- インフラエンジニアとは
- インフラエンジニアになるために最低限勉強すべきこと
- キャリアアップを目指すインフラエンジニアが勉強すべきこと
- インフラエンジニア未経験でも実践できる独学での勉強方法
- インフラエンジニアの仕事に役立つ資格
- インフラエンジニアのキャリアパス
- まとめ
インフラエンジニアとは
インフラエンジニアとは、ネットワーク、ハードウェア、OS、ミドルウェアなどを扱い、システム開発におけるインフラの企画・構築・運用に携わるエンジニアです。近年では技術的な選択肢の一つとして、クラウド技術や仮想化技術の利用もインフラエンジニアの業務に含まれます。
サーバーの監視やジョブ管理などの運用業務はよく聞きますが、インフラエンジニアの行う「構築」とは、アプリケーションが動作するための環境(ネットワーク・ハードウェア・セキュリティなど)を作成・整備し、開発チームなどに提供することを指しており、その環境は大きく「オンプレミス」と「クラウド」に分類することができます。
オンプレミスは、従来のハード機器などを用いた環境を構築、運用していく形態です。クラウドはネットワーク経由で仮想サーバーなどを運用をしていく形態で、大企業でもオンプレミスからクラウドに徐々に移行し、導入も以前より増えてきました。
企画、設計、構築、テスト、運用などの工程全てをインフラエンジニアが担当するわけではありません。場合によってはベンダーやコンサルタントと折衝した上で分担したり、端末の操作を専門とするオペレーターに一部作業を担当してもらったりしています。したがって、インフラチーム以外との連携をすることも業務の一つとされています。
インフラエンジニアの種類
インフラエンジニアは専門とする領域により、種類を分けることができます。その種類について、代表的なものを紹介します。
ただし、これらのエンジニア職種の領域は関連性を持っており、複数領域を担当するケースもあるため、必ずしも職種が分かれているとは限りません。所属企業やチーム、プロジェクトによっても変わってくるため注意が必要です。
サーバーエンジニア
インフラの中でもサーバーの設計や構築を主とするエンジニアです。物理的なサーバー機種、構成機器、OS、ユーザーや権限の管理、ミドルウェアのインストールなど、サーバーに関わるあらゆる設定を行います。
近年のサーバー構築では、クラウドの活用や仮想化を使った環境は第一の選択肢とも言えるほど普及しており、サーバーエンジニアにとっても業務範囲に含まれます。
ネットワークエンジニア
コンピュータネットワークの設計や構築を主な業務とするエンジニアです。サーバーやネットワーク用の機器に対し設定を行い、ネットワークを構築します。
ネットワークの分野でもクラウド活用への対応や仮想化技術の普及が進んでおり、これらのスキルも必要となります。
クラウドエンジニア
インフラエンジニアの中でも、近年クラウド環境の構築を専門としたエンジニアをクラウドエンジニアと呼ぶことがあります。クラウドにもプライベートクラウド、パブリッククラウドといった環境の提供者の違い、クラウドベンダーと提供サービスによる内容の違いなどが存在し、専門的知識が必要となります。クラウドエンジニアはクラウドの導入や活用の専門家として期待される職種です。
インフラエンジニアになるために最低限勉強すべきこと
最初に必要となるのは、ITの基礎知識です。コンピュータの大まかな構成やプログラムの動く仕組みなどを身に着けます。インフラエンジニアに限らず、ITエンジニア全般で最低限必要です。
さらに、インフラを構成する要素の基礎として、サーバー、プロトコルとは何かといった知識は勿論、現場で使われる独自ツールや機器の設定に関する知識も身につけていく必要があります。また、知識だけでは無く、実際にインフラの設定を行うための設定作業にも触れておく必要があるでしょう。
優先して習得しておきたいスキルは担当する業務によって変わってきますが、汎用的に使えるスキルとしてCUI(コマンド)操作や、バッチファイル、シェルスクリプト作成のスキルが挙げられます。また、独学での習得は難しいとされていますが、システム障害への対応スキルや経験もあるとなお良いです。
インフラエンジニアがネットワーク系とサーバー系、両者を学ぶべき理由
