RubyとPythonを比較|選ぶポイントや学習方法も解説

最終更新日:2023年12月20日

RubyとPythonは、それぞれ特徴や用途が異なるプログラミング言語です。これからプログラミングを学ぶにあたり、どちらのスキルを身につけるべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、RubyとPythonの違いや言語選定のポイント、学習方法などについて解説します。両者の違いを理解して、自身の目的に合う言語を選択しましょう。

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この記事のまとめ

  • RubyとPythonは特徴や用途が異なるため、目的に合わせて選択すると良い
  • どちらもWebアプリ開発に優れているのに対して、AI開発などPythonの方が有利な分野が多い
  • RubyとPythonはいずれも将来性の高いプログラミング言語なので、目的や背景に合わせて使い分ける

プログラミング言語「Ruby」とは

まずは、Rubyの特徴や主なフレームワーク、ライブラリについて解説します。

言語の概要

Rubyは、主にWebアプリケーション開発に用いられています。日本発のプログラミング言語であるため、日本語のドキュメントが豊富にあり、学習しやすい点がメリットです。ただし、Rubyはインタプリタ方式のプログラミング言語で、実行時にプログラムを機械語に変換するため、コンパイル方式のプログラミング言語と比較して実行速度は遅くなります

用途

Rubyの主な用途はWebアプリケーション作成です。そのほか、SNS、スクレイピング、ポータルサイト、チャットボットの開発にも活用されています。

主なフレームワーク

Rubyの代表的なフレームワークがRuby on Railsです。Ruby on Railsを用いることで、Webアプリケーションに必要な機能の開発を円滑に進められます。ほかにも、軽量で処理が高速なSinatora、基本的な機能に絞ることで動作をスムーズにしたPadrinoなどのフレームワークが挙げられます。フレームワークの活用によって、複数人で開発を進める際の作業効率が高まるほか、コードの統一性を保持しやすくなるでしょう。

主なライブラリ

Rubyの主なライブラリはgemです。プログラムの便利な機能をひとまとめにしたもので、0からの機能開発を行わずに実装できるため、開発効率が向上します。また、bundlerを使うことで、複数のgemの依存関係を保ちながら、gemを管理して開発することが可能です。

関連記事:Rubyとは?特徴やできることを初心者にもわかりやすく解説

プログラミング言語「Python」とは

次に、Pythonについて解説します。

言語の概要

Pythonは、Webアプリケーション作成、機械学習、データ解析などに活用されるプログラミング言語です。読みやすさやわかりやすさを重視して開発されており、豊富なライブラリも揃えているため、拡張性に優れています

用途

Pythonは、主に機械学習やデータ解析に用いられます。また、AI開発、スクレイピング、Webアプリケーションの開発にも活用可能です。汎用的なプログラミング言語であり、幅広いシーンで活用されています。

主なフレームワーク

Pythonには、DjangoやFlaskなどのフレームワークがあります。これらのフレームワークを用いることで、Webアプリケーション作成の効率化を図れるでしょう。たとえば、Instagramは、PythonのフレームワークDjangoを用いて開発されています。C言語と比較すると実行速度は遅いものの、開発のしやすさがメリットです。Flaskは、小規模なWebアプリケーションを作るのに適したフレームワークです。

主なライブラリ

Pythonには、用途別のライブラリが豊富にあります。機械学習に活用できるライブラリであれば、ベクトルや行列の演算などの数値計算を行うNumpy、データの読み込み、欠損値の補完などのデータ処理、分析を行うPandasなどが挙げられます。また、棒グラフ、折れ線グラフ、散布図、ヒストグラムなどのグラフ作成を行うMatplotlib、Seabornも便利なライブラリです。

関連記事:Pythonとは?特徴やできること・活用事例などを解説!

RubyとPythonの言語選定のポイント

RubyとPythonのどちらを学ぶべきか悩んでいる方のために、言語選定のポイントを解説します。

プログラミングを学ぶ目的によって決める

RubyとPythonでは、それぞれの言語で得意とするものが異なります。そのため、プログラミングを学ぶ目的や開発したいものに合うプログラミング言語を選択することが重要です。たとえば、Webアプリケーション開発が目的であればRubyとRuby on Rails、機械学習が目的であればPythonを選択するとよいでしょう。

学習のしやすさで決める

初心者の場合は、学習のしやすさでどちらを学ぶべきか決めるのもよいでしょう。例えば、RubyとPythonのプログラミングの基礎文法を学ぼうとした時には学習しやすさに大きな違いはありません。しかし、基礎から応用へと学習を進めていく中で日本語ドキュメントが豊富であるという点で、Rubyは参考情報を探しやすく学習しやすいと言えます。
このように、プログラミングの基礎を学びたいのか、その先にある応用方法を踏まえて学びたいのかなど、プログラミングを学ぶ目的によって、プログラミング言語を選定するのが良いでしょう。

