Ruby初心者は何を学ぶべき?キャリアパスについても考察

最終更新日:2023年3月20日

RubyはWebアプリケーション開発を中心に使われている、人気のプログラミング言語です。Ruby on Railsというフレームワークの知識を身につければ、就職・転職の幅が広がることも期待されます。また、Rubyに関連してフロントエンド技術やクラウド技術を習得することで、フルスタックエンジニアやテックリードといった高度な職種へと進むキャリアも開けてくるでしょう。本記事では、Rubyをこれから学びたいと考えるITエンジニアに向けて、Rubyの学習方法や求人の傾向、将来性やキャリアパスについて解説します。

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Rubyとは?

Rubyは1995年に公開されて以来、世界中のITエンジニアに採用されてきました。Webアプリケーション制作をはじめとして、さまざまな用途で使われています。日本人のまつもと ゆきひろ氏が開発した言語であるため、日本語ドキュメントが豊富にある点も、Rubyを学習する際のメリットです。

またRubyには、プログラムを生成するためのプログラムともいえる「メタプログラミング」を含め、柔軟性・効率性を高める機能が備わっています。コードが読みやすく、書きやすいため、便利で実用的なプログラミング言語です。

さらに、Ruby on RailsというWebアプリケーション開発フレームワークの存在も、Rubyの人気を支えています。わずかなコマンドでプログラムを自動生成するなど、簡単にWebアプリケーションを構築するための規則や仕組みが豊富に用意されています。

関連記事:Rubyとは何か?特徴やメリット・転職関連情報について解説

Rubyの勉強方法

次に、プログラミング経験はあるものの、Rubyを初めて学ぶITエンジニアに向けて、おすすめの勉強方法を紹介します。

基礎文法

Rubyコミュニティのメンバーによって運営される公式サイト(※)をはじめ、さまざまなRuby初心者向けのチュートリアルが公開されています。他言語との比較を通じて、命名規則やオブジェクトの扱い、繰り返しの書き方といった基礎文法を理解しましょう。また、Rubyの学習サイトや初心者向けの書籍を用いて独学する方法もあります。独学が苦手な方は、Rubyの講座があるプログラミングスクールを利用するのもおすすめです。

Ruby on Rails

Rubyエンジニアとしての就職・転職を考慮すると、Webアプリケーション開発フレームワークであるRuby on Railsの学習も欠かせません。Webアプリケーション開発を効率化できるよう、少ないコマンドで多くの自動処理をしてくれる技術ですが、その価値を最大限活かすためにも、決められた規則を覚える必要があります。

Webアプリケーション制作

基礎を学んだあとは、実際にWebアプリケーションを制作すると理解が深まります。シンプルな記述でさまざまな表現ができるRubyによって、プログラミングの楽しさを実感できるかもしれません。独学やプログラミングスクールでの学習の一環として、自分の興味ある分野のWebアプリケーションを作ってみるとよいでしょう。

※参考:Rubyドキュメント
関連記事:Rubyの勉強方法やスキルレベルを証明する資格について

未経験者のためのRuby学習

プログラミング未経験の場合は、コーディングの基礎を学びながら、Ruby独特の仕様を理解していかなければなりません。以下では、プログラミング未経験者向けのRuby学習方法を紹介します。

環境設定

自分が使用しているコンピューターでRubyを扱う場合、まずは実行環境のインストールが必要です。WindowsやMacといったコンピューターの種類に応じて、公式サイトからRubyの実行環境をインストールしましょう。インストールが成功すると、インタラクティブモードで簡単なスクリプトを実行できるようになります。定番の「"Hello World"」が出力できたら、インストールは成功です。

また、プログラミングを効率的に進めるため、Terapadに代表されるエディターや、RubyMineのようなIDE(統合開発環境)を用意してもよいでしょう。複雑なプログラムを作成する場合でも、文法の誤りを事前に防いだり、不具合を見つけたりする機能が提供されています。

基礎文法

多くのプログラミング言語で共通して実装されている基礎的な構文を学びます。はじめに学ぶべき文法は、変数への代入や簡単な計算、文字列の処理などです。また、配列の処理や条件分岐・繰り返しといった処理を学ぶと、プログラミングの幅が一気に広がります。同じ機能を実装する際にも、異なる記法でより分かりやすく、高速なプログラムを開発できます。ほかにも、コメントの入れ方といったプログラミング作業に欠かせない機能を理解しましょう。

