社内SEのメリット・デメリット| 院内SEも含めて解説

最終更新日:2023年11月7日

社内SEとは、社内システムの開発や運用・保守、ヘルプデスク業務などを担当する職種です。主に企業の情報システム部門のSEが、社内SEと呼ばれています。また、社内SEの類似の職種で、病院内のシステムを保守・管理する院内SEもあります。企業のIT活用の推進により、ニーズも高く、人気の職業である社内SE・院内SEですが、メリットやデメリットは何があるでしょうか。

この記事では、社内SE・院内SEへの転職を考えている方へ向けて、社内SE・院内SEのメリットやデメリット、キャリアパス、仕事内容などを解説します。社内SE・院内SEを目指す方は、この記事を参考にしてみてください。

この記事のまとめ

  • 社内SEのメリットは、自社システムの開発で上流工程に携わりやすく、ビジネス知識を幅広く身につけられること
  • 院内SEのメリットは、従事するのが病院であるため景気の変動に左右されにくく、安定して仕事ができる
  • 比較的残業が少なく、ワークライフバランスがとりやすいことも社内SEと院内SEのメリットの一つ
  • 社内SEはメリットが多く、ITエンジニアの中では人気の職業であり転職における競争率は高い

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社内SEの仕事内容

社内SEの仕事は、主に自社のシステムの開発と運用・保守、ヘルプデスク業務です。しかし、そもそも社内SEに明確な定義はないため、業務の範囲は幅広く、従事する企業によります。

社内SEは「勝ち組」「楽」といわれますが、実際の仕事内容はどうなのでしょうか。

ここでは、社内SEの代表的な仕事内容を説明していきます。

関連記事:社内SEの将来性は?仕事内容や平均年収とキャリアパスも紹介

社内システム開発

社内SEの仕事の一つに、社内システム開発があります。基幹システムや勤怠管理システムなど、社内で使用する業務システムの開発を担います。社内SEが取り扱うのは、サーバーなどのインフラからミドルウェア、ソフトウェア、セキュリティまで幅広くあります。社内システム開発は、設計から開発、リリースまで、すべて社内で行うこともあります。また企業によっては、外部企業に社内システム開発を委託するケースもあります。

社内システムの運用・保守

社内システムの運用・保守も、社内SEの仕事の一つです。社内システムが安定して稼働するように、事前対策をして、日々システムを監視します。システム障害が発生した場合は、原因を調査して応急対応・恒久対策を実施しなければなりません。また社内システムを開発した外部企業や保守業者などと、連携して対応するケースもあります。

ヘルプデスク業務

社内SEの仕事には、ヘルプデスク業務もあります。主にパソコンやプリンター、社内システムに関する、社員からの問い合わせ対応をします。問い合わせ内容は、パソコンや社内システムの使用方法や改善要求、端末のキッティングなど、さまざまな内容があります。自社の社員が快適にITシステムを使用できるようにサポートすることも社内SEの仕事の一つです。

関連記事:社内SEとヘルプデスクの違い

社内SEのメリット

社内SEに転職するメリットは多く、ITエンジニアの中では人気の職種です。例えば社内SEのメリットとして、ワークライフバランスがとりやすいことなどが挙げられます。なぜかというと、SESやSIerのシステムエンジニアと比べて、社内SEは残業が少ない傾向があるからです。

以下では、ワークライフバランス以外のメリットを紹介します。

関連記事:社内SEが「人気・勝ち組の職種」と呼ばれる7つの理由

上流工程に携わりやすい

社内SEの役割は、社内のIT環境を整備することといえるでしょう。そのため、企業によっては、IT企画や予算作成、プロジェクト計画の立案、ベンダーマネジメントなど、上流工程にあたる業務が含まれています。

対して、SIerやSESなどのエンジニアの場合、担当する業務が限定されていることがあります。上流工程に携わるには、そうした工程を請け負う企業に就職するか、スキルアップして担当できるようになるなどの対応が必要です。

関連記事:社内SEとSEの違い|仕事内容や必要スキルを徹底比較

ベンダーマネジメントの知識が身につく

社内SEは、ITベンダーに発注するポジションです。ITベンダーとは、IT製品を販売する会社のことで、社内SEは自社で必要なIT製品を注文することがあります。そのため、提案依頼書の作成やコンペ、ベンダー選定、契約締結、ベンダーの進捗・品質管理などベンダーマネジメント業務も行います。その結果、ベンダーマネジメントの知識が身につくこともメリットになるでしょう。

