試験の概要やおすすめの勉強方法、取得すると仕事に役立てられる職種例も紹介HTML5プロフェッショナル認定試験とは?取得するメリット

最終更新日:2022年9月30日

レバテックキャリアは
ITエンジニア・Webクリエイター専門の転職エージェントです

HTML5プロフェッショナル認定試験は、Web業界で求められる知識を体系的にまとめた試験です。その名称からHTML5に関する試験と考えられがちですが、実際はCSS3・JavaScriptなどにも言及した実践的な資格試験と言えます。

試験はWebコンテンツ制作の基礎力を測る「レベル1」と、最新のWebアプリケーションや動的Webコンテンツの開発・設計の能力を測る「レベル2」に分けられており、どちらの取得を目指すのかによって学習範囲や勉強時間、方法などが変わってきます。

Web業界への転職を希望する場合には、特に取得を目指したい資格のひとつです。ここでは、HTML5プロフェッショナル認定試験の取得を検討中の方に向けて、試験の概要や難易度などについて解説します。取得するメリットや取得に向いている職種も紹介しますので、本当に取得すべきかどうかの判断材料にしてみてください。

HTML5プロフェッショナル認定試験とは

HTML5プロフェッショナル認定試験は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(以下LPI-Japan)が運営する資格試験です。マークアップといえばHTMLやCSSの知識が中心と思われがちですが、HTML5プロフェッショナル認定試験ではJavaScriptやAPIについても出題されます。

LPI-Japanは、HTML5プロフェッショナル認定試験を「最新のマークアップに関する技術力と知識を中立的な立場で認定する制度」と位置付けています。ただし、実際にはマークアップという領域を超え、Webコンテンツ・アプリケーション制作など、主にフロントエンド領域の知識を問われる試験です。

HTML5プロフェッショナル認定試験の詳細と対策ポイント

HTML5プロフェッショナル認定試験は2つのレベル(レベル1、2)に分けて提供されています。それぞれの具体的な出題範囲や難易度、対策ポイントなどを以下にまとめました。

受験者数や合格率は非公開

HTML5プロフェッショナル認定試験の受験者数や合格率は、LPI-Japanから正式に公表されていません。合格点も非公開となっていますが、試験は約7割程度の正答率で合格できる設定となっているようです。

レベル1は基礎知識を問われる試験であるため、比較的合格しやすいと考えられます。一方、レベル2になるとレベル1よりも内容が難しくなるため、約7割程度の正答率を取るのが困難になるでしょう。レベル2の取得を目指している方は認定条件としてレベル1の取得も必要ですので、まずはレベル1の取得を目的とした勉強を進めることを推奨します。

HTML5プロフェッショナル認定試験レベル1

HTML5プロフェッショナル認定試験レベル1で出題されるのは、主にHTML5・CSS・レスポンシブWebデザインなど「マークアップ」と呼ばれる領域の内容です。試験時間は90分(前後のアンケート5分ずつを含む)で、問題数は約60問、受験料は16500円(税込)となっています。

HTML5プロフェッショナル認定試験レベル1の出題範囲は、2022年2月1日にVer2.0からVer2.5へ改定されました。Ver2.0での受験は2022年7月31日で終了しましたので、今後はVer2.5の出題範囲で勉強していく必要があります。

出題範囲
  • ・Webの基礎知識……HTTPプロトコル、HTMLの書式、Web関連技術の概要など

    ・CSS……スタイルシートの基本、CSSデザイン、カスケード

    ・要素…要素と属性の意味、メディア要素、インタラクティブ要素

    ・レスポンシブWebデザイン……マルチデバイス対応、メディアクエリ、スマートフォン最適化

    ・APIの基礎知識……マルチメディア・グラフィックス系API概要、デバイスアクセス系API概要、オフライン・ストレージ系API概要、通信系API概要


Ver2.0の出題範囲であった「スマートフォンサイト最適化」が、Ver2.5では「マルチデバイス対応」の項目に吸収される形になりました。吸収に伴い「マルチデバイス対応」の重要度が7に上がっています。また、「オフライン・ストレージ系API概要」の重要度が8から4に変更されました。

難易度

レベル1が想定するスキルレベルは「HTML5を使ってユーザ体験を考慮したレスポンシブなWebコンテンツを制作する」というものです。HTML5を主軸として、CSSやAPIなどWebコンテンツ制作における基礎知識を問われる試験と言えるでしょう。難易度はそれほど高くありませんが、技術寄りの内容が多いため、実際の難易度以上に難しく感じるかもしれません。

