プロジェクトマネージャー(PM)におすすめの資格!難易度別に勉強方法を紹介

最終更新日:2025年4月4日

一般的にプロジェクトマネジメントとは、複数人数が関係するシステム開発などのプロジェクトを成功に導くために日程や人員、予算計画などを立案し、その進捗を管理する活動のことを指します。QCDと呼ばれるQuality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)を担保するには、進捗を管理する人間が必要です。

プロジェクトマネージャーのミッションは、プロジェクトごとに設定される納期、品質、コスト目標を達成することです。これらを達成するには、スコープ、リスク、コストのマネジメントなど非常に幅広いスキルが必要です。

また、顧客の課題に対するソリューション提案もプロジェクトマネージャーが担当するケースも多く、ITコンサルティングのスキルも必要な場合があります。これらのスキルの習得や証明には、資格制度の活用が近道です。

この記事では、プロジェクトマネージャーを目指す方に向けて、プロジェクトマネージャーに役立つ資格についてメリットや難易度などの情報を交えながら紹介します。

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この記事のまとめ

  • プロジェクトマネージャーに関する資格取得が推奨される理由は、実力やスキルの証明や転職やキャリアアップに有利な点などがある
  • プロジェクトマネージャーの業務範囲は、プロジェクトの企画・管理や人材採用、メンバーマネジメントなどがある
  • プロジェクトマネージャーには、プロジェクトマネジメントスキルを証明する資格やITコンサルティングスキルを証明する資格が役立つ

プロジェクトマネージャー未経験でも資格なしで転職することは可能?

プロジェクトマネージャー未経験でも資格なしで転職することは可能です。実際資格を持っていないプロジェクトマネージャーも多いでしょう。資格がなくてもIT業界での経験が豊富で、業務をこなせれば問題ないからです。ただし経験がないと、他の人が客観的にあなたを評価することは難しいです。

たとえばプロジェクトマネジメントに特化した資格を取得していると、一定の知識を有していることの証明にはなります。とはいえ上記の通り資格がなくてもプロジェクトマネージャーになることは可能なので、まずは求人状況を確認したい人はレバテックキャリアの利用をご検討ください。

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プロジェクトマネージャーにおすすめの資格

プロジェクトマネージャーにおすすめの資格は以下です。

資格名 概要 難易度
プロジェクトマネージャ
試験
プロジェクトマネジメント
に特化した国家資格
非常に高い
PMP® プロジェクトマネジメントの世界
標準「PMBOK」に基づく国際的な資格
やや高め
P2M試験 プロジェクトマネージャーの
知識とスキルを評価する資格
試験種類によって異なる
。 ※上位試験のほうが
難易度が高い
PMOスペシャリスト
認定資格
プロジェクトマネージャーの
業務サポートスキルを評価する資格
やや高め

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によって実施されている情報処理技術者試験(国家試験)の一区分です。プロジェクトマネージャーとして必要な能力を持っているかどうかを図る試験で、IPAの中でも難易度は高いです。日本国内でもっとも有名なプロジェクトマネージャー向けの試験といえるでしょう。

概要 プロジェクトマネジメント
に特化した国家資格
出題内容 プロジェクトマネジメント、セキュリティ、
開発技術、ソフトウェア開発管理技術、
サービスマネジメント、システム企画、法務
難易度 非常に高い
受験料 7,500円(税込)
おすすめの人 これからプロジェクトマネージャーを目指す中堅ITエンジニア
およびプロジェクトマネージャーとしての経験を持ち、
転職でスキルを示したいITエンジニア
おすすめの参考書 『情報処理教科書 プロジェクトマネージャ
 2023年版』(三好 康之、翔泳社)

プロジェクトマネージャー試験の取得は、自身のプロジェクトマネジメントスキルを証明し、高い評価を得るための重要な手段です。これは国家試験の一つであり、資格手当の増加や転職時の有利性をもたらします。特にIT業界でのキャリア形成において、この資格は仕事の幅を広げ、年収向上やキャリアアップのチャンスを大いに広げる可能性があります。

プロジェクトマネジメント関連の資格の中では、プロジェクトマネージャ試験は知名度でも評価面でも群を抜いていると考えて差し支えないでしょう。

関連記事:
プロジェクトマネージャーの平均年齢は?何歳まで目指せる?
プロジェクトマネージャ試験の勉強法!勉強時間や難易度などの合格対策

PMP®

PMP®は、プロジェクトマネジメントの世界標準である「PMBOK」に基づく国際的な資格で、グローバルに通用します。この資格は、米国のProject Management Institute(PMI)が認定し、1984年から提供しています。PMPを取得すると、プロジェクトマネジメントに関する体系的な知識と理解度を有していると広く認識され、海外でも高い評価を得ることが可能になります。

掘り下げた内容ではなく、まずはプロジェクトマネジメントについて広く浅く知りたい人に特におすすめです。

概要 プロジェクトマネジメントの世界標準
「PMBOK」に基づく国際的な資格
出題内容 プロジェクトマネジメントに関する経験、教育、知識
難易度 やや高め
受験料 【PMI会員】405ドル
【一般】555ドル
おすすめの人 プロジェクトマネージャの補佐やSE職などの
経験がある人
おすすめの参考書 『PM教科書 PMP完全攻略テキスト PMBOKガイド
第7版対応 改訂版』(鈴木 安而、PMアソシエイト著、
株式会社NTTデータユニバーシティ監修、翔泳社)

PMP資格を取得することで、世界標準であるPMBOKをベースとしたプロジェクトマネジメントスキルを習得していることを証明できます。また、この資格はグローバルで知名度が高いため、オフショア開発など海外でのプロジェクトにおけるスキル証明にもなります。

関連記事:プロジェクトマネージャーとディレクターの違いとは?