これまでの経験やスキルを踏まえて決める

新たに習得するプログラミング言語を選定する場合、これまでに身につけたプログラミング言語との類似点や違いを明確にすることで、RubyとPythonのどちらを選ぶべきかを判断しやすくなるでしょう。

例えば、Javaのプログラミング経験者がRubyを学ぶ場合であれば、両者とも強い型付けオブジェクトを取り扱うという共通点があります。Rubyでは静的型チェックがないなどの違いがあります。

このように共通点が多い言語を選択すれば習得期間が短くできるメリットがあり、逆に、共通点のない言語を選択すれば新しく学べるものが多いというメリットがあります。

RubyとPythonの技術トレンドを押さえて学ぶ

プログラミング経験者であれば、自分が興味のある技術トレンドに合わせて新たに学習する言語を決めるのも一つの方法です。RubyKaigiや、PyconJPなどのカンファレンスで発表されたトピックをチェックしてみましょう。

関連記事:Rubyの将来性と需要は?懸念点についても解説

RubyとPythonを多角的に比較

RubyとPythonの選び方を確認したところで、ここからは様々な視点でRubyとPythonを比較していきます。
比較する項目は以下の6点です。

  • ・Webアプリケーション開発

    ・AI開発

    ・年収

    ・求人件数

    ・学習コスト

    ・将来性

まずは以下の表で適している言語をご確認ください。

  Ruby Python
Webアプリケーション開発
AI開発
年収
求人数
学習コスト
将来性

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

Webアプリケーション開発

RubyとPythonはどちらもWebアプリケーション開発に広く使用されています。Rubyでは、Ruby on Railsというフレームワークがよく利用され、PythonではDjangoがよく利用されます。両者ともにWebアプリケーション開発に必要な機能が搭載されているフルスタックフレームワークであり、学習難易度が低い点も共通しています。

とはいえDjangoとRuby on Railsを比較すると一般的にRuby on Railsが使用される機会が多いです。そのため、Webアプリケーション開発を極めていきたい方にはRuby on Railsがおすすめです。

AI開発

AI開発の分野では、Pythonが優れています。Pythonは、機械学習やディープラーニングなどのAI開発に必要なライブラリが充実しているからです。一方で、RubyでもAI開発は可能ですが、Pythonに比べてライブラリが少ないため、Pythonと比較してAI開発に向いていません。

年収

RubyとPythonの年収を比較するとPythonの方が高い傾向にあります。Rubyの平均年収は400〜600万円に対してPythonの平均年収は500〜800万円です(2023年11月現在)。
また、2023年11月時点でレバテックに掲載されている求人を確認すると、下記の給与幅があります。

Ruby:330~2,000万円
Python:400~2,000万円


上記の通り、いずれの言語も非常に給与幅が広いため、言語差よりスキルや経験差で給料に差がつくことが分かります。

求人件数

RubyとPythonを比較するとPythonの求人のほうが多いです。2023年11月現在でレバテックに掲載されている求人数は下記の通りです。

Ruby:3,241件
Python:5,138件


上記の通りPythonの方が求人数が多いです。また、RubyはWebアプリケーション開発の求人に集中しているのに対して、Pythonは様々な職種で募集されています。

学習コスト

RubyとPythonはどちらも学習コストが低いとされています。Rubyは日本発祥のプログラミング言語であるため、日本語の解説記事が豊富にあります。一方、Pythonはシンプルにコードを書けるため、初心者でも効率よく学習を進められます。

将来性

Rubyはスタートアップ企業やベンチャー企業で好まれる傾向があります。一方、PythonはAIのプログラミングに不可欠であり、データサイエンティスト向けの言語として需要が高まっています。これらの傾向から、RubyとPythonはそれぞれ異なる分野での将来性があると言えます。

RubyとPythonの学習方法

次に、RubyとPythonの学習方法について解説します。それぞれの学習方法に大きな違いはなく、書籍や学習サイトを活用することで、基本的な文法やアプリケーション開発方法を体系的に学べるでしょう。また、資格の取得を通じて、各言語の理解を深められます。ただし、両者は対象とするフレームワークやライブラリ、関連書籍、関連資格が異なるため、それぞれ解説します。

Rubyの学習方法と関連資格

まずはRubyでおすすめの学習方法と関連資格を見ていきましょう。

学習方法

RubyでWebアプリケーション開発を行ううえで、Ruby on Railsの学習は必須です。書籍や学習サイトを活用してRubyを学ぶ場合は、Ruby on Railsを用いたアプリケーション開発について触れているかどうかを確認しましょう。

関連資格

Rubyに関連する代表的な資格がRuby技術者認定試験です。Ruby技術者認定試験には、SilverとGoldの2種類があります。入門レベルであるSilverは、Rubyの文法知識、Rubyのクラスとオブジェクト、標準ライブラリについての知識が問われます。