勉強時間

勉強時間の目安はおよそ40時間、期間としては2週間〜3ヶ月程度とされています。ただし、勉強時間の目安は個人差があります。すでに関連知識やスキルを習得している場合はより少ない時間で済み、全く知識がない場合は40時間以上かかると思っておくとよいでしょう。

勉強方法

参考書や問題集などを使用して何度も演習を重ね、用語や問題に慣れることが合格への近道です。特に、公式サイトで用意されている「サンプル問題」は実際の試験の内容に近い上に全100問以上と量的にも充実しているため、必ず押さえておきましょう。また、実際にコーディングをするなど手を動かして実機で学ぶ勉強方法を公式では推奨しています。

また、LPI-Japanが主催するセミナーやイベントでも基礎知識の解説を行うことがあるため、参加を検討してみてください。エンジニア未経験の場合、API系の問題は理解しにくいことがあるため、重点的に対策を進めてみてください。

HTML5プロフェッショナル認定試験レベル2

HTML5プロフェッショナル認定試験レベル2では、主にUIや動的コンテンツ、システム間連携、Webアプリ開発などの内容が出題されます。ただし、内容はJavaScriptに関するものが多くなっています。試験時間はレベル1と同じく90分で、問題数は40~45問、受験料は16500円(税込)です。

認定条件は「HTML5レベル2試験に合格し、かつ有意なHTML5レベル1認定を保有していること」です。そのため、認定の有意性の期限である5年間以内にレベル1に合格する(合格している)必要があります。HTML5プロフェッショナル認定試験レベル2の出題範囲は、2021年4月21日にVer2.0からVer2.5へ改定されました。

出題範囲
  • ・JavaScript……文法、ES6(ECMAScript2015)以降の新機能

    ・JavaScript API……イベント、ドキュメントオブジェクト、ウィンドウオブジェクトなど

    ・グラフィックス・アニメーション……Canvas、SVG、Timing control for script-based animations

    ・マルチメディア……メディア要素のAPI

    ・ストレージ……WebStorage、Indexed Database、File API、バイナリデータ

    ・通信……Web Socket、XMLHttpRequest、Server-Sent Events

    ・デバイスアクセス……Geolocation API、DeviceOrientation Event

    ・パフォーマンスとオフライン……Web Wokers、High Resolution Time、オフラインアプリケーションAPIなど

    ・セキュリティモデル……クロスオリジン制約とCORS、セキュリティモデルとSSLの関係


Ver2.5では新しく「ES6(ECMAScript2015)以降の新機能」が出題範囲として追加されています。ローカル変数と定数やアロー関数といった、ES6以降に追加された機能および表記法でコーディングができるようになることが必要です。

難易度

レベル1に比べると、JavaScriptを用いたプログラミングとコンテンツ実装の内容が大幅に増えています。実質的に「JavaScriptを用いたWebコンテンツ制作の試験」とも言えるほどで、プログラミングの基礎知識がない場合は難易度が高いと感じるかもしれません。

勉強時間

勉強時間の目安はおよそ360時間とされています。3ヶ月で試験に合格しようと考える場合は、1日4時間の勉強が必要になる計算です。1日4時間の勉強時間を確保するのが難しい方は、4~6ヶ月程度の期間が必要になるでしょう。

レベル1よりも範囲が広く、高度な知識が問われることもあり、勉強時間はレベル1よりもかかる傾向です。特にJavaScriptの内容が増えるため、事前知識がない場合は知識のある方よりも費やす勉強時間が増えます。

勉強方法

レベル1と同様に参考書や公式サンプル問題集などを活用した勉強方法が基本となります。加えて「JavaScript自体の勉強」も進めたいところです。レベル2ではJavaScripを用いた動的Webコンテンツの開発・設計ができる人材を想定しているため、基礎知識がない状態では理解が進みにくいためです。

HTML5プロフェッショナル認定試験を取得するメリット

次に、HTML5プロフェッショナル認定試験を取得するメリットについて解説します。

Webエンジニアとして汎用的な知識が習得できる

HTML5プロフェッショナル認定試験は、HTML5とともにCSS・JavaScript・関連APIまで含めた「汎用性の高い制作スキル」がベースになります。HTML5はすでにWebコンテンツ制作のスタンダードです。

2020年末にAdobe Flash Playerのサポートが終了したことを受け、ますますHTML5の需要が高まっています。したがって、Webコンテンツ制作界隈の需要に合致した資格と言えるわけです。

スキルや知識の証明の手段になる

LPI-JapanはLinux系のメジャーな資格である「LPIC」を運営していた団体です。また、現在は日本国内向けに「LinuC」を運営しています。いずれもLinux関連の資格では知名度・信頼性が高いものです。