P2M試験

P2M試験は、日本プロジェクトマネジメント協会が認定する資格で、プロジェクトマネージャーの知識とスキルを評価します。2001年にエンジニアリング振興協会が発行し、2002年以降は日本プロジェクトマネジメント協会が運営しています。ITから製造業や建設業界まで、多様な業種の事業責任者や管理者が受験し、プロジェクトマネジメントやプログラムマネジメントの知識とスキルを証明します。

概要 プロジェクトマネージャーの知識
とスキルを評価する資格
出題内容 プロジェクトとプロジェクト
マネジメントに関する内容
難易度 試験種類によって異なる。
※上位試験のほうが難易度が高い
受験料(税込) 【PMC資格試験】17,000円
【PMSプログラム試験】22,500円
【PMS資格試験 】39,200円
【PMR資格試験】220,000円
おすすめの人 プロジェクト管理のスキルを
段階的に学びたい初学者
おすすめの参考書 『改訂3版プログラム&プロジェクト
マネジメント標準ガイドブック』(日本
プロジェクトマネジメント協会)

P2M資格試験にはプロジェクトマネジメントの知識が出題されるため、プロジェクトマネジメントの知識の証明になります。また、プログラムマネジメント(複数のプロジェクトを横断的に管理する手法)について学べるため、複数プロジェクトのマネジメントを行うプロジェクトマネージャーやプロジェクトマネージャーの統括者(部門長など)を目指す際にも役立ちます。

例えば、大規模開発の際には、インフラ開発やソフトウェア開発、品質管理などの小規模プロジェクトが並行して進んでいきます。プログラム&プロジェクトマネジメントを学ぶことで、同時並行で進む複数のチーム(プロジェクト)の関連性を把握し全体を統括管理するスキルを習得できるでしょう。

プロジェクトマネージャ試験はハードルが高く取得に時間がかかりすぎるので、P2M試験を順に受けてステップアップしていく方法もあります。

PMOスペシャリスト認定資格

PMOとは「プロジェクトマネジメントオフィス」の略称で、その主な役割はプロジェクトマネージャーの業務をサポートし、企業内のプロジェクトマネジメントのルールや手順を標準化することです。このPMOの役割を効果的に果たすためには特定のスキルが必要となります。そのスキルを証明し、PMOの専門性を認定するための資格がPMOスペシャリスト認定資格となります。この資格を取得することで、PMOとしての専門知識と能力を公的に証明することが可能となります。

概要 プロジェクトマネージャーの業務
サポートスキルを評価する資格
出題内容 PMOの定義、PMOを設計する
ための技法、PMO活動事例など
難易度 やや高め
受験料
(税込)
【PMOスペシャリスト(★)】
<初回受験>
一般:14,300円
NPMO会員:9,900円
<再受験>
一般:5,500円
NPMO会員:3,300円
【PMOスペシャリスト(★★)】
<初回受験>
一般:16,500円
NPMO会員:11,000円
<再受験>
一般:5,500円
NPMO会員:3,500円
おすすめの人 PMOとしてプロジェクトに携わりたい人
おすすめの参考書 PMOスペシャリスト(★)認定資格
|日本PMO協会

PMOスペシャリスト(★★)認定資格
|日本PMO協会

PMOスペシャリスト認定資格の取得は、PMO業務についての深い理解を得るための重要な手段であり、その知識とスキルを公的に証明できます。資格を取得することで、キャリアアップや転職活動において大きな利点となります。さらに、PMO業務は一般的なビジネス業務と多くの共通点を持っています。そのため、PMOスペシャリスト認定資格を取得することは、全体的なビジネススキルの向上にも寄与します。

勉強方法としては、おすすめの教材に記載している公式のeラーニング教材を使用してください。

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プロジェクトマネージャーが持っておくと便利なほかの資格

プロジェクトマネージャーがプロジェクトマネジメント以外の資格を取得することで、より幅広い活躍ができます。具体的には、以下のような資格を取得すると良いでしょう。

資格名 概要 難易度
ITストラテジスト試験 IT戦略、経営戦略を行う
人材に向けた国家試験
非常に高い
ITコーディネータ試験 ITと経営の知識を組み合わせ、
経営に貢献できるITサービス活用
スキルを身につける内容
比較的易しい
応用情報技術者試験 エンジニアに必要な幅広いIT知識
を問う内容
普通

