DevOpsエンジニアとは?必要なスキルや年収、おすすめ資格などをご紹介

最終更新日:2023年2月6日

DevOpsエンジニアは、ITシステムの開発・運用に一貫して携わる職種です。DevOpsエンジニアの仕事内容は、一見するとインフラエンジニアに似ています。しかし、視点やスキルに関してはプラスアルファを求められることが多いかもしれません。ITシステムにかかわるフルスタック型の人材を目指すのであれば、DevOpsエンジニアは有望な職種のひとつです。ここでは、DevOpsエンジニアに転職して新しいキャリアを積んでいきたいと考えているエンジニアに向けて、DevOpsエンジニアの仕事内容や必要とされるスキル、将来性などについて解説します。

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DevOpsエンジニアとは?

DevOpsエンジニアとは「開発と運用をシームレスに連携させ、サービスを稼働させながらシステム全体を最適な状態に維持する」という役割を担う職種です。

DevOpsエンジニアは、自動化や高速化を行いつつ、ITシステムにおける開発・運用保守をバランスよくサイクルさせる職種です。インフラエンジニアと混同されることもありますが、インフラエンジニアの業務内容に加えて「自動化」「高速化」「全体最適」などの視点が必要になると考えれば、イメージがつかみやすいかもしれません。

DevOpsとは

「DevOps」は「Development(開発)」と、「Operations(運用)」を合体させた造語であり、従来は分断されていた開発と運用を連携し、同一のプロセスとして扱う考え方を指します。現在では「サービスを稼働させながら、システムやソフトウェアを継続的に改善する考え方」や、「リアルタイムに改善・修正を反映させるための方法論」を表すことが多いでしょう。また、「開発・運用・品質管理が一体となった方法論」とも言えます。

DevOpsエンジニアの仕事内容

DevOpsエンジニアの仕事は「開発者と運用者の中間に立つ、もしくは統括的な立場で改善策を提案、実行する」ことです。具体的には、下記のような内容が含まれます。

CI/CD

DevOpsエンジニアの仕事内容の中で最重要と言えるのが「CI/CD」です。日本語では「継続的インテグレーション/継続的デリバリー」と翻訳されます。CI(継続的インテグレーション)は、開発からテストまでのプロセスを自動化し、短期間で品質を担保する手法のことです。

これに対してCD(継続的デリバリーは)、システムが常に最新・最善の状態にあるようにバグフィックスや機能追加を継続的に、かつ自動的に適用する手法を指します。CI/CDによって「ビルド・テスト・デプロイ」が継続的に自動化されるというわけです。

システムやアプリケーションのリソース管理

CI/CDの一環として、システムやアプリケーションのリリース管理も担当します。システムに対する変更を安全かつスムーズに適用し、品質が落ちないようにコントロールすることが目的です。

ライブラリ管理

ライブラリ管理とは、システムに加えられた変更や本番環境への適用をチェックポイントとして保存し、ライブラリ(書庫)のように整理して管理することです。ライブラリ管理を行うことで、さまざまな断面でシステムの状態を記録しておくことができるほか、不具合が発生した場合には過去の状態に差し戻すことも可能です。

セキュリティ管理

DevOpsエンジニアは、システム全体のセキュリティを維持するために、セキュリティアップデートのチェックや適用なども担います。

DevOpsエンジニアの年収

DevOpsエンジニアの年収は企業により異なりますが、一般的に500〜1,500万円程度だといわれています。年収の幅が広いのは、企業によってDevOpsエンジニアのとらえ方が違うのとスキルや経験によって評価が異なるからです。

indeedよると日本のdevopsエンジニアの平均給与は、年収5,686,876円です。(2023年1月10日現在)

AWSなどのクラウドサービスに詳しい開発経験も豊富なエンジニアの場合やDevOpsチームのマネージャー経験者であれば1000万円以上の年収が得られる可能性もあるでしょう。

DevOpsエンジニアの将来性

次に、DevOpsエンジニアの将来性について解説します。結論から述べるとDevOpsエンジニアの将来性は高いです。

現在は「サービスを止めずに改善を反映させる」ことが当たり前になりつつあり、DevOpsの需要は増加傾向です。特にクラウド利用を前提とした場合、開発/運用の一体化は当然の流れです。さらに、省力化や管理コストの削減という流れから、自動化や各種ツール利用による効率化も必須になるでしょう。これらはいずれも、DevOpsエンジニアに期待される役割に含まれています。

また、DevOpsエンジニアはアジャイル開発においてチーム全体のパフォーマンス向上を担う存在でもあります。ウォーターフォール開発からアジャイル開発にトレンドが移りつつある今、DevOpsエンジニアの存在はますます大きなものになっていくでしょう。

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DevOpsエンジニアに必要なスキル

次に、DevOpsエンジニアに必要なスキルを解説します。DevOpsエンジニアの仕事は幅広いため、必要なスキルも多岐にわたります。そのため、ここでは主要スキルのみ抜粋して紹介します。

