- エンジニアの転職の際に自己分析が重要となる理由
- エンジニアの転職を成功させる自己分析のやり方
- エンジニアが転職に向けて自己分析を行う際の注意点
- 自己分析はフレームワークを使うと便利
- エンジニアのキャリアパスの例
- エンジニアとしての転職を成功させるポイント
- 自己分析に役立つ書籍やツール
- エンジニアの自己分析に関するよくある質問
- まとめ
エンジニアの転職の際に自己分析が重要となる理由
自己分析とは自分の過去を振り返り、特徴や長所/短所、適性などをあらためて確認することです。エンジニアの場合は、過去に扱ったスキル、プロジェクトを振り返ることが自己分析につながります。過去の実績から何ができるか、今後何をしていきたいかを深掘りしていくことが重要です。
そして転職はこれまでの仕事を見直し、これからの自分にとって最善の選択をする機会となります。この選択の積み重ねがキャリアとなります。エンジニアは豊富なキャリアの選択肢がありますが、意図的に選択できる機会はそう多くはないのが実情です。
転職活動は無限に繰り返せるわけではありません。企業方針や業務内容、職場の雰囲気が自分と合うか確かめるには、時間がかかります。雇用に際し年齢による制限をかけてはならないとされているものの、若いほうがポテンシャルがあり採用されやすいのは事実です。転職先が自分とマッチしているか確かめているうちに年月が経ち、チャンスは失われていくでしょう。
また、早々に「合わない」と判断し、転職を繰り返すのも将来的にネックとなります。転職回数が多いと「何らかの問題がある可能性がある」「入社しても早期退職の恐れがある」と判断されるためです。有限の時間を最大限有意義に使うため、自己分析をしてより良い選択につなげる必要があります。
自分の強みを把握できる
自己分析が転職で役立つ理由の一つに、過去の実績から自分のストロングポイントを探せる点があります。転職では自分の長所を売り込まなければなりません。特にエンジニアの場合はスキルをアピールし、転職先にどの様に貢献できるかを示す必要があります。
履歴書や職務経歴書に扱ったことのある技術を記載しても、具体性がなければ現場でのイメージがわきにくいからです。自己分析で強みを明らかにし、他者に長所を伝えられれば、ほかの応募者との差をつけやすくなるでしょう。
自分の適職に気づける
エンジニアのキャリアパスの選択肢は豊富です。同じエンジニアでもさまざまな種類があり、必要とされるスキルや適性は職種ごとに変わります。興味のある職種があったとしても、それらが備わっていなければ転職は難しいです。自己分析から適性や長所を明らかにすることで、エンジニアの中でも自分に適した職種を探すことができます。
転職後のミスマッチ防止につながる
入社後のミスマッチの発生を防げるのも、自己分析のメリットの一つです。せっかく転職により環境を変えても、職種や職場が自分に合わなければ、また転職先を探すことになりかねません。時間を浪費してしまうだけでなく、身体的にも精神的にも疲れてしまうでしょう。自己分析を行えば自分の希望と合う転職先を探せるため、ミスマッチを防ぎやすくなります。
関連記事:エンジニアの転職理由とは|面接で使える例文とポイントを解説
分析力・プレゼン力が磨ける
転職では自分自身や市場を分析し、最終的に面接の場で自分を売り込む必要があります。分析やプレゼンは、転職だけでなく就職後もビジネス全般で役立つスキルです。エンジニアのなかには、課題の発見力と解決力、クライアントへの提案力が必要な職種が多いので、転職活動で培った分析力とプレゼン力を大いに活かせるでしょう。また、今後コンサルタント職やマネジメント職を目指すならより役立ってくるはずです。
新卒の就活では求められる自己分析内容が異なるため注意が必要
新卒の就活では学生時代の経験をもとに自己分析を行いますが、転職活動では主に前職の経験をもとに自己分析を行います。転職活動の場合は、より具体的なスキルを棚卸しし、実務にどのように役立つかをアピールしていく必要があります。
新卒の場合はモチベーションや熱意など比較的抽象的なアピールになりますが、転職活動の場合は具体的な実践スキルを伝えなければならないということです。
エンジニアの転職を成功させる自己分析のやり方
転職活動では、自分がこれまで培ってきた経験や身につけたスキルをアピールする必要があります。しかし、具体的に自分がどんな経験やスキルを持っているのか、他人に伝わるよう言語化するのは難しいものです。
そこで、自己分析の具体的な手順を紹介します。大まかに分けると「キャリアの棚卸し」と「キャリアビジョンの明確化」です。それぞれの手順のなかでも注意点があるので、確認していきましょう。
キャリアの棚卸しをする
