iOSエンジニアとは?仕事内容や求められるスキル、年収を解説

最終更新日:2023年12月1日

iOSエンジニアとは、iOS上で動作するアプリケーション開発を主業務とする職種です。iOSは、Apple社製のスマートフォン「iPhoneシリーズ」に搭載されており、関連するOSには「iPadシリーズ」向けのiPadOSなどがあります。

他のエンジニア分野からiOSアプリ開発に参入する場合は、Apple独自の開発言語や開発環境の知識を身に着けながら、他分野での実務経験をアピールすることがポイントとなります。

この記事では、iOSエンジニアに興味を持ち転職を検討するエンジニアに向けて、仕事内容や年収、必要な知識・スキル、役立つ資格や勉強方法、将来性、未経験から目指す方法などを解説します。

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この記事のまとめ

  • iOSエンジニアの仕事内容は、iOS上で動作するアプリケーションの設計・開発、保守メンテナンスなどがあげられる
  • iOSエンジニアの主に扱う言語はObjective-CやSwiftで、クロスプラットフォーム開発では別の言語も扱う
  • iOSエンジニアになるためには、Objective-CとSwiftの知識や統合開発環境Xcodeの使い方、ライブラリの知識などが必要
  • iOSエンジニアへの転職で役立つ資格には、App Development with Swiftや応用情報技術者試験などがあげられる

iOSエンジニアとは?

iOSエンジニアとは、名前の通りiOSを搭載したデバイス向けのアプリケーションに携わるエンジニア職種です。

iOSはApple社の開発したスマートフォンおよびタブレット用のOSで、2023年11月11日時点では最新版としてiOS17がリリースされています。また同時点で、Apple社の提供するiOS搭載デバイスはスマートフォンiPhoneシリーズです。関連したOSとしてタブレット端末iPadシリーズにはiPadOSが搭載されており、これらで利用するアプリケーションをiOSエンジニアは扱います。

iOSの特徴

Apple社の製品は世界各国で多く使われており、さまざまなアプリケーションが次々と生まれています。実用的なものからゲームなどのエンターテインメントまで、多彩なジャンルのアプリケーションがあることが特徴です。

またiOSアプリケーションは独創的なものも多く、新たな技術へのチャレンジの土台ができていることも強みといえます。

iOSエンジニアの仕事内容

iOSエンジニアの仕事内容は、iOS上で動作するアプリケーションの設計・開発、保守メンテナンスを行うことです。またiOSエンジニアには、利用する環境の変化への対応も求められます。

フロントエンド開発およびサーバーサイド開発

フロントエンド開発とは「実際にユーザーの目に触れたり、操作したりする部分」を開発することです。具体的には、iPhoneにインストールするアプリ本体(ネイティブアプリ)の開発を行います。また、Webシステムにおけるブラウザ上で動作するクライアントサイドの開発を行うこともあります。

一方、サーバーサイド開発は「バックエンド開発」とも呼ばれ、サーバー内で動作する処理の開発を指します。iOS向けのWebアプリやネイティブアプリにおいても、インターネットを介してサーバー上で動作する処理と連携するケースが多くあります。そのため、サーバーサイド開発もiOSエンジニアの仕事に含まれることがあります。

要件定義、設計、開発(コーディング)、テスト

iOS向けのアプリケーション開発も、一般的なシステム開発プロジェクトと同様に、要件定義、設計、開発、テストなどの工程に分けて進められます。iOS向けのプログラムを開発(コーディング)する前後の工程についても、iOSエンジニアの業務範囲となります。

どの工程を担当するかは、所属する企業やプロジェクトによって異なります。実際の求人情報では、設計や開発、テストなどの工程を対象とした求人募集が多いです。この場合、技術的な知識・スキルを求められる傾向が強くなります。

iOS上で動作するアプリケーション開発

iOS上で動作するアプリケーション開発も、iOSエンジニアの仕事のひとつです。アプリケーションの種類としては、Webアプリとネイティブアプリが主流です。先述のフロントエンドのアプリケーションもiOS上で動作するアプリケーションに含まれます。