業務知識が身につく

社内SEは利用者の立場から、さまざまな社内システムの開発・運用・保守に携わります。携わる分野は、人事、会計、在庫管理、生産管理、販売管理、マーケティングなどさまざまです。さまざまな分野の社内システムに携わることで、各分野の業務知識が身につきます。幅広い分野に精通していることは転職でも有利になるでしょう。

業務システムの知識が身につく

社内SEの仕事は、通常のエンジニア同様、基幹システムやグループウェア、会計パッケージなど、幅広い業務システムの知識が身につきます。企業によっては、CRMやMA(マーケティングオートメーション)などマーケティング系のシステムに携わることもできるでしょう。

社内SEはスキルが身につけにくいと思われがちですが、幅広い知識を身につけることが可能です。

納期が調整しやすい

一般的なシステムエンジニアは、クライアントから仕事を受注します。そのため、決められた締め切りの中で急な仕様変更やバグの修正をしなくてはならず、スケジュールが厳しくなる場合があります。

一方で、社内SEにはクライアントという概念がありません。社内のシステム開発をするため納期を調整しやすいという利点があります

ユーザーとの距離が近い

社内SEが行うシステム開発のユーザーは、自社の社員です。対して、一般的なシステムエンジニアのユーザーは、社外のクライアントやクライアントの展開する事業の利用者になります。ユーザーとの距離が近く、開発したシステムへの疑問点や改善点を聞きやすいのが社内SEのメリットです。また、ユーザーが大きく変化しないことも大きな違いとなっています。

勤務場所が決まっている

社内SEは、自社で業務を行うため勤務場所が決まっています。リモートでも、自宅など作業可能場所が指定されている場合が多いでしょう。

SESやSIerで働くシステムエンジニアは、クライアント先に常駐して勤務することも珍しくありません。プロジェクトごとに移動し、定期的に勤務場所が変わる場合もあります。
落ち着いて仕事がしたい方、環境の変化が苦手な方にとっては、勤務場所が決まっていることはメリットといえるでしょう。

社内SEのデメリット

社内SEには、さまざまなメリットがあります。その一方で、仕事内容に関するデメリットもいくつかあります。

ここでは、社内SEのデメリットを紹介していきますが、すべての企業に当てはまるわけではありません。転職活動の際には採用担当者や転職エージェントに、あらかじめ入社後の仕事内容を確認すると良いでしょう。

企業によっては開発実務に携われない

企業によっては、プログラミングやサーバー構築などの開発業務を、すべて外部委託しているケースがあります。このような企業の場合、社内SEの業務はヘルプデスク的な役割を求められるでしょう。そのため、開発実務に携わりたいと希望している方には、希望とのミスマッチが起きてしまいます。希望とのミスマッチから早期退職につながってしまわないように、転職前に確認するのが良いでしょう。

ヘルプデスク業務がメインとなってしまう企業もある

社内SEとヘルプデスクの業務内容は重なる部分があります。

大企業のほとんどは、ヘルプデスク部門と社内システム部門に分けている場合が多いです。一方で、中小企業では人材が少ないこともあり、社内SEとヘルプデスクを同じものとして位置づけている場合があります。

社内SEだと思っていたら入社後、ヘルプデスクだったということもあるので転職の際には注意が必要です。

ひとり情シスで業務負担が大きい場合がある

企業によっては、社内SEが1人または2~3人しかいないケースもあり、そのような状況を「ひとり情シス」と表現します。社員の問い合わせを少数の社内SEで対応しなければならないため、仕事の負担が大きくなりがちです。場合によっては、休暇中にトラブルの連絡が入ってしまうこともあります。

少数のため、仕事を理解してくれる人や相談相手も少なく、孤独を感じやすいでしょう。

最新の技術に触れる機会が減る場合がある

社内SEの業務内容から、最新の技術よりも、自社のシステムに関する知識のほうが重要視されます。そのため、最新の技術を学んだり使用したりする機会が減少してしまうかもしれません。最先端技術を用いて、積極的に開発をしたいと思っている方には物足りなく感じてしまう可能性もあります。自分で補填できるよう、意識的にITトレンドに触れるようにしましょう。

