クラウド人材を目指すなら知っておくべき主要プラットフォームの得意・不得意クラウド対応人材の必須知識|AWS・GCP・Azureを網羅的に比較!

最終更新日:2021年3月29日

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クラウドファースト、クラウドネイティブの普及により、オンプレミス環境からパブリッククラウドへと移行する企業が増えています。パブリッククラウドは現状、AWS・GCP ・Azureの3つが市場シェアの多くを占めています。日本国内でも3つのうちいずれかを採用している企業が多いでしょう。今後クラウド人材としての活躍を望むであれば、これら3つのクラウドプラットフォームについて知識を身に着けておきたいところです。ここでは、AWS・GCP・Azureの特徴や機能を比較しています。

1. 「AWS」「GCP」「Azure」の特徴

まず、AWS・GCP・Azureの概要や市場シェアについて解説します。

AWSとは

AWSは、Amazonが提供する世界最大のクラウドプラットフォームです。市場シェア1位を独走しており、2019年時点で45%(※1)ものシェアを獲得しています。

AWSは、単一のサービスを指す名称ではなく、100以上のクラウドサービスの総称です。著名なサービスとしては、仮想実行環境を提供する「Amazon EC2」やDockerコンテナサービスの「ECS」があります。

AWSの特徴は、「実績」と「使いやすさ」の2点に集約されています。AWSはシェア1位を独走しているだけあって、複数の大規模サービスで実績を持つプラットフォームです。また、仕様経験を持つユーザーやエンジニアが多く、Web上に公開されているノウハウも豊富です。AWSに対する疑問をWebで検索すると、比較的容易に解決策を得られるという利点があります。

GCPとは

GCPとは、Google社が提供する世界最大級のクラウドプラットフォームです。市場シェアは2019年時点で5.3%(※2)、クラウドプラットフォーム市場では4位のサービスです。クラウドプラットフォームとしては後発であるものの、先端ITの分野で強みを持つため、徐々にシェアを拡大しています。

GCPの特徴は、「AI・機械学習関連のサービスが強い」ことです。AI・機械学習関連の開発では、GCPの活用が事実上のスタンダードになりつつあります。そもそもGoogle自体が自社サービスの中でAIや機械学習をふんだんに使用しているため、そのノウハウが流用されているわけです。

また、ネットワークの安定性が高いこともGCPの強みといえるでしょう。Googleのデータセンターは、独自開発のサーバーやネットワーク機器が使用されていることで知られています。特に「Jupiter」と呼ばれる独自開発のネットワークスイッチは、2005年頃に開発され、何度も改良を重ねながら使用されてきました。2015年にその存在が公になり、世界のIT業界を驚かせたという経緯があります。こうした独自開発の機器が、急激なトラフィック増減に耐えうるデータセンターを支えているのです。

Azureとは

AzureはMicrosoft社が提供するクラウドプラットフォームです。こちらも世界最大級の規模を誇り、市場シェアは2019年時点で17.9%(※3)、AWSに次いで2位に位置しています。

Azureの特徴は、「オンプレミス環境との親和性が高い」という点に集約されます。長らく業務用アプリケーションの定番であった「Officeシリーズ」のクラウド版である「Office365シリーズ」との連携に強みを持ち、業務アプリケーションのクラウド化が容易です。また、社内ネットワークでオンプレミス型のActive Directoryを用いている場合、Azure AD(Azure Active Directory)の活用で容易にクラウド移行が達成できます。

できることの違いは?

