- サーバーエンジニアにおすすめのOS関連の資格
- サーバーエンジニアにおすすめのネットワーク関連の資格
- サーバーエンジニアにおすすめのその他の資格
- サーバーエンジニアに関する資格を取得するメリット
- サーバーエンジニアの資格取得に向けたロードマップ
- サーバーエンジニアが資格取得で年収を上げる方法
- まとめ
サーバーエンジニアにおすすめのOS関連の資格
まずはサーバーエンジニアの仕事に役立つOS関連の資格を紹介します。使用するOSはプロジェクトによって異なるため、対象プロジェクトで扱われているOS資格を取得するとより役立ちます。ただしOSが異なっても類似する部分は複数あるため、役立たないわけではありません。紹介するOS関連資格は以下です。
資格名 | おすすめのひと |
---|---|
LinuC (民間資格) | Linuxサーバーに特化してスキル 習得したい人 |
マイクロソフト 認定資格 (民間資格) |
Windows Serverに特化してスキル 習得したい人 |
LPIC (国際資格) | Linuxサーバーに特化して国際的に 評価の高い資格を取得したい人 |
1.LinuC(Linux技術者認定資格)
試験内容 | Linuxを中心にシステム構築や運用管理のスキルを問う内容 |
開催時期 | 随時 |
難易度 | LinuxCレベル1、2:基本的な実務レベル LinuxCレベル3、Linuxシステムアーキテクト:高難度 |
受験料 | LinuxCレベル1~3:16,500円 (税込) Linuxシステムアーキテクト:27,500円 (税込) |
おすすめの 人 |
Linuxサーバーに特化してスキル習得したい人 |
LinuCはLinux技術者としての技術力を身に付けるための資格です。LinuCは、レベル1、レベル2、レベル3、LinuCシステムアーキテクトの4段階に分かれています。LinuCレベル3、LinuCシステムアーキテクトは難易度が高いですが、LinuCレベル2までは高難易度というわけではありません。
言い換えれば、LinuCレベル2の内容まではサーバーエンジニアとして業務を行っていれば実務で使用するレベルです。LinuCレベル3はOS、セキュリティ、クラウドなどの面でプラスアルファのレベルと言えます。
LinuCシステムアーキテクトは、Linuxの大規模システムのライフサイクル全体を俯瞰して必要な対応を完璧に近くこなせるレベルです。
2.マイクロソフト認定資格
試験内容 | Windows Serverの知識やスキルを問う内容 |
開催時期 | 随時 |
難易度 | Fundamentals:初級 Associate:中級 Expert:上級 |
受験料 | Fundamentals:一般13,200円 (税込) 、 学割7,700円 (税込) Associate、Expert:一般21,102円 (税抜) 、 学割11,607円 (税抜) |
おすすめの 人 |
Windows Serverに特化してスキル習得したい人 |
マイクロソフト認定資格は、マイクロソフト社のサーバーである「Windows Server」の知識およびスキルを認定するベンダー資格です。
「Windows Server」は国内シェア1位のサーバーOSであり、企業システムで使用されることが多く、Windows Serverに関する資格を持っていると高い評価を得ることができます。マイクロソフト認定資格の中にはさまざまな試験区分が存在し、従来、Windows Serverに関する試験は「MCP(MCSA)Microsoft Windows Server 2016 認定試験」が該当していたのですが、2021年2月以降廃止となりました。
現在、マイクロソフトではWindows Serverに特化した認定試験は行っておらず、代わりに「Azure Fundamentals」や「Azure Administrator Associate」などの試験を展開しています。いずれもピアソンVUEの試験センターで受験できます。
「Azure Fundamentals」や「Azure Administrator Associate」はいずれもWindows Serverに特化した資格ではなく、あくまでもマイクロソフトが提供するクラウドサービス「Azure」に関する問題が出題されます。しかし、その中でWindows Serverに関する問題が出題されるため、クラウドが主流の現代において有利な資格といえるでしょう。
難易度としては「Azure Fundamentals」がもっとも低く、その次が「Azure Administrator Associate」、「Azure Developer Associate」となります。さらに上位レベルになると「Azure DevOps Engineer Expert」や「Azure Solutions Architect Expert」が存在します。
