- ネットワークエンジニアの仕事にツールが必要が場面とは
- ネットワークエンジニアの仕事によく使われるツール13選
- ネットワークエンジニアの仕事をより効率化できる便利ツール5選
- ネットワークエンジニアに関するよくある質問
- まとめ
ネットワークエンジニアの仕事にツールが必要が場面とは
ネットワークエンジニアはサーバーやPC、各業務拠点などを繋ぐネットワークの設計・構築・運用・保守を行うエンジニアです。特に実際のネットワーク機器やサーバーに接続して行う構築・運用・保守、それに伴う調査といったシーンでは、機器上の設定ファイルやネットワーク上の通信の状況、サーバーの監視などを行うためにソフトウェアツールの活用が必須となります。業務上よく使用されるツールを知っておくことで、業務の効率的な遂行に役立てましょう。
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ネットワークエンジニアの仕事によく使われるツール13選
ネットワークエンジニアの業務でよく利用される、定番ともいえるツールについてご紹介します。類似する用途でよく使われるツールが複数存在する場合もあるので、用途ごとにツールをまとめていきます。
ターミナルエミュレータ
サーバー上の機能を端末(PC)上でエミュレート(再現)するツールをターミナルエミュレータといいます。ネットワークエンジニアはネットワーク上のサーバーを介してネットワーク機器へのアクセスを行うことが多いため、あらゆる構築、運用、調査の業務においてターミナルエミュレータを利用します。
TeraTermシリーズ
定番ともいわれるオープンソースのターミナルエミュレータです。日本発のソフトウェアで、現在はTeraTerm Projectにより開発が続けられています。軽快さと操作性の良さが特徴で、国内ではもっともよく使われているターミナルエミュレータです。
TeraTermはルーターなどの機器を設定する際に便利であり、シンプルで直感的に操作が可能。業務によっては必須ツールともいわれ、これからネットワークエンジニアとして働きたい方にとっては基本のツールです。オープンソースのため業界初心者にとっても始めやすいでしょう。
参考:Tera Term
poderosa
poderosa(ポデローサ)複数のサーバー接続を同時に扱うことのできるタブ型表示や画面分割ができることが特徴のターミナルエミュレータです。各サーバーで背景の色を変えるなど遊び心も感じられるツールであり、視覚的に理解しやすいUIが特徴です。
またAWS(アマゾンウェブサービス)をサポートしています。AWSは採用する企業が増加中であり、ネットワークエンジニアとして活躍の場を広げられるメリットも考えられるでしょう。
Poderosa4まではオープンソースで、Poderosa5以降は商用ソフトウェアとして販売されています。
puTTy
puTTyは早期にSSH2への対応を行い、大きなシェアを得たオープンソースのターミナルログオンソフトウェアです。
TelnetやSSHなどによってネットワーク上の他のコンピューターにログインし遠隔操作したり、周辺機器などと通信できたりします。また、さまざまなプロトコルに対応しており、上位プロトコルを使用せず直接TCP接続できるモードも搭載。ネットワーク上でのさまざまな作業が便利になり、ネットワークエンジニアとして必須でありおすすめのツールです。
Winodows以外にもMacOSやandroid向けのアプリケーションもリリースされています。日本語化対応版や拡張版も豊富で、今後も発展が見込まれるソフトウェアです。
参考:puTTy
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サーバソフトウェア
サーバーソフトウェアは、FTPサーバ・TFTPサーバ・Syslogサーバなどの機能を持っており、サーバー環境構築時などに業務効率向上に繋がる便利なソフトウェアです。
Serva
Servaとは容量が2MBと超軽量が特徴のサーバーソフトです。インストール不要のためUSBメモリーに入れて使うこともでき、離れたクライアントとファイルのやり取りをする際の一次的なFTP利用で便利に活用できます。
ネットワークを介してOSなどをインストールするサーバーにも対応しているため、システムの運営や保守にはもちろん、管理する場合にも便利です。
BlackJumboDog
BlackJumboDogは、軽量なパーソナルサーバです。Web・Ftp・Proxy・DNS・DHCP・SMTP・POP3・TFTP等のサーバを手軽に構築することが可能で、多機能さが特徴となっています。SAPPOROWORKSにより作成されており、Githubにもソースコードが公開されています。
