クラウドエンジニアとは
クラウドエンジニアはクラウドの技術を利用してシステムやサービスを設計、構築するエンジニアのことです。クラウドを利用してITインフラを構築する場合が多いため、インフラエンジニアの一種とも言えます。
クラウドエンジニアの仕事内容をより具体的に紹介します。
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クラウドエンジニアとインフラエンジニアの違い
クラウドエンジニアはクラウド技術を利用したシステムやサービスを設計、構築するエンジニアです。クラウドを利用するためのスキル、知識を保有している専門的なエンジニアといえます。
インフラエンジニアは、従来型のオンプレミスもクラウドを利用したものも含めて、インフラを構築するエンジニアです。そのため、クラウドエンジニアはインフラエンジニアの中の1つであると言えるでしょう。
関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容や年収、将来性を解説
クラウドエンジニアとネットワークエンジニアの違い
ネットワークエンジニアは、オンプレミスでのシステム構築の際にインフラの一つであるネットワークを整備するエンジニアです。サーバ同士やスイッチとの接続や設定が業務に含まれます。ネットワークの経路選択を行うルーティングやネットワークに冗長性を持たせるボンディングの知識などが求められます。ただし、近年のネットワークエンジニアの場合には、クラウド環境上へのネットワーク構築、クラウド環境に対応したネットワーク構築に関する知識・スキルが必要になってきています。
一方で、クラウドエンジニアはクラウドベースでインフラを整えていきます。クラウド上のネットワークの設定はあっても、実際にサーバ同士をケーブルで繋ぐような作業はありません。
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ネットワークエンジニアが習得すべきクラウドスキルとは?
ネットワークエンジニアの需要とクラウドによる影響について
クラウドエンジニアの需要は高い
企業が用いるITシステムは、オンプレミスからクラウドへの移行が進んでいます。総務省の「令和4年通信利用動向調査の結果」では、クラウドサービスを事業に使用している企業は、全体の72.2%に達しており、インフラ構築の手段として完全に定着していることがうかがわれます。
また、クラウド活用の理由としては「場所、機器を選ばずに利用できるから」が1位です。インターネット環境があれば利用できるクラウドサービスの利便性が評価されているといえます。2、3位には「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」「安定運用、可用性が高くなるから」といった理由があげられており、ランニングコストの低さやクラウドベンダーによる管理の有用性なども認められています。インフラ構築の第一の選択肢となっていることには疑問の余地はありません。
さらに、JUAS(一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会)の「企業IT動向調査2023」によると、IT投資により解決したい課題(短期、中長期)として「業務プロセスの効率化(省力化、業務コスト削減)」や「セキュリティ強化」「働き方改革(テレワーク、ペーパーレス化等)」が高い順位を占めました。クラウドはこれらの課題を解決する施策としても重要視されるものです。
こうした流れを受け、IT企業およびユーザ企業においてクラウド技術を活用できるエンジニアの必要性が高まっています。既存のITエンジニアにクラウドへのスキルが求められるようになり、クラウドのスキルを持ったエンジニアを新規採用するなどの策もとられています。IT人材の面でもクラウドが重要視される傾向です。
総評として、クラウドエンジニアの需要は高くなってきています。コスト面と場所や時間にとらわれず利用できるメリットからクラウドを採用したシステムが活用されているためです。ハードウェアの管理を自社で行う必要がないため、システムの開発スピードが上がり、運用・保守のコストが抑えられることも評価されている理由の一つです。
引用元:
『令和4年通信利用動向調査の結果』総務省
『企業IT動向調査2023』JUAS
クラウドエンジニアの将来性がある理由
オンプレミスからクラウドへの移行が進んでいるため、クラウドエンジニアの需要は高まり、今後も求められる存在になります。インフラ構築全体においても、今後はクラウドを取り入れたサーバの運用やシステムの構築などが主流となると考えられるため、さらに需要は高まるでしょう。
