサーバーエンジニアとの違いが分からないという声が多くあります。転職を検討する際には、まず職種への理解を深めることが先決です。ネットワークエンジニアの仕事内容を再確認するとともに、他職種との違いを明確にしておきましょう。

以下では、仕事内容をもとにネットワークエンジニアとよく混同される職種について違いを解説します。

システムエンジニアとネットワークエンジニアの違い

システムエンジニアとネットワークエンジニアの違いは「どのようなシステムを構築するか」です。ネットワークエンジニアはパソコンやスマートフォンなどをサーバーと接続する「ネットワークシステム」を構築します。

一方でシステムエンジニアは会計管理システムや在庫管理システムなどの「コンピュータ上で扱うシステム」を構築します。

ネットワークエンジニアとシステムエンジニアが混同されやすいのは、このようにどちらもシステムを構築するためです。もとはといえば、システムエンジニアの仕事内容を業務別に分けたうちの1つがネットワークエンジニアです。つまり、広義の意味では「システムエンジニア=ネットワークエンジニア」ともいえます。

サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの違い

サーバーエンジニアの仕事内容は、主にサーバーの構築・保守です。その種類はクラウドサーバーやファイルサーバー、メールサーバーなどさまざまです。そのため、サーバーに特化した知識やスキルが求められます。

対して、それらのサーバーをパソコンやスマートフォンなどの機器とつなぐのがネットワークエンジニアの仕事内容です。サーバーエンジニアも同様にシステムエンジニアを業種別に分けたうちの1つです。

ネットワークエンジニアの需要と将来性

ネットワークエンジニアは需要が増加傾向にあります。その背景にはIT技術の進歩が考えられるでしょう。近年は、クラウド化、IoT化といったネットワーク環境の変化が大きくなっています。
また、車両や産業機械といったモノがほかの機器やサーバーなどと直接通信しデータをやり取りするM2M(Machine to Machine)も多くの分野で発展が期待されています。

このような通信環境の変化に対応していくには、先端技術に関するネットワークの知見が欠かせません。そのため、こうした高度な知識を保有しているネットワークエンジニアの需要は高まってきています。

また、最新技術をまだ習得していない人の需要に関しても、すぐに減少することは考えられないでしょう。IT業界はまだまだ人材不足の状況が続いているため、今後数年でネットワークエンジニアの需要が減少する可能性は低いからです。

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ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアの仕事内容には、ネットワークの設計、構築、運用・保守などネットワーク全般に関わる業務が挙げられます。安定した通信ができるように設計・接続し、不具合が起きた際の修繕作業もネットワークエンジニアの仕事です。

従来は、サーバーとネットワーク機器をケーブルで接続し、相互に通信ができる環境を構築する、いわばオンプレ環境での構築が一般的でした。

しかし昨今ではWi‐Fiなど無線を用いたネットワークや、クラウド上での仮想ネットワークの構築も仕事内容に含まれます。そのため、利用するネットワーク技術に対応したスキルが必要です。

ここからは、ネットワーク業務の各工程について詳しく解説していきます。

関連記事 :
ネットワークエンジニアの構築業務とは?流れや必要なスキル・資格を解説
ネットワークエンジニアの運用・保守とは?必要なスキルも解説
ネットワークエンジニアの監視業務とは?仕事内容や役立つ資格を紹介

ネットワークの要件定義

要件定義とは、顧客からの要望を正確にヒアリングし、現行のネットワーク状況を分析した上で仕様を決定することです。設計するネットワークシステムの範囲や拡張性、信頼性、性能などの定義、運用管理にかかるバックアップ、障害対応を含めて仕様を決定します。

最近では、Wi-Fi環境でのネットワーク構築が求められるケースが多く、IoTを用いたネットワークシステムの構築も見受けられます。

ネットワークの設計

設計段階では、要件定義書の内容をもとに、ネットワークシステムを構成する技術や製品の特性、導入事例などを参考にし、ネットワークを形にするための設計を行います。導入に適している製品や技術かを事前にテストするケースもあるでしょう。

新規ネットワークシステムの設計に加え、既存のネットワークシステムからのリプレイス業務も担当しています。その場合、業務に支障が出ないよう事前に業務内容をよく確認した上で、移行計画を決定することも業務の1つです。