Webアプリとは、Webブラウザ上で動作するアプリケーションを指します。また、ネイティブアプリとは「あるプラットフォーム上で、直接動作するアプリケーション」のことです。つまり、iOSを搭載したスマートフォンやタブレットで直接動作するアプリケーションを意味します。

APIとの連携

ネイティブアプリから各種のAPIへ連携する処理を記載することも多くあります。APIはWebサービスなどの連携窓口にあたる部分です。各サービスの提供する便利な機能を利用できるため利用シーンは多数存在します。

Apple社からの最新情報のチェック

iOSは、Apple社製のデバイス上で動作するOSです。iPhoneやiPadなどの製品全てにiOSが搭載されるため、iOSエンジニアはApple社からの最新情報のチェックが欠かせません。iOSのバージョンアップや機能の追加廃止などの影響は、アプリの動作やユーザーの使用感にも関わります。このような問題に迅速に対応するには、Apple社からの公式アナウンスを注視する必要があります。

アプリの不具合改修やメンテナンス

iOSアプリケーションのリリース後も、アプリケーションのバグやOSバージョンの更新による不具合、仕様の変更による対応などのメンテナンス業務が引き続き発生します。このようなアプリの不具合改修やメンテナンスも、iOSエンジニアの仕事とされます。

iOSエンジニアの主な使用言語

ここでは、iOSエンジニアが仕事で多く使用する2つのプログラミング言語とクロスプラットフォーム開発でのプログラミング言語について解説します。

主に使用されるプログラミング言語は「Objective-C」「Swift」です。この2つの言語は、Apple社が標準開発言語に定めています。あらかじめiOSの特徴とマッチする仕様に調整されているため、開発効率や品質の高いiOSアプリ作成が可能となります。特に後発のSwiftは軽量で開発コストが低いため、今後Objective-Cからの移行が進むと考えられます。

Objective-C

Objective-Cは、C言語をベースにしたオブジェクト指向型の言語です。「Smalltalk」という文法を用いることで知られており、オブジェクトに対するメッセージの送信によってプログラムが成立しています。Apple社がObjective-Cを、Mac OS Xの標準開発言語として採用したため、iOSエンジニアの必須スキルとなりました。ただし、近年では2014年に登場した「Swift」にその座を奪われつつあります。

Swift

SwiftはApple社が開発し、2014年に公開されたiOS環境のネイティブアプリ開発用言語です。C言語をベースとしています。

文法がやや複雑だったObjective-Cに比べると、Swiftは学習コストが低く習得しやすい言語です。その理由として、SwiftはRubyやPHPといったスクリプト型言語の特徴を取り入れていることがあげられます。コンパイルやメモリ解放、型指定などが必要なく、学習・実装の両面で扱いやすさを取り入れた言語といえるでしょう。

関連記事:
Swiftの将来性は?需要状況や年収別に求められるスキルを解説
Swiftの特徴や言語仕様とは?入門用の基本文法も紹介!

クロスプラットフォーム開発で使用するプログラミング言語

ネイティブアプリの開発において、進展著しいのがクロスプラットフォーム(マルチプラットフォーム)向けの開発環境を使った開発です。名前の通り、一つのコードでiOSやAndroid向けのネイティブアプリが作れるため、効率的に多くのユーザーをカバーできることが大きなメリットです。

クロスプラットフォーム開発では、開発環境に合わせたプログラミング言語を用います。ReactNativeではJavaScript、XamarinではC#、FlutterではDartと環境に合わせてプログラミング言語を選択します。

iOSエンジニアの主な開発環境

iOSエンジニアがよく使用する開発環境について解説します。従来、iOS向けのネイティブアプリのコンパイルにはApple社製のXcodeの利用が前提でしたが、Androidとのクロスプラットフォームに対応した環境も登場しています。

Xcode

Xcodeは、Apple社が開発・配布している統合開発環境です。Swift、Objective-Cでの開発で用います。iOS上で動作するアプリケーション開発に特化しており、PC・タブレット・スマートフォン向けネイティブアプリの開発では必須ツールといえるでしょう。

Unity

ゲームやVR開発の場合は、ゲームエンジンUnityを用いることもあります。Unityで作成したデータをXcode向けに出力し、Xcode側で取り込み・リビルドという流れで開発されます。