前項で触れた通り、クラウドエンジニアの需要は高く、将来性がある職種といえます。その背景となる理由について、詳細に記載します。
クラウドファースト・クラウドネイティブの浸透
近年、クラウドファーストを前提とし、クラウドネイティブへと移行する流れが活発です。また、リモートワーク環境の急速な浸透により、クラウド利用はさらに加速するとみられます。
その一例として、日本政府は「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」のなかで、クラウド・バイ・デフォルト原則としてクラウドファーストに舵を切りました。ISMAPと呼ばれるクラウドサービスのセキュリティ評価制度を作り、クラウドサービスの安全性評価を行い、政府の情報システム調達をISMAPクラウドサービスリストから行うとしています。
クラウドファーストとは
クラウドファーストとは、「ITシステムの開発・運用において、クラウド利用を最優先に考えること」です。クラウドの活用では、ハードウェアを持つ必要はなく、環境の保守や拡張はクラウドベンダーに任せることができるといった多くのメリットがあります。クラウドを利用しない大きな理由が無ければ、まずはクラウドの利用を検討するという考え方です。
クラウドネイティブとは
クラウドネイティブとは、「クラウドにサービス、システムを作る前提で、クラウドの利点を余すところなく活用する」という考え方です。クラウドネイティブは、インフラ部分だけではなく、その上で動作するアプリケーションについてもクラウドへの最適化を行います。クラウドネイティブを構成する技術としては、「コンテナ」「マイクロサービス」「宣言型API」などがあります。
クラウドエンジニアの仕事内容
基本的には企業や組織内、あるいはデータセンターなどにサーバを保有する「オンプレミス」の環境を構築するインフラエンジニアと業務内容は似ています。大きく工程で分けると、次の6つの業務があります。
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・要件定義
・設計
・構築
・運用
・保守
・監視
大きな違いはオンプレミスとクラウドというインフラの構築の基盤です。
オンプレミスでは、ネットワークやサーバ、OSや実際に使用するアプリケーションまでを企業や組織が用意して設置、設定します。そのため、自由度は高いものの、環境作りに時間がかかり、アプリケーションの提供までに時間がかかる特徴があります。また、一度構築して運用を開始すれば、それ以降は大きく費用がかかりにくくなります。
クラウドでは、ネットワークやサーバはクラウドサービス事業者が提供するものを借りてシステムやサービスを構築することができます。このため、初期費用を安く抑え、素早く環境を構築することが可能です。ただし、ネットワークやサーバは借りているため毎月継続して費用が発生します。
要件定義・設計
クラウドエンジニアとしての主要な役割の中心には、要件定義やシステム設計が挙げられます。クラウドエンジニアは、システムやサービスが障害なく安定して稼働するための設計を担当します。その過程で、要件定義や今後の拡張を視野に入れた機能の検討を行います。そして、検討結果を元に、最も適切なクラウドサービスの選択と、それに基づく効率的なシステム設計を進めていきます。
構築
クラウドエンジニアは、詳細なインフラ設計書をもとにクラウド環境を構築します。クラウドエンジニアの手によって、ストレージの最適化やサーバーの効果的な仮想化、データベースの整備、そして各種ソフトウェアの導入や設定が実施されます。クラウドの形態には、共有型のパブリッククラウドや独自性の高いプライベートクラウド、両者のメリットを活かしたハイブリッドクラウドが存在します。企業がどのクラウド形態を選択するかは、そのビジネスニーズやセキュリティ要件によりますが、コスト効率や柔軟性の面から、パブリッククラウドでの構築が一般的に好まれる傾向になっています。
運用・保守
クラウドエンジニアはオンプレミス環境と同じように、クラウド環境においても運用と保守の役割も担当します。しかし、パブリッククラウドの場合、インフラの大部分はサービス提供者が管理するため、クラウドエンジニアはソフトウェアや経費の管理などが中心となります。また、OSやミドルウェアのアップデート、システムの常時監視、コストの調整と最適化といった業務も含まれます。
クラウドエンジニアに求められる知識・スキル
クラウドエンジニアに求められる知識・スキルについて紹介します。なお、インフラエンジニア、サーバーエンジニアとしてサーバー環境構築に関する知識・スキルを持つエンジニアがクラウドエンジニアに転身することを想定しています。