資格詳細はこちらの公式HPをご覧ください。
Azure Fundamentals
Azure Administrator Associate
3.LPIC
試験内容 | Linuxを中心にシステム構築や運用管理のスキルを問う内容 |
開催時期 | 随時 |
難易度 | レベル1、2:一般的な実務レベル レベル3:専門性が高く特殊な環境にも対応 できるレベル |
受験料 | 15,000円 (税別) |
おすすめの 人 |
Linuxサーバーに特化して国際的に評価の 高い資格を取得したい人 |
LPICはLinux資格の中では王道です。LPICは3つのレベルに分かれています。LPICはレベル2までは実務で一般的に使われるレベルで、多くのサーバーエンジニアが取得しています。レベル3はそれぞれ専門性が高く、特殊な環境を想定しています。
たとえばOSが混在しているというシチュエーションは特殊なので、一般的にサーバーエンジニアが使用する知識、技術のプラスアルファのレベル、難易度です。
LinuCやLPICについて詳しく知りたい人は以下の記事をご確認ください。
関連記事:Linuxのおすすめ資格LinuC・LPICとは?違いや難易度を解説
サーバーエンジニアにおすすめのネットワーク関連の資格
サーバーエンジニアにとって、ネットワーク関連の資格も取得するメリットが大きいです。サーバーとネットワークは密接につながっているので、ネットワークまで対応できた方が仕事の幅が広がるからです。サーバーエンジニアにおすすめのネットワーク関連の資格は以下です。
資格名 | おすすめの人 |
---|---|
CCNA (民間資格) |
これからサーバーエンジニアを目指す人 |
CCNP (民間資格) |
すでにCCNAに合格している人 |
情報処理技術者試験 (国家資格) |
汎用性の高い資格を取得したい人 |
4.CCNA(CiscoCertifiedNetworkAssociate)
試験内容 | ネットワークの基礎、IPコネクティビティ、セキュリティなど |
開催時期 | 随時 |
難易度 | 未経験者にとっては難しいが数年の 経験者にとっては比較的易しいレベル |
受験料 | 42,900円 (税込) |
おすすめの 人 |
これからサーバーエンジニアを目指す人 |
CCNAはネットワーク機器の大手メーカーであるシスコシステムズが実施しているベンダー資格です。CCNAの試験時間は120分で、他のベンダー資格と同様にピアソンVAEの試験センターで受験します。18歳以上であれば特に受験資格はなく、実務経験などに関係なく誰でも受験が可能です。
試験範囲はネットワークの基礎からIPコネクティビティ、セキュリティの基礎まで幅広く出題されます。また、シスコシステムズ製のルーターやスイッチなどの操作コマンドも把握しておく必要があります。
シスコシステムズが実施している試験には、「エントリー」から「アーキテクト」まで5つのレベルが設定されており、CCNAは下から2番目にあたる「アソシエイト」に位置する試験です。シスコ技術者認定の中でも比較的難易度は低いとはいえ、ネットワークの知識がない初学者がいきなり挑戦して合格することは難しいといえるでしょう。
関連記事:CCNAの資格概要を解説!難易度や勉強方法も紹介
5.CCNP(CiscoCertifiedNetworkProfessional)
試験内容 | ネットワークインフラ、セキュリティ、 仮想化など |
開催時期 | 随時 |
難易度 | ネットワークのプロフェッショナルレベル |
受験料 | コア試験:57,200円 (税込) コンセントレーション試験:42,900円 (税込) |
おすすめの 人 |
すでにCCNAに合格している人 |
CCNPもシスコシステムズが運営しているベンダー資格のひとつです。CCNAの一つ上のレベルに位置しており、応用的な問題が多数出題されます。
CCNPはコア試験とコンセントレーション試験に合格して初めて認定されます。コア試験はネットワークインフラやセキュリティ、仮想化などに関する問題が網羅されており、試験時間は120分。コンセントレーション試験はネットワークデザインやワイヤレス、自動化など6つのカテゴリが存在し、その中から一つを選択して受験します。
CCNPはCCNAの上位にあたる「プロフェッショナル」のカテゴリに位置している試験であるため、難易度は高いといえるでしょう。CCNPの受験にあたっては特に必須となる条件はありませんが、3〜5年程度のネットワーク運用および開発の実務経験者を想定しています。そのため、初学者はまずCCNAの合格を目指し、その後CCNPに挑戦してみるのがおすすめです。
6.情報処理技術者試験