関連記事:
Rubyの資格について|「Ruby技術者認定試験」の詳細をご紹介
Rubyの勉強方法や学習サイト、スキルを証明する資格を紹介

Pythonの学習方法と関連資格

次にPythonのおすすめの学習方法と関連資格を見ていきます。

学習方法

Pythonを学習する際には、Python特有のライブラリに対する理解を深めることが大切です。「Pythonエンジニア育成推進協会監修 Python実践レシピ」は、言語仕様や環境構築、コーディング規約のほか、よく使われるライブラリについても解説している書籍です。また、後述するPython関連資格の出題範囲も含まれており、試験対策としても活用できる1冊です。

関連資格

Pythonに関連する代表的な資格がPython 3 エンジニア認定実践試験です。Pythonを実践的に使っていくうえで重要な仕様やライブラリの使い方が問われます。試験対策を行うなかで、Pythonの理解を深められるでしょう。また、Python 3 エンジニア認定データ分析試験は、Pythonの基礎知識だけではなく、データ分析の知識も求められる試験です。

Ruby、Pythonエンジニアの転職のポイント

RubyとPythonに携わるエンジニアへ転職する際のポイントを解説します。

Rubyエンジニアへの転職のポイント

Rubyエンジニアへ転職する場合は以下の2点を確認しましょう。


  • ・Ruby on Railsのスキルが必須であるか確認する

    ・Webアプリケーションの保守開発に必要な考え方を身に付けておく


それぞれについて詳しく見ていきましょう。

Ruby on Railsのスキルが必須であるかを確認する

2023年12月現在、レバテックキャリアに記載されているRubyの求人内容の多くは、Ruby on Railsを用いたWebアプリケーション開発が業務内容として記載されています。そのため、Rubyエンジニアとして転職する場合は、Ruby on Railsのスキルが求められる可能性が高いです。応募の際には、Ruby on Railsの開発経験が必須であるかを確認しましょう。また、フレームワークを用いた開発経験や、アプリケーション開発経験が求められる場合もあります。

Webアプリケーションの保守開発に必要な考え方を身につけておく

Rubyを用いたWebアプリケーションはすでに多く開発されているため、0から開発する案件は多くないでしょう。稼働中のWebアプリケーションに対する機能拡張や、膨れ上がった運用保守コストを下げるための保守開発を行うことも少なくありません。そのため、新規のWebアプリケーション開発だけではなく、保守開発に必要な考え方を身につけておくことも重要です。

関連記事:
Rubyエンジニアに未経験から転職! 年収や求人数、転職成功事例
未経験からRubyエンジニアになるには? 必要スキルや年収、求人例も紹介

Pythonエンジニアへの転職のポイント

Pythonエンジニアへ転職する場合のポイントはRubyと異なります。以下の2点を確認しましょう。


  • ・Pythonを用いた業務内容と自身の携わりたい分野を明確にする

    ・業務内容に合わせた専門知識を身に付けておく


それぞれについて詳しく見ていきましょう。

Pythonを用いた業務内容と自身が携わりたい分野を明確にする

Pythonの用途は、Webアプリケーション開発、機械学習、データ解析、AI開発などさまざまです。そのため、Pythonエンジニアの業務内容は非常に幅広く、転職後のキャリアの方向性も大きく異なります。そこで、転職を検討し始める段階で、自身のキャリアプランをより明確にしておくことが重要です。

業務内容に合わせた専門知識を独学で身につけておく

Pythonを用いた開発では、高い専門性が求められることが多いです。Pythonのプログラミングスキルだけではなく、機械学習やデータ解析、AIなど、業務内容に合わせた専門知識を身につけておきましょう。業務経験がない場合でも、必要な専門知識を独学で深めておく必要があります。

RubyとPythonに関するよくある質問

最後にRubyとPythonに関する質問に回答します。

Q1. RubyとPythonはどちらが良いですか?

RubyとPythonは得意領域が異なるため、目的と状況に合わせて使い分けましょう。AIやデータサイエンスの分野ではPython、Webアプリケーション開発ではRubyを使用する場合が多いです。

Webアプリケーション開発はPythonにも強力なフレームワークがあるため、状況に応じて使い分けましょう。

Q2. RubyとPythonの難易度を教えてください

RubyとPythonはいずれも難易度が低いプログラミング言語と言われています。RubyもPythonも人気のプログラミング言語で教材が豊富だからです。また、Rubyの場合は合わせてRuby on Railsの学習が必要になりますが、合わせて学習できる教材が多いため初心者でも学習できます。

Q3. RubyとPythonでできることは何ですか?

Rubyが得意とする開発領域は5点です。


  • ・Webアプリケーション開発

    ・Webサイト開発

    ・スクリプト開発

    ・データベース操作

    ・スクレイピング


一方でPythonの得意とする開発領域は5点です。


  • ・機械学習やデータ分析

    ・スクレイピングやデータマイニング

    ・Webアプリケーション開発

    ・業務の自動化

    ・ゲーム開発

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この記事の監修

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