クラウドに関する技術スキル
クラウドエンジニアとしての職務を遂行するためには、多岐にわたる知識とスキルが必須となります。クラウドの深い技術的知識はもちろん、サーバーやネットワークの専門的なスキルが不可欠です。加えて、サーバーの仮想化技術やネットワーク仮想化のスキルも日々の業務に欠かせません。しかし、技術面だけでなく、プロジェクトの進行やチームワークを円滑にするためのコミュニケーション能力やヒューマンスキルも大切です。ここでは、クラウドエンジニアに求められる知識・スキルについて解説します。
サーバー、ネットワークの知識・スキル
クラウドを利用する場合でも、インフラの基礎となるサーバーやネットワークを設計・構築、活用するための知識とスキルが必要となります。従来のオンプレミスなどでのインフラ環境構築を、クラウド環境上に構築するため、環境構築の基礎は変わらないのです。
サーバー仮想化の知識・スキル
サーバー構築において、ハードウェアやOS上に複数のインフラ環境を構築する仮想化技術は広く利用されています。オンプレミスでも利用されてきましたが、クラウド環境とも相性がよく、必須ともいえる技術です。
ネットワーク仮想化に関するスキル
クラウド環境ではネットワークも仮想化されます。SDN(ソフトウェアで定義されたネットワーク)やNFV(ネットワークの機能を仮想化)に対応できるスキルが求められます。
コンテナ関連のスキル
コンピュータのリソースを「コンテナエンジン」というプロセスによって管理し、アプリケーションの実行環境を構築する技術です。代表的なコンテナエンジンとしては「Docker」などがあります。仮想化技術の一種にあたります。
ミドルウェアの知識・スキル
オンプレミスで利用していたミドルウェアはクラウドでも利用するケースが多いです。これらのミドルウェアに関する知識、スキルを持ち、クラウド環境でも稼働・利用するためのスキルが求められます。
オンプレミスの知識・スキル
クラウドエンジニアでもオンプレミスの環境に関する知識やスキルを求められるケースは多々あります。例えば、オンプレミスの環境をクラウドに移行する場合では、元となるオンプレミスの環境を理解する必要があります。オンプレミスとクラウドでの差異を把握し、メリットデメリットを含めて最適な手段を選択できる知識が必要となります。
AWS・Azure・GCPに関する知識・スキル
クラウドサービスの中でもAmazonのAWS、MicrosoftのAzure、GoogleのGCP(Google Cloud Platform)は最も人気のあるサービスです。企業や組織の環境構築でも採用されるケースが多く、活用のための知識とスキルが求められます。
それぞれのサービスに対して深い知見を持っていれば、そのサービスが利用されるプロジェクトで活躍しやすくなります。また、各種サービスの概要を抑えておくことで、サービス選択時のメリット比較にも活用できます。
Infrastructure as Codeに関するスキル
クラウドの活用とともに、環境設定をコードで記述し、再現性や可読性を高めるInfrastructure as Code(IaC)の利用が広がっています。
Infrastructure as Codeとは、ITインフラの構成をソースコードとして記述し、インフラの設定変更や再構築を自動的に行う仕組みです。ビジネス要件の変化に素早く対応できるように、インフラ構成を動的に変更し、なおかつ複数の「バージョン」として管理できることがInfrastructure as Codeのメリットです。クラウドが登場する以前は、インフラエンジニアにプログラミングスキルが求められるケースはそれほど多くありませんでした。しかし今後は、Infrastructure as Codeに対応できる言語(PythonやRubyなど)を習得しておきたいところです。
開発・運用に関する知識
クラウドエンジニアとして活躍するためには、開発や運用の深い知識と経験が不可欠です。クラウド技術の採用は、開発プロセスの迅速化や運用の効率向上など、多くのメリットをもたらします。インフラの専門家であるクラウドエンジニアでも、システム全体の開発の流れや運用に関しては深く理解することが重要です。以下では、開発・運用に関する知識について解説します。
CI/CDに関する知識
CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)は、アプリケーション開発に自動化を取り入れ、提供頻度を高める手法の総称です。CI/CDでは、開発・テスト・デリバリーに自動化と監視を導入し、アプリケーションを実際の運用環境にリリースする頻度を上げていきます。
DevOpsに関する知識
