LPIC、LinuCだけではない クラウド自体のサーバーOSを扱う専門人材を目指せるLinux資現役エンジニア向けLinux系資格(LPIC・LinuC・RHCSA・LFCE)を徹底解説

最終更新日:2020年12月15日

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IT業界は一般的に「実力評価」でキャリアや年収が上がっていきます。また、ほかの業界のように「業務独占資格(特定の資格保有者のみが従事できる業務)」がありません。そのため、「資格取得 = 年収アップ」となるかはケースバイケースです。しかし、資格によっては保持者のキャリア・年収向上のきっかけになることもあります。そのひとつが「Linuxにまつわる資格」です。LinuxはエンタープライズIT市場で絶大な信頼を得ており、今後も広く使われていくと予想されるため、認定資格がキャリア・年収向上に貢献する可能性は高いでしょう。ここでは、メジャーなLinux系資格の概要・難易度・実際の評価などを解説します。

1. なぜLinuxは評価されるのか?

まず、Linuxが評価される理由について解説します。

国内のサーバーOS市場では2番手

Linuxは主に企業向けITシステムにおいて、サーバーOSとして活用されています。日本国内ではWindows Serverに次ぐシェアを誇っているのが現状です。直近2~3年のデータ(※)を見ても、Windows Serverは52%程度、Linuxは25%程度となっています。シェアの数字だけを見ればWindows Serverが優勢ですが、近年はクラウドネイティブな環境の増加から、Linuxの利用シーンが拡大しています。

かつてクラウド利用はWebシステム系がメインでした。しかし近年は、基幹系・勘定系システムもクラウドに移行するケースが増えており、扱いやすく安価で軽量なLinuxの需要が伸びていくと予想されます。

※参考:IDC Japan「2017年の国内サーバOS市場、Windows Serverが52%、Linuxが24.8%。クラウドによりLinuxが高成長を維持」 

安価で柔軟性が高い

Linuxの強みのひとつに「導入ハードルの低さ」があります。商用ベースのLinuxであってもハードウェアに求められるスペック要件が低く、安価な環境構築が可能です。また、OSカーネルおよび関連ソフトウェアはオープンソースで公開されており、無償で利用できるようになっています。さらに、開発初期からサーバー用途を想定していることから安定性が高く、サーバー運用に必要な周辺ソフトウェアも熟成しています。

以上のことからLinuxは、ハードウェア・ソフトウェア双方のコストを低く抑えつつ、堅実なITインフラを構築可能なOSとして企業に評価されているのです。

Linux系資格を取得するメリット

Linuxには複数の資格があり、難易度によってグレードが分かれています。例えば、「LPIC」は長年にわたって、Linux系OSを扱うITエンジニアへの登竜門として評価されてきました。実務経験に「LPIC level2以上」の資格がプラスされることで、一定の知識・スキルの証明と成り得たのです。また、近年では国内向けのLinux系資格として「LinuC」も台頭しています。

これらは、特定のITベンダーに依存しない中立的な団体が運営しているため、第三者視点で汎用的な知識・スキルの証明になり得る資格です。
さらに、実技試験が課される「RHCE」や「LFCS」などを取得できれば、知識だけではなくエンジニアリング力の証明も可能になるでしょう。

2. 現役ITエンジニアが目指すべきLinux系資格一覧

では、実際に現役ITエンジニアが取得を検討すべきLinux系資格について解説します。

LPIC(Linux Professional Institute主催) 

Linux Professional Instituteが主催する資格で、難易度別に3つのグレードに分かれています。日本国内でも非常に知名度が高い資格です。

LPIC level1 

Linux系OSの基本操作を問う試験です。ITエンジニア向けとしては最も優しいレベルに相当し、ディストリビューションに依存しないLinux系OSの基本知識(コマンドライン操作、基本的な機能など)が出題されます。101および102という2つの試験で構成され、どちらにも合格することで認定が受けられます。
 

  • ・正答率…65%~75%で合格

    ・取得までの学習時間目安…30時間程度

    ・試験形式…PCを用いた選択回答式の試験、キーボード入力による記述も多少あり

    ・費用…各試験15000円(合計3万円程度)

    ・勉強方法…書籍、実機演習

    ・現場での評価…LPICleve1のみでは評価の対象になりにくく、「基礎レベルの知識の証明」以上の効果は見込めないでしょう。ただし、上位資格の受験にはLevel1の合格が含まれるため、スキルアップの過程では必要な資格になります。現役ITエンジニアであれば、Leve2以上の取得を視野に入れたいところです。
     

LPIC level2 

LPIC level1の上位資格であり、2つの試験(201および202)で構成されます。また、受験のためにはLevel1に合格する必要があります。

Linux系OSの導入・運用・障害対応・キャパシティプランニングに加え、ネットワーク系の基礎知識・ストレージ管理に必要な知識など、Level1よりも実務寄りの知識が出題される試験です。サーバーエンジニアとして3年程度の経験を積んだ実務者向けの試験であることから、実機を用いた対策をおすすめします。特に202はWebサーバー・メールサーバー・共有フォルダ・ドメイン・ディレクトリ構築など出題範囲が広いため、実機でSambaやOpenLDAPなどに触れながら学習を進めると、イメージをつかみやすいかもしれません。
 

