インフラエンジニアの市場状況、求められるスキルや資格、年収例も解説インフラエンジニアの転職で知っておきたいこと

最終更新日:2021年2月26日

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IT技術の進歩に伴って、サーバーやネットワークなどインフラの構成も大きく変わってきています。クラウドサービスや仮想化技術の普及もその変化の一つです。

クラウドサービスの普及により、企業がサーバーを自社やサーバーセンターに所持し、構築する機会は減少するでしょう。今後、インフラエンジニアの仕事は減り、求人もなくなっていくのでしょうか。この記事では、インフラエンジニアの転職市場の状況や年収例、必要なスキル、将来生き残って行くためのポイントについて解説します。

1. インフラエンジニアの需要状況

DXやアフターコロナへの対応で企業はIT環境の重要性を再認識し、IT人材の需要は上昇している状況です。労働人口減によるIT人材の不足も影響しており、IT業界全体では需要は高まっているといえます。

一方、インフラエンジニアについては、クラウドサービスの普及により企業がオンプレミス型でサーバーを自社やデータセンターに置く数が減り、設計、構築、運用とも業務が減少するといわれた時期もありました。

しかしながら、クラウドサービスの普及によりよりインフラエンジニアの業務が減少するという言説は正確ではありません。確かに、企業がオンプレミスでサーバーを自社やデータセンターに置く数は減るかもしれませんが、ITシステムそのものの需要が減少するわけではなく、必要なシステム環境の数が減るわけではありません。

自社サーバールームやデータセンターにあったサーバー環境から、クラウドサービス上に環境がおかれるように変化しただけなのです。インフラエンジニアの仕事が減ったわけではなく、クラウド環境に対応する形に仕事が変容してきています。それぞれの業種や業界について、その状況を紹介します。

業種ごと の需要状況について

インフラエンジニアの中でも専門とする分野により職種は分かれています。それぞれの職種により需要の変化はあるのでしょうか。

これらの職種ごとの需要状況について参考となるのが「企業IT動向調査(2019年度)」(※1)です。IT基盤分野において、「大企業の4割で、「基幹システムの刷新」の取り組み開始」、「「セキュリティ対策を任せられる」などを選択理由として、パブリック・クラウドへの移行が進む」といった動向が報告されており、インフラエンジニアの各職種の需要予測の論拠となるものです。

※1 JUAS 一般社団法人「企業IT動向調査(2019年度)」p.47。(2021年2月22日アクセス)

サーバエンジニア

サーバーはオンプレミスからクラウドへ環境を移している状況です。また、仮想化技術の利用による集約化も進められています。サーバー環境の構築そのものは存在しているため、仕事の内容はクラウド環境の構築に移ってきてはいますが、需要は引き続き存在しています。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアにおいては、その必要性は引き続き高い状況です。特にテレワークの普及により、ネットワーク上のセキュリティといった観点が重要視されるようになり、今後も同様に需要が見込まれています。

クラウドエンジニア

クラウド環境の構築、利用の推進を行うクラウドエンジニア。クラウドサービスは柔軟にリソース量を変えることができ、ハードウェアメンテナンスからも解放されるなど企業から見るとメリットがあるため、今後もオンプレミスからクラウドへの移行が進められる傾向は続くことが想定されます。需要は引き続きあると考えられます。

データベースエンジニア

データベースのパッケージングが進み、データベースエンジニアでないエンジニアでもデータベースが扱いやすくなってきました。データベース設計、構築を専門とするデータベースエンジニアの活躍の場は、大規模プロジェクトなどには残っているが、減少傾向にあります。

ただし、一般のエンジニアにデータベースが扱えることが求められるようになってきています。他の専門分野を持ちながら、データベースのスキルも持ったエンジニアには需要が存在しています。

運用保守系エンジニア

クラウドサービスや仮想化環境の利用によりサーバーや環境の集約が進んでいます。運用保守という観点で見れば、集約された環境によって必要な手間が減るため、需要は減少することが想定されるでしょう。また、今後必要とされる運用保守業務にはクラウド、仮想化した環境を扱うためのスキルが求められるようになるでしょう。

業界ごとの需要状況について

職種だけでなく、インフラエンジニアが所属する業界によっても需要には偏りがあります。本章では、代表的な業界について記載しました。

ソフトウェア・通信

ソフトウェア開発、通信業といった業界においては、新しい技術への対応が必要なため、インフラ環境の刷新も継続的に行われています。技術的な素地はあるため、仮想化による環境の集約、クラウドの利用によるリソースの最適化なども積極的に行われる傾向があります。インフラエンジニアについても需要は存在しています。