さらにインフラエンジニアはネットワーク系とサーバー系両方の知識とスキルを備えておく必要があります。その理由は下記の2つが挙げられます。
まず1つ目は、実際の現場において「サーバーに関する業務のみ」「ネットワークに関する業務のみ」と、完全に分業することが少ないからです。
インフラエンジニア は「サーバエンジニア」と「ネットワークエンジニア」という分類をされることがありますが、この二者の定義や作業範囲は現場によって異なります。
例えば、作業端末に必要な機器を接続してIPアドレスやポートを設定、別の拠点からその端末への疎通確認をするなど、どちらとも言えないような業務が多数存在します。
2つ目の理由は、両方の知識がなければシステム全体の仕組みを把握できないからです。具体的な事例として、2020年10月1日に起きた東京証券取引所のシステム障害があります。
記者会見での説明や後日の正式な発表によりますと、障害は注文売買系と運用系の2種類のネットワークのうち、運用系のネットワークにて「共有ディスク装置のメモリ故障」が発生したことに起因しています。本来であれば、異常検知時にサーバー切り替えを実行するはずだが、「制御機構の設定値が適切でなかった」ため障害に至ったとのことです。
つまり、システム障害が起きたのは
-
・ハードウェア(メモリ)の故障・設計と異なった、ファームウェア(ソフトウェア)設定
の2点が原因だと言えます。
機器の故障が発端ではありますが、その機器(制御機構を搭載したストレージ機器)のファームウェア設定がシステム、ネットワーク全体へ影響しているため、どちらかの知識だけではこの障害対応をすることができませんでした。
インフラエンジニアがネットワーク系とサーバー系両方の知識を備える必要があるのは、こういった場面でも迅速かつ的確に障害対応をしなければならないからです。分野を横断したインフラに関する知識が無ければ障害やトラブルの原因特定には至れません。
関連記事:インフラエンジニアに必要なスキルセット・知識とは
ネットワーク系の知識
コンピュータ間を繋ぐ、ネットワークはインフラの中でも重要分野の一つです。どのような仕組みでコンピュータ間の連携が行われているかを理解し、ネットワークの設計や構築を行うための知識とスキルが必要となります。
ネットワークの構築に利用されるルーターやスイッチなどの機器についても知識を持つ必要があります。基本的な役割から、ネットワーク機器のメーカーごとの設定・管理方法などが求められます。
また、不正アクセスなどの防止のためセキュリティに関する知識や、サービスや業務を停止させないための可用性に関する知識の習得も必要です。
サーバー周りの知識
インフラの基盤となるサーバーについて、構成するハードウェア、OS(WindowsやLinuxなど)、ストレージ、ミドルウェアなどに関する知識が必要になります。これらの製品、ソフトウェアの選択基準や、各種の設定を行う意味を理解し、適切にサーバーを構築するためです。
また、近年ではサーバーの構築には仮想化やクラウドサービスの利用が普及しているため、サーバー構築の選択肢の一つとして環境構築や運用に関する知識も求められます。
シェルスクリプトの知識
LinuxなどのUnixベースの言語では「シェルスクリプト」という文字ベースでの管理方法が用意されています。
インフラエンジニアは複数台のサーバを構築する必要がある場面があり、1台1台を画面をマウスで操作していくと膨大な時間がかかり、人為的なミスも発生します。そこで、シェルというOSへの命令を集めたスクリプトを使用することで効率的かつ正確なサーバの構築作業が可能となります。
なお、Windows系のOSでもバッチファイルやPowerShellがLinuxにおけるシェルと同様の役割を果たします。主に業務でWindows系のOSを利用する場合は、こちらを学習するとよいでしょう。
セキュリティの知識
インフラはネットワークや外部デバイスとの接続を持っており、コンピュータネットワークの利用や機能の拡張に役立ちます。一方で、常に外部との接続を持つことは、セキュリティ上の危険にさらされていることも意味しています。