キャリアの棚卸しは、これまでの職務経歴を振り返って、具体的な職務内容や使用スキルなどを洗い出していくことを指します。キャリアを遡って再確認することで、自分の強み・得意なこと・やりたい仕事、苦手なこと・不足しているスキルなどを把握できます。職務経歴書や面接でアピールできるポイントも見えてくるでしょう。
今すぐ転職活動をしない場合でもキャリアの棚卸しをしておくと、将来の目標設定やキャリアプランの設定に役立ちます。今の自分を知ることでキャリアアップの計画が立てやすくなり、仕事の幅を広げるために新たに身につけるべきスキルと具体的な習得方法を考えられるようになります。
これまでの職歴
これまで勤務した会社名、部署名、職務歴を書き出します。異動、昇進で役職が途中で変わったり、転職で別の職種に変わったりした場合なども書き出す対象です。現在の職種に関わらず全ての職歴を書き出します。
経歴をさかのぼりやすくする意味では、まずは時系列順に書き出すと良いでしょう。職務経歴書に職歴を記載する際は、編年体、逆編年体、キャリア式などがありますが、キャリアの棚卸し段階では気にせず古い順から書き出します。
具体的な職務内容
これまで担当した職務内容をあげましょう。エンジニアなら、プロジェクトの進捗管理、基本設計、詳細設計、プログラミングなど、具体的に担当した職務内容を洗い出してみましょう。使用したプログラミング言語、OS、フレームワークなどの開発環境や、プロジェクトの規模、チームの人数、開発体制についても併せて書き出します。
このステップでも、後で見返しやすいよう時系列に沿ってまとめます。プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーといった管理職にあたるポジションの経験があれば、マネジメント人数まで記載しておきます。
実績とその評価
これまで経験した職務において、どんな実績を残してきたのか書き出します。売上高、開発生産性、コンバージョン率、目標達成率など、具体的に達成した数字はアピールポイントになるため、可能な限り書き出しましょう。
また、社内やチーム内でどんな役割を果たしたのかも明確にしておきます。たとえば、「プロジェクトが遅延していたため、作業効率化を提案して納期に間に合わせた」「サブリーダーとして進捗管理をする傍ら、新人教育を担当した」など自分が果たした役割を記載します。
実績を書き出したら、実績に対する客観的な評価、および自己評価を書いていきます。自己評価をする場合、5段階評価で記していくとわかりやすいです。「5」が一番評価が高く、「1」が一番評価が低いなど、自分なりにルールを決めて各実績を評価してみましょう。
上司には褒められなくても自分では満足できた仕事、上司からの評価が高くても納得できていない部分があった仕事など、素直に評価します。その評価に対する理由も併せて書き出しましょう。自分で自分の仕事に点数をつける機会はあまり多くはありません。自己評価をしてみると、自分の仕事に対する考え方やスタンスが客観視できます。
トラブルを乗り切ったときのエピソード
仕事でトラブルに遭遇した際、どう乗り切ったのか、自分の行動と結果を書き出します。「サーバーの障害が発生したが、冷静に対応して障害の原因を速やかに特定し、短時間で復旧させた」「顧客からクレームが入ったが、丁寧に説明したことが評価された」など、トラブルを乗り切った時のエピソードを思い返します。
トラブルに対応したエピソードは緊急時の対応力・判断力を示すものとして、転職活動の際のアピール材料にすることが可能です。
身につけたスキル
仕事を通して身につけたスキルを書き出します。「チームリーダーを任された際に、マネジメントスキルが向上した」「新しいシステムの提案をする機会が多く、資料作成やプレゼンテーションに関するスキルを磨けた」など、職務をとおして身につけられたスキルを書き出していきましょう。
自分では特に意識していなかったことでも、振り返ってみるとスキル向上につながっている経験もよくあります。洗い出した経験をもとに、何か成長した部分がないかよく確認してみましょう。
仕事でやりがいを感じたこと
これまで経験した職務の中で、自分がどういった仕事にやりがいを感じたのか思い返してみましょう。開発したシステムが問題なく稼働した、作業効率化が実現できた、新技術を取り入れた、顧客が抱える問題を解決できた、ユーザから感謝の言葉をもらったなど何でも構いません。
ただし、なぜそれをやりがいに感じられたのかは言語化します。やりがいの言語化は、キャリアパスを考える上では非常に重要だからです。
辛かった仕事・失敗した仕事