情報処理技術者試験は、サーバーエンジニアに限らずIT業界全般で評価の高い資格です。多くのエンジニアが取得しています。情報処理技術者試験はIPAが実施する国家資格です。情報処理技術者試験という単一の試験があるわけではなく、複数の試験をまとめて情報処理技術者試験と呼んでいます。
試験名 | 試験内容 | 開催時期 | 難易度 | 受験料 |
---|---|---|---|---|
ITパスポート試験 | ITの基礎中の基礎 | 随時 | かなり易しい | 7,500円(税込) |
基本情報技術者試験 | ITの基礎ではあるものの、 アルゴリズムなど思考力を問う内容も出題 |
随時 | 易しい | |
応用情報技術者試験 | 基本情報技術者試験を掘り下げ、 特定の分野の選択問題が必須になっている |
春期・秋期 | 普通 | |
情報セキュリティマネジメント試験 | セキュリティ分野に特化した内容 | 随時 | 易しい | |
ITストラテジスト試験 | 企業のIT戦略等に特化した内容 | 春期 | 難しい | |
システムアーキテクト試験 | システムの要件定義、アーキテクチャ 設計に特化した内容 |
春期 | 難しめ | |
プロジェクトマネージャ試験 | プロジェクトマネジメントに 特化した内容 |
秋期 | 難しめ | |
ネットワークスペシャリスト試験 | ネットワークに特化した内容 | 春期 | 難しめ | |
データベーススペシャリスト試験 | データベースに特化した内容 | 秋期 | 難しめ | |
エンベデッドシステムスペシャリスト試験 | 組み込みシステムの専門知識、 製品戦略、設計、構築などに特化した内容 |
秋期 | 難しめ | |
ITサービスマネージャ試験 | ITサービスの計画、設計、 提供などに特化した内容 |
春期 | 難しめ | |
システム監査技術者試験 | システムの点検、評価、 検証などに特化した内容 |
秋期 | 難しい | |
情報処理安全確保支援士試験 | サイバーセキュリティに 特化した内容 |
春期・秋期 | 難しめ |
いずれもサーバーエンジニアにとって取得するメリットが大きいです。国家資格である情報処理技術者試験はIT業界全般で評価されやすいからです。サーバーエンジニアだけでなく、たとえばSEや他のインフラエンジニアにとっても取得メリットは大きいでしょう。
まずは応用情報技術者試験までの合格を目指し、そこからネットワークスペシャリスト試験などの上位資格を目指すのがおすすめです。
サーバーエンジニアにおすすめのその他の資格
サーバーエンジニアを目指すうえでは、サーバーおよびネットワークに関連した資格以外にも、さまざまなカテゴリの資格が存在します。ここでは近年注目されているサービスマネジメント関連の資格を紹介します。
7.ITIL®認定資格
試験内容 | ITサービスマネジメントの知識を問う内容 |
開催時期 | 随時 |
難易度 | 易しい |
受験料 | 67,793円 (税込) |
おすすめの 人 |
ITサービスマネジメントに関心のある人 |
ITIL®認定資格とは、イギリス政府が作成した「ITIL®」という書籍をベースにした認定資格です。特定のベンダーに特化した内容ではなく、世界共通の標準的なベストプラクティスとしてまとめられており、サーバー運用も含めてITサービスの品質向上に大きく貢献します。
ITIL®認定資格(ITILファンデーションV3)は40問の多肢選択式問題が出題され、試験時間は60分となっています。試験はピアソンVAE試験会場で受験でき、65%以上の正答率で合格となります。受験料は67,793円と極めて高額なため、十分に試験対策をしてから挑戦しましょう。
ただしITILL®認定資格は種類が複数あり、ファンデーションもV3だけでなくV4もあります。また試験会社、受験回数、オンラインかオフラインかなどによっても受験料が異なります。さらに受験料は定期的に改訂されています。
ITIL®認定資格の難易度は比較的低く、シスコ技術者認定のCCENTレベルと同等の試験として位置づけられています。そのため、IT業界が未経験の初学者であっても、1〜2カ月程度の勉強をすれば十分合格が狙える試験です。
サーバーエンジニアに関する資格を取得するメリット
サーバーエンジニアに必須の資格はありませんが、資格を取得することで以下のようなメリットを得られます。
知識やスキルを証明する武器になる
資格は知識やスキルを証明する武器になります。サーバーエンジニアの場合はポートフォリオに過去の作品などを含めるのは難しく、資格による差別化の効果が大きいからです。たとえば履歴書などに複数の関連資格を記載すれば、それだけ知識やスキルを有していることが伝わります。ぜひ資格を取得して知識やスキル証明のための武器にしてください。
自分のスキルを客観的に証明できる