React Native

React NativeはFacebook(現meta)が開発したモバイルアプリケーションフレームワークです。クロスプラットフォームに対応しており、iOS向けのネイティブアプリケーション作成も可能です。開発言語にはJavaScriptを利用します。

Flutter(Dart)

FlutterはGoogle社によって開発されたクロスプラットフォーム向けのUI開発フレームワークです。iOS、Androidを始め、Windows、macOS、Linuxなどのデスクトップアプリケーション作成にも対応しています。Google PlayやGoogle Adsなどの開発に採用されており、今後も継続的な発展が見込まれます。FlutterではGoogle社の開発したDartというプログラミング言語を用いてアプリケーション開発を行います。

関連記事:Flutterの将来性は?React Nativeとの違いも解説

iOSエンジニアの需要と将来性

ここでは、iOSエンジニアの需要と将来性について解説します。

iOSエンジニアの需要と将来性について参考となるのが、iOSの主な活躍の場であるモバイルOSとしてのシェアです。Webトラフィック解析サイト「StatCounter」の調査によると、2023年10月時点の日本国内のモバイルOSシェアは、およそ70.21%がiOSでした。これは世界的に見ても非常に高いシェアであり、日本におけるiOSアプリケーションの需要の高さに直接つながるデータといえます。
※StatCounterの調査はアクセスの解析をベースにカウントしているため、契約台数ベースのシェアではないことに注意ください。

種類 シェア率
iOS 70.21%
Android 29.53%
その他 0.26%

iOSアプリは今後も需要が高いと考えられる

日本国内のモバイルOSでは、2023年10月時点でiOSがNo.1のシェアです。2015年頃からiOSは、60%前後のシェアを保持しています。

iOSはスマホ、タブレット向け国内アプリ市場では、非常に強い存在です。今後もApple社が注力する分野であることは間違いなく、今後もiOSには大きな需要があると考えられます。

このことは、iOSエンジニアが将来性の高い職種であると、強く裏付けているといえるでしょう。

最新の情報やスキルの取得が大切

iPhoneなどApple社の製品は、次々と新しい製品が発売されています。新製品が発売されるたびに、新機能の追加や使用されない機能の廃止などが行われます。iOSエンジニアは、これら最新情報を把握してiOSアプリの開発をしなくてはいけません。Apple社の意向に依存してしまうことは、iOSエンジニアのデメリットの一つといえます

ITエンジニアにとって、最新のスキル取得は必須です。もちろんiOSエンジニアも同様に、iOSに関連するスキル取得が大切になります。最新の情報やスキルの取得には、海外サイトなどから情報を得るといいでしょう。

iOSエンジニアに求められる知識・スキル

ここでは、iOSエンジニアになるために必要とされる知識・スキルについて解説します。

アプリケーション開発スキル

iOSエンジニアの仕事はiOSアプリの開発やそのメンテナンスです。このため、アプリケーションの開発における一般的な手法、作業内容についてのスキルと知識が必要となります。

技術的なスキルと知識およびアプリケーション開発の手法、進め方の両方が必要です。

技術面では、プログラミングスキルや開発環境の利用方法、フレームワークを用いた開発、ライブラリに関する知識などが求められます。アプリケーション開発手法については、アプリケーション開発の工程、工程ごとの作業と成果物、チームでの開発における役割の分担などへの見識が必要となります。

プログラミングスキル

iOSエンジニアの主な業務はアプリケーションとその開発に関わるものです。このためアプリケーションを構成するプログラム作成は必須のスキルとなります。

特に、Objective-CとSwiftの言語知識は、iOSエンジニアとして身につけておきたい言語です。この2つの言語は、前述したようにApple社がiOS用の標準開発言語として公開しています。

開発環境(Xcode)に関するスキル

Xcodeは、iOS向けアプリ開発では必須の開発環境です。iOSエンジニアにとっては、Xcodeが使えることは必要なスキルになります。画面設計や画面遷移の順序などを定義する「storyboard」や、アプリを実際の動作環境を想定して動かす「シミュレーター」は、扱えるようにしておきたい機能です。