やりがいを感じたこととは反対に、辛かった仕事も書き出します。特に自分には合っていなかった仕事を中心に書き出してみると、志望企業や職種を決める際の参考になります。どんな仕事も楽しいことばかりではありませんが、辛いことが多いと疲弊して継続的に働くことはできません。自分が耐えられない辛さがどんなものなのかを見つめ直しましょう。
失敗した仕事を書き出すのも自分を知る上で大切なことです。失敗は忘れたいものですが、なぜ失敗したのか、その理由を分析することで今後の失敗を避けるのに役立ちます。もし、転職自体が失敗だったと感じているなら、今後の転職で後悔しないために、どうして失敗したのかじっくり考えてみましょう。
関連記事:採用面接に活かせるプログラマーの志望動機|スキル、経験別の例文について解説
将来のビジョンを明確にする
キャリアの棚卸しと並行して行っておく必要があるのが、将来のビジョンを持つことです。1年後や10年後、自分はどんなエンジニアになっていたいか、どんな仕事をしていたいかを具体的にイメージするステップです。キャリアの棚卸しは過去を振り返るものでしたが、キャリアビジョンの想定では逆に未来をイメージしていきます。
関連記事:ITエンジニアになるには?未経験からの目指し方や面接のポイントも解説
やりたい仕事
「仕事でやりがいを感じたこと」「辛かった仕事」をふまえ、自分がやりたい仕事を考えてみましょう。
これまで経験した職務の中で一番やりがいを感じた仕事、挑戦してみたい仕事など、やりたい仕事を明確にしておくと転職活動の軸になります。やってみたい仕事があるのに現時点でスキルと経験が不足しているならば、どう行動すればいいのか考えられます。
ただし、軽い興味や関心だけで将来の仕事を選択するのは危険です。AIに興味があるからAIをやってみたい、医療業界が面白そうだから医療業界の仕事をやりたいなど、明確な意思と覚悟がない選択は避けるべきです。
確たる意思がなく入社すると、「思っていた仕事と違った」というミスマッチが起きてしまうリスクが高まり、短期離職に繋がってしまいます。あくまでも、やりたい仕事を考える場合には、言語化したやりがいに沿った仕事を選ぶべきです。
関連記事:ITエンジニア向け志望動機の書き方を例文付きでご紹介!
自分に合っていると思う仕事
「身につけたスキル」「やりたい仕事」などこれまで書き出した項目をふまえ、自分に合っていると思う仕事、職種とその理由を考えてみましょう。
自分が持っているスキルだけでなく、性格や適性も関係してきます。自分を客観視し、仕事の向き・不向きを考えます。自分がどんな仕事をやりたいのかわからず悩んでいる場合は、この項目は特に時間をかけて考えましょう。
将来の目標
以下のように、将来の目標や将来の理想像を書き出してみましょう。
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・多人数を率いる責任あるポジションにつきたい
・フリーランスとして独立したい
・会社を立ち上げたい
・今までにない新しいサービスを立ち上げたい
・仕事の幅を広げるために異業種に挑戦してみたい
「昔から会社を立ち上げるのが夢だった」という場合には「将来性が高い仕事だから」など、なぜその目標を掲げたのか、理由も併せて記載します。目標と理由をセットに書き出してみると、自分が考えていることを客観的に知ることが可能です。
キャリアプラン
将来の目標・理想像をもとに、実現するには今からどう行動すれば良いのか具体的なキャリアプランを立ててみましょう。たとえば、現在の職場でキャリアアップを目指す、別のIT企業に転職してキャリアアップを図る、転職時にキャリアチェンジをする、フリーランスとして独立するなどです。キャリアプランは転職活動のベースとなるので、じっくり考えてみましょう。
エンジニアが転職に向けて自己分析を行う際の注意点
転職活動では、自己分析で得られた結果を、選考における提出書類や面接でのアピールポイントとして活用できるようにうまく紐づける必要があります。もちろん、自己分析結果以外の要素も転職活動の合否に関わりますが、本記事では自己分析結果についてどのように活用すべきか、注意点をまとめました。
失敗した経験から自分の弱みも把握する
自己分析では失敗した経験も振り返りましょう。失敗経験は自分の弱みを把握でき、そこからアピールポイントを作成できることもあるからです。面接では成功体験や自分の強みをアピールすることに集中しがちですが、自分の弱みも話すことで、客観的で広い視野を持っていると印象付けられます。
弱みの改善策を話すことで、経験から学ぶ姿勢や能力もアピールできます。成功体験や強みよりも、弱みの改善策の方が強烈なアピールにつながる可能性もあるでしょう。
希望する仕事内容と業務経験を軸に自己分析を行う