資格を取得することで、客観的な知識やスキル証明につながります。資格を取得できたということは、少なくともその資格に合格できる水準に達していることが明確になるからです。たとえばCCNAに合格している場合、ネットワークの基礎知識、スキルが身についていることの証明になります。このように、資格を取得すれば自分のスキルを客観的に証明できます。
採用担当者へのアピールポイントになる
資格は採用担当者へのアピールポイントになります。採用担当者は応募者の選考基準として資格を見ているからです。たとえば同じような経験を積んだ応募者が複数人いた場合、資格が合否を分ける可能性もあるでしょう。採用担当者へのアピールのためにも、資格の取得はおすすめです。
またレバテックキャリアでは、ITエンジニア専門の転職エージェントとして、企業の特徴に合わせた個別の面接対策を実施しています。
詳しくは次の記事「レバテックキャリアの面接対策サービスと利用者の口コミ・評判を解説」をご覧ください。
サーバーエンジニアの資格取得に向けたロードマップ
サーバーエンジニアの資格取得に向けたロードマップを紹介します。ロードマップに沿って行動することで資格取得につながります。たとえば目標や自分のレベルに合った資格を取得できるようになります。以下のロードマップに沿って進めるのがおすすめです。
1.キャリアプランや目標を明確にする
2.どの領域の資格に挑戦するか検討する
3.自分のレベルを把握する
4.資格取得に向けて勉強する
1.キャリアプランや目標を明確にする
まずはキャリアプランや目標を明確にしてください。キャリアプランや目標に合った資格を取得することで、資格は役に立つからです。逆に言えば、やみくもに資格を取得してもあまり役に立たない可能性があるでしょう。
たとえばネットワークのスキルを評価してもらいたいのであれば、同じ国家資格でもシステムアーキテクト試験よりもネットワークスペシャリスト試験に合格した方が良いです。取得メリットの大きい資格を取得するために、まずはキャリアプランや目標を明確にしてください。
2.どの領域の資格に挑戦するか検討する
キャリアプランや目標が明確になったら、どの領域の資格に挑戦するか検討してください。キャリアプランや目標と合致した領域の資格に挑戦することで、資格の取得メリットが高まります。たとえば今後サーバーエンジニアからマネジメント領域を目指す場合、プロジェクトマネジメント関連の資格取得を目指すなどです。一つの資格に絞り込む前に、領域を決めてください。
3.自分のレベルを把握する
資格の領域が決まったら、自分のレベルを把握してください。自分のレベルに合った資格に挑戦することで、自分にとってメリットのある資格を取得できるでしょう。たとえば自分のレベルに対して難しすぎる資格に挑戦してしまった場合、取得できないか取得に期間がかかりすぎて転職活動などに支障が出る可能性が高いです。逆に簡単すぎる資格に挑戦してしまった場合、取得のメリットが薄くなるでしょう。資格取得に当たっては、自分のレベルを把握することも重要です。
4.資格取得に向けて勉強する
ここまでの流れで挑戦する資格を決められたら、実際に資格取得に向けて勉強を進めてください。たとえば試験日までに試験範囲を網羅的に勉強できれば、合格率は高まるでしょう。逆に勉強が間に合わないと、不合格になってしまう確率が上がります。資格取得において勉強は最重要工程なので、限られた時間の中で集中して取り組むことが欠かせません。
サーバーエンジニアが資格取得で年収を上げる方法
企業は必要な資格を取得している人材に対して、高い年収を提示する傾向があります。つまり、実務に直結する資格や採用担当者からの評価アップにつながりやすい資格を取得することで、年収アップにもつながってきます。
たとえば特定の資格取得者に対して毎月の給与に1万円上乗せするなど、条件を明記している企業もあります。明記されていなくても、資格による評価アップが結果的に年収アップにつながるケースも多いはずです。
また資格取得と同時に、その資格をどのようにアピールするか、そもそもどのような企業に応募すれば資格を評価してもらえるかなどを検討することも重要です。企業の選定や自分をアピールする方法などにお困りであれば、ぜひレバテックキャリアの利用をご検討ください。
レバテックキャリアでは求人の紹介はもちろん、書類や面接対策など総合的にサポートを実施します。
サーバーエンジニアの求人・転職情報>
まとめ
この記事では、サーバーエンジニアのスキルアップやスキル証明に役立つ資格について解説してきました。資格の種類が多いですが、すべてを取得する必要はありません。サーバーエンジニアと言っても担当する領域は企業によって異なりますので、まずは業務に必要となる領域の資格から取得を目指しましょう。これからサーバーエンジニアを目指す人は、基礎的な試験であるLinucレベル1、CCNA、基本情報技術者試験などを取得すると良いでしょう。