インフラにセキュリティソフトの導入、ファイアウォールやWAF、DMZなどの対策の実施、外部からの侵入検知などのセキュリティ対策を行うことで、多くの被害を防ぐことが可能です。セキュリティ分野は今後のインフラエンジニアにとっても重要視すべき知識・スキルとなります。
プログラミングスキル
インフラエンジニアはシステムを作るよりも、運用に合わせて環境を構築、提供することがメインのミッションです。このため、プログラミングスキルは必須ではありませんが、習得をおすすめします。
プログラミングスキルを習得できると、インフラ設定作業を効率化することができ、業務の幅を広げることに繋がります。また、効率的に作業ができ業務範囲が広いエンジニアは収入も向上するでしょう。
さらに、近年のインフラ業務で重要視されるようになってきた考え方としてIaC(Infrastructure as Code)があります。インフラの設定内容をコード(プログラム)としてファイルに記載することで、再現性を高め、人為的なミスを減らすなどのメリットがあります。特にクラウドサービスの設定では重要となるため、インフラエンジニアにもプログラミングスキルの重要性が高まっています。
関連記事:インフラエンジニアが習得すべきプログラミングスキル
キャリアアップを目指すインフラエンジニアが勉強すべきこと
インフラエンジニアとして活躍中の方が、今後キャリアの向上を図る際に勉強すべきことについて紹介します。
関連記事:インフラエンジニアになるには?必要なスキルや資格を解説
クラウドの知識
近年、クラウドサービスの機能性の向上とコストダウンを追い風に、保守費や修繕費、人件費などを含めたトータルの維持コスト削減や業務効率アップを期待して、オンプレミス環境からクラウド環境に移行する企業が増えてきています(一度クラウドにしてからオンプレミスに戻す「オンプレミス回帰」と呼ばれるケースもありますが、ここでの説明は割愛します)。このようにクラウド化への需要が高まった中で、クラウド移行やクラウド運用に対する経験・知識のニーズは非常に高いです。
クラウドサービスの中でも人気があるのが、Amazonが提供するAWSやMicrosoftが提供するAzure、Googleの提供するGoogle Cloudです。これらの製品に対する知識、利用方法などは、いずれも公式で使い方に関するレクチャーが公開されているので、活用すると良いでしょう。
セキュリティ関係の知識
インフラエンジニアが構築するインフラ環境では、業務上の機密情報や個人情報などの重要性が高い情報を扱う場合があります。扱うデータの重要性が高い場合、セキュリティへの対策は不可欠です。高度なセキュリティ対策が必要なインフラ構築では、求められる技術水準が高くなるため、高収入にも繋がります。
どのような対策を取ればセキュリティを強化、維持できるのか、インフラ上でのセキュリティ脆弱性、最新のセキュリティ対策のトレンドなどの知識はインフラエンジニアとしてのキャリア向上に役立ちます。
マネジメントスキル
キャリアアップのためにはマネジメントスキルは必須です。マネジメントスキルを持つことで、プロジェクトのリーダーなどの責任者として仕事を任せられるため、責任範囲を広げキャリアを向上させることができます。プロジェクト管理者や企業の管理職へ向けたキャリアにも繋がっています。
プレゼンスキル
顧客にインフラ導入や更新での提案を説明をする際には、プレゼンテーションをするスキルが必要です。顧客のITリテラシーは必ずしも高いわけではなく、分かりやすくインフラを説明することでインフラの有用性や必要性を理解してもらえれば、スムーズに設計、構築、運用、保守が進むため、エンジニアとしても多くの成果を出すことが可能となります。
英語
インフラエンジニアの扱う製品の中には、アメリカや英語圏で開発されているものも多く、マニュアルが英語版しか存在しないものも少なくありません。インフラ構築においては、マニュアルを読み込み正確な設定を行うことが重要です。
このため、英語のスキルがあれば製品の理解に繋がりやすくなり、最新情報も獲得しやすいためキャリア向上に役立ちます。
関連記事:インフラエンジニアが英語を使えることで得られるメリット
インフラエンジニア未経験でも実践できる独学での勉強方法