転職における自己分析は、転職活動を成功させることが目的です。人生を振り返って懐かしむことや、感慨に浸ることが目的ではありません。そのため、希望する仕事内容と業務経験に合わせて、必要な振り返り、分析をする必要があります。転職では希望する職種・業務に対して、自分が担当してきた職務内容やスキルがどう役立つのか関連性をもたせると良いでしょう。その際に、キャリアの棚卸しやキャリアビジョン設計は役立ちます。
転職理由を答えられるように用意する
自己分析と転職理由は結び付けて考える必要があります。たとえば、転職理由について、「弊社の業務は今までのご経験とは異なる部分も多いですが、なぜ弊社への転職を希望されたのですか?」といった質問をされることもあるでしょう。「弊社と類似する企業は複数ありますが、〇〇さんのご経験が他社よりも弊社とよりマッチする部分などはございますか?」といった少し答えるのが難しいパターンもあります。
こうした質問に答えられるよういろいろな角度から自己分析と転職理由を結びつけておけば、変則的な質問にも対応できるでしょう。
自己分析はフレームワークを使うと便利
自己分析の方法は人それぞれです。メモ帳やノートなどの紙媒体に書き出したりパソコンの文書ファイルにまとめたりするなど、作成のしやすさ・振り返りやすさなどは個人によるでしょう。
しかし、一般的には既存のフレームワークを利用すると便利といわれています。具体的なフレームワークは複数あるので、紹介していきます。
モチベーショングラフで人生曲線を描く
人生の時期ごとのモチベーションをグラフ化する方法です。横軸が時間軸で、縦軸はモチベーション軸です。これを波線でつないでいくことで、モチベーショングラフになります。モチベーションが高まっているとき、低くなっているときなど、区切りのある時期に対してコメントを残しておくとわかりやすいです。
モチベーショングラフでは、自分がどんなときにモチベーションが上がるのかを知ることができます。モチベーションが高い状態の方が自分にも会社にも良い状態なので、自分がどうすればモチベーションが上がるかを知る必要があります。職業選択の参考にもなるでしょう。
Will/Can/Mustの「3つの輪」で整理する
Will、Can、Mustはそれぞれ「やりたいこと・できること・やらなければならないこと」です。これらをそれぞれ輪にし、重なっている部分を探します。3つの輪が重なる部分は、自分の強みであり、なおかつ即戦力になれる部分です。
ただし、絶対に輪が重なっている部分のみが正解というわけではありません。たとえば、Willには該当するがCanには該当しない、だからMustでギャップを埋めるための努力をする、といった考え方もあります。
やりたいこと、できること、やらなければならないことをまとめることで、自分の今後の方向性を現実的に見定めることが可能です。
マインドマップで考えを整理する
マインドマップとは、中心に自分自身やアイデアを置き、そこから枝葉になる形でいろいろな要素を配置していくことです。カテゴリーは仕事に限定する必要はなく、趣味や好みなども含みます。マインドマップはぱっと見散らかった形になることが多いですが、それでも問題ありません。
自分という人間を軸にしたときに、どのような要素があるのかを網羅していくものだからです。マインドマップは直接的に職業選択に役立てるというよりは、自分の人生観を振り返るきっかけにするものといえるでしょう。
SWOT分析で自分の強みと弱み把握する
SWOT分析とは、以下4項目の頭文字を取った用語です。
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・Strength(強み)
・Weakness(弱み)
・Opportunity(機会)
・Threat(脅威)
自分の強み、弱みは何か、自分がその企業に就職することでどのような機会を得られるのか、逆にどのような脅威があるのかを分析します。対象は企業ではなく、業界そのものや、自分自身が今後やりたいことでも良いです。
たとえば今後技術力を高めたいのなら、技術に関する現状の強み、弱みは何かを出します。あわせて、技術力を高めた場合の機会と脅威に関して、エンジニアとしての需要が高まる一方(機会)で、コンサルタントなど上流工程に必要なコミュニケーションスキルを磨く時間やチャレンジする機会が減る(脅威)などを想定します。
エンジニアのキャリアパスの例
ITエンジニアには多数の職種があると紹介しました。ここでは、一例として系統別に職種を分け、具体的にその領域においてどのようなキャリアパスを選択できるのかを紹介します。なお記載しているのは代表的な例であり、列挙した職種以外にも多くの選択肢があります。どのエンジニアに転職するか決めかねている方、ほかに適性がありそうな職種がないか確認したい方など、ぜひ参考にしてください。
開発系