簡潔にいうとサーバー機能をPCに備えるためのツールであり、メールサーバー・Webサーバーを取り付ける際にネットワークエンジニアの多くが利用しています。開発PCの分野で活用されることが多めとはいえ、ネットワークエンジニアにとっても活用しやすく人気の高いツールです。
Tftpd64
TFTPサーバ/クライアントおよびDHCPサーバ、Syslogサーバ等の機能を持つフリーのオープンソースソフトウェアです。以前から存在したTftpd32の64ビット版で、64ビットのWindowsで利用することができます。
ネットワーク上では、ファームウェアアップデートやバックアップを取得する際に、TFTPを使用するケースが多いです。TFTPとFTPには認証機能の有無という違いがありますが、TFTPを使用する際に利用できるツールであり、ネットワークエンジニアの業務上利用する用途に合わせて使い分けられます。
smtp4dev
ダミーのSMTPサーバが構築できるソフトウェアです。メール送信機能の開発時等に簡易なメールサーバを用意する、といった用途で利用できます。
3CDaemon
3CDaemonはFTPサーバ、Syslogサーバ、TFTPサーバ、クライアントが一つのソフトになっているソフトウェアです。複数のツールがあらかじめまとめられている状態なので、別々にソフトをインストールして使用するよりも扱いやすいです。
PINGツール
ネットワークの疎通確認でよく利用されるpingコマンドを拡張するツールです。PINGツールを活用することで、複数デバイスへのコマンド実行、ネットワークの監視などが可能になります。
ExPing
ExPingは複数のデバイスへ同時に定期的にpingを実行できるほか、pingだけでなくtracerouteも実行可能となっています。また、多機能でありながら使い方が非常にシンプルなところも特徴です。通信の到達性を試験するために使用するコマンドであるため、ネットワークの保守・運用の際に活用されます。
小規模ネットワークの監視ソフトとして活用する場合もあり、最終更新が2005年ながらも現在まで利用され続けているツールです。
参考:WoodyBells「ExPing」
パケット送信
ネットワーク上にパケットと呼ばれるデータを送信するツールです。ネットワークの疎通確認、トラフィックの確認などに利用します。
ipsendwin
任意のMACフレーム、IPアドレスに対してパケット送信ができるWidows専用のツールです。MACアドレス、IPアドレスを設定しIPパケットを生成することでネットワーク上に送信できます。ipsendwinで「ファイアウォールを通過できるパケット」と「通過できないパケット」を生成することで、ファイアウォールの検証を行うことが可能。ネットワークの保守点検で活用されることが多いでしょう。シンプルなGUIながら長く使い続けられています。
パケットキャプチャ
ネットワーク上を通過するパケットを取得し、トラフィックを監視するツールです。
Wireshark
WireSharkはネットワーク上のパケットを取得し、分析するネットワークアナライザソフトです。ネットワーク上の不審なパケットの監視、解析など、ネットワークエンジニアが受け持つトラブルの調査では欠かせないツールです。
FTPクライアント
ファイル送受信を行うFTPプロトコルを利用する場合に、クライアントとして利用するツールです。
WinSCP
FTP・SFTP・SCPの3つのプロトコルのクライアントとして利用可能なツールです。安全なファイルコピーを実現しており、日本語にも対応しています。
このうちSCPはFTPクライアントの中でも、特にセキュリティの高いものです。情報漏洩のリスクを考慮しながらファイルのアップロードができるため、ネットワークエンジニアが現場作業する際にデータ共有ツールとして活用されています。
関連記事:ネットワークエンジニアの構築業務|流れや必要なスキル・資格を解説
テキストエディタ
PCやサーバー上のテキストファイルやネットワーク機器に設定するテキストを編集するためのツールです。高度な文章の整形などの機能を備えています。
サクラエディタ
windows用の日本語テキストエディタです。マクロ機能やプログラム言語向けのカラー強調表示など多彩な機能を搭載しています。
マクロ連携ができるツールとして有名で、先ほどご紹介したpingをサクラエディタを通じてログファイルとして保存できます。楽にpingを流せるツールであり、ネットワークエンジニアが活用するテキストエディタとして広く使われています。