具体的な作業例としては、以下が挙げられます。

  • ・ネットワーク機器やケーブルの選定

    ・ネットワーク構成の策定

    ・プロトコルやIPアドレスおよびポートの割り振り

    ・サーバーやネットワーク機器への細かな設定

また、これらの内容をネットワーク設計書としてとりまとめ、管理しなければいけません。

ネットワークに導入する技術や製品などの要件が決まったら作業計画を立案し、ネットワークシステムの利用者やソフトウェアベンダなどの関係者および責任者へ設計レビューとして提案します。万が一ネットワークシステムに不具合が生じた場合、復旧作業についてもあわせて提案が必要です。

ネットワークの構築

ネットワーク構築では、スケジュールの検討・作業内容の計画からスタートします。その上で、ネットワーク機器の設置・配線を行い、あわせてソフトウェアのインストール作業なども実施します。

一連の構築作業を終えた後は、通信・ネットワークの負荷状況、セキュリティ面などを検証するためにテスト作業に移行します。テスト結果を文書としてまとめたものを顧客へ提示し、不具合がある場合はその箇所の修正作業が必要です。

ネットワークの運用・保守

ネットワーク構築が完了したら、保守・運用の工程となります。ユーザーからの問い合わせに対応したりトラブル時に原因を突き止め対処したりするのが主な業務です。

問い合わせは通信トラブルに関する内容が多く、専門知識を必要とするIPアドレスに関わる問い合わせやファイアウォールのポートについての依頼などもあります。

また、ネットワーク機器の運用・保守作業では、必要に応じて破損機器の交換、ルーターなどの各種設定の変更、ソフトウェアの更新なども業務の1つです。作業内容によっては、ネットワーク環境に支障をきたす場合があります。そのため、システムが稼働しない休日や夜間などの時間帯に作業するケースもあるでしょう。

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ネットワークエンジニアは楽しい?やりがいと大変さについて

ネットワークエンジニアの仕事内容を知っただけでは、職種の魅力が分からず、適性があるかどうかの判断がつかない方も多いでしょう。ネットワークエンジニアは大変なこともあれば、楽しさややりがいを感じられる職種でもあります。転職を考える際には、良い面も悪い面もどちらも理解した上で自分が納得できる選択をすることが大切です。

ネットワークエンジニアの仕事内容において、どのような部分がやりがい・大変さにつながっているのか、以下で解説していきます。

ネットワークエンジニアのやりがい

ネットワークエンジニアの仕事は、その難しさゆえに達成感ややりがいにつながる場面が多いです。
仕事内容が大規模になればなるほど、作業が複雑で難しくなります。そのため、目の前の1つひとつの作業を確実にこなしていくには専門性の高い知識とスキルが要求されます。

たとえば、WAN、クラウド、オンプレなどに関連する業務の場合、それぞれの知見がなければネットワーク構築はできません。

また、要件定義から構築までは1年以上の長期にわたる場合があります。すべての機器が接続でき、正常に動作したときの達成感は非常に高いです。

設計どおり従系のネットワークを使用して通信できることの達成感

大規模ネットワークだと、回線が1つ接続不可になっても通信が継続できる冗長構成をとるケースが多いです。冗長構成の設計、構築は非常に複雑で高度なスキルが要求されます。テストフェーズでは意図的に主系の回線を断ち、従系のネットワークでも通信可能かどうかを検証します。

設計どおりの動作が確認できたときは、長期にわたる苦労も忘れるような喜びと達成感を感じられるでしょう。

生活に必要なITインフラに関わり人の役に立つ実感が得られる

ネットワークエンジニアはITインフラを良好に保つためには欠かせない職種です。たとえば、ネットワーク環境が不安定だったり不具合があったりすると、さまざまな業務に支障をきたします。逆に、良好なネットワーク環境を提供できれば多くの人の業務を支えることに繋がるでしょう。

水道や電気といったライフラインと同様に、安定したネットワーク環境も当たり前と思われがちです。しかし、それはネットワークエンジニアの細かな設計・構築・保守によって実現しています。経験を重ねていけば感謝の声をもらえる機会も多くあり、そのようなときには特に人の役に立っていると実感できるでしょう。

トラブルの原因を特定し解決するうちに自分の成長が感じられる

ネットワークエンジニアの仕事内容には、ネットワークシステムの不具合があった際の対応も含まれます。そのときによって不具合のパターンも原因もさまざまでしょう。そのため、1つの問題と向き合うたびに新たな発見があったりフィードバックをもらえたりと学べる機会が多いです。