オブジェクト指向

初心者がつまずきやすい点ですが、でオブジェクト指向について理解を深めると、効率的な開発につながります。オブジェクト指向とは、役割ごとに処理やデータを分けて開発する考え方です。Rubyはオブジェクト指向を前提に言語仕様が構成されているため、基礎から応用へと学習を進めるうえで必要な概念といえます。また、Ruby on Railsを学ぶ際や、就職して実務に臨む際にも欠かせないスキルです。

関連記事:Rubyエンジニアになるには!? 未経験から就職・転職する方法もご紹介

Rubyの資格

転職に資格は必須ではありませんが、Rubyに対する理解や意欲を示すのに資格があると役立ちます。以下では、Rubyに関する代表的な資格を紹介します。

Ruby技術者認定試験

Ruby技術者認定試験は、2011年に設立された一般財団法人Ruby Associationが主催する試験です。2022年10月3日より、最新バージョンであるRuby 3に対応した試験が開始されました。受験対象者は主に、Rubyのシステムを設計、開発、運用するエンジニアやコンサルタントです。

Ruby技術者認定試験は、習熟レベルに合わせて「Silver」と「Gold」の2種類があります。Ruby学習の初心者は、まず、Silverの取得を目標にしましょう。Silverでは、Rubyの文法知識、Rubyのクラスとオブジェクト、標準ライブラリの知識が問われます。試験時間は90 分、試験形式はテストセンターでのコンピューター試験です。受験料は16,500円(税込)となっています。(※2023年2月現在)

Rails技術者認定試験

Rubyを学び、Ruby on Railsまで学習が進んだ人は、Ruby on Railsに関する資格を目指すとよいでしょう。2010年に設立されたRails技術者認定試験運営委員会が主催する、Rails技術者認定試験が公開されています。

同試験はベーシックとシルバーの2段階に分かれており、初心者向けは「Rails5技術者認定ベーシック試験」です。Ruby on Railsに関する基礎知識が問われます。試験時間は1時間、試験方式はテストセンターでの受験となっています。受験料は10,000円(税抜)です。(※2023年2月現在)

関連記事:Rubyの資格について|「Ruby技術者認定試験」の詳細をご紹介

Rubyの求人

レバテックキャリアに掲載された実際の求人をもとに、Ruby初心者が対象、あるいはRubyの実務経験不問となっているRubyエンジニアの案件について解説します。(※2023年2月現在)

自社サービスに携わるサーバーサイドエンジニア

Ruby on RailsにもとづいたSaaSアプリケーションの開発・運用に携わります。募集されているサーバーサイドエンジニアは、機能追加や修正を担当する役割です。

応募の必須条件として、Ruby on RailsやPHPのWebフレームワークであるSymfonyなどのフレームワークを用いた開発経験が1年以上あることが挙げられています。また、Ruby on Railsに関しては、実務未経験であっても独学で勉強していれば応募可能です。

加えて、仕事に対するマインドとして、円滑にコミュニケーションが取れる人が求められています。想定年収は350万~500万円です。

受託開発のサーバーサイドエンジニア

大手企業のユーザー向けシステム、ECサイト、大規模コールセンターの社内システムなどを扱う受託開発企業で、Rubyを含めたサーバーサイドエンジニアが募集されています。キャリア志望に合わせて「開発専念」「要件定義から携わる」といった異なる働き方を選択できることが特徴です。希望があれば、サーバーサイドだけではなく、フロントエンドやインフラにも携われる機会が用意されています。

応募条件は、Webアプリケーション開発、またはモバイルアプリ開発経験1年半以上です。プログラミング言語はRuby・PHP・Java・Pythonなどが含まれます。エンジニアとしてのキャリアを加速させたい人向けの案件です。想定年収は300万~500万円となっています。

Rubyエンジニアの求人傾向

ほかのプログラミング言語で数年の実務経験がある場合、一般的に開発を自律的に担当できるスキルが求められます。たとえば、具体的な機能の追加・修正を完遂できる能力が必要です。転職にあたっては、Rubyの実務経験がなくても、ほかのプログラミング言語を使ったWeb系開発の経験があれば、応募できる案件も多いでしょう。

※参考:Rubyの求人・転職情報一覧
関連記事:Rubyエンジニアの転職大全 - 年収や求人数、転職成功事例

Rubyの将来性

Rubyの将来性については、肯定的な意見と否定的な意見があります。Rubyエンジニアとしてのキャリアを検討するうえでは、両方の意見があることを理解しておきましょう。Rubyの将来性について、それぞれの意見を解説します。