DevOpsとは、開発側と運用側のシームレスな連携・協調によって、システム開発・運用の効率を高めていく活動のことです。DevOpsの中でも「ビルド・デプロイの自動化」「コンテナなどインフラ自動化についての知識」などのクラウド環境と関連深い要素があります。
マイクロサービスに関する知識
マイクロサービスとは、API連携を用いたシステム開発手法のひとつです。複数の小さなサービスをAPIで接続し、より大きなサービスを構築します。例えばWebサービスならば「ログイン認証」「アクセス許可」「製品データ転送」といった各処理をマイクロサービスとして構築し、状況に応じてつなぎ合わせることで、柔軟性の高いシステムを構築していきます。
マイクロサービスはクラウドの柔軟性と親和性が高いことから、近年急速に普及している考え方です。クラウドネイティブでよく利用されます。
ヒューマンスキル
クラウドエンジニアは、単に技術的な側面だけでなく、人間関係の構築や維持も重要な役割になります。クライアントやユーザー、さらにはアプリケーション開発者との連携は日常的な業務の一部であり、これらのステークホルダーと効果的にコミュニケートする能力が必要とされます。ここでは、クラウドエンジニアが持つべきコミュニケーションスキルについて解説します。
コミュニケーションスキル
クラウドサービスを利用して環境を構築するにあたり、本当に必要な環境の条件を策定することが重要なポイントです。この条件はクライアントやアプリケーション開発者などの関係者とコミュニケーションを行い、見定める必要があります。
例えば、オンプレミスからクラウドに環境を移す場合には、既存環境で動作しているアプリケーション、利用者などを洗い出します。さらに、クラウドに移行したのちにも利用を継続するか、その規模は変わるかといった点も考慮して、クラウド環境のためのサービス選択やスケーリングが必要となるのです。
クラウドエンジニアの仕事や転職に役立つ資格
クラウドエンジニアとしてのキャリアを積む上で、専門的な資格の取得は大きな武器となります。特に、AWS認定資格やGoogle Cloud認定資格、Microsoft認定資格など、主要なクラウドベンダーのベンダー資格は業界内での評価が高く、専門性を証明するものとして広く認知されています。さらに、Linux技術者認定試験や、セキュリティ専門の情報処理安全確保支援士資格も、クラウドエンジニアの業務能力を高めるための有効な手段です。これらの資格は、自身のキャリアや求められる業務内容に応じて選択し、取得することをおすすめします。以下では、これらの資格をはじめとするクラウドエンジニアのキャリアアップに役立つ資格について詳しく紹介していきます。
関連記事:クラウドの資格一覧!初心者向けの難易度解説や取得の利点
AWS認定資格
AWS認定資格はAmazonの提供するクラウドプラットフォームAWS(Amazon Web Services)に関する認定資格です。AWS認定は基礎、アソシエイト、プロフェッショナルの3つのコースと専門分野の知識に関する認定があります。各コースはそれぞれ6か月、1年、3年のAWSの使用と関連知識に値する経験が目安となります。専門知識の認定は、AWSの技術者の中でも各分野におけるハイレベルなスキルの保持を示す資格です。
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AWSの勉強方法|初心者も無理なく身につけられる手順を紹介
Google Cloud認定資格
Googleのクラウドサービスに関する認定資格としてGoogle Cloud認定資格があります。基礎、アソシエイト、プロフェッショナルの3段階が提供されています。それぞれ、未経験、6か月以上の実務経験、3年以上の実務経験が目安となる難易度です。
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Microsoft認定資格
Microsoft認定資格プログラムはMicrosoft社の提供する各種のソフトウェアやサービスに関するスキル・知識を認定する資格です。その中でもMicrosoft社の提供するクラウドプラットフォームAzureに関する試験が存在しており、クラウド関連のスキルを示すのに有効な資格です。Fundamental、Associate、Expertの三つのレベルがあり、スキルのレベルに合わせてターゲットとする試験を選択可能です。
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Linux技術者認定試験
