組み込みソフトウェア業界における需要や将来性と併せて解説組み込みエンジニアの需要と将来性について

最終更新日:2022年7月22日

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組み込みエンジニアとは、その名前の通りソフトウェアの組み込みを行うエンジニアのことです。冷蔵庫や電子レンジといった家電や自動車、スマートフォンなどの電気製品を作動させるために必要なソフトウェアを組み込むのが仕事で、機械類を作動させるために欠かせない存在です。

こちらの記事では、他職種と比較して組み込みエンジニアを目指して良いのか悩んでいる方に向け、組み込みエンジニアがどんな業界で活躍しているのか、需要が高い組み込みエンジニアにはどんな特徴があるのか、組み込みエンジニアとしての価値を高めるためにはどんなスキルを身に着けておくべきかなどを詳しくご紹介しています。

1. 業界ごとの組み込みエンジニアの需要状況

組み込みエンジニアは、プログラムを組み込む対象であるハードウェアが冷蔵庫やテレビ、電子レンジなどの家電であったり、自動車であったりと幅広いため、ジャンルを問わずあらゆる業界で活躍することができます。

特に近年では、自動車業界での組み込み系・制御系エンジニアの採用熱が上がっている傾向にあり、自動車部品の生産に必要な電子部品を作る企業や自動車周辺機器に加えて、遠隔診療の需要が高まってきている医療機器業界においても、需要が高まってきています。

関連記事:組み込みエンジニアとは?仕事内容などを解説します

自動車業界

自動車業界で組み込みエンジニアの需要が高まっている理由として、自動運転化が進んでいることや、ブレーキシステム搭載車、ハイブリッド車の生産拡大などが挙げられます。これらを開発するためには、電気部品を制御するシステムが必要となるため、組み込み系や制御系のエンジニアの需要が高くなっているのです。

AIによる自動運転の実用化や、電子制御ユニットへの需要の高まりが結果的に組み込みエンジニアへの需要につながっています。

医療業界

医療業界ではAIによる画像診断や細胞診断が行われる取り組みがあります。さらに新型コロナの流行に後押しされる形で、医療機器業界では遠隔医療診療の普及が進みました。遠隔医療診療には、診断に使われる高度なセンサーや、インターネット経由で情報を処理するためのIoT機器が必須です。組み込みエンジニアはこれらの機器の研究開発も担います。

医療機器業界におけるIoTはIoMTと言われています。IoMTとは「Internet of Medical Things」の略語であり、医療機器システムをオンラインネットワークに接続して活用するという概念です。

例えば、「FiNC」は、AIがトレーナーとして適切な美容や健康メニューを厳選してくれる美容・健康トレーニングアプリで、ダイエットや健康的なカラダづくりを目的として多くの人に利用されています。

CALM-M Class」は、活動量、睡眠、脈拍、心拍、心電位などの患者バイタルを取得することができます。バイタルのデータ分析をし、施設内でも在宅でもオンライン上で患者を見守ることが可能です。

オンライン診療CLINICS」はオンライン予約から診療、会計、アフターフォローまでを実現するオンライン通院システムです。患者は医療機関へ行かずにビデオチャットで診察してもらえます。(※3)

RecoFinder」は、電波の照射範囲を限定させる技術を活かした通過検知システムです。医療機器使用者の利便性の向上を図るとともに、機器管理情報を確実かつリアルタイムに取得できる環境を整えることができます。

電機・家電業界

電機・家電業界では古くから組み込みエンジニアが活躍している業界です。特に最近ではIoTやAIの技術を組み合わせた家電製品が登場しています。IoTの登場以前、電機・家電は用途によって、職場や家庭内で孤立して使われていました。しかしIoTの普及により、家電同士のネットワークを経由した接続や、遠隔操作が可能になりました。

これからの組み込みエンジニアは、単純にハードウェアを制御するために知識に加えて、ネットワークに関する知識や、ネットワークに接続することを前提とした電機・家電を設計する技術が求められるでしょう。セキュリティ対策も必要です。

そのようなスキルを持った組み込みエンジニアは、今後も需要が高まっていくと考えられます。

電機・家電業界のIoT事例として、電通の「domus optima」が挙げられます。エアコンや空気清浄機、オーブンレンジなど約60万台のIoT家電のデータを収集し、利用時間や利用方法などから生活者の潜在的な需要を推定して広告配信やその効果検証に活用できるサービスです。

2. 年齢層別の組み込みエンジニアの需要状況

年齢層別の組み込みエンジニアの需要では若年性の不足が目立ち、40代以上のエンジニアにはより高度な技術の実装が求められています。

特に若手の人材が少なく、組み込み技術者が不足している

組み込みエンジニアに限らず、システムエンジニアは慢性的に不足しています。さらにインターネットの普及により、クラウドやSaaSなどのWebサービスを開発しているWeb系企業への人気が高まっており、若いエンジニアが流れている傾向があります。

