RubyはWEB系の開発には無くてはならないプログラミング言語の1つです。そのためエンジニアの需要が高く、習得すれば転職にも有利となる可能性があります。本記事では、Rubyが使われる分野・業界や、学習のポイントなどについて解説していきます。Rubyについて知りたい方、これから勉強をはじめたい方は、ぜひ参考にしてください。
- 1. Rubyとは?Pythonとの違いもチェック
- 2. Rubyを学習する3つのメリット
- 3. Rubyのデメリット
- 4. Rubyが使われる分野・業界
- 5. Rubyの将来性
- 6. Ruby学習におすすめの書籍
- 7. Rubyおすすめの学習方法
1. Rubyとは?Pythonとの違いもチェック
まずRubyの概要について解説した上で、特定領域で利用されやすいPythonと、汎用的な用途で利用されやすいRubyとの違いについて説明します。
Rubyの概要
Rubyは、主にWEBサービスやアプリケーション作成に使われるプログラミング言語です。
Ruby on RailsなどのWEBアプリケーションフレームワークを活用することで、さまざまな用途のWEBアプリケーション構築ができます。
Rubyの大きな特徴として、オブジェクト指向言語であることが挙げられます。データ型すべてがオブジェクトで扱われます。
そのため、プログラミングの学習だけでなく、オブジェクト指向を学びたいと考えている方にとって、Rubyを学習することは大きな理由となるでしょう。
Rubyでできること
Rubyを習得することで、例えば以下のような開発が行えます。
・SNS
Facebook、TwitterなどのようなSNSもRubyで実現可能です。
ユーザー管理(登録・変更・削除)やログイン情報管理、投稿機能などの実装が可能です。
・スクレイピング
Gunosyなどのように、Web上の情報を収集し、それらを加工して新しい情報を生成したり、データ化するなどの処理を行えます。
・ポータルサイト
例えば、Airbnbのように、予約や観光情報など、さまざまな情報を検索する際の入口になるサイトも作ることができます。
・チャットボット
Web上のサポート窓口のひとつとして設置されるケースが多く、人間が伝えた情報に対し、自動応答する機能です。経費削減や効率化が期待できるため、例えば国税庁もチャットボットを設置しています。
Pythonとの違い
RubyとPythonの大きな違いは「利用用途」です。
RubyはRuby on Railsを活用して、アプリケーション開発やWEB制作、その他さまざまな用途で利用されています。
一方でPythonは、機械学習や人工知能・データ分析の開発に強みがあり、それに合わせたライブラリも充実しています。
そのため、プログラミング学習の目的や用途が定まっていない場合には、汎用性に優れ、広く利用されているRubyを学習するのが良いでしょう。機械学習や人工知能・データ分析など学習の目的が明確である場合は、Pythonがおすすめです。
Rubyの入門用サンプルコードを紹介
Rubyを用いたシンプルな文法・構造の解説として、Rubyで「Hello World」の文字列を出力する方法について説明します。
Rubyで文字列を出力する場合は、putsやprintを用います。
putsは改行つきで出力され、printは改行なしで出力される点で異なります。
また、デバッグ用の出力として「p」を用いることもあります。
「Hello World」の文字列を出力する場合は、下記のようになります。
print "Hello World"
puts "Hello World"
p "Hello World"
2. Rubyを学習する3つのメリット
続いて、Rubyを学習するメリットについて、プログラミング言語の特徴や学習環境、エンジニアの需要などの観点で説明していきます。
メリット1 シンプルに記述でき、覚えやすい
Rubyはシンプルな記述のプログラミング言語です。読み書きしやすく、記述の自由度も高いため、初心者でも覚えやすいでしょう。
また、gemやRuby on Railsなどのライブラリやフレームワークを活用することで、Webアプリケーションの構築が容易に行えます。そのため、Rubyを用いたプログラミングの学習や、その先にWebアプリケーションの開発に活用したい場合には、短期間での習得に効果的だと言えます。
メリット2 学習しやすい
Rubyは日本人が開発した言語であるため、日本語ドキュメントが豊富です。また、利用ユーザーも多いため、学習の際にRubyに関する参考情報を素早く手に入れることができます。多くのプログラミング言語は、言語に関する最新の情報はまず英語で展開され、その後日本語に翻訳されるため、どうしても最新の情報を手に入れるまでに時間がかかってしまいます。しかし、Rubyの場合は日本発の言語ということもあり、日本語での最新情報が手に入れやすい点もメリットとして挙げられます。
また、オンラインプログラミング学習サイトなどでも多く扱われているため、独学でも学習がしやすい環境が整っていると言えるでしょう。
エンジニアの需要が高く転職に有利
Rubyは、汎用的な用途で採用している企業も多く、Webアプリケーション開発を行うエンジニアの需要は高いです。
Rubyの普及と発展のための組織であるRuby Associationの活用事例を見ると、さまざまな分野の企業がRubyを採用していることがわかります。
このように、Rubyを使いこなせるようになれば、幅広い分野でのWebアプリケーション開発に活用できるため、転職時に有利です。
3. Rubyのデメリット
一方、Rubyと他のプログラミング言語を比較した際に、それぞれの言語の特徴の違いから、デメリットになる部分も存在します。
デメリット1 実行速度の遅さ
Rubyはインタプリタ方式であるため、コンパイル方式の言語と比べると実行速度は遅い傾向があります。
その理由は、プログラムを1行ずつ機械語に変換しながら実行するためです。
デメリット2 記述に個人差が出てしまう