現場での経験は、座学では得られない実践的なスキルの向上につながります。できなかった作業ができるようになるといった成長体験は、誰もが喜びを感じられるでしょう。

ネットワークエンジニアがきついといわれるわけ

ネットワークエンジニアは、重要な役割を担っている一方で、厳しい側面があるのも事実です。ネットワークエンジニアがきついといわれる理由には、「スキルをアップデートし続けなければならない」や「急なトラブル対応があったり勤務時間が不規則だったりする」が挙げられます。
きついといわれる理由を知ることで、仕事に対する現実的なイメージを掴み、自分自身の適性と照らし合わせることができるでしょう。

関連記事 :
ネットワークエンジニアの夜勤について!手当や辛いところを紹介
ネットワークエンジニアの残業時間や休日事情について

スキルをアップデートし続けなければいけない

ネットワークエンジニアが取り扱う機器は多種多様です。基本的に必要となるネットワークの知識は変わらないものの、機器ごとに機能、設計内容、設定方法が異なります。つまり、1つの機器を覚えれば終わりというわけではありません。

また、IT業界は常に新しい技術が登場するため、常に知識を更新する必要があります。絶え間なくスキルをアップデートし続けることは、きついといわれる理由の1つでしょう。

急なトラブル対応があったり勤務時間が不規則だったりする

ネットワークは常に稼働しているため、トラブルはいつ発生してもおかしくありません。重大なトラブルが発生した場合、昼夜問わず電話などで呼び出しがかかり、緊急で対応する必要があります。ネットワークが停止するとシステム全体に影響をおよぼすため、短時間での復旧が求められるでしょう。

さらに、ネットワーク切替や機器故障による交換は、システムを利用しない休日や夜間に作業する場合があるため、勤務時間が不規則になりがちです。以上のことから、ネットワークエンジニアの仕事はきついといわれることも、少なくありません。

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ネットワークエンジニアに向いている人

転職を考えるとき、自分に向いていない仕事を選択するのは、その後のキャリアにも関わるため理想的ではありません。ネットワークエンジニアの仕事内容や求められるスキルなどをよく理解し、それらを考慮した上で判断するのが良いでしょう。

ここではネットワークエンジニアに向いているのがどのような人なのか解説します。自分が向いているかを検討する参考にしてください。

新しいものが好きな人

新しいものへの関心が強い、好奇心旺盛な人は向いているでしょう。たとえば、スマートフォンの新しい機種が発売されると、いち早く手にし、検証するような人です。そのような資質は、先端技術に敏感でなくてはならないネットワークエンジニアとの親和性があります。常に変化していくIT業界で新しい技術を学ぶことにやりがいを感じられる人にはぴったりな職業といえるでしょう。

細かい作業が得意

ネットワークエンジニアは、大量にある機器に正確に設定を入れていく必要があります。その作業は非常に細かく、設定が1つ違えばうまく動作しません。設計した内容を間違いなく設定していく緻密さが要求されます。複雑な作業でも辛さを感じず進められる人はネットワークエンジニアに向いているでしょう。

慎重な人

いまやネットワークは事業や社会を支える重要なもので、たとえ小さな障害でも周囲に与える影響は大きなものになりかねません。そのため、慎重に作業できる几帳面さを備えている人が適しています。

また、ネットワーク障害が発生した場合、原因を特定するために、さまざまな要素を慎重に分析する作業が必要です。1つずつ原因を絞り込んでいくことで、効率的に問題を解決できるでしょう。ネットワークエンジニアには慎重に作業をする能力が求められます。

トレンドをキャッチしながら新しい技術を吸収できる人

トレンドに敏感であることは重要です。IT業界の動向の変化は激しく、トレンドや先端技術に追いつく姿勢がなければ、すぐにほかのエンジニアに追い抜かれてしまうでしょう。

ネットワークエンジニアに望まれる仕事内容も、クラウドやIoT技術の進歩によって変化してきています。従来求められていたものだけでは今後も活躍し続けるのは難しいといえるでしょう。

ネットワークエンジニアとして市場価値を高めていくためにも、最新情報をこまめにチェックする習慣があると望ましいです。また、学習を継続し、知識や技術を吸収できる人が向いています。

どのようなときも冷静で忍耐力がある人

ネットワークエンジニアの仕事内容は専門性が高く、複雑で難易度の高い作業もあります。そのような時でも落ち着いて考え、目の前の問題に向き合える強さが大切です。

冷静さを欠いてしまうと誤った判断や行動につながりやすく、周囲に迷惑をかけてしまう事態にもなりかねません。どのようなときも冷静に判断し、仕事をやり遂げようとする忍耐力を持っている人が向いているでしょう。