LPI-Japanが運営する資格は、中立・公平な視点から評価されるため、知識・スキルの証明として役立つでしょう。特に、対外的なアピール材料を持たない実務未経験者の場合は、基礎知識を証明する手段として有効です。

昇給のほか、手当や報奨金が支給される場合がある

企業によってはHTML5プロフェッショナル認定試験の取得を評価し、昇給に繋がることも取得するメリットのひとつです。加えて、手当や報奨金が支給される可能性も見込めます。

実際に、LPI-Japanが行った2016年の『HTML5プロフェッショナル認定資格の企業の取得支援状況』によると、7割以上の企業がHTML5プロフェッショナル認定試験の取得に対して「支援制度がある」と応えています。資格取得に対して積極的な支援が行われている企業が多く、昇給や手当・報奨金の支給もあると考えると取得を目指して損はないでしょう。

HTML5プロフェッショナル認定試験の取得に向いている人は?

最後に、HTML5プロフェッショナル認定試験の取得が向いている人を職種別に分類して紹介します。

マークアップエンジニア

HTML5プロフェッショナル認定試験は、マークアップに関するほぼすべての内容が網羅されています。したがって、これからマークアップエンジニアを目指す人に適した試験です。また、「HTMLやCSS修正の経験があるものの、本格的なWebコンテンツ制作の経験がない」といった初級エンジニアにもおすすめです。まずはレベル1の合格に向けて学習を進めてみてください。

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアを目指す人やスキルを高めたい人は、レベル2の合格を目指していきましょう。レベル2はレベル1よりもJavaScriptに関する内容が多く、アプリケーション開発やコンテンツ実装で必要とされる具体的な知識が含まれています。また、AjaxやAPIに関する具体的な仕様を理解することで、サーバーサイドとの連携部分開発にも役立つはずです。

アプリケーションエンジニア

フロントエンドエンジニアと同様に、レベル2までの合格を目標にしてみてください。JavaScriptを使用したアプリケーション開発全般に関する知識が体系化され、実力の底上げが見込めます。

サーバーサイドエンジニア

HTML5の適用範囲が拡大しており、かつてはサーバーサイドで行っていた処理をクライアントサイドで行う機能も増えてきました。このような影響もあってサーバーサイドエンジニアにも受験が推奨されています。レベル2の合格を目指し、サーバーサイドとクライアントサイドの両方を担えるスキルを身につけた人材を目指してみてください。

Webデザイナー

業務の幅を広げるためにコーディング技術の習得も検討しているWebデザイナーも、HTML5プロフェッショナル認定試験の取得に向いています。Webコンテンツ制作の基礎知識を押さえたい方はレベル1の取得を、専門的な知識を学んで将来的にはデザインから一貫してWebコンテンツ制作業務を行いたい方はレベル2まで取得すると良いでしょう。

Webディレクター

Webコンテンツ制作の現場を統括するWebディレクターであれば、レベル1の取得を目指してみてください。HTMLやCSSなどの知識があると、エンジニアへの依頼や指示をする場面などで役立ちます。もちろん、スキルアップやキャリアアップにも優位に働くため、業務幅を広げる意味でもおすすめです。

まとめ

HTML5プロフェッショナル認定試験は、Web業界で求められる知識を体系的にまとめた試験です。HTML5だけでなくCSSやJavaScriptの内容も含まれるため、汎用性が高く、実践的な資格試験だと言えるでしょう。特にWeb業界への転職を検討している方は、是非資格の取得に挑戦してみてください。

ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア

レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通したキャリアアドバイザーが、年収・技術志向・今後のキャリアパス・ワークライフバランスなど、一人ひとりの希望に寄り添いながら転職活動をサポートします。一般公開されていない大手企業や優良企業の非公開求人も多数保有していますので、まずは一度カウンセリングでお話してみませんか?(オンラインでも可能です)

転職支援サービスに申し込む

また、「初めての転職で、何から始めていいかわからない」「まだ転職するかどうか迷っている」など、転職活動に何らかの不安を抱えている方には、無料の個別相談会も実施しています。キャリアアドバイザーが一対一で、これからのあなたのキャリアを一緒に考えます。お気軽にご相談ください。

「個別相談会」に申し込む

レバテックキャリアのサービスについて

プロのアドバイザーがあなたのお悩みや疑問にお答えします

- 転職個別相談会開催中 -

相談内容を選択してください

※転職活動や求人への応募を強制することはありません

人気の求人特集

内定率が高い

関連する記事

人気の記事

スキルアップ記事トップへ

HTML5の求人・転職一覧