現在、オンラインでプログラミングが学べるWebサイトが隆盛していますが、学べるプログラミング言語はPHPやRuby、Pythonなど軽量言語がメインであり、組み込みエンジニアに使われているCやC++などを学べる学習サイトは目立ちません。このような現状も、若手の組み込みエンジニアが少ない原因となっていると思われます。

組み込みエンジニアが使うCやC++といったプログラミング言語は、習得するためにかなりの学習が必要であり、業務で使えるレベルに達するまでに時間がかかります。そのため知識や技術を習得する意欲の強い若年層を採用して育てようという企業が多いのです。

40代以上は実務経験のほか並列処理できる力が求められる

40代以上の組み込みエンジニアには、実務経験に加えて並列処理のスキルが求められます。並列処理とは、マルチコアやマルチスレッドに対応したプログラミングのことであり、複数の命令を同時に処理できる仕組みのことです。

ハードウェアに組み込まれているCPUの進化により、多くのデバイスで並列処理が可能になりました。この並列処理を活かすには、CPUだけでなくソフトウェア(プログラム)での実装が不可欠です。デバイスの本来の性能を発揮するためにも、並列処理を実装できる組み込みエンジニアの力が求められています。

関連記事:組み込みエンジニアはなぜ人材不足なのか

3. 転職市場で求められる組み込みエンジニアになるには?

転職市場で組み込みエンジニアとして今後も求められる人材となるために必要なスキルについて紹介します。

コミュニケーションスキルを磨く

組み込みエンジニアが開発するデバイスは、ハードウェアとソフトウェアから構成されており、それぞれの開発には専門的なスキルが必要な要素です。

そのため一人のエンジニアが全ての工程を開発することは通常ありません。通常、開発は複数のエンジニアがチームになって行うことがほとんどです。そのため、ほかのメンバーと円滑なコミュニケーションが取れるスキルが必須です。

課題発見力、解決力を養う

組み込みエンジニアはインターネットの普及以前から存在する職種です。しかしテクノロジーやネットワークの進化により、組み込みエンジニアに求められているスキルも進化しています。またスマートフォンなど、これまでには誰も考えていなかったデバイスも登場しています。

このようなイノベーションを起こすために必要なスキルが課題発見力や解決力です。現状の延長線上で仕事をするのではなく、誰も気づいていなかった課題を発見し、それをエンジニアとしての技術力で解決するスキルが組み込みエンジニアにも求められています。

新しいITの知識や言語を身につける

組み込みエンジニアとして、新しいITの知識やプログラミング言語を身につけることは重要です。時代の変化に応じて、自分のスキルをアップデートすることがエンジニアとして求められる要素です。

C言語のほかC++、C#、Javaなど複数言語を扱えるようになる

組み込みエンジニアが扱う代表的なプログラミング言語はC言語です。しかしC言語以外のプログラミング言語で組み込みシステムの開発を行うケースもあります。例えばC++はC言語を拡張した言語です。手続き型言語であるC言語にオブジェクト指向の要素を追加したものがC++です。

また同じくオブジェクト指向言語のJavaも組み込みシステムに使われていることがあります。動作が遅くメモリ消費量の多いJavaは組み込みシステムには不向きとされていましたが、Androidを搭載したスマートフォンなどで開発言語として使われています。

さらにJavaやC++を発展させたC#も組み込みシステムに使われることが増えてきました。C#はマイクロソフトが開発したプログラミング言語であり、従来はWindowsのデスクトップアプリケーションに使われていましたが、現在では多くの組み込みシステムの開発にも採用されています。

ETEC(ミドルレベル)

ETECとは一般社団法人組み込みシステム技術協会(JASA)が運営している組み込み技術者向けの試験です。詳細設計と実装、実装検証を担当するクラス2(エントリレベル)と、システムや構造の設計、システム検証を担当するクラス1(ミドルレベル)の2つの区分で試験は実施されています。

組み込みエンジニアとして今度も活躍するためには、クラス1(ミドルレベル)の合格を目指しましょう。試験はコンピュータを使って解答するCBT形式です。

またクラス1の受験資格として、クラス2の試験で500点以上取得することが条件となっています。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験

エンベデッドシステムスペシャリスト試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施している国家試験です。IoTを含む組み込みシステムの開発に関係する幅広い知識やスキルを活用して、組み込みシステムの構築や設計、製造を行う者を対象としています。

試験はマークシートで解答する午前Ⅰと午前Ⅱ、記述式で解答する午後Ⅰと午後Ⅱから構成されています。合格率は16%程度であり、また情報処理試験のほかの区分と比較して組み込みシステムの分野を学習するための書籍は少ないことも、試験を難しくしている要因となっています。

