「AIに雇用(仕事)を奪われる時代」は本当に到来するのか?噂の出所や職種ごとの可能性を考えるAIが雇用に与える影響とは?無くなる仕事と生まれる仕事を推測

最終更新日:2020年11月17日

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「AIが雇用(仕事)を奪う」という予測は、ここ5年ほどで急速に広まりました。しかし、同様の議論は1950年代にも行われており、未だにAIが人間に代替される事態には至っていません。ただし、ディープラーニングをはじめとした技術革新や量子コンピュータの実用化など、AIが一層活用される社会へ向かうことは想像に難くないため、労働者側も何らかの対策が必用です。AI時代では、「何が無くなり、何が生まれるか」をしっかりと見据えたキャリア構築が必要になるでしょう。

1. 過熱気味だった「AIによる雇用消失ブーム」

まず、なぜ「AIが雇用を奪う」という論調が形成されたのかについて解説します。

20年以内に労働人口の半数が機械に?「フレイ&オズボーン」の理論

技術革新が人間の職を奪うといった論調は、かなり昔から存在しています。古くは18世紀から19世紀にかけ、欧州で巻き起こった「産業革命」でも、同様の論調が生まれました。
職人の多くが機械に仕事を奪われるという噂が横行し、機械が破壊される事件が多発したのです。この噂の出所ははっきりとしませんが、現在のAIブームでいえば「フレイ&オズボーンの推計値(※)」が該当するのではないでしょうか。

2013年9月、オックスフォード大学のフレイ&オズボーンは、「米国内の労働人口の47%がおよそ70%以上の確率で、10~20年以内に仕事を代替される」という推計値(※)を発表しました。この推計値が、「AIが約半数の労働者の雇用を高確率で奪ってしまう」という言い方へと姿を変えていったようです。

しかし、後々になって計算ミスが発覚したことや、発表者のひとりであるマイケル・オズボーン準教授が「技術的な可能性の話であり、技術革新に伴う雇用増については考慮していない」と発したことから、現在は参考情報程度にとどまっています。
以上のことから、「AIに雇用が奪われる」という論調は、やや過熱気味のブームだとも考えられるわけです。

※参考:総務省「平成30年版 情報通信白書のポイント」

「雇用量が減る仕事」の増加は懸念事項

ただし、AIが省力化や人手不足対策として活用されている側面から、定型業務などを中心に雇用量が減ることは十分に予想されます。実際に厚生労働省の調査結果(※1)においても、「AIが雇用量を減らす」と考える企業が「増やす」と考える企業を上回っています。

一方で、「昨今の人手不足と相殺され、俯瞰すると大きな変化はない」「増える職種、減る職種があり、全体としては相殺され、結果的に総量として変わらない」と回答した企業が最も多い点にも注目すべきです。
また、IT関連リサーチ大手のガートナー社からは、「AIによる雇用創出が消失を上回り、その差は年々拡大傾向にある(つまり雇用増になる)」という結果(※2)が示されています。

ポイントは「ルーティーン業務」

そもそも米国では、どれだけ専門知識が必要な業務であろうとも、「ルーティーン化」されてしまえば、当該業務に従事する労働者は雇用されなくなる傾向にありました。この流れは日本国内でも徐々に加速しており、AIの台頭によって「ルーティーン業務」の水準が上がり、ハイスキルな人材以外はAIによる雇用減少の影響に巻き込まれるリスクがあるわけです。

ただし、日本は技術革新によって雇用を減少させた企業よりも、増加させた企業のほうが多く、現時点ではさほど影響が出ていません。しかし「強いAI」の台頭が今までの流れを変える可能性は十二分にあるでしょう。

※1参考:厚生労働省「IoT・ビッグデータ・AI 等が雇用・労働に与える影響に関する研究会報告書」
※2 参考:ZDNet Japan「2020年以降、AIで生まれる雇用は失う雇用を上回る--ガートナーのテイ氏」