ITストラテジスト試験

ITストラテジスト試験はIT戦略、経営戦略を行う人材に向けた国家試験です。ITコンサルティングスキルを示すことのできる資格となっています。本項では、ITストラテジスト試験の試験概要やおすすめの本・参考書、おすすめの講座、取得する価値・メリットについても詳しく解説します。ITストラテジスト試験の受験の参考にしてください。

概要 IT戦略、経営戦略を行う人材に向けた国家試験
出題内容 セキュリティ、システム戦略、システム企画、
経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、
ビジネスインダストリ、企業活動、法務
難易度 非常に高い
受験料
(税込)
7,500円
おすすめの人 プロジェクトマネージャーやITコンサルタントと
いった最上流工程を担うエンジニア職をつとめ、
IT戦略を策定する経営レベルの業務へも関わっていく人材
おすすめの参考書 『情報処理教科書 ITストラテジスト
2024~2025年版』(広田 航二、翔泳社)

ITストラテジストの資格は、IT戦略の策定能力など、ITコンサルタントとして必要なスキルを公的に証明するものです。この資格は、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアをさらに進め、IT部門のリーダーや最高情報責任者(CIO)などの高位のポジションを目指す方々にとって、その能力と適性を示す重要な手段となります。

資格の取得は、自身の専門性とリーダーシップを明確に示すことができ、より高いキャリアパスを追求するための信頼性を確立できます。特に経営戦略を考える層を目指す場合には、ITをどのように活用すれば企業成長につながるかを学べるためおすすめです。

関連記事:ITストラテジストとは?試験内容や転職時のキャリアを解説

ITコーディネータ試験

ITコーディネータ試験は、IT経営を推進するプロフェッショナルを対象とした資格試験で、多様な業種や企業規模に適用可能な"ITコーディネータプロセスガイドライン"に基づいて出題されます。この資格は、経営者に対してIT利活用の助言や支援を行う人材を育成することを目的としており、2001年から提供されています。通商産業省が国家プロジェクトの一環として設けたこの制度は、資格取得者に対して経営者への積極的なアドバイスなど、重要な役割を果たすことを期待しています。

概要 ITと経営の知識を組み合わせ、経営に貢献できる
ITサービス活用スキルを身につける内容
出題内容 IT技術を利用した経営戦略・企画能力・
企画推進力など
難易度 比較的易しい
受験料
(税込)
19,800円(税込)
おすすめの人 経営とITを橋渡しする立場の人
おすすめの
参考書
『IT経営推進プロセスガイドライン Ver3.1』
(特定非営利活動法人ITコーディネータ協会)

経営戦略からIT戦略、資源調達、IT導入、IT運用までの一貫した工程を学べるため、これらの工程をマネジメントするプロジェクトマネージャーの業務に役立ちます。また、実務研修で全ての工程を模擬的に体験できるので、実務経験の補強になるでしょう。現場のマネジメントだけでなく、事前・事後を学び、キャリアにつなげたい方におすすめです。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の次のステップとしておすすめの資格です。応用情報技術者試験を通して幅広い知識を習得することで、ITや経営について理解を深めたうえでプロジェクトマネジメントに取り組めます。

またプロジェクトマネージャ試験は応用情報技術者試験の上位資格なので、プロジェクトマネージャ試験の合格を目指すのであればまずは応用情報技術者の合格を目指してください。

概要 エンジニアに必要な幅広いIT知識を問う内容
出題内容 ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェア
を作る人材に必要な応用的知識・技能
難易度 普通
受験料
(税込)
7,500円
おすすめの人 ITに関する幅広い知識を身につけたい人や
プロジェクトマネージャ試験の合格を目指したい人
おすすめの参考書 『令和07年 【春期】【秋期】 応用情報技術者
合格教本(大滝 みや子/岡嶋 裕史、技術評論社)』

関連記事:未経験でプロジェクトマネージャーになるには?資格や適性を解説

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PMが資格を取得するときの注意点

PMが資格を取得するときの注意点として以下が挙げられます。
 

  • ・あくまでも資格より実務スキルの方が重要

    ・スキルアップや評価アップに結びつく資格を取得する


プロジェクトマネージャーを目指す人にとって資格取得は有効ですが、実務スキルを優先する考えや、実務ベースで資格を選ぶことが重要です。資格取得はあくまでもプロジェクトマネージャーとして活躍するための手段なので、この目的を意識したうえで資格と向き合ってください。

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まとめ

この記事では、プロジェクトマネージャーを目指す方に向けて、プロジェクトマネージャーに役立つ資格についてメリットや難易度などについて解説しました。

プロジェクトマネージャーは、スケジュール、成果物の品質、コストなどの制約条件を認識して、できるだけ早く問題を察知し、問題があった場合には適切に対策を行いながらプロジェクトを進めていく役割を担います。マネジメントスキルはもちろんのこと、最近ではITコンサルタントスキルを要求されるケースも増えています。

今回ご紹介した資格を取得することで、理論や知識について体系的に学ぶことができるほか、客観的なスキルの証明になるでしょう。プロジェクトマネージャーの仕事に興味がある方は、資格を取得してプロジェクトマネージャーへの転職にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

関連記事:PM(プロジェクトマネージャー)に向いている人、向いていない人とは

この記事の監修

レバテックキャリア編集部

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