エンジニアは未経験からの挑戦を受け付ける求人が存在する職種ですが、前提として一定の知識とスキルを事前に習得することが求められることがほとんどです。まずはインフラエンジニアとなる前に、独学でも学習をしておくと、転職活動でのアピールポイントとなり、転職後もスムーズに業務に付くことができます。
ただし、独学とは言えとりあえず適当に調べてやってみようでは、効率の良い勉強をすることができません。学習する内容を絞り自分に合った方法を見つけて進めることが重要になります。以下では3つの方法のメリット・デメリットを解説した上で、おすすめするコンテンツをご紹介します。さらに、コンテンツを利用した学習とあわせて行いたい学習についても説明します。
関連記事:インフラエンジニアの転職で知っておきたいこと
書籍での学習
独学を行う際のスタンダードな方法の一つとして、書籍を利用した学習が挙げられます。
メリット
書籍学習のメリットは、自分のレベルや学びたい知識を選んで学べること、そしてスクール学習と比べて費用を抑えられることです。
また、書籍を持ち運ぶことで、スキマ時間を有効に活用して学習できる事もメリットとなります。書籍の重さやサイズのせいで持ち運びに苦労したり、通勤電車では読みづらいといった事情も、電子書籍の活用でおおくの問題は解消できます。
多少古い本であっても最近は電子書籍版が販売されていることも多く、文字検索に対応している書籍であれば読みたい箇所を見つけるのも簡単です。紙媒体より価格が若干安いことも多く、電子書籍のメリットは多数あります。
デメリット
書籍での学習のデメリットとして、挫折しやすいことが挙げられます。
例えば書籍を購入する際に品揃えの良さやサンプル、多数のレビューがあることからオンラインショップで選びがちですが、既に身につけている知識や学びたい内容は人によって異なります。学習を始めても「内容が難しすぎる/易しすぎる」「わかりにくい」という理由から途中でやめてしまうことが多く、こういった書籍のミスマッチは極力避けなければいけません。
そのため、技術書を購入するときは書店に足を運び自分に合うか実際に目を通して確認することをおすすめします。
おすすめの本・教材
以下で紹介している書籍は経験1年目の初心者〜レベルアップしたい若手向けの内容が書かれており、全て電子書籍版があります。
・『インフラエンジニアの教科書』(佐野裕、シーアンドアール研究所)
初版は2013年ではありますが2020年6月には第20刷まで出ている人気のある書籍です。クラウドについてのわかりやすい説明や、近年普及が進んできたAmazonEC2に関しても紹介されています。
サーバーOSについてもメジャーな「Windows Server」「Linuxサーバー」を取り上げ、ハードに関する項目では初学者向けに丁寧に説明がされています。
インフラエンジニアとしての初歩的な知識を身につけるのにおすすめの書籍です。
・『インフラエンジニアの教科書2』(佐野裕、シーアンドアール研究所)
インフラエンジニアの教科書1の続編ということもあり、比較的実践寄りな内容です。
中〜大規模開発のwebサービスを例に挙げ、1ではあまり触れていなかったアプリケーションおよびアプリケーションサーバーとの関わりについても書かれています。メジャーな言語であるJava、PHP、Rubyで作られたアプリケーションを例としているので実務に活かせる可能性は高いです。
そのほかの項目も共通鍵暗号方式や障害対応についてなどに触れているので、開発現場で必須の知識を中心に学ぶことができます。
・『おうちで学べるネットワークのきほん』(Gene、翔泳社)
図を用いた解説が多く、タイトル通り自宅のPCと照らし合わせながら学習ができます。
Windowsを使っているならコマンドプロンプト、MacやLinuxであればターミナルを使って手を動かしながら学ぶことができ、全体的に読みやすいので初心者の最初の1冊にはおすすめです。
・『マスタリングTCP/IP 入門編第6版』(竹下 隆史・村山 公保・荒井 透・苅田 幸雄、オーム社)
ネットワークの基礎として利用するTCP/IPについて、体系的な学習をすることができます。
入門とありますが全くの未経験で最初の1冊に読むには少し難しい内容のため、スキルを上げていきたい実務経験者や既に初心者向けの書籍を読んだ方におすすめです。