業務内容が定型作業になりやすい

社内SEの主な業務であるシステムの運用・保守などは、定型作業になりやすい傾向があります。地道にコツコツする作業やルーティンワークが苦手な方にとっては、デメリットになるでしょう。しかし、地道な作業が好きな方にとってはメリットにもなりえるので、自身の適性と照らし合わせて転職を検討しましょう。

コスト部門とみられるケースもある

社内SEは企業の情報システム部門に所属するため、管理部門として扱われることがあります。間接部門は、企業の売上や収益に直接は貢献しません。業務の効率化やコスト削減などを通じて、間接的に企業の売上や収益に貢献します。

そのため企業によっては、営業や製造部門と比較して評価が上がりにくかったり、賞与の割合がほかの部署と比べて低く設定されたりすることもあります。場合によっては、人員削減につながり、一人あたりの業務の負担が大きくなってしまうこともあるでしょう。

社内SEのキャリアパス

社内SEのキャリアパスは、「転職」「コンサルティング職種」「マネジメント職種」「フリーランス」と、大きく4つに分けられます。社内SEの仕事は多岐にわたるため、業務の中で幅広い知識やスキルを身につけることができます。転職する際はキャリアパスも検討し、自身のビジョンに合っているかを確認しましょう。

ここでは社内SEからのキャリアパスを紹介していきます。

関連記事:社内SEのキャリアパス|具体例やキャリアアップ転職のコツを解説

社内SEとして転職する

社内SEのキャリアパスで一般的なのは、他社の社内SEとして転職することです。中小企業から大企業まで、さまざまな企業にシステム部門はあります。マネジメントやIT企画、業務改革や業務改善経験がある社内SEならば、転職時に好条件で採用される可能性があります。そのためには、上流工程を多く経験してキャリアアップを目指しましょう

ITコンサルタントに転職する

ITコンサルタントは、IT戦略の立案やITプロジェクトの推進、特定のシステムパッケージの導入などを担う職種です。ITコンサルタントには、幅広いIT知識・スキル以外にも、経営に関する知識やIT戦略に関する知識、業務設計スキルなどが求められます。

ITコンサルティングスキルを身につけるには、ITストラテジスト試験やITコーディネーター試験にチャレンジすることもいいでしょう。社内SEの業務で得た知識やスキルに、ITコンサルティングスキルが加わることで、ITコンサルタントへの転職を有利に進められます。

プロジェクトマネージャーに転職する

プロジェクトマネージャーとは、プロジェクト全体の管理者として、企画や予算、進捗などの管理などを行う職種です。多くの場合はSEとして経験を積んで、プロジェクトマネージャーにキャリアアップします。

社内SEは、上流工程である要件定義やベンダーマネジメント、プロジェクトマネジメントなどを行うこともあります。そのため社内SEは、プロジェクトマネージャーになるための知識やスキルが身につきやすい職種といえます。PMP (プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル) などのプロジェクトマネジメントに関する資格を取得して、プロジェクトマネージャーへの転職を目指すといいでしょう。

フリーランスとして独立する

社内SEとして経験や実績を積んで、フリーランスとして独立するのも一つの手です。社内SEの業務は幅広い知識が必要なため、培ったスキルを活かしてフリーランスで活躍することもできるでしょう。

しかし、事業を始めるには人脈づくりや情報収集を事前にしっかりと行う必要があります。突然仕事を辞めて、フリーランスになるのではなく、事前準備をした上で挑戦しましょう。

院内SEの仕事内容

院内SEとは、病院内で働く社内SEのことです。業務内容のほとんどは社内SEと同じで、病院内のシステムの保守や管理をします。また、院内スタッフが効率的に業務ができるようにサポートすることも院内SEの仕事の一つです。

管理するデータや業務範囲など社内SEとの違いもあるので、院内SEには、どのような業務があるか詳しく紹介していきます。

院内システムの保守・管理

院内SEは社内SEと同様に、病院内のシステムの保守・管理を行います。院内システムの特徴は、患者の診断データなど取り扱うデータが特殊であることです。院内システムは、AIの導入など高度な技術分野に注目されています。