クラウド環境を含めたインフラに欠かせないのがOSに関する知識とスキルです。Linuxはクラウド環境でもよく利用されるため、Linux技術者としての知識とスキルを示すことができる資格試験はクラウドエンジニアにとっても役立ちます。
Linux技術者としての技術を示せる資格として有名なのがLPICとLinuCです。
LPICはLinux Professional Instituteによって運営されるオープンソースのエンジニアに向けた世界的な資格です。LPIC-1からLPIC-3の三段階のレベルに分かれており、さらにLPIC-3は仮想化、混在環境など各種の専門分野に分かれています。
LinuCはLPI-JAPANにより運営される資格試験で、日本国内でのLinuxの利用に特化した内容となっています。LinuCレベル1からLinuCレベル3までの3段階のレベルがあり、LinuCレベル3は混合環境、セキュリティなどの専門分野に分かれています。
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情報処理安全確保支援士
情報処理安全確保支援士は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営し、経済産業省により認定される情報セキュリティ分野に向けた高いスキルを示すことができる資格試験です。合格者は国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)」の資格保持者となることができます。
クラウド環境の構築ではセキュリティの確保は重要な観点です。セキュリティに関する高いスキルを示すことができるため、有用な資格となります。
CCSP認定試験
CCSP認定試験は、(ISC)²が主催する国際的な資格試験で、クラウドサービスのセキュリティに関する深い知識とスキルが問われます。公式では、試験対策のためのトレーニングや、試験内容の紹介を行うセミナーが定期的に実施されており、試験を受験する前にこれらの情報提供イベントに参加するといいでしょう。試験自体は、多肢選択の形式を取り、合計4時間の時間制限が設けられています。
未経験からクラウドエンジニアになるには
クラウドエンジニアを目指す際のスキル習得方法は、経験や背景によって異なります。完全なIT初心者の場合、専門学校や教育機関でのカリキュラム受講がおすすめです。既にインフラ関連のエンジニアの経験がある方は、クラウド技術に特化した知識を深めることが鍵となります。ここでは、それぞれの背景を持つ方向けに、クラウドエンジニアになる方法を詳しく解説します。
IT業界未経験者であれば専門学校やスクールに通う
IT業界未経験者の場合は、まず素地となるITのスキル・知識を身に着ける必要があります。クラウドエンジニアを目指す場合には、インフラエンジニア向けのコースのある専門学校やスクールを利用すると効率的です。
インフラ系のエンジニアはクラウドの知識を身につける
既にインフラに関するスキルを持つエンジニアの場合は、クラウドに関する知識・スキルを身に着けます。一定のスキルがあるのであれば、実際にクラウドサービスを利用して環境を構築してみることが一番の学習になります。クラウドベンダーのサービスでも、ハンズオンによる学習コースなどが用意されているため、活用するのもよいでしょう。
関連記事:クラウド時代のインフラエンジニアに求められるスキルや資格
クラウドエンジニアの平均年収
レバテックキャリアにて職種「インフラエンジニア」「サーバーエンジニア」「ネットワークエンジニア」でキーワードに「クラウド」を指定して検索を行い、取得されたデータから30件を抽出。年収の上限、下限の中間値の平均を取って平均年収を算出しました。(2023年9月15日時点)
上記の算出方法によると、クラウドエンジニアの平均年収は約594万円となりました。単純にクラウドだけが業務領域ではなく、各種のインフラ技術と合わせることで高い年収に繋がる傾向があります。
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クラウドエンジニアの年収は?キャリアプランや必要な知識・スキルを徹底解説
ネットワークエンジニアの年収相場は?クラウド時代に起こる変化
クラウドエンジニアの求人例
【業界】
◆IT・通信
【業務内容】
◆自社提供SaaSのインフラ提供
自社にて提供するSaaS用のインフラを設計、構築、運用・保守し、自社開発サービスの根幹を支える業務です。SaaS提供用の環境に加えて、開発環境、検証環境の整備、提供も行います。
また、継続的なサービス更新の提供を行うための、インフラの標準化策定、自動化の導入、DevOps体制の構築も業務に含まれます。
主な利用環境はAWS上のLAMPです。
【求められるスキル・経験】