AWS・GCP・Azureは3社ともクラウドサービスとして一通りのラインナップを揃えており、「できること」に大きな違いはありません。ただし、それぞれが得意とする分野はあります。そのため、まず「クラウドで何を実現したいか」を明確にしたうえで、該当する機能単位での比較を行うのが良いでしょう。

※1、※2、※3参考:Gartner「Gartner Says Worldwide IaaS Public Cloud Services Market Grew 37.3% in 2019」

2. 「AWS」「GCP」「Azure」の機能比較

次に、AWS・GCP・Azureの3サービスを比較していきます。

AWS・GCP・Azureのリージョン数、課金単位、無料期間

まず、3つのサービスの「リージョン数」と「課金単位」「無料試用期間」を確認していきましょう。

リージョン数

リージョンとは、クラウドプラットフォームにおける「サービス提供地域」の区切りです。一般的には「領域」「地理的エリア」と翻訳されます。
 

  • ・AWSのリージョン数…21リージョン(66アベイラビティゾーン)

    ・GCPのリージョン数…20リージョン(61ゾーン)

    ・Azureのリージョン数…55リージョン

課金単位

クラウドプラットフォームの課金単位は「利用時間」で区切られることが多いです。AWS・GCP・Azureも例外ではなく、次のような課金単位を採用しています。
 

  • ・AWS…秒もしくは時間単位

    ・GCP…大半のサービスが秒単位

    ・Azure…大半のサービスが分単位

無料試用期間
  • ・AWS…初回のみ12カ月一部機能が無料、一部機能は永続的に無料使用可

    ・GCP…初回のみ3000ドル分のクレジットを含む90日の無料トライアル、一部機能は永続的に無料使用可

    ・Azure…初回のみ200ドル分のクレジット付与、一部機能は永続的に無料使用可

AWS・GCP・Azureの分野別機能比較

次に、分野別の機能比較を行います。3つのクラウドプラットフォームは、いずれも数十~100程度のサービスが存在するため、すべてのサービスを網羅することは難しいでしょう。主要な分野をピックアップし、各プラットフォームの得意分野を把握しておくことで、クラウド移行がスムーズに進められます。

今回ピックアップしたのは、以下の5分野です。

「クラウドコンピューティング」
「コンテナ」
「アナリティクス」
「データ活用基盤」
「ネットワーク」
「機械学習」

以下、各分野の機能を整理しながら比較しています。

クラウドコンピューティング

クラウドコンピューティングは、仮想マシンサービスを用いて計算リソースを提供する分野です。AWSは「EC2」、GCPは「Compute Engine」、Azureは「Azure Virtual Machines」が主なサービスとなっています。

AWSのEC2は仮想マシンのラインナップが非常に豊富です。CPUやメモリなどリソースの組合せを自由に選択でき、その種類は100以上に及びます。計算リソースをきめ細やかに設定できることから、規模に応じて最適な仮想環境を構築できるでしょう。

GCPのCompute Engineは、処理性能が非常に高く、一説では3つの仮想マシンの中で最も起動時間が早いと言われています。また、インスタンス作成が数十秒で完了し、環境構築と廃棄のサイクルがスムーズに回せることも強みです。

Azure Virtual Machinesはハイブリッド環境の構築で強みを発揮します。これはAzure Stackという機能で実現されており、オンプレミス環境をベースとしつつ、社内向けのプライベートクラウドやホスティング型のパブリッククラウドを容易に構築可能です。また、Azure Stackは仮想マシンのパフォーマンスやセキュリティを一か所で管理できる「Azure Advisor」によって管理コストを低減できる点も特徴のひとつです。

以上の事柄を総合すると「カスタマイズの柔軟性ならばAWS」「単純な処理速度ならばGCP」「管理機能やオンプレミスとの併用を重視するならばAzure」と結論づけることができます。

コンテナ

コンテナサービスは、コンテナのライフサイクルを管理する「コンテナオーケストレーター」、コンテナイメージを管理・配布する「コンテナレジストリ」などで構成されています。

AWS・GCP・AzureすべてがKubernetesサービスを提供しており、コンテナ運用の負荷軽減に役立てることが出来ます。また、AWSは「Fargate」、Azureは「Container Instance」、GCPは「Cloud Run」といったコンテナ実行基盤を備えており、サーバーレス環境でコンテナを活用することが可能です。