コミュニケーション能力が高い人

ネットワークエンジニアはコミュニケーション能力も求められます。仕事のあらゆる場面で、ほかのエンジニアや社内の人、同じ作業に関わるメンバーとの協力が欠かせません。

その際、言葉足らずであったり雑な伝え方をしてしまったりすると、相手の誤解を招き、結果として仕事のミスにつながる可能性があります。このような事態とならないためにも、分かりやすくスムーズに意思疎通できる高いコミュニケーション能力が必要です。コミュニケーション能力に自信がある人はネットワークエンジニアに向いています。

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ネットワークエンジニアの年収相場

ネットワークエンジニアを目指す上で気になるのが年収相場です。2024年8月時点でレバテックキャリアに掲載されている求人から、ネットワークエンジニアの年収を算出してみました。その結果、ネットワークエンジニアの平均年収は約536.6万円でした。ネットワークエンジニアの求人は実務経験が重視され、スケールが大きな仕事内容ほど年収が高くなる傾向が見受けられます。

年収1000万円以上クラスの案件を見てみると、ネットワークエンジニアとしての経験以外にもプラスαの経験やスキルが必要です。たとえば、Linux系OS、Windowsを扱うサーバーエンジニアの経験や、データベースエンジニア、クラウドシステムの運用経験など、多岐に渡る実務経験が求められる傾向にあります。

未経験または実務経験が浅い場合は、資格を持っていたとしても運用や保守業務からスタートするのが一般的です。未経験の場合は年収300万円前後を提示している企業が多いようですが、なかには充実した研修を受けられる求人も存在します。

関連記事 : ネットワークエンジニアの年収相場は?仕事内容・年齢別に解説

ネットワークエンジニアの求人例

ネットワークエンジニアの平均的な年収相場を知るためにも、実際にレバテックキャリアに掲載されている求人情報を見てみましょう。求人例を見ると、年収以外にも自分に足りない経験やスキル、詳細な仕事内容が分かるため、転職を考える上で参考になるはずです。

【想定年収】
450~850万円

【業務内容】
大手企業におけるネットワークの設計・構築・運用、検証に関わる業務(フルフレックス、一部リモートワーク可)

【求められるスキル・経験】
・ルーター、ファイアウォール、VPNのいずれかの構築経験(Cisco、FortiGate)
・ルーター、ファイアウォール、VPNのいずれかの設計作業経験
・試験項目作成、試験対応経験
・コミュニケーションをしっかり取れる方
・サイバーセキュリティ分野において新しい知識の習得が好きな方/積極的に行える方

【今後のキャリアパス例】
・セキュリティを含めた技術力を向上させ、スペシャリストとして成長できる
・案件をリードするプロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーを目指せる
・メンバーの育成などマネジメント業務に関わるポジションを担当する

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未経験からネットワークエンジニアになるには

未経験からネットワークエンジニアとしてのキャリアをスタートする場合、「未経験可」の求人に応募します。はじめは運用・保守の業務を担当するケースがほとんどです。運用・保守の業務で経験を積んでから上流工程の担当者を目指します。

つまり、最初の仕事内容は運用・保守業務が多いため、それに関わる知識の定着は必須です。未経験からの転職を後押しするスキルや資格としては以下が挙げられます。すべてネットワークエンジニアに求められるものなので知っておくと良いでしょう。

関連記事 : ネットワークエンジニアになるには?必要なスキルや資格も紹介

求められる知識

ネットワークエンジニアには幅広い知識が必要で、特に基本的なネットワークの知識は必須です。また、IT業界は変化がめまぐるしく、数年前の技術が古いものとされたり、トレンドとは大きく離れたります。そのため、最新のIT動向に関する知識も必要になるでしょう。

ネットワークの基礎知識

技術的な知識として最低限身につけておきたいものとしては、ネットワーク階層やネットワークプロトコル、アドレス体系、符号化、データ伝送の仕組みなどの基本的なネットワークの知識です。
ネットワークトラブルが発生した際、原因を特定し解決するためには、ネットワークの仕組みを深く理解している必要があります。

最新のIT動向に関する知識

クラウドコンピューティングやエッジコンピューティングに関する知識、およびIoTやビッグデータ、AIなど最新のIT動向に関する知識も取り入れておいたほうが良いでしょう。実際の現場ではこれらのワードが頻繁に飛び交うことも多く、ネットワークの基礎知識だけではカバーできない領域でもあります。