そのため、ITの知識やスキルだけでなく、病院の業務に関する知識も求められます。院内SEには、院内システムや院内業務に詳しいことを強みにしている人もいます

ヘルプデスク業務

院内SEには、社内SEと同じようにヘルプデスク業務があります。病院では、医師や病院スタッフがパソコンやネットワークを利用します。院内SEは、病院内のスタッフがIT機器を利用するときのサポートをします。一例として、病院内のIT機器の軽微な不具合の対応などです。

院内SEは、病院内のシステムの保守・管理を担います。そして、院内スタッフが効率的に作業できるようにサポートをする役割も求められます。

院内SEのメリット

社内SEのメリットは多く、人気の職種でした。もちろん似ている部分もありますが、院内SEのメリットは社内SEとは少し異なります。

病院に務めるため景気に左右されづらかったり、残業が他SEと比べて少なかったりするため、仕事の安定重視の方にとって院内SEはおすすめです。

以下では、ほかのメリットも合わせて、院内SEのメリットを詳しく紹介していきます。

「人の役に立つ」という実感が湧きやすい

院内SEは、病院内のスタッフが使用する院内システムの保守・管理やヘルプデスク業務を行います。病院スタッフとの距離が近いため、スタッフの役に立っているという実感は得やすい職種です。院内システムに詳しくなると、院内システムに関する問い合わせを多く受けることになります。そのため、院内SEは頼られる存在となり、やりがいも大きくなるでしょう。

景気に左右されづらい

景気や技術の変化によって、淘汰される企業は多くあります。同様に社内SEも、在籍する企業が衰退してしまうと不安定な立場になってしまいます。その一方、病院はIT企業を含む民間企業と違い、安定した立場といえます。大型病院であれば、倒産リスクもさらに低くなります。安定した職場で働きたい人にとっては、院内SEはメリットがあります。

他SE・社内SEと比べて残業が少ない傾向がある

病院のシステムは大規模なシステムが多く、導入後は入れ替えが少ない傾向にあります。そのため、システムトラブルも少ないでしょう。病院は忙しいイメージが一般的にありますが、医療スタッフとは違うため、院内SEは激務になりにくいです。業務量も安定しているため、プライベートの時間を重視する方にとって大きなメリットといえるでしょう。

関連記事:社内SEが「楽な職種」と言われる5つの理由

院内SEのデメリット

院内SEにはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。給料や求人数、身につけられるスキルが少ない点は短所といえるでしょう。

一長一短なので、転職の際はどちらもしっかり確認して、何に重きを置くのか検討するようにしましょう。

以下では、院内SEのデメリットについて詳しく紹介していきます。

他SE・社内SEと比べて給料が低い傾向がある

院内SEは、残業が少ないなどのメリットがあります。しかし、院内SEの給料は、平均的に低い傾向です。社内SEは、業界や企業のシステム状況、ヘルプデスクよりであるかどうかなどによって給料の幅が変動しますが、IT業界のSEと比較すると平均的に給料が低めになります。院内SEは、社内SEよりもさらに給料が低く設定されがちです。

求人が少ない

院内SEの求人は、少ない傾向にあります。社内SEの求人自体も少ないため、院内SEはさらに少なくなります。病院自体は人手不足といわれていますが、それは医療関係者に限ることです。院内SEは、サポート的な立場であるため、多くの人手が必要にはなりません。

企業によっては、システムの入れ替えなどで、社内SEの需要が高まることはあります。しかし院内SEは、システムに必要な人数が少ないことが特徴です。

エンジニアとしてのスキルアップ機会に限りがある

院内SEの仕事は、汎用性が低い院内システムに特化しています。長い期間、院内SEとして勤務をしていると、潰しが効かない人材になる可能性があります。それを防ぐためには、自主的にスキルアップをする必要があります

ほかにも院内SEとして専門性を特化するなど、キャリアアップのプランを検討するといいでしょう。

関連記事:未経験から社内SEになるための6つのポイントとは

社内SEと院内SEの年収相場

社内SEや院内SEはITエンジニアの中でも人気な職種と言われていますが、年収としては一般的なIT企業のエンジニアに比べると低い傾向にあります。理由としては、比較的残業が少ないことや、企業の利益に直接関わらないことが挙げられます。