・『UNIXシェルスクリプト マスターピース132』(大角祐介、SB Creative)
仕組みや概念ではなく、シェルスクリプトの例がまとめられた本です。実践的で解説もついているため、すぐ実務に活かすことができます。
この本の特徴として、1つのサンプルスクリプトに解説+応用的な考え方+注意事項まで付いています。実際にシェルスクリプト を作るときには非常に参考になります。本書のように逆引き系の技術書は1冊あると便利で、慣れればサンプルの構成を自分流にカスタマイズしていくことができます。
さらに、インフラ系業務に限りませんが商用系サーバーなどの重要情報を扱う機器のあるフロアでは、セキュリティの観点から外部への接続やスマートフォン、個人PCの持ち込みが禁止であることが少なくありません。しかし書籍や紙媒体はOKとされることが多いので、その場合にも重宝します。
・『クラウドエンジニア養成読本』(佐々木 拓郎・他、技術評論社)
企業でのクラウド活用の事例がのっており、新たにクラウドの学習を始める人におすすめです。クラウドの運用と構築の全体像が学べます。
学習サイトや企業のサービスを利用してトレーニングする
学習のためのコンテンツを掲載しているWebサイトを利用することも学習方法の一つです。クラウドなどのサービスを提供している企業により用意されている無料の学習コンテンツもあるため活用しましょう。
注意点として、無料で使えるサービスにはなどの種類があるため、望まないコストがかからないように不要になったら登録を解除するなどコントロールが必要となります。
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・「無期限無料」・「XXヶ月間無料」
・「トライアル」
メリット
学習サイトや企業の提供する学習コンテンツの大きなメリットは、学習環境が整えやすく取り組みへのハードルが低いことでしょう。Webブラウザだけで利用できるコンテンツは、すぐにでも利用を始めることができます。また、Web上でクラウドサービスを利用して動作を試せる学習コンテンツは、PCとインターネットへの接続が用意できていれば環境は無料で用意されているケースが多く、登録をすれば無料で利用できるものも多いです。
さらに、コスト面でのメリットも存在します。無料コンテンツが多いこと、新たに端末を用意しなくてもよいことなどから、学習にかかるコストも抑えやすいです。
デメリット
Webサイトなどでの学習でデメリットとなるのは、学習上の問題が発生した場合に解決が難しいということです。Webサイト上に記載されていない点で問題が発生すると、原因の追究が難しく、相談相手もいないため学習が行き詰ってしまうケースもあります。
おすすめのサイト
・Ping-t
資格勉強を支援しているサイトで、25万人以上のユーザーが登録しています。無料登録だけでもインフラエンジニアにとってメジャーな資格の学習ができます。
・3分間Net Working
100以上の記事があるネットワークに関する講座です。少し古いサイトですが、基礎的な部分は現代のインフラでも変わりません。内容は会話形式で、わかりやすく説明されています。
・Teratail
こちらは講座形式ではなくQ&Aサイトです。ベテランエンジニアの回答者も多く、困ったときに利用するとすぐに解決できることもあります。
注意点として、質問する際の情報が少ないと回答者が付かないため、自分の動作環境や使用ツールなど詳細の記載が必要です。
・Azure向けMicrosoft Learn
Microsoft社により提供されているコンテンツで、無料でMicrosoft Azureに関する学習をすることができます。動画学習コンテンツも多く、細かくレベルや分野が分かれているため自分に合った学習が可能です。利用には会員登録が必要となります。
・AWSトレーニング
AWSの学習をすることができます。Amazonが運営しており、無料コンテンツでも内容は非常に充実しています。AWSに興味がある場合はまずこちらのコンテンツを見ることをおすすめします。
・AWSクラウド無料枠(AmazonEC2)
Amazonの提供しているAmazonEC2というIaaSサービスを無料で利用することができます。知名度が高く非常に人気のあるサービスです。