一方、ラインナップを見ていくと、AWSはコンテナオーケストレーター・コンテナレジストリ・kubernetesサービスなどコンテナ関連のサービスを一通り保有しています。これに対し、GCPにはコンテナオーケストレーターがありません。また、Azureは既存アプリのコンテナ化に対応しておらず、ラインナップの豊富さではAWSが最も優秀です。

ただし、開発環境の快適さという点から見ると、GCPが最も優秀かもしれません。これは、Googleが長い間、自社のクラウド基盤にコンテナ環境を採用してきたからです。Googleは自社開発・運用のノウハウを社外向けサービスとして提供する能力に定評があります。また、Kubernetesも元をたどればGoogleのコンテナ管理ツールがOSSとなったものです。

以上の事柄を総合すると、コンテナに関しては「何でもできる便利なAWS」「性能と実績のGCP」と言えるでしょう。

アナリティクス

アナリティクスサービスでは、「データ分析」や「データ活用」に関する機能を提供します。データレイク向けクエリサービスが主体であり、AWSの「Amazon Athena」、GCPの「Google BigQuery」、Azureの「Azure Data Lake Analytics」などが主要サービスとして挙げられます。

AWSは、Amazon Athenaはオブジェクトストレージ「S3」と連携しながら、データレイク上に直接SQLでアクセスすることができます。

GCPの「BigQuery」は、Googleが自社サービスで使用している技術を応用し、大容量データを分散環境で高速に処理する能力に長けています。BigQueryは数兆件のデータを数秒で検索可能とも言われるほど高速で、「速さ」を求めるシステムには最適なツールだといえるのではないでしょうか。

Azure Data Lake Analyticsは、SQLと似たデータベース言語である「U-SQL」を使用し、ジョブ実行によって大容量データを処理します。

いずれもサーバーレス環境での運用が可能です。アナリティクスサービスはデータ量やデータの質にもよるため単純比較が難しいものの、単純なクエリ実行時間であればGCPの「BigQuery」が最も優れているといえるでしょう。

ストレージ

ストレージは、ビッグデータ活用や分析作業の土台となるサービスです。また、企業のDX推進はデータ活用が鍵になるため、ストレージを中心としたデータ活用基盤の優秀さは要注目の選定ポイントです。

ストレージとしては、AWSの「Amazon S3」、GCPの「Cloud Storage」、Azureの「Azure Blob」などが代表的なサービスです。(いずれもオブジェクトストレージサービス)

AWSについては、「Amazon S3」がストレージサービスの中核であり、あらゆるデータをS3に読み込んでデータレイクを構築することができます。また、データレイクのデータをETLサービス「Glie」で整形したのち、SQLで直接アクセスして使うこともできます。

GCPの「Cloud Storage」は、複数のストレージクラスをAPIで操作できる点が強みです。また、冗長化構成やレイテンシの低さなど、安定性と速度にも定評があります。

Azureの「Azure Blob」は、特に冗長性に優れており、リージョンやデータセンターが何らかの理由でダウンしたとしても、データが失われないというメリットがあります。また、自然災害などでリージョンやデータセンターへアクセスできないときでも、運営元であるMicrosoft社が同期先に切り替え作業を行なうため、自社での接続先変更作業が必要ありません。さらに、読み取り専用ではあるものの、同期先へのアクセスも可能です。

以上のことから、「データレイクとしての活用ならばAWS」「レイテンシの低さならばGCP」「冗長性を重視するならばAzure」と言えるのではないでしょうか。

ネットワーク

ネットワークの分野では、AWS「Amazon Virtual Private Cloud」、GCP「Virtual Private Cloud」、Azure「Azure Virtual Network」など仮想ネットワークサービスを主体としてCDNやDNS、プライベート接続などが提供されています。