しかし、企業や業務内容によって異なりますので、一概にほかのエンジニアより低いともいえません。自身のスキルが高ければ、高年収も期待できるでしょう。

レバテックキャリアの求人を参考にそれぞれの年収相場を紹介します。

社内SE

レバテックキャリアの求人(2023年10月6日現在)を参考に社内SEの年収相場を見ていくと、最高年収が1600万円、最低年収が276万円と大きな幅が見られます。社内SEの業務範囲が幅広いことから、年収の幅も大きくなります。求人を見ると、システム開発の上流工程やプロジェクト管理に関わる業務は年収が高くなり、ヘルプデスク業務や運用保守のみの限定された役割であると、低くなるようです。

院内SE

次に、レバテックキャリアの求人(2023年10月6日現在)を参考に院内SEの年収相場を見ていくと、最高年収で800万円、最低年収で400万円でした。院内SEは残業なども少なく、ヘルプデスクよりの業務が多いため、このような年収設定になっていると考えられます。

平均的なIT業界のSEと比較すると少し低めの設定ですが、もちろん働く企業によって異なるため、あくまで一例として参考にしてみてください。

社内SEの転職に役立つスキル、経験

社内SEは、ITエンジニアに人気で転職の競争率が高い職種です。社内SEへの転職は、いくつかのポイントを抑えることで成功率を高めることができます。また転職する企業が属している業界に、興味や関心を持つことも重要です。ここでは、社内SEへの転職に役立つスキルや経験について、エンジニア経験者、未経験者のケースに分けて紹介します。

関連記事:社内SEに必要なスキル|SEとの違いや役立つ資格も解説

エンジニア経験者のケース

エンジニア経験者であれば、社内SEの転職成功率はぐっと上がります。なぜならば、企業は即戦力となる社内SEを求めている場合が多いからです。

エンジニアとして働いてきた中で、以下のスキルや経験があれば転職の際にしっかりとアピールしましょう。また、これらのスキルや経験がまだない方は、身につけていくことをおすすめします。

関連記事:社内SEになるには?求められるスキルや資格を解説

ステークホルダーとの折衝能力とコミュニケーション能力

ステークホルダーとの折衝能力やコミュニケーション能力は、エンジニア経験者にとって必要なスキルです。社内SEの業務には、各部署と社内調整をする場合があります。社内調整を円滑に進めるためにも、これらのスキルは必要になります。

情報システム部門以外の社員にとって、社内システムの開発に協力することは、自分の業務外という認識になります。協力を依頼する相手が役職のある社員であったり、異なる勤務地の社員の場合、依頼のハードルが高くなります。また相手のITリテラシーが低い可能性もあります。そのため、わかりやすく説明をする能力が求められます。

大企業になれば、ステークホルダーもさらに増えます。それに伴い、社内調整の回数が増加することでしょう。これらの調整業務が苦手な方には、苦痛に感じるかもしれません。

上流から下流までのシステム開発スキル

社内SEへの転職を成功させるには、上流から下流までのシステム開発スキルがあるといいでしょう。社内SEの業務には、要件定義書や設計書の作成のほか、開発業務を外注したベンダーとのマネジメントもあります。これらの業務を遂行するためにも、上流から下流までのシステム開発スキルは重要です。エンジニア経験の中で身につけていれば、積極的にアピールしましょう。

関連記事:社内SEへの転職は難しい?仕事内容や求められるスキルを解説

ITを活用したコスト削減の実績

社内SEの転職では、ITを活用したコスト削減の実績があることは大きな強みになります。どの企業も社内SEの採用には、社内システムの改善はもちろんのこと、コスト削減にも大きな期待をしています。前職でコスト削減の実績があれば、積極的にアピールしていきましょう。

また、自分だったらこのようなコスト削減を実現できるといった提案をするのも一つの手です。

資格を持っているとなお良し

社内SEへの転職に資格の保有は、必須ということではありません。しかし自分のスキルをアピールするために、資格の保有が役に立つこともあります。入社後に携わる業務によって、評価される資格も異なります。自分が望むキャリアに合わせて、資格を取得しましょう。