ドキュメントや動画、わかりやすいチュートリアルが用意されているため、独学で学びやすく、AWS自体が利用ユーザーの多さからネット検索でトラブルシューティングがしやすいメリットもあります。「AmazonEC2」は、「12ヶ月間無料」のサービスにあたるため、12ヶ月を過ぎると従量制の課金が始まることには注意が必要です。
勉強会に通う
インフラについて独学でスキルを身に着けるといっても、視野が狭まり、テキストを丸暗記する形では実践的ではありません。他者と交流しながら学習する方法の一つとして、勉強会を利用する方法があります。
メリット
勉強会で他の人と学習することには様々なメリットがあります。一つは、他者と問題や学習を共有することで、自分だけでは理解・解決できない問題も解消しやすいことです。
また、学習をともにする仲間がいることで刺激を受けて、学習モチベーションを維持しやすい点もメリットです。一人だけで学習するよりも、競争や協力をすることにより学習の継続がしやすくなります。
デメリット
勉強会を利用する場合、デメリットも存在します。勉強会そのものが悪いわけではないのですが、勉強会に参加していることで分かった気になってしまう、学習意欲が満たされてしまう、そのようなケースがあることです。勉強会に参加する場合には、成果の確認も行い、自分の役に立っているかを確認しておきましょう。
おすすめの勉強会紹介サイト
・テックプレイ
勉強会やイベントなどの紹介をしているサイトです。勉強会・イベントはオンライン・オフラインどちらもあり、豊富な勉強会の中から自分にあったものを見つけられます。「インフラエンジニアの教科書」の作者の勉強会も不定期で行われています。
・DoorKeeper
勉強会などのイベントの管理、紹介サイトです。無料、有料など様々な講演があります。主催者側への手厚いサポートを謳っており、テックプレイ同様に開催数が非常に多いため有用なイベントを探しやすいです
まずは実際に手を動かしてみよう
必要な知識を身に着けても、実際に使われているインフラ環境に触ってみるとうまく使えないということがあります。クラウド、仮想環境などを積極的に利用して環境を用意し、使ってみることもインフラエンジニアの勉強になります。
何から勉強したら良いかわからない場合はコマンド操作から攻略する
勉強が必要だとは思っていても、何から取りかかればよいかわからない場合に、勉強しておいて損をしないのはコマンド操作です。
実務に活かしやすく、環境構築が不要なので手軽に自分のパソコンで実践できます。種類が多く、似たコマンドであってもOSによって実行できないこともあるため、以下でOS別に紹介します。
Windowsの場合
「コマンドプロンプト」からWindowsコマンドを実行することができます。WindowsOS搭載のパソコンであれば特別な設定をしなくても使えるため、手軽にコマンド操作を試すことができます。また、windowsコマンドだけでなく「.bat」や「.ps1」という拡張子のファイルを実行することができます。
・拡張子.batファイル(Windowsバッチファイル)について
windowsコマンドを組み合わせた処理をおこなうことができるファイルで、実務で目にする機会も多いです。手動で実行するだけでなく、スケジューリングして決められた時間に自動で実行するような場合にも使われています。
・拡張子.ps1ファイル(PowerShell)について
Windowsバッチファイルでできることはそのまま、より高度な処理ができます。コマンド数が多い、コマンド名が長いなどバッチファイルと比べて扱いにくい印象を持たれますが「コマンドレット」という別種のコマンドにて記述の省略をしたり、PowerShell専用のエディターも用意されていることから、学習を始めるハードルはそこまで高くありません。
Windows環境での業務がメインであれば、シェルスクリプトよりも学習の優先度は高いです。
Mac、Linux(Linux系含む)の場合
Mac、Linux(Linux系含む)の場合は、「コンソール」「ターミナル」を使用します。(※)
※Linuxの場合、設定によっては「端末」という名称の場合もあります。