Webアプリケーションで多く採用

Ruby on Railsを利用して効率的にWebアプリケーション開発が行えることは、Rubyの大きなメリットです。特に、アジャイル開発を採用するベンチャー企業を中心に人気があります。世界的な大手サービスでも、サーバーサイドではRubyを使っているケースも少なくありません。WebアプリケーションにおけるRubyの人気は、今後も続くと予想されます。

Rubyエンジニアからの人気が高い

TIOBE Indexプログラミング言語ランキングにおいて、Rubyは16位に位置しており、高い人気があります。(※2023年2月現在)
また、QuickWork社の調査「副業で求められるプログラミング言語 3位「Java」、2位「Ruby」、1位は?」では、副業で求められる言語としてRubyが2位にランクインしました。人気の高いRubyはエンジニアのコミュニティ活動が活発で、多くの情報がオンラインで公開されているため、さらに多くのRubyエンジニアを招くという相乗効果が期待されます。

代替技術の存在

一方で、Rubyに否定的な意見として、別の技術で代替される可能性が挙げられています。フレームワークを活用した効率的なWebアプリケーション開発には、PHPなどRuby以外のプログラミング言語が採用されるケースも多いです。

データサイエンスの分野

近年大きく成長しているAIやデータサイエンスの分野では、関連したライブラリが豊富なPythonが先行しているのが実情です。膨大なデータを扱うAIや機械学習のアプリケーション開発においては、処理速度に懸念があるRubyは採用されない場合があります。

関連記事:Rubyの将来性と需要は?懸念点についても解説

Rubyの関連技術

前述したRubyの将来性を踏まえ、Rubyエンジニアとしてキャリアを形成していくにはどうすればよいのでしょうか。Rubyだけではなく、関連する技術を身につけていくとスキルの幅が広がり、エンジニアとしての市場価値が高まるはずです。

フロントエンド技術

Ruby on RailsはWebアプリケーション開発で頻繁に採用されています。そのため、Webアプリケーションに欠かせないHTML、CSSの基礎を学んでおくとよいでしょう。特に、JavaScriptを使ったフロントエンド開発の知識があると、インタラクティブな機能を含めて、優れたユーザー体験を実装できるようになるため、仕事の幅が広がります。

データベース

Webアプリケーション開発には、データベースを使った情報管理の機能が欠かせません。Ruby on Railsでは簡単なコマンドでデータの書き込み・読み出しができますが、データベースの基礎的な概念を理解しておくと、処理の効率化に役立ちます。アプリケーションの要件からデータベース設計ができるようになれば、サーバーサイドエンジニアとしてのキャリアアップにつながります。

クラウド

近年のRuby on Railsを用いたWebアプリケーション開発では、クラウド上で稼働させるケースが多く見られます。そのため、クラウド技術を理解しておくと、Webアプリケーション全体を把握できるようになります。たとえば、AWSを含めたIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)では、管理画面からサーバーを立ち上げて、アプリケーションを稼働させる環境の整備が可能です。また、HerokuなどのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)を使えば、Ruby on RailsによるWebアプリケーションをデプロイ・公開するプロセスが自動化され、運用を含めた効率化につながります。

Rubyエンジニアのキャリアパス

Rubyエンジニアとして経験を積んだあとの代表的なキャリアパスについて解説します。

サーバーサイドエンジニア

Ruby on Railsの実務経験を積むなかで、ビジネスロジックの実装やデータベース処理についての理解が深まっていくと期待されます。Rubyに加えて、PHPやJavaなどのプログラミング言語を学び、汎用的なサーバーサイドのスキルを身につけるキャリアが考えられます。

フルスタックエンジニア

サーバーサイドに加えてフロントエンド開発のスキルも身につけ、異なる技術領域でも柔軟に対応できるフルスタックエンジニアを目指すキャリアもあります。Webアプリケーション開発に採用されるRuby on Railsでは、サーバーサイドとフロントエンド双方のスキルを磨くチャンスが多いでしょう。

テックリード

サーバーサイド開発を中心に多様な技術を身につけたあと、技術チームを牽引する職種へと進むキャリアがあります。テックリードとして活躍するには、ソフトウェアの品質管理やCI/CD(継続的インテグレーション・継続的デリバリー)、DevOps、SRE(サイト信頼性エンジニアリング)といった開発プロセスに関する理解も欠かせません。

プロジェクトマネージャー

管理系のキャリアに興味がある人は、開発経験を活かしながらプロジェクトマネジメントの概念を学ぶとよいでしょう。実務経験にもとづき、品質・納期・コストを最適化するようプロジェクトを運営します。また、アジャイル開発の経験が豊富な人は、スクラムマスターなどのキャリアパスも考えられます。

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