社内SEに役立つ資格
資格の名称 役立つ場面
ITストラテジスト試験 IT戦略の策定
情報処理安全確保支援士試験 セキュリティ関連の業務
システムアーキテクト試験 システム開発の上流工程
ITサービスマネージャ試験 社内システムの運用管理
システム監査技術者試験 システム監査への対応

関連記事:
社内SEの仕事・転職に役立つおすすめ資格16選
社内SEが簿記を取得するメリットは?勉強方法なども紹介

エンジニア未経験者(異業種からの転職)のケース

エンジニア未経験でも、社内SEに転職することはできます。しかし、競争率も高く人気の職種のため非常に難しく、相応のスキルや経験が必要となります。

以下を参考に、自身のスキルやキャリアを積み、強みを見つけましょう。

また、一旦ヘルプデスクやエンジニアとして経験を積んでから、社内SEを目指すことも一つの手です。

未経験okの求人に応募する

社内SEは、エンジニア未経験者でも転職可能です。未経験okの求人に、応募して採用を目指しましょう。また、求人を出している企業について詳しく調べることは重要です。未経験者を教育するシステムの有無は、特に確認をする必要があります。教育体制が整っている企業でならば、エンジニア経験がなくても安心して勤務できるでしょう。ほかにも業務内容を確認することで、求められる知識やスキルも把握できます。

関連記事:社内SEの志望動機の書き方は?ポイントと例文も紹介

マネジメント経験

エンジニア未経験者が社内SEの転職に成功するには、過去にマネジメントの経験があるといいでしょう。社内SEは、社内システムの開発に最初から最後まで関わることが多くあります。システム開発のために他システムエンジニアやプログラマーのマネジメントをしてプロジェクトを成功させなければいけません。そのため過去にマネジメントの経験があれば、採用に有利に働きます。

リーダーとしてプロジェクトを推進した経験

リーダーとしてプロジェクトを推進した経験があれば、エンジニア未経験者でも社内SEへの転職が有利になる可能性があります。30歳以上の年齢で社内SEに転職する場合、チームリーダーとして活躍できるスキルは重視されます。リーダーとしてプロジェクトを推進した経験がある方は、その経験を面接でアピールして、転職の成功率を高めましょう。

社内SEに関するよくある質問

社内SEに興味を持ち、転職を検討している方の中には、メリットやSEとの差に疑問を持つ方が多いようです。

ここでは、社内SEに関するよくある質問に答えていきます。類似の疑問を持つ方は参考にしてみてください。

Q1.社内SEのメリットは何ですか?

社内SEの代表的なメリットは以下の通りです。


  • ・上流工程に携わりやすい

    ・ベンダーマネジメントの知識が身につく

    ・業務・業務システムの知識が身につく

    ・納期が調整しやすい

    ・ユーザーとの距離が近い

    ・勤務場所が決まっている


メリットを理解し、転職を検討しましょう。

Q2.社内SEとSEはどちらが良いですか?

社内SEとSEのどちらが絶対に良いということはありません。それぞれに利点、欠点が存在します。例えば、スキルを磨いて積極的にキャリアアップを目指したいならSEのほうが良いでしょう。ワークバランスを重視したいなら比較的仕事量の変動が少ない社内SEのほうがおすすめです。

どう働きたいのか検討し、自分に合った職種を選びましょう。

Q3.社内SEはどうして人気の職業なのですか?

社内SEが人気な理由として、開発したシステムのユーザーが近くにいることで、やりがいを感じやすいことが挙げられます。また、ワークバランスが取りやすいため、プライベートの時間を重視する方にも人気があります。

まとめ

この記事では、社内SE・院内SEへの転職を考えている方へ向けて、社内SE・院内SEの仕事内容やメリット・デメリット、キャリアパスについて解説しました。社内SE・院内SEは、ヘルプデスク業務を想像される方も多くいます。しかし、実際の社内SE・院内SEの仕事内容は、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントへのキャリアパスに関連するスキルが身につきやすい職種でもあります。

近年、企業のIT活用は推進されており、社内SEの需要は高まっています。業務システムの新規開発やリプレイスを前提とした、社内SEの求人も増加しています。社内SE・院内SEへの転職を検討している方は、記事を参考に転職を目指してみてはいかがでしょうか。

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