使用できるのはLinux (Unix)コマンドおよび、「.sh」という拡張子のファイルを実行できます。この「.sh」は「.bat」同様、コマンドを組み合わせたファイルです。
・拡張子.shファイル(シェルスクリプト)について
Unixシェルと呼ばれることもあります。サーバーに限らずLinux系OSは多くの現場で使われているので、学習しておくとインフラ系以外の実務でも非常に役立ちます。
見出しでOSの分類を「Linux系」と記述しましたがLinuxは「ディストリビューション」という形でパッケージ化されており、同じLinuxと言っても多数の種類が存在するため、これら全体を指すためにLinux系という言葉が用いられます。
細かな差異はありますが、実行できる基本的なコマンドラインは同じです。業務で使われていることの多いディストリビューションとして
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・Cent OS・Red Hat
・Debian
・ubuntu
が挙げられます。ディストリビューション全てを覚える必要はありませんが、この4種類は多くのシステムで使われているので、使用経験があればアピールできる機会が多いです。
エディターについて
バッチファイルやシェルスクリプトなどのファイルを開いたり作成するときに良く使われるツールとして「vi(viエディタ、vimなど)」というものがあります。
メモ帳や一般的なテキストエディタと比べて操作方法に癖がありますが、GUI操作でファイル参照や編集ができない場合に非常に役立ちます。実務でこの操作が必要な場合もあるのでこちらも合わせて覚えておきましょう。
Mac、Linux系OSの場合は「nano」というエディターがあり、こちらは比較的使いやすいです。日常の用途ではほとんど必要ありませんが、インフラエンジニアであればエディターを用いたコマンド操作は必須のスキルです。
まずは仕様頻度の高いコマンドから覚えていき、業務で使うシェルスクリプトやバッチファイルの動きも理解できるようになればスキルアップに繋げることができます。
インフラエンジニアの仕事に役立つ資格
資格の取得は知識の保有をアピールできる点と、資格に向けた学習をすることで実務への理解を深める点がメリットです。以下では、インフラエンジニアに関連する代表的な資格をいくつか紹介していきます。
関連記事:
インフラエンジニアに役立つ資格11選!各難易度と概要も紹介
インフラエンジニアのキャリアパスは?キャリア形成に役立つ資格も紹介
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営し、経済産業省が認定するITエンジニア向けの国家資格です。ITエンジニアとしてエントリレベルのスキルを示すことができる資格ですが、ハードウェア、ソフトウェア、プログラミング、システム開発技法など総合的な知識が必要となります。
午前は選択式、午後は記述式でわかれており、午前の問題ではITパスポート以上の知識が必要です。午後はインフラエンジニアでは扱うことの少ないプログラミングやアルゴリズムに関する問題を1種類選択するため、その内容に特化した学習が必要となります。
CCNA
CCNAはシスコシステムズが実施している試験で、ネットワークエンジニアに向けたベンダー資格です。ネットワークに関する基礎的な知識だけでなく、シスコ製品の専門的な知識を問われる内容となっているため、取得することでシスコ製品の知識があることをアピールできます。
シスコの資格試験も複数のグレード、試験分野があるため、示したいスキル、レベルにあわせて選択しましょう。
LPIC/Linux技術者認定試験
Linuxは多くのシステムで使われており、ディストリビューションでの違いも多くないため身につけた知識が無駄になりにくいです。
LPICは世界標準の資格、LinuCは日本での高い知名度があるという特徴がありますが、どちらの試験勉強でもLinuxに関する知識を身につけることができます。
ITパスポート
ITパスポートは全てのIT利用者に向けた試験で、インターネット、コンピュータに関する基礎的な知識が問われます。難易度は比較的低いため、全くの未経験であっても取得しやすい資格です。
Oracle Master