2. AIの台頭で減る仕事・増える仕事とは?

これまでの内容から、「AIが雇用を奪う」というよりは「職種ごとにAIに代替される可能性が異なる」という言い方のほうが適切であるといえます。そこで、AIの台頭で雇用が減る仕事・増える仕事を整理してみましょう。ただし、これらはあくまでも予測です。実際には企業の経営体力や技術革新のスピードによって、変化する可能性があります。

減る可能性のある仕事

バックオフィス関連職の一部

経理、人事といった「バックオフィス」の業務は、その一部がルーティーン化しやすいことから、AIに取って代わられる可能性が高いと言えます。実際にAIを組み込んだERPパッケージを活用すれば、高度な人事・経理業務を代替することが可能だとされています。当パッケージは2015年末にはすでに登場しており、総務省の報告書(※)では、理論上はバックオフィス部門の時間効率を倍にすることが可能なのだそうです。

※参考:厚生労働省「IoT・ビッグデータ・AI 等が雇用・労働に与える影響に関する研究会報 告 書 P.8」

営業部門の一部

かつて「機械では代替できない職業」の代表格であった営業職も、安泰ではありません。インサイドセールスの台頭やコロナ禍によって「非接触かつオンラインでの営業活動」が浸透しはじめているからです。特にSFAやCRM、MAなどを連携させることで、かつて営業担当者やアシスタントが担っていた業務の一部が、AIで代替可能になっています。「商談」などのコア業務は依然として人間が行うものの、付随する業務が代替されることで、結果的に雇用が減るというわけです。

監視、監督、定期報告に関する業務

いわゆる「見張り(監視や監督)」と「定期報告」に関する業務も雇用減の対象になるでしょう。AIが持つ各種認識能力や、学習機能、予測機能、センサーとの連動などで充分に対応できてしまうからです。

税務、会計、金融業の一部

税務や会計、金融商品の価格推移など、特定の数値だけを専門的に扱う仕事の一部も、AIによって代替されるのではないかと言われています。また、顧客自体がAIの扱いに慣れ、運用ノウハウを得ることで、かなり高度な業務も自動化できてしまうでしょう。

増える可能性のある仕事

IT関連の技術職

AIのアルゴリズム開発、AI関連の運用保守エンジニア、AIを産業機器、デジタルデバイスへ組み込むエンジニアなどは、今後も需要が増えていくと考えられます。AIは本格的な普及期の直前にあるため、既存のテクノロジーとの融合はこれからです。

コンサルティング関連職

ビッグデータ、AI活用などのコンサルティング関連職も有望な職種かもしれません。「AIの民主化」という言葉があるように、AIは年々ユーザーフレンドリーなツールになりつつあります。しかし、学習の必要性や学習用データの整備、分析結果からビジネス的な知見を発見する業務などは、まだまだ専門知識が必要です。

医療関連職

医療とITは非常に親和性が高く、AIを活用した診断システムや医療情報管理システムなども徐々に一般化していくと考えられます。これらのシステムは、当然のことながら開発・運用保守を行う人材が必要です。いわゆる「院内SE」などの医療系SEと呼ばれる人材ですですね。

その他「対面」「伴走」型の業務

AIによって代替不可能な業務もあります。それは「物理的な対面、随伴が必要な職種」です。接客業や介護職の一部は、AIのみで完全に代替することができないため、大幅な雇用減に至りにくいでしょう。ただし、労働市場やコロナ禍の影響は大いに受けるため、AIの普及とは別の観点から対策が必要かもしれません。

3. まとめ

精度の高いAIや量子コンピュータの実用化を目前に控え、「AIによって人間の仕事が代替される」という論調が一層強まっている現状があります。確かに、作業(タスク)レベルで見れば、これまでと同様の業務は減っていくかもしれません。しかし、職種レベルでみれば、ITエンジニアの需要は減少するとは言い難いでしょう。

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