役立つ資格

体系的に広くネットワークに関する知識とスキルを習得するには、資格取得が有効です。未経験からネットワークエンジニアに転職する場合、経験者に比べ、アピールできる点が少ないことが懸念されます。

アピールポイントを増やし、ほかのライバルとの差別化を図るためにも資格取得はおすすめです。また、仕事内容を理解するのにも資格学習が役立つでしょう。未経験の場合は実務経験がないためハードルが高いですが、難しい資格ほど評価されやすい傾向があります。

以下のような資格を取得すればスキルの証明になる上、スキルアップにもつながります。

シスコ技術者認定資格

シスコ技術者認定資格は、シスコシステムズ合同会社が実施する資格です。知識、適性、生涯学習の精神を証明できます。技術レベルに応じて「CCST」、「CCNA」、「CCNP」、「CCIE」と複数のグレードに分かれており、自分のレベルに合わせて受験できるため、未経験者におすすめです。

難易度が低いのはエントリーレベルの「CCST」ですが、ネットワークの知識がある程度備わっていることを証明するのであれば「CCNA」まで取得することをおすすめします。

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験は、IPAが実施するネットワーク分野における国家資格です。ITスキルでいうとレベル4に該当し、ネットワークのスペシャリストであることが証明できます。試験に合格するにはネットワーク分野における幅広い領域の知識が必要です。設計や仕様書の作成、論理・物理設計、ネットワーク構築など専門性の高い内容が問われます。

令和5年度春期試験の合格率は14.3%と低く、非常に難しい資格といわれています。挑戦する場合、実務経験をある程度積んでから受験するのが望ましいでしょう。

情報処理安全確保支援士試験

情報処理安全確保支援士は「登録セキスペ」とも呼ばれます。セキュリティ分野において高度な専門知識があることを証明できる国家資格です。主にセキュリティ全般に関わる問題が出題されます。また、セキュリティマネジメントやインシデントの適切な管理など、ネットワークエンジニアの仕事に役立つ内容も広く学べます。

令和5年度春期試験は合格率が19.7%と比較的難易度が高いです。適切な情報管理は多くの企業でも重要視されているため、ネットワークセキュリティに携わる人材には必須の資格といっても過言ではありません。

ITパスポート試験

ITパスポート試験はIT知識の基礎に関わる問題が出題範囲です。ネットワークエンジニアの仕事に役立つネットワークの知識やプロジェクトマネジメントなども学べます。ネットワークエンジニアとして今後より高度な資格に挑戦するためにも、まずはITパスポート試験で腕試しをするのも良いでしょう。

また、ITパスポートはIT業界に限らず、さまざまな業界で資格取得者が増加傾向です。IT機器に関わる人の共通知識として、パソコンを使用するバックオフィス担当者に取得を推奨する企業が多く見られます。ネットワークエンジニアのように現場で活躍する職種であれば、なおさら必須資格ともいえるでしょう。合格率は50%前後となっており、比較的挑戦しやすい資格です。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、ITパスポートの取得後に挑戦する方が多いです。エンジニアであればこの資格を知らない人はいないでしょう。そういえるほどエンジニアにとって共通かつ基礎となる知識が問われます。システム開発やソフトウェア設計といった現場で活用できる実践的な知識も幅広く学べる内容です。また、国家資格でもあるため、合格すれば一定スキルのアピール材料として有効といえます。

基本情報技術者試験は随時開催されているため、効率よく学習できれば短い期間で取得できるでしょう。ITパスポートと比べると難易度はやや高いです。令和6年度6月の合格率は42.8%でした。

関連記事 :
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ネットワークエンジニアのキャリアパス

ネットワークエンジニアは専門性が高いため、経験を積んでスキルを極めれば活躍の場を大きく広げられる可能性があります。その分、任せられる仕事内容のプレッシャーや責任の重さも大きくなりますが、キャリアアップにつれ年収アップも期待できるでしょう。

ここでは、ネットワークエンジニアとして充分な経験を積んだ後、どのようなキャリアパスがあるのか解説します。

まずは上流工程の担当者を目指す

はじめのうちは保守・運用に多く携わるネットワークエンジニアですが、直近の目標としては構築作業に携われるように努力してみましょう。そのためには上位資格の取得にチャレンジするのがおすすめです。また、サーバーやセキュリティ関係のものなど、付随する資格の勉強をしてみるのも良いでしょう。