プログラミング言語を使ってシステムやアプリケーションを作成するエンジニアは、開発系の分野に該当します。開発系のITエンジニアには、SE、アプリケーションエンジニア、組み込みエンジニアがあります。IT系の代表的な職種といえ、IT業界・事業に疎い方でも比較的イメージしやすい職種といえるでしょう。
SE
SEはSystems Engineer(システムエンジニア)の略で、システム開発全般に携わるエンジニアの総称です。狭義では顧客の要望に対して、ITを利用して解決する職種です。顧客の要望をヒアリングして、希望を叶えられるよう企画を練り、設計書を作成します。顧客からの合意が得られたら開発の進捗管理やテストを担当します。
アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアは、アプリケーションの開発を専門とするITエンジニアです。パッケージ製品の開発やカスタマイズなどのプロダクト作成、業務システム構築の中でも、アプリケーション領域を専門とします。スマートフォンが普及したことによりアプリケーションの開発を進める企業も増え、アプリケーションエンジニアの需要も高まっています。
組み込みエンジニア
組み込みエンジニアはマイコンや車載器などの小型のコンピュータ上で動作するソフトウェアを開発するエンジニアです。限られたリソースで動作し、高い品質を求められるソフトウェアの開発に従事します。家電製品や工場で使用する機器に組み込むソフトウェアの需要も高まっているため、アプリケーションエンジニア同様に将来性のある職種です。
Web系
Web系とは、WebサイトやWebアプリケーションなどWeb上で動作するシステムを開発する分野です。Web系開発を主業務とするITエンジニアの代表的なキャリアパスとして、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア(サーバーサイドエンジニア)が挙げられます。たとえ同じプロジェクトに参画する場合でも、仕事内容は全く異なる職種なので、目指す際は間違えないようにしましょう。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアは、Webシステムの中でもユーザに見えるブラウザ上で動作するソフトウェア開発を行うエンジニアです。案件や現場によっても変わってきますが、UI/UXのデザインに関わる場合もあります。UIとはユーザーインターフェースの略で、ユーザーが見る「接点」の部分を指します。UXはユーザーエクスペリエンスの略称で、ユーザーが得られる「体験」です。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアは、Webシステムの中でもユーザに見えないバックエンドの処理を構築するエンジニアです。ブラウザ(フロントエンド)からの通信を受け取り、サーバー上で動作するプログラムを作成します。サーバーサイドエンジニアとも呼ばれます。求人を探す際には、両方の名称で検索してみると母集団が増える可能性があります。
インフラ系
システム、プログラム、ソフトウェアを稼働させるためのサーバーやネットワークなどの環境を整える分野をインフラ系と呼びます。インフラ系のITエンジニアの職種は「インフラエンジニア」と総称される場合もありますが、近年は下記のように細かく分けられていることが多いです。インフラエンジニアまたは以下の職種名で気になる求人を探しましょう。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、インフラエンジニアの中でもサーバー構築を専門とするエンジニアです。近年では仮想サーバーやクラウド環境の構築を手掛けることも多くなっています。サーバーOSのほかにミドルウェア、クラウドの知識があると良いでしょう。24時間安定した稼働状況を保つため責任のある仕事ですが、必要なスキル要件があまりないため、未経験でも目指しやすい職種です。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアはインフラエンジニアの一つで、コンピュータネットワークを専門とするエンジニアです。サーバー以外にもネットワーク機器の構成設計/設定も手掛けます。ルーターやスイッチといった物理機器に触れる機会が多いのが特徴といえるでしょう。ネットワークエンジニアも未経験者を歓迎していることが多い職種です。
データベースエンジニア