  • ・正答率…65%~75%で合格

    ・取得までの学習時間目安…50~100時間程度

    ・試験形式…PCを用いた選択回答式の試験、キーボード入力による記述も多少あり

    ・費用…各試験15000円(合計3万円程度)

    ・勉強方法…書籍、実機演習

    ・現場での評価…level1に比べると実務寄りの知識が格段に増えており、エンジニアリング力を証明する手段と成り得るでしょう。ただし、実技試験が課されないことや上位資格(Level3)の存在などから、「スペシャリスト」として評価される資格ではないと考えてください。転職時にプラス材料となるかは、ケースバイケースです。
     

LPIC level3

LPICの最上位資格であり、level2の合格で受験が可能になります。level1・level2とは異なり、専門分野別に認定が受けられる試験です。実際の実務では、環境によってエンジニアの役割が変化するため、どの役割を任されるかで必要な知識・スキルが異なります。level3はこうした実情を踏まえ、「混在環境」「セキュリティ」「仮想化」という3つの分野で認定試験を設けています。学習量自体はlevel2よりも少ないため、level2の内容をどれだけ定着させられるかで、難易度が大きく変化します。
 

  • ・正答率…65%~75%で合格

    ・取得までの学習時間目安…50~100時間程度

    ・試験形式…PCを用いた選択回答式の試験、キーボード入力による記述も多少あり

    ・費用…各試験15000円

    ・勉強方法…書籍、実機演習

    ・分野別に設計、構築、運用保守まで広範な出題があります。「スペシャリストレベル」「エキスパートレベル」を想定しているため、実務経験が伴っていれば、該当分野では「専門家」としての評価も視野に入ります。

LinuC(LPI-Japan主催)

LPI日本支部による日本国内向けのLinux認定資格試験です。仮想環境やクラウド環境に重きを置いた出題内容が特徴です。

LinuCレベル1 

ディストリビューションに依存しないLinux系OSの基本知識(コマンドライン操作、基本的な機能など)を問う資格試験です。仮想マシンやコンテナなど現在のビジネス環境に即した内容が含まれており、日本国内の実情をある程度反映させた試験となっています。難易度はLPIC level1と同程度で、101および102の2試験で構成され、2つの試験に合格することで認定が受けられます。
 

  • ・正答率…65%~75%で合格

    ・取得までの学習時間目安…30時間程度

    ・試験形式…PCを用いた選択回答式の試験、キーボード入力による記述も多少あり

    ・費用…各試験15000円(合計3万円程度)

    ・勉強方法…LPI-Japan公式サイトに掲載されている教材、書籍、実機演習、LPI-Japan認定校での学習など

    現場での評価…LPICと同様に、LinuC-1のみでは評価の対象になりにくく、「基礎レベルの知識はある」という認識にとどまるでしょう。こちらも、より上位の資格と併せて取得を検討すべきです。
     

LinuCレベル2 

LinuC-1の上位資格です。混在環境の導入・設計・運用・障害対応に加え、キャパシティプランニング・ネットワーク基礎・ストレージ管理などが出題範囲となっています。また、仮想マシンやコンテナなど複数システムの統合管理の知識も出題されるため、覚えるべき内容が多く、実務寄りで難易度が高めです。201および202の2試験で構成され、どちらにも合格することで認定が受けられます。
 

  • ・正答率…65%~75%で合格

    ・取得までの学習時間目安…50~100時間程度

    ・試験形式…PCを用いた選択回答式の試験、キーボード入力による記述も多少あり

    ・費用…各試験15000円(合計3万円程度)

    ・勉強方法…LPI-Japan公式サイトに掲載されている教材、書籍、実機演習、LPI-Japan認定校での学習など

    ・現場での評価…仮想環境を含む実務寄りの知識が大半を占めており、小~中規模クラスのITインフラ管理者向けの試験といえでしょう。経験3年程度までの初級~中級エンジニアにおすすめできます。国内のITインフラ構築・運用管理プロジェクトであれば、LinuC-2資格取得によって評価を高められる可能性が高いです。
     

LinuCレベル3

LinuCの最上位資格で、LPIC Level3と同様に専門分野別に試験が分かれています。中~大規模クラスのエンタープライズITシステムを想定しており、「300-混在環境」「303-セキュリティ」「304-仮想化と高可用性」のいずれかに合格することで認定が受けられます。
 

  • ・正答率…65%~75%で合格

    ・取得までの学習時間目安…50~100時間程度

    ・試験形式…PCを用いた選択回答式の試験、キーボード入力による記述も多少あり

    ・費用…各試験15000円

    ・勉強方法…LPI-Japan公式サイトに掲載されている教材、書籍、実機演習、LPI-Japan認定校での学習など

    現場での評価…分野別に設計、構築、運用保守まで広範な出題があり問われる知識も深く、実務寄りです。「エキスパートレベル」を想定しているため、該当分野では知識・スキルの証明になりうるでしょう。ただし、LPICと同様に「相応の実務経験」が伴っていることが前提です。