この業界でインフラエンジニアとして働く場合は、仮想化技術(Docker)やクラウドサービス(AWS、Azure)などの技術に対する知見が必要となってきます。

メーカー

メーカーにおける工場などの生産拠点では、システムは可用性の高さが求められるため、オンプレミス環境も残ります。IoTなど導入も進められており、クラウド環境との併用が想定されるため、幅広くインフラの知識、スキルエンジニアが求められています。

小売、流通

ECサイト、物流システム、アナリティクスなど小売、流通業においてもITシステムの活用の必要性は非常に高いです。インフラも可用性、スケール、セキュリティなどを考慮しながら構築する必要があり、インフラエンジニアへの需要も存在しています。高いスキルを持ったインフラエンジニアが求められる業界です。

金融

fintech(フィンテック)としてIT技術を取り込んだ新しいビジネスの形を作りつつある金融業界。fintechはITベンチャーから生まれるケースが多く、その下地としてインフラエンジニアの必要性も高いです。自分で学びながら、変わり続ける要求に対応できるインフラエンジニアが必要とされています。

2. インフラエンジニアのスキルアップ転職に必要なスキルとは?

インフラエンジニアとして、スキル、キャリアを向上させながら転職を考える場合、必要となってくるスキルについて記載しています。

技術トレンドに合ったスキルを身に着ける

クラウド、仮想化など次々とインフラをめぐる技術は変容しています。インフラエンジニアとしては、新たな技術にメリットがあれば、取り入れなければなりません。インフラエンジニアの仕事内容に変化が訪れている状況であるため、トレンドに合った技術の習得は必須となります。

上流工程に関わるスキル習得、経験を積む

キャリアアップを目指す場合、要件定義、設計といった上流の工程に携わる必要が出てきます。上流の工程はミスがあると下流工程に大きな影響をきたしてしまうため、インフラについての知識と経験が問われてきます。現在インフラエンジニアであれば、可能な限り積極的に上流工程に関われるよう職場と調整しみましょう。

ヒューマンスキル

インフラはITシステムなどのソフトウェアを稼働させる環境です。その環境の関係者として、アプリ担当者、自社内の他部門、顧客、連携システムの担当者など様々な相手との調整が必要です。コミュニケーション能力などのヒューマンスキルも、キャリアアップには重要となってきます。

また、より大きな規模の仕事に関わることを考えるのならば、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーといった人を率いて仕事をする立場を目指さなくてはなりません。そこにはプロジェクトマネジメントスキルも必要となってきます。

3. インフラエンジニアの年収例

ここまでインフラエンジニアの需要が高いこと、キャリアアップにはスキルの獲得が必要なことについてみてきました。それでは、そんなインフラエンジニアの、年収相場はどのようなものなのでしょうか?ここでは、レバテックキャリアを利用して転職に成功した方の実績を参考に、インフラエンジニアの年収を解説します。

経済産業省の統計結果

経済産業省が平成29年に公表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」(※2)によると、エンジニアの年収はスキルレベルによって変わることがわかります。例えば、「IT保守」では592.2万円、「IT運用管理」では608.6万円、IT技術スペシャリストでは758.2万円とスキルレベルによって大きく変わっています。一番低いのはオペレーター担当などで、エンジニア、リーダーというように立場が上がれば年収も上がる傾向にあります。

※2 経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査」p6より。(2021年2月18日アクセス)

未経験

IT系専門学校や4年制大学新卒をはじめ、異業種からの転職者などは未経験として採用されます。未経験の場合、年収は280万円〜320万円程度で採用されることが多いでしょう。高いスキルは求められませんが、「なぜPCは動くのか?」などITの基盤に興味を持っているか、インフラから社会を支えたいといった熱意を持っているかなどを面接で確認されます。

300万円~

  • ・経験年数や年齢層

IT業界での経験が多少ある運用保守を行うオペレータクラスのエンジニアの場合は、これくらいの年収ゾーンが目安となります。運用保守系の業務でも、リーダー経験者であれば、もう少し年収も上昇し、400万弱程度を提示される傾向にあります。ただし、金融機関など大規模システムや重要性の高い基盤の運用保守では、運用担当者であっても年収500万円程度で採用されるケースもありえます。