Rubyは記述の自由度が高い言語で、同じ処理でもさまざまな記述方法が可能です。
それゆえに記述に個人差が出てしまい、他人の書いたコードの理解度が低くなることもあるため、注意が必要です。とくに、複数人数でのチーム開発を行う際、コーディング規約を明確に定めておかなければ、運用・保守コストが高くなってしまいます。チームやエンジニア組織全体でのコーディング規約を定めることが必須です。
4. Rubyが使われる分野・業界
Rubyは汎用的に利用される言語です。ここでは、どのような分野・業界でRubyが使われているのかについて触れていきます。
WEBアプリ開発
WEBアプリの開発に用いられることが多いです。
その理由は、Ruby on Railsの活用によって、WEBアプリ開発の開発効率を向上できるからです。
また、RubyはWEBアプリ開発に活用できる外部ライブラリも豊富であり、Rubyを用いた有名なサービスも国内外に多数存在します。
ECサイト
RubyはECサイトの開発にも活用されています。その理由は、SpreeやSolidusなどのEC用のフレームワークを活用することで、ECサイトに必要なショップ画面や管理者向けの機能、決済処理などの開発効率が上がるためです。
SNSサイト
RubyはSNSサイトの開発にも活用されています。先述のRuby on Railsを活用することで、SNSサイトに必要な機能である、ユーザー情報の登録や管理機能や、コミュニケーション機能、ファイルアップロード機能などの開発効率を上げることができます。
5. Rubyの将来性
さまざまな用途に使用でき、人気の高いRubyですが、今後も高い需要が見込まれるのでしょうか。現在の求人数や人気ランキングから、Rubyの将来性について考察していきます。
現在の求人数
レバテックキャリアでは、Rubyに関する求人が1900件ほど(2022年2月現在)あります。【2020年7月発表】プログラミング言語別求人案件ランキングでも、Rubyは5位になっており、需要の多いことが分かります。
人気の高さ
オンライン学習プラットフォームUdemyでは、Rubyに関する学習コースや講座が600件以上用意されています。
また、IT勉強会支援プラットフォームであるconnpassでは、Rubyに関連する勉強会の数はPHPに関連する勉強会の開催件数とほぼ同等です。このことからもRubyの今現在における需要の高さが伺え、今後しばらくは安定的に仕事が発生することが予想されます。(2022年2月現在)
ただし、Rubyに限らず、言語には流行り廃りがあります。Rubyが使えれば一生安泰とは言い切れません。将来性を考えるのであれば、Rubyと合わせて用いられるRuby on railsなど、関連する知識も身につけておくことが大切です。
他言語との人気度の比較
Githubのランキングにおいては、長年人気のJavaScriptやここ数年で人気が高まっているPythonと比較すると、Rubyは2015年より年々順位を落としているというデータがあるのも事実です。現在の人気の高さは魅力的ですが、今後需要が減る可能性もあることを見越して、学習するべきかどうかを判断するようにしましょう。
6. Ruby学習におすすめの書籍
これからRubyの学習を始めたい方に向けて、おすすめの参考書を3つご紹介します。プログラミング初心者向けから、ある程度基礎知識のある中級者向け、より実践的な技術の習得を目指す上級者向けまでさまざまな書籍がありますので、自分のスキルレベルに合うものを選びましょう。
たのしいRuby 第6版
「たのしいRuby 第6版」は、Ruby入門書の定番です。プログラミング初心者でも読み解けるように、チュートリアルから実践までを切り分けて解説がされています。基礎文法から、テキスト処理、郵便番号データ検索などを題材に、Rubyの基礎を学びたい人におすすめの一冊です。
プロを目指す人のためのRuby入門 言語仕様からテスト駆動開発・デバッグ技法まで
「プロを目指す人のためのRuby入門 言語仕様からテスト駆動開発・デバッグ技法まで」は、プログラミング開発経験者向けに、文法についてサンプルコードと例題を用いて解説されています。
テスト駆動開発・デバッグ技法など、開発現場で必要とされるRuby関連の知識を一通り学びたい人向けの内容になっています。
プログラミング言語 Ruby
「プログラミング言語 Ruby」はRubyの作成者である、まつもとひろゆき氏の著書です。他の書籍と比較すると、より包括的に解説が書かれています。そのため、初心者よりも中級者向けの内容になっています。
7. Rubyおすすめの学習方法
書籍以外にも、さまざまな方法でRubyを学習することが可能です。おすすめの学習方法を2つご紹介します。
まずはRubyを使ってみる
Rubyはシンプルな言語のため、何かしらの言語でプログラミング経験があるのなら、まずは使ってみるのがおすすめです。プログラミング経験者であれば、独習でもそれなりに理解できるはずです。前章で紹介した本に加え、UdemyやProgateなどの学習サイトなどを活用することも検討してみてください。
Progateは、初心者向けのオンラインプログラミング学習サービスです。Ruby学習に興味がある方は、まずは基礎学習レッスンを受けられる無料プランから学習を開始し、応用に進みたい場合には、月額1,078円(2022年3月現在)のプラスプランの利用を検討してみるとよいでしょう。
Udemyは、オンライン学習サービスであり、プログラミング言語に限らずさまざまな学習に活用できます。Rubyのプログラミングを学ぶコースだけではなく、オブジェクト指向やRuby on Railsを合わせて学ぶコースもあります。
スクールの利用もおすすめ
短期間で体系的に学びたい場合にはスクールの利用もおすすめです。独学によるプログラミング学習との大きな違いは、メンターによるサポートが充実しており、継続しやすい点が挙げられるでしょう。
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