- プログラミング言語「Ruby」とは
- プログラミング言語「Python」とは
- RubyとPythonの言語選定のポイント
- RubyとPythonの学習方法
- Ruby、Pythonエンジニアの転職のポイント
プログラミング言語「Ruby」とは
まずは、Rubyの特徴や主なフレームワーク、ライブラリについて解説します。
言語の概要
Rubyは、主にWebアプリケーション開発に用いられています。日本発のプログラミング言語であるため、日本語のドキュメントが豊富にあり、学習しやすい点がメリットです。ただし、Rubyはインタプリタ方式のプログラミング言語で、実行時にプログラムを機械語に変換するため、コンパイル方式のプログラミング言語と比較して実行速度は遅くなります。
用途
Rubyの主な用途はWebアプリケーション作成です。そのほか、SNS、スクレイピング、ポータルサイト、チャットボットの開発にも活用されています。
主なフレームワーク
Rubyの代表的なフレームワークがRuby on Railsです。Ruby on Railsを用いることで、Webアプリケーションに必要な機能の開発を円滑に進められます。ほかにも、軽量で処理が高速なSinatora、基本的な機能に絞ることで動作をスムーズにしたPadrinoなどのフレームワークが挙げられます。フレームワークの活用によって、複数人で開発を進める際の作業効率が高まるほか、コードの統一性を保持しやすくなるでしょう。
主なライブラリ
Rubyの主なライブラリはgemです。プログラムの便利な機能をひとまとめにしたもので、0からの機能開発を行わずに実装できるため、開発効率が向上します。また、bundlerを使うことで、複数のgemの依存関係を保ちながら、gemを管理して開発することが可能です。
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プログラミング言語「Python」とは
次に、Pythonについて解説します。
言語の概要
Pythonは、Webアプリケーション作成、機械学習、データ解析などに活用されるプログラミング言語です。読みやすさやわかりやすさを重視して開発されており、豊富なライブラリも揃えているため、拡張性に優れています。
用途
Pythonは、主に機械学習やデータ解析に用いられます。また、AI開発、スクレイピング、Webアプリケーションの開発にも活用可能です。汎用的なプログラミング言語であり、幅広いシーンで活用されています。
主なフレームワーク
Pythonには、DjangoやFlaskなどのフレームワークがあります。これらのフレームワークを用いることで、Webアプリケーション作成の効率化を図れるでしょう。たとえば、Instagramは、PythonのフレームワークDjangoを用いて開発されています。C言語と比較すると実行速度は遅いものの、開発のしやすさがメリットです。Flaskは、小規模なWebアプリケーションを作るのに適したフレームワークです。
主なライブラリ
Pythonには、用途別のライブラリが豊富にあります。機械学習に活用できるライブラリであれば、ベクトルや行列の演算などの数値計算を行うNumpy、データの読み込み、欠損値の補完などのデータ処理、分析を行うPandasなどが挙げられます。また、棒グラフ、折れ線グラフ、散布図、ヒストグラムなどのグラフ作成を行うMatplotlib、Seabornも便利なライブラリです。
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RubyとPythonの言語選定のポイント
RubyとPythonのどちらを学ぶべきか悩んでいる方のために、言語選定のポイントを解説します。
プログラミングを学ぶ目的によって決める
RubyとPythonでは、それぞれの言語で得意とするものが異なります。そのため、プログラミングを学ぶ目的や開発したいものに合うプログラミング言語を選択することが重要です。たとえば、Webアプリケーション開発が目的であればRubyとRuby on Rails、機械学習が目的であればPythonを選択するとよいでしょう。
学習のしやすさで決める
初心者の場合は、学習のしやすさでどちらを学ぶべきか決めるのもよいでしょう。例えば、RubyとPythonのプログラミングの基礎文法を学ぼうとした時には学習しやすさに大きな違いはありません。しかし、基礎から応用へと学習を進めていく中で日本語ドキュメントが豊富であるという点で、Rubyは参考情報を探しやすく学習しやすいと言えます。
このように、プログラミングの基礎を学びたいのか、その先にある応用方法を踏まえて学びたいのかなど、プログラミングを学ぶ目的によって、プログラミング言語を選定するのが良いでしょう。
これまでの経験やスキルを踏まえて決める
新たに習得するプログラミング言語を選定する場合、これまでに身につけたプログラミング言語との類似点や違いを明確にすることで、RubyとPythonのどちらを選ぶべきかを判断しやすくなるでしょう。例えば、Javaのプログラミング経験者がRubyを学ぶ場合であれば、両者とも強い型付けオブジェクトを取り扱うという共通点があります。Rubyでは静的型チェックがないなどの違いがあります。このように共通点が多い言語を選択すれば習得期間が短くできるメリットがあり、逆に、共通点のない言語を選択すれば新しく学べるものが多いというメリットがあります。