年齢は20代前半〜40代までと幅広く、経験年数よりも携わってきたポジションを重視する傾向があります。
 

  • ・求められるスキル

運用保守担当者としての経験が求められます。インシデント管理などの運用の手法を知っていれば有利になります。運用設計の経験は必須ではありません。

400万円~

  • ・経験年数や年齢層

ネットワークやサーバーの設計、構築のスキル、経験がある場合、400〜500万円の年収ゾーンでの採用が望めます。オペレーターとしての業務ではなく、設計や構築業務が中心となります。AWSをはじめとしたクラウドサービスの構築ができると450万円以上の年収に繋がることも多く、高く評価される傾向です。経験年数数年~10年程度で、年齢は20代前半〜30代前半が多いでしょう。
 

  • ・求められるスキル

この年収ゾーンでは、インフラの設計および構築スキルが求められます。サーバー、ネットワーク、DB、仮想化、クラウドなど得意な分野があればアピールポイントとなります。また、チームでの業務を率いるリーダーとしての経験も求められてきます。

500万円~

  • ・経験年数や年齢層

ネットワークやサーバーの構築経験が豊富で、チームリーダーやプロジェクトマネージャーなどマネジメント経験もあると年収500万円以上での転職が期待できます。20人以上の大規模チームでのマネジメント経験があると、より高い年収を提示されやすくなるでしょう。

年齢に関しては、30代中盤から40代がボリュームゾーンです。20代後半でもSRE(Site Reliability Engineering)経験など高いスキルを持っていると500万円以上で採用されることもあります。
 

  • ・求められるスキル

ネットワークやサーバーの構築経験に加えて、プロジェクトマネジメント経験が求められます。仮想化環境によるインフラの集約、クラウドサービスの利用による環境の構築など、幅広い選択肢を持てるだけのインフラへの知見が必要となってきます。

4. インフラエンジニア転職の年齢事情

インフラエンジニアへの転職を考えている場合、未経験なら20代~30代前半が望ましいです。インフラエンジニアは学ばなくてはいけないことが多いため、若い方うちに転職したほうが、将来的に高収入を望めます。

他エンジニアからのキャリアチェンジなら20代後半~30代前半の転職も多くあります。システム開発プロジェクトへの参画経験があるエンジニアならば、経験を活かすこともできます。インフラに対する専門知識の習得は必要です。

また、インフラエンジニアとしてキャリアアップのための転職をする場合もあるでしょう。30代であれば、上流工程もこなせるインフラエンジニアとしての転職を目指します。40代以上ではプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーとしての経験、マネジメントスキルも問われてきます。

5. インフラエンジニアの転職におすすめの資格

インフラエンジニアの転職において、資格を持っていることは第三者的な立場から一定のスキルを持っていることを示せるため、有効な手段の一つです。以下では、インフラエンジニアの代表的な資格を紹介します。

情報処理技術者試験(基本、応用)

情報処理技術者試験は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の運営する国家資格です。元となる資格を含めると昭和44年から運営されており、IT業界でも信頼されている資格となっています。基本情報技術者試験はエンジニアとして幅広く実務レベルの基礎的なスキルと知識を保有することを示せる資格試験です。また、応用情報技術者試験は基本情報技術者試験の上位の資格で、実務レベルで活躍できるスキルと知識を示すことが資格試験です。

情報処理技術者試験(スペシャリスト)

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の運営する情報処理技術者試験の中には、特定技術分野のスペシャリストのための試験があります。インフラエンジニアとして特に技術力を示せる資格として、ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリストが該当します。特に自分の専門分野としている場合は、高度な知識とスキルの保有を示せる資格です。

情報処理安全確保支援士

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の運営する情報処理技術者試験の中でも2016年と近年に追加された資格です。ITシステムおよびその利用者の情報セキュリティ確保は重要な課題です。インフラの構築においても、セキュリティは重視される項目であり、情報処理安全確保支援士の資格を持つことで情報セキュリティに関する知識とスキルを示せ、転職時にアピールポイントとすることが出来ます。

AWS認定

AWS認定(AWS Certification)はamazonが運営するクラウドについての専門知識を効果的に証明することができる資格認定試験です。基礎コース、アソシエイト、プロフェッショナルの3段階の包括的なスキルと知識を示せる資格とAWSの特定のサービスに関する専門知識を対象とする6つの資格があります。

インフラエンジニアとして転職を考える場合、クラウドサービスのスキルが必要となることが多く、その中でも大きなシェアをもつAWSの認定資格はアピールポイントとなります。