データベースエンジニアはインフラ領域に含まれるミドルウェアのうち、データベースを専門とするエンジニアです。データベースの設計/設定/運用などが主な業務となります。データを収集・分析し、課題と解決案を見出して今後の事業方針を決める企業が増えてきました。データを専門領域とするデータベースエンジニアの需要も高まっていくと考えられるでしょう。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは組織の情報セキュリティを確保するエンジニアです。ITインフラの設定、組織のセキュリティルールの策定などが業務の対象です。セキュリティに脆弱性があると、悪意のある対象から攻撃され、顧客や企業情報が流出してしまいます。攻撃は複雑化し、その種類も増えています。企業が持つ情報を守れるセキュリティ知識を持つ人材は歓迎されるでしょう。
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、インフラエンジニアの中でもクラウドサービスを活用したインフラ構築を専門とするエンジニアです。クラウドベンダーのサービスを活用して、効率的なインフラ環境を提供します。これまでクラウドを導入していなかった企業・サービスも、利便性の高さやセキュリティ対策の良さなどから、クラウドサービスを導入するようになってきました。ほかのエンジニア同様に、需要が高まっていく職種といえます。
エンジニアの先のキャリアパス例
エンジニアとしてのキャリアパスを考える際、その先のキャリアも考える必要があります。希望するエンジニア職に就いた後、どの様に働き続けるのかということです。別のエンジニアを目指すのか、同じ職種を継続するのかなどです。
キャリアパスの例として、一つの技術に精通した「スペシャリスト」と、幅広く総合的に対応できる「ゼネラリスト」が挙げられます。また、エンジニアを束ねて大きな成果を出す立場である「マネージャー(管理者)」もあります。
スペシャリスト
スペシャリストは一つの技術に深い見識を持った専門家のエンジニアです。特定の職種やポジションを示すわけではありませんが、技術的にプロジェクトやチームを牽引するテックリードなどが高度なスペシャリストに与えられるポジションとなります。
対象となる業務範囲は狭いものの、その分野であれば人並み以上の力を発揮するため、頼られる場面が多いでしょう。
ゼネラリスト
ゼネラリストはITシステムに対する知見や開発手法、プロジェクト推進などのITエンジニアの業務で必要となる知識、スキルを総合的に高いレベルで持ったエンジニアです。こちらも特定の職種、ポジションを示すものではありませんが、現場で必要となる多様な役割を果たせるため、活躍範囲は広がります。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトチームの責任者、管理者にあたるのがプロジェクトマネージャーです。開発業務そのものからは少し離れますが、複数のメンバーの仕事を管理する立場として責任範囲を広げ、より多くの成果につなげます。
しかし、最近では技術にも触れ続けたいと考えるプロジェクトマネージャーも増えています。そのため、プロジェクト管理をしながら、自分自身も開発現場で実装するプレイングマネージャーの道も用意されていることがあります。
関連記事:プロジェクトマネージャーとは|仕事内容や役割、平均年収、必要なスキルも解説
プロダクトマネージャー
プロダクトマネージャーは、自社サービスを成長させる役割を担うため、開発業務を管理するだけでなく、サービスの売り上げに対しても責任を負います。
プロジェクトマネージャーとの大きな違いは、サービスを完成させることが目的ではないところで、サービス完成後も常に市場に求められるプロダクトにしなければなりません。
したがって、プロダクトマネージャーを目指す場合は、技術スキルを磨くだけでなく、マーケティング知識や経営視点などが必要となります。
エンジニアとしての転職を成功させるポイント
エンジニアの転職では、自己分析以外にも成功させるためのポイントがあります。そもそもこのポイントが満たされていなければ、丁寧に自己分析をして書類作成や面接シーンで活用したとしても、効力が発揮されません。採用担当者は何人もの候補者を見ているため、どれだけ転職活動に真摯に取り組んでいるか、成功させるための努力をしている人材であるかを見極められます。エンジニアの転職活動において、成功させるために重要となるポイントを紹介します。
転職の目的を明らかにする
なぜ転職するのか、なぜ志望先企業を選んだのかを明確に言語化しておきます。
自分にとっての転職の目的の再確認は、転職先の選択基準を定めるものであり、転職へのモチベーション形成にも重要です。また、転職の目的を突き詰めると、志望企業に対しての志望動機がでてきます。自分がなぜその企業を選んだか、という明確な理由となるはずです。
企業研究・業界研究を行う