ライブラリの知識

iOSエンジニアになるためにはライブラリを活用して、効率的かつ高品質な開発を実現することも大切です。以下では、Swiftでよく利用されるライブラリを紹介します。

  • RxSwift…Swiftでの非同期処理やイベント処理を制御するライブラリ

    Combine…イベント処理の制御、非同期処理用のApple社製フレームワーク

    Realm Swift…Swiftアプリでアクセスできるデータベースを提供するライブラリ

    Moya…API通信周辺の処理を手軽に実装するためのライブラリ

    SwiftDateなど…データ関連の記述を効率化できるライブラリ

データベースの知識

iOSアプリケーション構築においてもデータベースの利用は広く行われています。特に注意が必要な点として、大きく2種類のデータベースが存在するため違いを意識して利用することが求められます。

一つはSwiftなどのネイティブアプリ上で利用するデータベースです。スマホアプリ内で利用するため、各スマホに一つずつ置く小型のデータベースとなります。

もう一つのデータベースは、ネイティブアプリやWebアプリが通信する先に存在するサーバーのデータベースです。アプリを通して提供するサービス全体で利用するデータベースであり、大型で大量のデータを格納することが想定されます。

コミュニケーションスキル

一定以上の規模のアプリケーション構築では、複数人でプロジェクトチームを作り、作業を分担して開発することが一般的です。チームで開発を行う場合には、各エンジニア間で連携を取り、認識の齟齬がないことを確認することが重要です。従って、iOSエンジニアにはコミュニケーションスキルも求められます

さらに言えば、コミュニケーションが必要なのはエンジニア間の関係に限ったことではありません。アプリケーション開発においては、社外や社内にクライアントが存在しており、その意向に沿ってモノづくりを行います。クライアントが本当に実現したいことを聞きだして確認するためにもコミュニケーションスキルは欠かせません。

UXの知識

iOSエンジニアの開発するネイティブアプリはユーザーが直接的に利用するインタフェースにあたります。アプリを利用することによりユーザーが得るUX(ユーザーエクスペリエンス)とも密接に関係しているため、iOSエンジニアにはUXに関する知見も必要とされます。

Apple社ではAppleのプラットフォーム上で優れた体験を提供するためのユーザーインタフェースのガイドライン「Human Interface Guidelines」を定めています。日本語版はこちらです。ガイドラインやデザインパターンなどのベストプラクティスを学びUXの知識を身に着けることで、iOSエンジニアとしての高い価値を発揮することが可能です。

設計スキル

いくつかの設計パターンの知識を習得することで、一定の品質と開発効率を高めた設計が可能となります。設計パターンを使えば、ソースコードの肥大化やロジックの煩雑化、属人化などを防げます。そのため、開発・運用保守の両面でメリットがあります。iOSエンジニア向けの設計パターンとしては「MVC」「MVP」「MVVM」「VIPER」「Flux」「RIBs」などが代表的です。

一般的なITエンジニアとしてのスキル

iOSエンジニアの関わるアプリケーション開発の現場でも、一般的なアプリケーション開発と同様の手法が用いられ、工程も同じように分かれていることが多いです。ウォータフォールやアジャイル、プロトタイプ開発などの手法、要件定義・基本設計・詳細設計・コーディング・テストといった一般的な開発工程の基礎は備えておくべき知識となります。

そのほかのスキル

所属組織によっては、iOSアプリと通信するバックエンド処理の開発も担う場合があります。その際に役立つのが、LAMP環境構築やDB系のスキルです。もしインフラ系やDB系のスキル・経験がある場合は、既存のスキルセットを整理してアピールポイントにつなげましょう。

英語力

海外から伝わる最新の技術情報は、翻訳までにタイムラグがあります。Apple社からの情報発信も、最初は英語で行われます。そのため、英語力があれば対応が速くなり有利です。

また開発環境であるXcodeは、英語が標準言語となり日本語には対応していません。メニューが英語になるため、英語力は開発でも活かせます。

iOSは、海外でも大きなシェアを持つOSです。アプリの種類や開発依頼元によっては、海外圏でのリリースが必要になります。この場合、英語を使った業務が発生するケースもあるでしょう。

未経験からiOSエンジニアになるには?