Led Hat認定資格試験

Linux系ディストリビューションの中でも、特にエンタープライズに強い「Redhat系」の資格試験です。実技試験を伴うため難易度が高いことで知られています。

RHCSA(EX200)

Redhat Linuxを用いた大規模システムにおける運用・管理の知識を問われる試験です。RHCSAは「豊富な実務経験」を前提としてエンジニアリング力を問う試験であり、2.5時間におよぶ実技試験がメインです。シェルスクリプトを用いた基本的なコマンドライン操作、システムやプロセスの起動と終了、ストレージ設定、ファイルシステム作成および設定、SSHベースのセキュリティ管理など、一見するとLPICやLinuCと似た試験内容です。しかし、これらすべてのオペレーションを実技で証明しなくてはならないため、座学の知識よりも実務経験が必要になります。
 

  • ・取得までの学習時間目安…100時間以上、1年以上程度の実務経験

    ・実技をベースとした試験(2.5時間)

    ・費用…55000円

    ・勉強方法…実機演習および外部研修

    現場での評価…実技ベースの認定試験であることから、実務でも役立つ人材であると評価されます。
     

RHCE(EX300)

RHCSAの上位資格でRHCSAの合格が認定条件に含まれています。Redhat Linuxを用いた大規模システムにおける運用・管理チームリーダークラスの知識を問われる内容です。複数のITインフラの接続と集約、Kerberosを使用した認証システム構築、仮想化を前提とした各サーバーの構成、データベースの設置と運用などが試験範囲です。エンジニアとしての知識はもとより、「運用保守チームをまとめる上級管理者」「チームリーダー」に必要な知識が問われます。


  • ・取得までの学習時間目安…200時間以上程度、1~3年以上の実務経験

    ・実技をベースとした試験(3.5時間)

    ・費用…55000円

    ・勉強方法…実機演習やRedhat社が提供する公式トレーニングを用いる方法がおすすめ

    現場での評価…RHCSAと同様に実技ベースであることから座学だけでの取得は非常に難しいことで知られています。取得者はLinuxベースのシステム構築・運用・保守すべてにおいて、一定以上のスキルを持つことを証明できるでしょう。その希少性の高さから、取得者は名刺に資格名を記載するケースも珍しくないほどです。

Linux Foundation系資格

米国を拠点とする技術系の非営利団体(Linux Foundation)が主催する資格試験です。日本国内での知名度はそれほど高くないものの、グローバルでは評価の対象になり得ます。ブロックチェーン・コンテナ・仮想化などの内容が盛り込まれているため、現在のITインフラの実情を反映した試験内容となっています。LPICやLinuCと比較した場合、全体的に難易度が高めです。前述のRedhat系資格に近いイメージを持つと良いでしょう。

LFCE(LFCE-JP)-Linux Foundation認定システム管理者 

経験3~5年程度のエンジニアを対象とした資格試験です。コンソール入力による実技試験が課されており、実技試験の要素もあります。基本的なコマンドライン操作、システムの起動と終了、ログ分析、ネットワークとストレージ管理、ユーザー管理といった内容がメインです。
 

  • ・取得までの学習時間目安…100時間以上程度、1~3年以上の実務経験

    ・コンソール入力による実技を交えた試験(2時間)

    ・試験のみで300ドル、トレーニングコースセットの場合は約500ドル

    ・勉強方法…実機演習や公式トレーニング、オンライン授業を用いる方法がおすすめ。無償トレーニングコースあり

    現場での評価…日本国内での評価は未知数ですが、有償のオンライントレーニングコースや実技試験の存在から、今後は知名度・評価ともに高まる可能性があります。外資系企業やグローバルプロジェクトでは、日本国内の資格よりも評価されるかもしれません。
     

LFCS(LFCS-JP)…Linux Foundation認定エンジニア 

LFCEの上位資格で、技術的な内容の比重が高まっています。構築・運用・保守を万遍なくこなせるレベルのエンジニアを想定しており、LFCEよりも構築フェーズやトラブルシューティングの知識がより多く問われます。こちらも、コンソール入力による実技試験があります。
 

  • ・取得までの学習時間目安…100~200時間以上、1~3年以上の実務経験

    ・コンソール入力による実技を交えた試験(2時間)

    ・試験のみで300ドル、トレーニングコースセットの場合は約500ドル

    ・勉強方法…実機演習や公式トレーニング、オンライン授業を用いる方法がおすすめ。無償トレーニングコースあり

    現場での評価…こちらも日本国内での評価は未知数ですが、今後は知名度・評価ともに高まる可能性があります。外資系企業やグローバルプロジェクトへの参画を想定するのであれば、取得しておいて損はないでしょう。

3. まとめ

実力主義のIT業界では、「資格取得=年収アップ」となるかはケースバイケースです。ただし、LinuxはエンタープライズIT市場で絶大な信頼を得ており、今後も広く使われていくと予想されていることから、認定資格の取得によってキャリア・年収向上に貢献する可能性が高いといえます。転職を希望する方は、ぜひ資格取得を視野に入れてみてください。

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