志望先企業の主なサービスやプロダクトは、事前に情報収集して調べておきましょう。企業の特色を調べることで競合他社との差別化ができ、志望動機のさらなる明確化にもつながります。企業風土やトレンドへの対応状況も調べておけば、自分に合う職場環境か、ビジョンを叶えられそうか確かめられ入社後のミスマッチを防げます。
転職のスケジュール感を把握する
転職を成功させるためには、具体的なスケジュールを設定する必要があります。スケジュール感の目安としては、退職希望日の3ヶ月前後から転職活動を開始するのが一般的です。
まず、転職活動の事前準備として、1~2週間を目安に自己分析と情報収集を行います。3週間目には書類を作成し、志望企業への応募を開始します。4~8週間目は書類作成・応募・面接を繰り返すイメージです。9週間以降から内定が出ることが多い傾向で、現職では引き継ぎをはじめるタイミングでもあります。引き継ぎをしながら、退職日・入社日に備えましょう。
なお、就業規則によりますが、退職は対象希望日の1ヶ月前に申告することとされていることが多い点には注意してください。
自分に適した転職活動の方法を選ぶ
転職活動の方法は一つではありません。求人サイトから自分で探す、転職エージェントを利用する、友人などから転職先を紹介してもらうなどさまざまな方法があります。どれが良いというわけではなく、人それぞれ適した方法があります。
自分の中に迷いがあったり知識を補足したりしたい場合などは、エージェントに相談した方が良いでしょう。
関連記事:転職エージェントに提出する履歴書の必要性|作成のポイントを解説
希望する業界・職種で必要なスキルを身につけておく
エンジニアの転職の場合、スキルが評価の大きな比率を占めます。転職先の企業もスキルのある人材がほしいため、転職活動内で必要とされるスキルの習得を積極的に行いましょう。実務経験を示せるのが一番ではありますが、経験が浅かったり未経験だったりする場合もあるでしょう。
そのようなときは、ポートフォリオを作成したり、資格を取得したりするとスキル証明をしやすくなります。
関連記事:IT技術者(ITエンジニア)に必要なスキルとは?
SE
SEはシステム開発における設計・構築・テストといった各工程を理解している必要があります。特に設計はSEの主業務なので、設計スキルが重要です。また、SEはチームでのプロジェクト推進にもあたるため、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルも評価されます。チームでの開発経験がある、リーダーを任されたことがあるなどは魅力となる要素です。
サーバーサイドエンジニア
サーバーサイドエンジニアの基礎となるのはWeb技術です。その中でも、サーバーサイド言語と呼ばれるプログラミング言語(PHP、Python、Java、Rubyなど)とそのフレームワークに習熟することが重要となります。また、サーバーサイドの処理ではデータベースとの連携が必須となるため、データベースに関する知識とスキルも必要となります。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアもWeb技術がベースとなるスキルです。特にフロントエンドに関連するHTML/CSSとJavaScriptが必須となります。JavaScriptに関しては、ライブラリ、フレームワークへの習熟も評価の対象となります。JavaScriptにはWebクリエイター能力認定試験やHTML5プロフェッショナル認定試験など難易度が低く取得しやすい関連資格があるので、不安な方は取得しておくと良いでしょう。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアはインフラの知識があることが前提となります。その上で、ネットワーク設計・構築スキルおよびネットワーク構成機器への知見が必要です。近年ではSDN、ネットワーク仮想化に関するスキルも重要性が高まっています。習得範囲が広いように思われますが、未経験者は保守・運用から入るなどステップを踏みながら知識・スキルを身につけられる環境もあります。
Webエンジニア
Webエンジニアとは、Webサイト、Webアプリケーションを開発するエンジニアです。WebエンジニアはWeb全般に携わるエンジニアを指しているので、Webエンジニアの中でもフロントエンドを主に担当しているエンジニアもいれば、サーバーサイドを中心に担当しているエンジニアもいます。