TeraPad
1994年から続く長い歴史を持つテキストエディタです。基本的な機能を搭載したエディタですが、デフォルトで「元に戻す」機能が64回使用できる点で便利だと感じるエンジニアもいます。プログラミング上の「行番号」が表示されているため一目で認識でき、HTMLタグ・Javascriptなどを色分けも可能。
シンプルで業務上使いやすい機能が多いことが、長く使われている理由でしょう。
関連記事:ネットワークエンジニアに必要な勉強内容とその学習方法
FileZilla
FileZillaはFTPクライアントの中でも使いやすく人気のあるツールです。通信方式は複数対応していて、ファイルのアップロードも簡単です。ネットワークエンジニアだけでなく、CMSでサイトを運営している人などの間でも使用頻度が高いでしょう。
スクリーンショット
現在のWindowsやスマホなどではデフォルトで搭載されている、表示中のGUIを画像として保存するスクリーンショット機能のためのソフトウェアです。何らかの理由でスクリーンショット機能が利用できない端末ではツールの利用を行います。
WinShot
ネットワークエンジニアの作業には画面のキャプチャや共有、印刷する場面が多くあります。WinShotは画面のキャプチャ後すぐファイル保存と印刷が行えるため、効率的に画面共有が可能。ファイルの格納まで自動的に行ってくれるため、フォルダ管理も簡単です。
WindowsVista以降は正式に対応していないものの、それ以前の環境でよく利用されていたスクリーンショットツールです。古い環境を利用する場合には重宝します。
差分チェック
インフラ設定でよくあるトラブルの原因が、設定ファイルの誤りです。その対処方法として最もベーシックなものが、正しい設定ファイルとの差分の比較を行うことです。
WinMerge
ファイルやフォルダを並列に表示し、差分を色の違いにより表示してくれるツールです。設定ファイルの比較やプログラムの修正など、広くITエンジニアに利用されています。比較に特化したソフトであるため、定期的なバージョンアップ対応に活用されます。ファイルにある内容の結合も可能であり、新旧を同時にマージする際にも便利です。
DF
並列二画面のわかりやすい形式でファイル比較ができるツールです。設定前、設定後のコンフィグの比較や対象的なNW構成における比較で活用することが多いです。DFはメジャーなツールであり、直感的に操作できるUIが特徴。使用方法はシンプルであるため、初心者にもおすすめのツールです。
サブネット計算
ネットワークエンジニアの業務上で必要となるのがサブネットアドレスの算出です。アプリケーションによる算出やWebサイトを利用することで効率的にサブネットが計算できます。
SubnetMaskCalculator
Webサイトが利用できない環境で使うことができるソフトウェアです。JavaScriptやPHPでのスクリプトが公開されています。IPアドレスとサブネットマスクを入れると自動的にホスト数、サブネット数を算出してくれます。そのためスピーディに計算できるとネットワークエンジニアから評判のツールです。
無線LANのモニタリング
ネットワークエンジニアの仕事には無線LAN環境の構築も含まれており、現地作業では接続状況のモニタリングソフトを利用します。
inSSIDer
米Metageek社により開発されたネットワークスキャナーソフトです。インストールしたPCの無線LANから接続可能なアクセスポイントの各種情報を取得することができます。周波数帯の干渉や受信強度を調べることができるため、無線LAN環境の構築で活躍するツールです。現在はオープンソースではなくなったため、入手や利用には注意が必要です。
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ネットワークエンジニアの仕事をより効率化できる便利ツール5選
ここからはネットワークエンジニアの業務において、使いこなすと業務を効率化できるツールをご紹介します。サポートとしての機能が強いツールをピックアップしているため、必ずしも習得する必要はありませんが、エンジニアとしての地力向上のために一つずつチェックしておきましょう。
ネットワークシミュレーター(GNS3)
GNS3はネットワーク環境のシミュレーターです。CISCO社のルータなどの機器をエミュレートすることが可能です。仮想の機器と実際の機器を組み合わせて、複雑なネットワークのシミュレーションを実現できます。