この記事における未経験とは「エンジニア経験はあるが、iOS上での開発経験は無い」場合を意味します。未経験からiOSエンジニアになるためには、次のようなステップが考えられます。

プログラミングスキルを身に付ける

iOSエンジニアとして必須となるのが、プログラミングのスキルです。iOSの標準開発言語であるSwiftやObjective-Cでのプログラミングスキルは基礎といえます。

エンジニアとして業務を行っていてもプログラミングに関わる機会が持てず、プログラミングスキルが身についていないこともあるでしょう。iOSエンジニアとなる際には、良い機会として改めてプログラミングスキルの習得に取り組んでください。

実際にアプリを作ってみる

プログラミングの学習では、テキストを読み、覚えなくてはならない範囲も存在します。しかし、その一方で座学だけではプログラミングを習得することはできません。テキストやWebコンテンツなどを読むだけでなく、アプリの作成環境を用意してサンプルコードを記述して実行してみることが、プログラミングへの理解を深めるためには欠かせません

また、テキストなどでは参考程度で記載されている内容についても自分でプログラムに組み込んで動作を試してみます。上手く動かず試行錯誤して課題を解決することでプログラミングスキルは向上します。

プログラミングスキルを向上させて、何らかのアプリを作成することを一つの目標として学習しましょう。

ポートフォリオを作成する

iOSエンジニアを目指す場合のポートフォリオとは、自分で作成したiOSアプリのことです。自分で作ったiOSアプリを公開して、転職希望先に見せることはスキルアピールの有効な手段になります。ポートフォリオ用のiOSアプリは、習得した知識を余すことなく用いて、自分のスキルがアピールできる作品にするといいでしょう。

関連記事:エンジニアの転職理由とは|面接で使える例文とポイントを解説

iOSエンジニアに必要なスキル・知識を身につける方法

iOSエンジニアに必要となるスキルや知識は前述したとおりです。未経験からこれらのスキルを習得する場合には、独学、学習サイトの利用、スクールに通うといった方法があります。

独学で基礎スキルを形成する

エンジニア経験者であれば、それまでの知識・経験をもとにして、独学で基礎スキルの形成も可能なはずです。ここでいう基礎スキルとは、プログラミング言語のスキルや開発パターンの知識を指します。

基礎スキルを習得するには、書籍やプログラミングサイト・コミュニティを活用して、実際に手を動かすといいでしょう。特にオンラインの学習サービスなどは、自宅での空き時間を使って学習を進められるため、現役エンジニアの独学に適しています。

学習サイト・ツールで学ぶ

インターネット上で提供されている学習サイトを利用することもスキルを身に着けるための方法の一つです。

Swiftの学習の場合は、Apple社の提供する学習ツールSwift Playgroundsの活用がおすすめです。簡単に楽しみながら学習できるため、学習モチベーション維持にも役立ちます。

他にもUdemyのような動画サイトの活用もおすすめです。言語や用途別に様々なコースが提供されているため、レベルや目的にあった学習ができます。

スクールに通う

未経験からiOSエンジニアを目指すのであれば、スクールに通うことも検討するといいでしょう。スクールに通う場合は、Swiftに対応したスクールであるか確認が必要です。

iOSアプリのデザインがカリキュラムに含まれていれば、iOSアプリの操作性やデザイン性について学べます。さらにiOSアプリのリリースについても、カリキュラムに含まれていると開発実務に役立つことでしょう。

またスクールの活用は、難題のスムーズな解決やモチベーションの維持といったメリットがあります

iOSエンジニアへの転職で役立つ資格

iOSエンジニアへの転職では、iOSアプリ向けのプログラミング言語の資格やITエンジニアとしての基礎スキルの高さを示す資格が役立ちます。ここでは、iOSエンジニアへの転職で役立つ資格を紹介します。

App Development with Swift

App Development with Swiftは、SwiftやXcode、App開発ツールに関する基礎知識を証明する資格試験です。Apple社が認定しており、日本国内では株式会社オデッセイコミュニケーションズが運営しています。App Development with Swift Certified UserとApp Development with Swift Associateの2つのレベルが提供されています。

iOS、Swift、Xcodeの開発元であるApple社による資格のため、iOSエンジニアとしての一定のスキルを明確に示せる資格です。2023年11月11日時点では日本語版の試験提供は未定で、英語で受験する必要があります。