ネットワークサービスについては、サービス内容に優劣がつけにくい状況です。3社ともに、IPアドレスの持ち込みやオンプレミス環境との接続などが可能です。DNSサービスについても同様で、3社いずれも権威DNSを中心としたサービスを提供しています。どのDNSサービスを使用しても大きな差はないでしょう。ただし、VPNサービスについてはGCPのみIPsec VPNとなっている点に注意が必要です。IPsec VPNを用いた通信では、グローバルIPアドレスの保持が前提となるため、設定に多少の手間が必要です。もし通信拠点にグローバルIPアドレスが設定できない場合は、Cloud VPNやジャンプサーバー(踏み台、中継店)を経由して接続する必要があります。

機械学習

クラウドプラットフォームのサービスとして、近年注目を集めているのが機械学習の分野です。機械学習の分野で中心となるのは「機械学習モデルの構築」に関するサービスです。AWSでは「Amazon SageMaker」、GCPでは「AI Platform」、Azureでは「Azure Machine Learning」といった機能が該当します。また、自然言語処理、画像認識などのサービスも頻繁に使われています。機械学習分野における3社の主要サービスは以下の通りです。

・AWS
機械学習モデル構築…Amazon SageMaker
自然言語処理…Amazon Comprehend
画像認識…Amazon Rekognition
翻訳…
深層学習を応用した音声読み上げ…Amazon Polly

・GCP
機械学習モデル構築…AI Platform
自然言語処理…Cloud Natural Language
画像認識…Cloud Vision
翻訳…Cloud Translation
深層学習を応用した音声読み上げ…Cloud Text-to-Speech

・Azure
機械学習モデル構築…Azure Machine Learning
自然言語処理…Language Understanding
画像認識…Computer Vision
翻訳…Translator Text
深層学習を応用した音声読み上げ…Speech Services

このように主要サービスのラインナップには差がありません。ただし、AWSには「センサーデータ分析による異常動作検出」「エンドツーエンドの産業機器監視」「産業用機械の状態モニタリングサービス」など、製造業などを対象としたサービスが用意されています。こうしたサービスはGCP・Azureに存在せず、AWS独自のものと言って良いでしょう。

また「機械学習モデル構築」ではAWSのAmazon SageMakerが「学習済みモデルの豊富さ」で強みを持っており、GCPは「バックエンドの処理能力の強さ」が持ち味だと言えます。さらに「自然言語処理」では、AWSが「医療分野」、GCPが「固有表現や構文解析」、Azureが「チャットbot向け機能」という具合に、それぞれ異なる強みを持っています。

AWSは医療分野向けの自然言語処理サービス「Amazon Comprehend Medical」の応用によって医療記録の分析や治療法の抽出などが可能です。これに対しGCPは、「Google Assistant」で使用された自然言語理解システムを応用し、固有表現・感情分析・構文解析などを得意とします。Azureは人の発言の意図を理解する仕組みを利用し、チャットbotや音声対応などカスタマーサービス向けのプラットフォーム構築に活用されているようです。

このように、3社とも機械学習の分野には非常に力を入れており、単純比較が難しい状況にあります。まずは用途と目的を整理したうえで、最適なサービスを選定していくべきでしょう。

AWS・GCP・Azureの総評

これまでの内容から、総合的に見て3者の間に決定的な差はないと言えそうです。ただし、次のように大まかな特徴があることはわかります。
 

  • ・Azure…ラインナップの豊富さ、使いやすさ

    ・GCP…高速な処理速度

    ・Azure…オンプレミス環境とクラウド環境の融合(ハイブリッド化)が容易

3. まとめ

パブリッククラウドに関しては、現状、AWS、GCP、Azureの3つが市場シェアの多くを占めています。日本国内でもクラウド関連のプロジェクトはこの3つのうちいずれかを使用しているものが大半です。これらのプラットフォームの特性を理解したうえで、スキルを身に付けられれば、今後クラウド人材として市場価値を高められるでしょう。

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