ネットワークエンジニアは新規ネットワークの構築、構成変更を行う必要がありますが検証しながらの作業が基本です。変更点が元々のサービスに悪影響がないかを確認する場合に、GNS3が活用されます。環境の検証だけでなく、CISCO社の資格試験に向けた学習にも利用されています。
操作自動化
Microsoftが提供するPower Platformの一つであり、複数のWebサービスや社内システムをつなげるツールです。ワークフローを定義すればそれに従って連係動作ができ、さまざまな単純作業を自動化できます。
ネットワークエンジニアの煩雑な作業を単純化でき、ネットワークエンジニア以外のエンジニア職でも活用可能。また単純作業によるミスもツールを活用することで防げるため、作業効率化に役立ちます。
Power Automate
Power AutomateはMicrosoftが提供するPower Platformの一つで、複数のWebサービスや社内システムをつなげるツールです。ワークフローを定義すればそれに従って連係動作ができ、さまざまな単純作業を自動化できます。
ネットワークエンジニアの煩雑な作業を単純化でき、ネットワークエンジニア以外のエンジニア職でも活用可能。また単純作業によるミスもツールを活用することで防げるため、作業効率化に役立ちます。
UWSC
UWSCはWindowsの操作を記録して自動化できるツールです。リモートデスクトップにも対応しているので、他の端末も含めて一括で自動操作できるスクリプトを作成できます。単純作業が多い場合などには使用メリットが大きいでしょう。
リモートで利用するコマンドプロンプト(PsTools)
PsToolsはローカルやリモートのサーバーを管理するコマンドラインツールを集めたものです。Windowsの開発元であるMicrosoftからリリースされています。リモートでプロセスの実行や終了、開いたファイルの表示、システム情報の表示、ping、サービスの制御などの機能を持ちます。リモートでの作業が発生するネットワークエンジニアの業務でも活躍するツールです。
ネットワーク管理ツール(TWSNMPマネージャ)
TWSNMP Managerはネットワーク管理ソフトです。障害管理、構成管理、課金管理、性能管理、セキュリティー管理の機能を持っています。1999年から開発が開始され、2011年に開発休止後、2020年に復刻版が作成され、現在はDocker環境で稼働するTWSNMP FCが開発されています。
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ネットワークエンジニアに関するよくある質問
ネットワークエンジニアに関するよくある質問と回答を紹介します。ネットワークエンジニアに求められるスキルや適性を把握しておくことで、今後のキャリア形成や勉強に役立つでしょう。
Q1.ネットワークエンジニアとは何ですか?
ネットワークエンジニアとは、サーバー上にネットワークを構築するエンジニアです。ネットワークの設計、構築、保守運用などの業務を行います。オンライン環境が存在すればネットワークが必要になるので、活躍の場面は幅広いです。
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Q2.ネットワークエンジニアに向いているのはどんな人ですか?
ネットワークエンジニアに向いているのは、ソフトウェアとハードウェアの両方に興味がある人、業務に対する探究心が旺盛な人、人とのコミュニケーションが苦でない人などです。すべてに該当する必要はありませんが、向いている人を目指すのも一つの手です。
関連記事:ネットワークエンジニアへの転職方法|ポイントやキャリアパスも紹介
Q3.ネットワークエンジニアに求められるスキルはなんですか?
ネットワークエンジニアに求められるスキルは幅広いです。ネットワーク関連の実務スキルはもちろん、論理的思考力、課題解決力、コミュニケーション能力など抽象的かつ対象が幅広いスキルも重要になります。
関連記事:ネットワークエンジニアが習得すべきプログラミングスキルは?おすすめ言語や学習法も解説
まとめ
ネットワークエンジニアの仕事では必ずデジタル機器を利用するため、ツールの利用が不可欠です。
各ツールが自分の業務にどの様に利用できるか、ツールを利用してどの様に業務の効率化を図れるかを検討しましょう。その上で、業務に合わせたツールを取り入れるとともに、ツールに合わせて業務の見直しを行うとより効果的です。
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