関連記事:Swiftエンジニア必見の資格App Development with Swiftを解説

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営し、経済産業省が認定を行うITエンジニア向けの国家試験です。iOSエンジニア向けに特化した資格ではないですが、アプリケーションエンジニアとして応用レベル(実務経験数年程度)のスキルを証明できます。

iOSエンジニアへの転職時にも、エンジニアとしての高い基礎知識を有する証明になります。

ITパスポート試験

ITパスポート試験とは、ITの基礎知識を証明する学生・社会人向きの国家試験です。試験は、ITに関する基礎的な知識から経営知識などが幅広く問われます。iOSエンジニアへの転職に必須の資格ではありませんが、ITの基礎知識が証明できるため、転職活動で知識のアピールには役立つでしょう。

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営する国家試験です。ITパスポート試験や応用情報技術者試験よりも上位の難関資格です。試験では、テクノロジー分野やプロジェクトマネージメント分野、ストラテジー分野などの問題が幅広く出題されます。

マネジメント業務も行うiOSエンジニアを目指すのであれば、プロジェクトマネージャ試験はおすすめの資格試験です。

iOSエンジニアは「やめとけ」「きつい」と言われる理由

iOSエンジニアは、需要のある専門的な知識を持ったエンジニア職種です。しかし、その周囲には否定的な意見も存在しており、「やめとけ」「きつい」という声もインターネットでは散見されます。本項ではiOSエンジニアに対する「やめとけ」「きつい」という意見の理由について考察します。

言語の汎用性がなくApple社の開発にしか使用できない

iOSアプリ開発のスキルは、Apple製品向けにのみ利用することが可能です。一部、Webの構築に向けた機能も提供されてはいますが、汎用性はなく、他の分野の開発には適していません。

iOSエンジニアとして活躍する上ではそのためのスキルがあれば良いのですが、その後のキャリア形成に向けてスキルの幅を広げる機会がない点が大きな問題です。スキル形成の場がなく、iOSエンジニアからのキャリアアップが難しいといえます。

また、Apple社への依存が強いこともエンジニアとして将来に不安を感じる要素となります。Apple社がiOSのサポートを辞めた場合や標準開発言語を変更した場合などに大きな影響を受けることは「きつい」と感じるポイントでしょう。

チームでの開発が苦痛に感じる人もいる

iOSエンジニアとして一定規模以上のアプリ開発に携わる場合、プロジェクトチームに参加して開発を行います。エンジニア間での齟齬が無いよう綿密にコミュニケーションを取りながら開発を進めるためコミュニケーションの機会は少なくありません。また、プロジェクトの管理上、打ち合わせや作業進捗報告なども必要です。

これまでITエンジニアとしての業務経験がない場合や、小人数や個人で開発を行っていた場合には、チームで開発をすることによって必要となるこれらの手間が苦痛と感じられることもあるでしょう。エンジニア職種の環境や現場についての考えには個人差がありますが、iOSにかぎらずチームでの開発が苦手と感じるエンジニアは一定数存在すると考えられます。

Swiftのアップデートが多く、仕様変更の対応が大変

SwiftはApple社が開発し、その後オープンソースとなったプログラミング言語です。iOSアプリケーション開発においては標準開発言語とされており、その普及のためにApple社もサポートに力を入れています。

2023年10月にSwift5.9.1にバージョンアップされるなど、アップデートも盛んに行われています。新たな機能の追加や言語の性能向上はユーザーにとっては歓迎すべきポイントなのですが、iOSエンジニアの場合は歓迎できない場合もあります。アップデートによりSwiftの仕様が変更される場合があるためです。

アップデートによりSwiftの仕様が変わると、iOSエンジニアは仕様に合わせてアプリの修正が必要となる場合があります。その情報のキャッチアップだけでも多くの労力がかかるため「つらい」と感じるポイントの一つです。