客観的にスキルが把握できる資格を持っておけば、上流工程にステップアップするチャンスを掴みやすくなります。たとえばシスコ技術者認定資格の「CCNA」は、取得することでネットワークエンジニアに必要な幅広い基礎知識を学ぶことができるためおすすめです。ほかのエンジニアとの差別化を図りたいのであれば、さらに上位の「CCNP」以上の資格がスキルの証明として有効になるでしょう。

スペシャリストを目指す

スペシャリストとは特定分野における専門家を指し、経験や実績が豊富なプロフェッショナルの人材です。ネットワークエンジニアとして上流工程に携われるようになったら、さまざまなネットワーク構築案件に携わり、多くの経験を積んでスペシャリストを目指しましょう。

スペシャリストとしての十分なスキルを証明するための資格である、「ネットワークスペシャリスト試験」に挑戦してみるのもおすすめです。上位資格を持っていれば、次なるステップへの足がかりになる可能性もあります。

ゼネラリストを目指す

ネットワークエンジニアとして十分な経験とキャリアを積んだあとは、ゼネラリストとしての道に進むのもおすすめです。ゼネラリストとは「幅広い知識や知見を有する人材」という意味をもち、特定の分野にとらわれず、幅広い知識やスキルを持つ人のことを指します。

ネットワークエンジニアのゼネラリストは、ネットワーク機器の設定やトラブルシューティングを行うだけでなく、システムの開発やプロジェクト管理、コンサルティング業務など、広範囲な業務が仕事内容です。単なる技術者にとどまらず、ビジネス視点も持ち合わせ、企業のIT戦略に貢献できる存在といえるでしょう。

フリーランスとして独立する

経験を重ねて実績が認められるレベルになれば、フリーランスとして独立する道も現実的なものになります。会社員は与えられたポジションや仕事に従事しなければなりません。一方で、フリーランスとして独立すれば、ネットワークエンジニアの経験を活かして自分で仕事を選べるようになり、働く時間も自在にコントロールできるでしょう。

また、十分なスキルを身につけた上でフリーランスになると、自身のスキルや実績に応じて高単価な案件を獲得できる可能性があります。そのため、会社員としての年収より大幅な収入アップが期待できるでしょう。

関連記事 : ネットワークエンジニアへの転職方法!ポイントやキャリアパスも紹介

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ネットワークエンジニアに関するよくある質問

ネットワークエンジニアのような専門性が求められる技術者に憧れや関心を持つ人は多いですが、仕事内容は企業によって異なる場合があるため、職種への理解が必要です。

以下のよくある質問では、職種への理解に役立つだけでなく、人によっては新しい発見もあるでしょう。また、ネットワークエンジニアに関する知っておいて損はない点が多く含まれるので、ぜひ参考にしてください。

Q1. ネットワーク構築業務とは何ですか?

設計した内容に基づき、ネットワークを構築する作業です。具体的には、ネットワーク機器を設置・設定し、ケーブルを配線してサーバーやネットワーク機器同士を接続します。その後、通信の動作確認を行うことも業務の1つです。企業の業務を円滑に進めるために不可欠な基盤となる作業になります。

Q2. ネットワークエンジニアはどこで働きますか?

自社内のネットワーク構築の場合は自社ですが、派遣や業務委託の場合は客先常駐もあります。システムを構成するサーバーやネットワーク機器がデータセンターに設置されている場合は、ネットワークの構築およびメンテナンスをデータセンターで行います。

Q3. ネットワークエンジニアはやめとけと言われる理由は何ですか?

「ネットワークエンジニアになるのはやめとけ」といわれるのは、夜間や時間外の仕事が発生するため勤務時間が不規則になりやすいことが挙げられます。また、迅速な対応かつ正確さが求められ、プレッシャーが多いことも理由の1つです。

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まとめ

この記事では、ネットワークエンジニアの仕事内容ややりがい、将来性、年収、役立つ資格、キャリアパスなどを解説しました。あらゆる業界の仕事においてネットワークシステムといったITインフラは必要不可欠です。そして、ネットワークシステムは、ネットワークエンジニアなくして成立しないものといえます。

未経験からネットワークエンジニアになるには、幅広いスキルと知識を身につける必要があります。そのため、短期間で上流工程を担当するネットワークエンジニアになるのは少々難易度が高めです。まずはネットワークの基礎知識を身につけ、運用・監視業務を確実にこなすことがファーストステップです。運用・監視業務を通して実務経験を積み、資格取得で不足スキルを補填しながら高みを目指しましょう。


関連記事 : ネットワークエンジニアの志望動機例文7選!書き方や注意点を解説

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