LinuC

NPO法人LPI-Japanにより企画、開発、運営されるLinux技術者の認定資格です。クラウド環境までを含めた技術を示すことができる資格で、中立、公正な立場からLinux技術者の技術力を証明してくれます。3段階のレベルに分けられており、クラウド、仮想環境、システムアーキテクチャなどインフラエンジニアとして必要なスキル、知識を示すことができ、転職時には有利に働く資格です。

6. インフラエンジニアの将来性

インフラエンジニアの需要は引き続き存在し続けていて、求められる業務内容に変容があることをここまでで述べてきました。インフラエンジニアの今後、将来性について記載しています。

インフラエンジニアが将来生き残っていくためには

IT技術の進化に伴い、インフラエンジニアに求められるスキルも変化しています。変化に対応して、インフラエンジニアが将来生き残っていくために大切なポイントを確認しておきましょう。

従来、インフラエンジニアの仕事と言えば物理サーバーの選定や環境構築といった業務や運用保守が主なものとなっていました。しかし、クラウドサービスやWebサービス、IoTやAIなど業界での主流となる技術が大きく変化してきています。このような中で生き残っていくためには、特に以下のポイントが重要です。
 

  • ・クラウド、IoT、AIなど新しい技術や情報を学び続けること

    ・IT業界の動向の流れを読み解くこと(トレンドのキャッチアップ)

    ・専門分野だけでなく幅広い知識を持つこと(セキュリティ分野など)
     

IT業界の中で常に必要とされる人材でいるための努力を続けることが大切です。これは、インフラに限らずIT業界ではどの領域であっても共通となります。特に、セキュリティ領域のスキルを身につければ高い年収が期待できますので、キャリアアップを目指す人は視野に入れておくとよいでしょう。

7. インフラエンジニアの求人例をチェック

最後に、インフラエンジニアの求人例を紹介します。

【業界】

IT・通信
ソフトウェア/インターネット

【業務内容】
◆インフラの設計から保守まで幅広く担当
インフラの設計をはじめ、構築、運用、保守、調査、分析などインフラ業務全般に携わっていただきます。


<具体的な業務内容>
・開発エンジニアとの連携によるインフラアーキテクチャ設計、運用、改善
・アプリケーションエンジニアとの連携によるアプリケーションビルドパイプラインの設計、構築
・CI/CD環境の構築、運用
・モニタリング環境の整備
・障害対応、ボトルネックの調査、改善


【求められるスキル・経験】
・AWSを用いたインフラ設計、構築、運用の実務経験
・Linux サーバーの設計、構築、運用の実務経験
・当社のミッション、ビジョンに共感していただける方
・会社とともに成長していく意欲がある方


【想定年収】
400~800万円

【福利厚生】
健康保険/厚生年金/雇用保険/労災保険/通勤手当/残業手当/慶弔休暇/年末年始/有給休暇有給休暇/服装自由/資格取得支援制度/社外研修費補助/ハイスペックPC支給

【勤務地】
東京都

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8. まとめ

インフラエンジニアに対する需要は引き続き一定水準以上が見込まれています。ITサービスの開発や改善は今後も活発に行われることが予想されるためです。しかし、インフラエンジニアに求められるスキルは変化してきているという点には注意が必要です。インフラ設計、構築の選択肢とできるように、クラウド、仮想化といった新たな技術トレンドを取り入れ、身に着けることが今後は必須となっていくでしょう。

インフラエンジニアへの転職を考える場合は、技術スキル、ヒューマンスキル、マネジメントスキルの習得を行い、設計などの上流工程への参画が高収入へとつながっています。資格の取得も転職においては有効に働きます。

9. インフラエンジニアに関するFAQ

Q1. インフラエンジニアの需要状況について教えて下さい。

クラウドサーバーへの移行によってインフラエンジニアの仕事が減っていくのではという意見もありますが、AIやIoT、フィンテックのような新しい分野でのIT技術の活用が進み始めているので、ITの根幹を担うインフラエンジニアの需要がなくなることはないでしょう。

Q2. インフラエンジニアの年収レンジについて教えて下さい。

運用保守のリーダー経験者であれば360万程度を提示される傾向にあります。ネットワークやサーバーの設計、構築までできるとだいたい400〜500万円の年収ゾーンでの採用となります。AWSの構築ができると450万円以上の年収を提示されることが多く、高い評価を得ることができます。

Q3. インフラエンジニアがキャリアアップするには、どのようなスキルを身につければよいでしょうか?

企業のシステム部門では、インフラエンジニアはネットワークからサーバー、データベースまで幅広く任されるケースが多いため、それぞれの知識・スキルが求められます。勉強方法については「インフラエンジニアになるための勉強方法」もご参照ください。

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