CI/CDへの理解

一般的にCI/CDは、専用のツールを用いて実現します。そのため、CI/CDツールの使い方についても知識が必要です。AWSであれば「CodeBuild」や「CodePipeline」、GCPには「Cloud Build」といったCI/CDツールがあります。また、Webサービスの開発でよく使用される「CircleCI」などもおさえておくべきでしょう。

主要なクラウドプラットフォームのマネージメントサービスの知識

AWS・GCP・Azureといったクラウドプラットフォームには、運用管理者向けに「マネージドサービス」が用意されています。マネージドサービスは構築・運用・監視・障害対応までをワンストップで実行できるため、DevOpsエンジニアには非常にありがたい存在です。

ブランチモデル、タスク管理のスキル

バージョン管理やライブラリ管理を行うにあたって、「ブランチモデル」も理解しておきましょう。ブランチモデルとは、ある作業を進めるうえで分岐(ブランチ)が発生する際のルールを定めたものです。Gitなどのバージョン管理ツールを使う場合には、ブランチモデルを確立したうえでブランチを作成し、システムが歩んできた経緯を記録しておかなくてはなりません。また、タスク管理については、デグレードやコンフリクトが発生しないような粒度でタスクを管理する必要があるでしょう。

infrastructure as Code (lac)の知見、ツールの理解

ITインフラのコード化(Infrastructure as Code、以下IaC)は、ここ数年でインフラエンジニアの必須スキルと呼ばれるまでに普及しました。IaCはDevOpsエンジニアにとっても必須スキルのひとつです。IaCによってインフラ構築が自動化できたり、構成の把握が楽になったりと複数のメリットがあるため、ぜひ身に着けるようにしましょう。

スクリプト言語を扱える

DevOpsエンジニアは「インフラ環境構築・構成管理の自動化」や「ビルドやテストの自動化」のためにシェルスクリプトなどのスクリプト言語を扱う場合があります。

シェルスクリプトはUnix系OSのコマンドをまとめて実行できるスクリプト言語ですが、Windows向けのターミナルエミュレータ「Tera Term」のマクロ言語やWindowsバッチファイルの作成についての知識も身につけておくと良いでしょう。

くわえて、PythonやRubyのような軽量プログラム言語も習得しておくことも望ましいです。これらの言語でファイルのインポートやノードの監視などを効率化するツールが簡単に作成できます。また、障害対応時のログ調査などにも役立ちます。特に障害発生時のログ調査では、膨大な量のログから特定の文字列を抜き出す作業を自動化できます。そのため原因特定までの時間が短縮でき、結果として早期復旧に貢献できます。

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DevOpsエンジニアにおすすめの資格

最後に、DevOpsエンジニアにおすすめの資格について解説します。資格を取得することで客観的にスキルを証明することができます。

AWS認定DevOps Engineer Professional

ITインフラとしてクラウドサービスを利用する企業が増えています。クラウドサービスのなかでも世界最大のシェアを持つといわれているのがAWS(Amazon Web Services)です。

AWS認定DevOps Engineer Professionalの資格を取得するとAWSインフラとアプリケーションのテストとデプロイを自動化する能力が認定されます。AWSのDevOpsエンジニアとして相応の知識があることを対外的にも証明できます。

AWS認定資格には他にも基礎的な知識が問われる「クラウドプラクティショナー」や中級者向けの「アソシエイト」などがありますが、AWS認定DevOps Engineer Professionalは上級者向けの資格です。AWSでのシステム開発・管理・運用について2年以上の実務経験をもつ人を受験者として想定しています。

Professional Cloud DevOps Engineer 認定資格

Professional Cloud DevOps Engineer 認定資格は Googleが提供しているクラウドコンピューティングサービス「Google Cloud」が認定するプロフェッショナル資格のひとつです。

試験では、Google社が提唱・実践しているシステム管理とサービス運用の方法論である「SRE(サイト信頼性エンジニアリング)」や DevOps の考え方に基づいた手法や設計についての知識が問われます。

試験問題は全て英語になっていて、試験管とも英語で応対するので英語の知識が必要です。

Microsoft資格 Azure DevOps Engineer Expert

Microsoftが運営するクラウドサービス 「Microsoft Azure」に関連する資格です。

この資格はAzure、AzureDevOpsを利用してDevOpsの仕組みを構築するスキルを認定するものですが、一般的なDevOpsの知識に関する問題も多く出題されます。この資格を取得することでAzureに限定されないDevOpsの知識を身に付けることができます。

なお、この資格の試験を受けるには、事前に「Azure Administrator Associate」と「Azure Developer Associate」という2つの試験のいずれか1つにパスしていることが条件となります。

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まとめ

DevOpsエンジニアは、ITシステムの開発・運用というライフサイクル全般に一貫して関わる職種です。インフラエンジニアとの共通点が多いものの、開発側の視点・スキルも必要になる点で違いがあります。特にCI/CDに関する知識は必須レベルです。ITシステムにかかわるフルスタック型の人材を目指すのであれば、DevOpsエンジニアは有望な職種のひとつだといえるでしょう。

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