最新情報は英語ののためキャッチアップが大変

Apple社の最新の情報は英語で提供されることが多く、英語が苦手なエンジニアの場合にはこの点が苦痛となる場合もあります。ブラウザなどの翻訳機能が充実してきているため対応はしやすくなっていますが、それでも一定数のエンジニアにとっては大きな問題となっています。

iOSエンジニアの平均年収

レバテックキャリアに掲載されている転職・求人情報より、iOSエンジニアの平均年収をある程度推定することが可能です。2023年11月11日時点でプログラミング言語「Swift」「Objective-C」を条件に検索を行い、30件を抽出、年収の最大値と最高値の中間の平均より、iOSエンジニアの平均年収は約664万円と推定できます。

豊富な実務経験を持ち、チームを成功に導く立場のテックリード、PL、PM、PdMなどのポジションを努められるエンジニアの場合には、最大年収1,000万円以上の高年収の案件が多数存在しています。

iOSエンジニア(Objective-C、Swift)の求人・転職情報

iOSエンジニアの求人例

レバテックキャリアに掲載されている求人・転職情報から、iOSエンジニアの求人例を紹介します。

ビジネス向けiOSモバイルアプリケーションの開発

【想定年収】
500~1200万円

【業務内容】
・開発メンバーとの連携による開発進行
・協力会社との技術選定、実装時の問題解決、実開発業務
・コード品質の向上、開発フローの改善提案、開発環境の整備
・既存システムの技術的な改善提案および進行
・開発メンバーとの技術仕様の共有
・ステークホルダー(外部関係者含む)への技術的な仕様説明、外部サービス連携

【必要なスキル・経験】
・Swiftを用いたネイティブアプリケーション開発経験
・Gitを用いた複数人での開発経験
・RESTful APIに関する理解
・詳細設計以降のUI実装経験
・詳細設計以降の機能実装経験

ヘルスケア系iOSモバイルアプリケーションの開発

【想定年収】
360~600万円

【業務内容】
・iOS/Androidアプリの開発・運用(メインはiOS)
・サーバ、ネットワーク、DBなどの設計、構築、運用
・サービスリリース後の効果検証および改善など
・アプリの企画、UI設計など

【必要なスキル・経験】
・iOSアプリの開発経験 3年以上
・チームでプロジェクトを担うため、協調性をもって取り組める方
・仲間を大切にしながらチームで仕事ができる方
・「自分が会社を発展させる」というベンチャーマインドを持った方
・新しいアイデアを出していく意欲溢れる方
・ユーザーが何を求めているかを考え、カタチにできる方
・特定の言語に限らず、幅広くプログラミングスキルを身につけたい方

iOSエンジニアに関するよくある質問

iOSエンジニアに関するよくある質問と回答をまとめました。iOSエンジニアについて知る一助になれば幸いです。

Q1. iOSエンジニアとは何ですか?

iOSエンジニアは、iOS製品向けのアプリケーションに携わるエンジニアです。Apple社製品のiPhoneやiPadで利用するアプリケーションの開発やサービスの運用を行います。iOSは日本国内で非常に大きなシェアを持ち、新たなアプリケーションが次々と開発されています。

Q2. iOSエンジニアに求められるスキルは何ですか?

ユーザーが直接利用するUIを開発するため、利用しやすさなどユーザー視点に立って開発できる人はiOSエンジニアに適しています。また、Apple社の製品上で動作するため、Apple社の製品が好きな方に向いています。iOSのデバイスには最新のテクノロジーが搭載されることも多く、新規技術に触れていたい方も適性があります。

Q3. iOSの強みは何ですか?

iOSの強みには、下記があげられます。


  • ・Apple製のデバイスと相性が良い

    ・Apple製品間での連携がスムーズ

    ・長期間サポートされる

    ・利用しやすいユーザーインタフェース

    ・セキュリティ性能が高い

    ・シンプルなデザイン

まとめ

この記事では、iOSエンジニアに興味を持ち転職を検討するエンジニアに向けて、iOSエンジニアの仕事内容や年収、必要な知識・スキル、役立つ資格や勉強方法、将来性などを解説しました。

iOSエンジニアとは、iOS上で動作するアプリケーション開発を担当する職種です。iOSエンジニアの将来性は、今後もモバイルアプリケーション市場が成長傾向であるため、堅調な需要が続くと予想されます

iOSエンジニアに興味がある方は、この記事を参考に転職を目指してみてはいかがでしょうか。

関連記事:転職エージェントとは?利用の流れやメリット・デメリットを解説

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