・Linuxおよびネットワークの運用経験
・AWS実務経験
・LAMP、AWSでのシステム課題解決経験
【想定年収】
550~850万円
【勤務地】
大阪府
クラウドエンジニアからのキャリアパスの選択肢
クラウドエンジニアのキャリアパスは多岐にわたり、その経験を活かしてさまざまな進路を選ぶことができます。一つの選択肢として、マネジメント路線があり、チームやプロジェクトの管理職に昇進することを目指すことができます。また、スペシャリスト路線では、特定の技術領域での深い知識やスキルを追求し、業界内でのエキスパートとしての地位を築くことが期待されます。さらに、自らのキャリアをコントロールしたい方には、フリーランスとして独立する道もあります。ここではマネジメント路線、スペシャリスト路線、フリーランスとして独立の3つのキャリアを紹介します。
マネジメント路線
コミュニケーションなど人と付きあうことが得意な人はプロジェクトチームをまとめるマネージャーが選択肢になります。
プロジェクトマネージャーは開発プロジェクトの進捗管理、打ち合わせなどでチームを引っ張る役割があります。
スペシャリスト路線
クラウドエンジニアとしてシステムの設計や開発に関するスキルを高めていくキャリアです。現場で活躍し続けたい人にオススメなキャリアです。
インフラコストの削減など経営側の視点を兼ね備えられるとやりがいが見出しやすくなるでしょう。
フリーランスとして独立
会社に頼らずに個人で案件を取っていくキャリアプランです。在宅やリモートでの案件は少なく常駐が必要な案件が多いものの、長期契約の案件が多く比較的安定した収入に繋がりやすいです。
今後の需要によっては在宅での案件も増えてくるかもしれません。
クラウドエンジニアに関するよくある質問
クラウドエンジニアという職種に関心がある方が、その仕事内容や日々の業務についての疑問や質問を持つことは自然です。特に、クラウドエンジニアの具体的な役割や業務のやりがい、また、日常のタスクの負荷やストレスに関する不安など、様々な点での質問が多く寄せられます。ここでは、クラウドエンジニアについて、よくある質問と回答をまとめています。
Q1. クラウドエンジニアとは何ですか?
クラウドエンジニアは、クラウド技術を駆使してITシステムやサービスの設計・構築を行うエンジニアです。主にクラウド基盤上でのITインフラの構築に従事し、そのためインフラのエキスパートとしても位置づけられます。クラウドシステムが広まった現代のIT環境では、クラウドエンジニアは不可欠な役割を果たしています。
Q2. クラウドエンジニアに夜勤は発生しますか?
クラウドエンジニアは夜勤が発生する場合があります。
システムやサービスは利用者が多い日中にメンテナンスを行うと損失に繋がる可能性があります。このため、保守や更新などは利用者の少ない夜中に行われるケースが多く、計画的な夜勤が発生します。
また、夜間に何らかの障害が発生すれば対応のために呼ばれることもあります。このような場合には緊急の夜勤が発生します。
Q3. クラウドエンジニアのやりがいは何ですか?
クラウド技術の進化スピードは非常に早く、常に最新の技術に関わることができます。最先端の技術を学び、業務に活かすことにやりがいや楽しさを感じることができます。
Q4. クラウドエンジニアがきつい・やめとけと言われる理由は?
クラウドエンジニアのきつい部分として、技術の習得が必要な領域が広いことが挙げられます。
クラウドの技術はもちろんですが、サーバやネットワーク、セキュリティ、OSなどの知識と実務経験が求められます。そのため、学習を進めている段階で挫折してしまう人が少なくありません。
また、クラウド技術は良くも悪くもクラウドサービスを提供する事業者に依存するため、事業者側の障害が発生した際に自分で復旧できない事があるのもきつい理由の一つです。
まとめ
クラウドエンジニアはクラウド環境の設計・構築・運用等を行うインフラエンジニアの一種です。クラウドサービスの活用は国内企業でも堅調に広がっており、クラウドエンジニアは需要のある将来性の高い職種といえます。
クラウドエンジニアにはインフラの基礎知識、クラウドサービス利用のための知識が必要となります。それに加え、クラウドを活用することでメリットが生まれたり、クラウドの利用とともに広まった技術や考え方も身に着けておきたいところです。これは、クラウド環境を構築し提供する際に、ユーザに向けて提供できるメリットを知ることでもあります。クラウドエンジニアの仕事に興味がある方は、クラウドエンジニアへの転職を目指してみてはいかがでしょうか。
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