最近は特にフルスタックエンジニアといって、全般的に担当できるエンジニアが重宝されています。Webエンジニアの場合、フロントエンドもサーバーサイドも担当できて、また上流工程も下流工程も担当できるとより評価がアップするということです。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアに必要となるのが、ITシステム上のセキュリティを診断し脆弱性などを発見し、対処(設計・構築・テスト)するためのスキルです。幅広いITに関する知見とセキュリティ分野の情報収集が欠かせません。また、セキュリティマネジメントに関するスキル、見識も評価されます。セキュリティエンジニアに求められるスキルはやや高めなので、インフラエンジニアなどで経験を積んでから目指すのが一般的です。
自己分析に役立つ書籍やツール
自己分析はネット上の情報を頼りに自分で進めても良いですが、この機会に自己分析のノウハウそのものを掘り下げたい方もいるでしょう。自己分析は転職をしなくても、人生の充実度を上げるなどの目的でも役立ちます。そこで、自己分析のノウハウを掘り下げるための書籍や、実績のあるツールを紹介します。
書籍
『SWOT分析で攻略する就活面接試験―人事が考えていること、自分のとるべき行動がわかる 』
SWOT分析は、自己分析だけでなく企業の分析などにも用いられる概念です。こちらの書籍では、就活のためのノウハウに特化して紹介しています。もちろんこちらの書籍で紹介している内容は他のことへのSWOT分析にも活用できます。人事の思考を知ることもできるので、適切なアピールにつながりやすいでしょう。
『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』
こちらの書籍は自分の特性を深く知ることのできる書籍です。書籍の中にはシリアルコードが記載されていて、コードからWebサイトにアクセスすると性格診断テストを受けることができます。性格診断テストを受けることで、自分の強みや弱みがわかります。2024年4月時点で累計140万部を突破しベストセラーになった実績がある点からみても、多くの読者から支持されており読むメリットがあるといえるでしょう。
ツール
自己分析のためのおすすめツールは、エニアグラムです。エニアグラムは就活はもちろん、自己分析の王道ツールといえます。心理学などが好きな方は、使用した経験があるでしょう。自分のことを知って楽しむツールとしても使われます。
エニアグラムは人の性格を9タイプに分類するツールです。エニアグラムの診断方法は、質問に対して用意されているチェックボックスにチェックを入れていくだけです。当てはまる内容にチェックを入れていき、最終的にタイプが診断されます。
エンジニアの自己分析に関するよくある質問
エンジニアの自己分析に関するよくある質問と回答を紹介します。自己分析の結果を有効活用することで、選考通過率を高めたり入社後のミスマッチが起こる確率を下げたりします。就職・転職活動では、できる限りやるべき事柄といえるでしょう。エンジニアが転職活動で抱くよくある質問にはどのようなものがあるのか、回答とともに紹介します。
Q1. エンジニアの自己分析のやり方を教えてください。
まずは現在のスキルの棚卸しをして経験やスキルを洗い出し、長所や短所も明確にします。あわせて、今後はどのような企業でどんな仕事をしたいのか、転職理由やビジョンを明確にします。これらの情報をもとに、やりたい仕事や適性のある業務を探し、ビジョンを実現できる企業を見つけましょう。
Q2. 自己分析に役立つフレームワークはなんですか?
自己分析は自己流ではなく、フレームワークを使用するのがおすすめです。フレームワークは複数あるので、特定のものにこだわらず色々と試してみましょう。具体的なフレームワークとしては、「モチベーショングラフ」「Will/Can/Must」「マインドマップ」「SWOT分析」が挙げられます。
Q3. なぜ自己分析をしないといけないのですか?
自己分析が重要な理由は、自分自身が今後やりたいことや、アピールポイントなどを明確にするためです。これらが明確になっており、結果を活用して適切な職業・志望企業選択ができると、就職・転職活動の成功率や企業とのマッチ度が上がります。
まとめ
本記事では、エンジニアの転職活動における自己分析の重要性と、具体的なキャリアパス例について紹介しました。
キャリアプランを考えるためには、現在と未来だけを考えるのではなく、過去について時間をかけて振り返ることも重要です。今すぐに転職したくても、まずは一度立ち止まり、これまで歩んできたキャリアを振り返りましょう。
自分が仕事の中でやりがいに感じられたことは何だったのか、なぜそれをやりがいに感じたのかを言語化して客観視しましょう。言語化したやりがいと現状のスキルセットから、将来の希望と現実性を兼ね備えたキャリアプランを考えます。
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