RubyとPythonの技術トレンドを押さえて学ぶ
プログラミング経験者であれば、自分が興味のある技術トレンドに合わせて新たに学習する言語を決めるのも一つの方法です。RubyKaigiや、PyconJPなどのカンファレンスで発表されたトピックをチェックしてみましょう。
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RubyとPythonの学習方法
次に、RubyとPythonの学習方法について解説します。それぞれの学習方法に大きな違いはなく、書籍や学習サイトを活用することで、基本的な文法やアプリケーション開発方法を体系的に学べるでしょう。また、資格の取得を通じて、各言語の理解を深められます。ただし、両者は対象とするフレームワークやライブラリ、関連書籍、関連資格が異なるため、それぞれ解説します。
Rubyの学習方法と関連資格
学習方法
RubyでWebアプリケーション開発を行ううえで、Ruby on Railsの学習は必須です。書籍や学習サイトを活用してRubyを学ぶ場合は、Ruby on Railsを用いたアプリケーション開発について触れているかどうかを確認しましょう。
関連資格
Rubyに関連する代表的な資格がRuby技術者認定試験です。Ruby技術者認定試験には、SilverとGoldの2種類があります。入門レベルであるSilverは、Rubyの文法知識、Rubyのクラスとオブジェクト、標準ライブラリについての知識が問われます。
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Rubyの勉強方法やスキルレベルを証明する資格について
Pythonの学習方法と関連資格
書籍で学習する
Pythonを学習する際には、Python特有のライブラリに対する理解を深めることが大切です。「Pythonエンジニア育成推進協会監修 Python実践レシピ」は、言語仕様や環境構築、コーディング規約のほか、よく使われるライブラリについても解説している書籍です。また、後述するPython関連資格の出題範囲も含まれており、試験対策としても活用できる1冊です。
資格を取得する
Pythonに関連する代表的な資格がPython 3 エンジニア認定実践試験です。Pythonを実践的に使っていくうえで重要な仕様やライブラリの使い方が問われます。試験対策を行うなかで、Pythonの理解を深められるでしょう。また、Python 3 エンジニア認定データ分析試験は、Pythonの基礎知識だけではなく、データ分析の知識も求められる試験です。
Ruby、Pythonエンジニアの転職のポイント
最後に、RubyとPythonに携わるエンジニアへ転職する際のポイントを解説します。
Rubyエンジニアへの転職のポイント
Ruby on Railsのスキルが必須であるかを確認する
2023年2月現在、レバテックキャリアに記載されているRubyの求人内容の多くは、Ruby on Railsを用いたWebアプリケーション開発が業務内容として記載されています。そのため、Rubyエンジニアとして転職する場合は、Ruby on Railsのスキルが求められる可能性が高いです。応募の際には、Ruby on Railsの開発経験が必須であるかを確認しましょう。また、フレームワークを用いた開発経験や、アプリケーション開発経験が求められる場合もあります。
Webアプリケーションの保守開発に必要な考え方を身につけておく
Rubyを用いたWebアプリケーションはすでに多く開発されているため、0から開発する案件は多くないでしょう。稼働中のWebアプリケーションに対する機能拡張や、膨れ上がった運用保守コストを下げるための保守開発を行うことも少なくありません。そのため、新規のWebアプリケーション開発だけではなく、保守開発に必要な考え方を身につけておくことも重要です。
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Pythonエンジニアへの転職のポイント
Pythonを用いた業務内容と自身が携わりたい分野を明確にする
Pythonの用途は、Webアプリケーション開発、機械学習、データ解析、AI開発などさまざまです。そのため、Pythonエンジニアの業務内容は非常に幅広く、転職後のキャリアの方向性も大きく異なります。そこで、転職を検討し始める段階で、自身のキャリアプランをより明確にしておくことが重要です。
業務内容に合わせた専門知識を独学で身につけておく
Pythonを用いた開発では、高い専門性が求められることが多いです。Pythonのプログラミングスキルだけではなく、機械学習やデータ解析、AIなど、業務内容に合わせた専門知識を身につけておきましょう。業務経験がない場合でも、必要な専門知識を独学で深めておく必要があります。
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