関連記事:組み込みエンジニアに役立つ資格

英語の需要もあり

英語力があると、組み込みエンジニアとして転職市場で有利になります。英語が使えることで得られるメリットは複数あり、具体的には以下が挙げられます。
 

  • ・海外のメンバーとやり取りできる

    ・海外で勤務できる

    ・海外製の製品理解ができる

    ・最新の技術情報は英語であることが多いため、情報収集がスムーズ


組み込みエンジニアだけでなく他のエンジニアにも当てはまることですが、IT業界では英語力が大きな武器になります。自分が海外に赴任したり外国人と直接やり取りする場合はもちろん、英語で情報収集ができるだけでも技術力に役立ちます。

IT技術は国による違いがないため、プロジェクトに複数の国籍の人が参画しやすいです。英語でコミュニケーションができれば市場価値がアップするということです。またIT技術の最先端はアメリカであることが多いため、最新情報は英語で発信されます。

日本語でしか情報収集できないと、多かれ少なかれタイムラグが生じるでしょう。英語で直接情報収集できると、技術力アップにも役立ちます。たとえばプログラミングをしていてエラーが出た際に、日本語で検索してもヒットしなかったが、英語で検索したら情報がたくさん出てきた、といった経験があるエンジニアも多いのではないでしょうか。

関連記事:
組み込みエンジニアが英語を使えることで得られるメリット
組み込みエンジニアになるために必要な勉強
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4. 組み込みエンジニアの将来性

組み込みエンジニアに将来性はあるのでしょうか。インターネットの普及は組み込みエンジニアを含めた全てのIT技術者の需要を後押ししています。

IoT化により一層需要が高まる見込み

IoT化によって組み込みエンジニアの需要が高まる見込みです。これについてはイメージしやすいはずですが、ではもう少し具体的に、IoT化と組み込みエンジニアの関係性について解説します。

「組み込みソフトウェア業界は古い」というイメージについて

IT業界の主軸はWeb、スマホアプリ、AIなどで、組み込みソフトウェア業界は古い、というイメージをお持ちの方も多いでしょう。これは一理ありますが、IoT化などにより組み込みソフトウェア業界にも新しい風が入っています。

組み込みエンジニアが高齢化していることや古いシステムが多いことは事実ですが、将来性を考えると若手が参画する理由は十分あります。また若手の組み込みエンジニアは重宝される傾向にあるので、他のエンジニアと差別化を図れるという理由でもスキル選定としては狙い目です。

組み込みソフトウェア開発の副業求人が増えない理由

残念ながら、組み込みソフトウェア開発は副業には不向きです。副業案件の募集は少ないです。副業案件が多いWeb案件と比較するとわかりやすいのですが、組み込みソフトウェアはテストなどを行う際に組み込み媒体が必要です。

Webのように完全にパソコンだけで完結するわけではないため、外部のフリーランスや副業エンジニアに依頼するのが難しいという事情があります。完全リモート化しやすい案件は副業案件も増えやすい傾向がありますが、組み込みソフトウェアはリモート化のハードルが高いです。

副業求人がすべてリモートというわけではないのですが、リモート化しにくい案件は副業案件が少ないと考えるとわかりやすいでしょう。常駐型の案件でも副業募集はありますが、常駐なら正社員や派遣社員の方がフルタイムで参画してくれるので円滑に進みやすいということもあります。

フリーランスの組み込みエンジニアとして独立する道も

組み込みエンジニアは副業案件が少ないとご説明しましたが、フリーランスであれば案件は問題なくあります。組み込みエンジニアの副業案件が少ない理由は、リモート化が難しいからとご説明しました。

しかしフリーランスであればリモートである必要はなく、開発現場にフルで常駐する形であれば案件はあるということです。フリーランスとして案件に参画すれば、会社員よりは収入は高くなるでしょう。

会社員の場合は報酬の一部が会社に取られてしまいますが、フリーランスの場合は案件から直接報酬が入ってくるからです。また上でご説明した通りエンジニアが不足していることや、IoT化が進んでいるといった事情もあります。

需要に対して供給が足りていないので、一定のスキルがあればフリーランスとして活躍できる機会は十分にあります。

5.まとめ

組み込みエンジニアはIT業界の中でも古くからある業界です。そのためエンジニアの高齢化が進んでおり、若手エンジニアやこれからエンジニアを目指す方にとっては、古いというイメージがあるかもしれません。

そしてこのイメージはあながち間違いではありません。Webやスマホアプリに比べれば古くからあるからです。しかしIoTなどにより組み込みエンジニアの業界にも新しい風が入っており、今後需要が伸びると考えられます。

リモートワークの簡単な副業案件などはあまりないのですが、常駐で腰を据えて働くスタンスであればフリーランスとして独立することも可能です。将来的には独立したいと考えている方も、組み込み系のスキルを身につけておいて損はありません。

若いエンジニアがWebやスマホアプリに集中しているので、差別化戦略としても有効でしょう。

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