Oracle Masterは商用データベースとして大きなシェアを持つデータベースソフトウェアOracleに関する知識とスキルを示すことのできるベンダー試験です。2023年1月18日時点ではOracle Master2019が最新の資格体系で、Bronze、Silver、Gold、Plutinumの4段階のグレードに分かれています(2023年1月18日時点でPlutinumは詳細未定)。
インフラ構築にてOracleを扱う機会があるエンジニアにとって役立つ資格といえます。
AWS認定試験
AWS認定はAmazon社によるAWS(Amazon Web Service)に関するスキルと知識を認定するベンダー資格です。クラウドに関するスキルを示すことができ、AWSを利用するプロジェクトでは大きなアピールポイントとなります。「FOUNDATIONAL」「ASSOCIATE」「PROFESSIONAL」の3段階のグレードと専門分野でのスキルを示す「SPECIALTY」に分かれています。
インフラエンジニアのキャリアパス
インフラエンジニアとしてキャリアを積み重ねた先、選択肢となり得るキャリアパスについて紹介します。
関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容や年収、将来性を解説
スペシャリスト路線
インフラエンジニアとしての知識やスキルを突き詰めたいと考えている人には、スペシャリストとしての道があります。新しい技術を先駆けて身に着け、常に最先端の技術、サービスを提供できるエンジニアであることが必要です。
以下のようなキャリアがあります。
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・インフラスペシャリスト・クラウドエンジニア
・セキュリティエンジニア
マネージャー路線
インフラエンジニアとしてプロジェクトに関わる中で培われる管理能力を活かしてマネジメントに特化するキャリアパスもあります。コミュニケーション力や調整の能力を活用してチームを管理したり、顧客の要望をもとに経営方針を提案したりします。
以下のようなキャリアがあります。
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・プロジェクトマネージャ・ITアーキテクト
・ITコンサルタント
ゼネラリスト・コンサル路線
技術面もマネジメント面も両立したい場合のキャリアパスです。一人でもシステムの構築ができる上でチームの管理もできるエンジニアを想像すると良いでしょう。
以下のようなキャリアがあります。
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・フルスタックエンジニア・フリーランスエンジニア
・ITコンサルタント
まとめ
この記事では、インフラエンジニアの習得すべきスキルや、スキル習得に役立つ勉強方法を解説しました。キャリアプランをたて、計画的にスキルを習得していくことがキャリア向上に役立ちます。
インフラエンジニアはネットワーク、サーバー、クラウドなど幅広い技術領域に関する知識とスキルが必要とされます。幅広い知識を要求されますが、インフラ関連の知識は習得後には異なる現場でも活かせるものが多いため積極的にスキル習得したいところです。
効率よくスキルアップをしていくためにも、まずは土台となる基礎知識を身につけることが重要です。
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通しており、現状は転職のご意思がない場合でも、ご相談いただければ客観的な市場価値や市場動向をお伝えし、あなたの「選択肢」を広げるお手伝いをいたします。
「将来に向けた漠然とした不安がある」「特定のエンジニア職に興味がある」など、ご自身のキャリアに何らかの悩みを抱えている方は、ぜひ無料のオンライン個別相談会にお申し込みください。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが、一対一でさまざまなご質問に対応させていただきます。
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