- IT業界の平均的な年収
- ITエンジニアとしての平均年収の捉え方
- ITエンジニアの年収が決定される要素とは
- ITエンジニアが年収アップを目指すための7つのポイント
- 年収アップを目指すITエンジニアにおすすめのスキル
- ITエンジニアが転職で年収アップを実現するためには
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IT業界の平均的な年収
IT業界全体での年収や年代別の年収について解説していきます。
IT業界の年収
厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、情報通信業全体の賃金(きまって支給する現金給与額のうち、超過労働給与額を差し引いた額)は378,800円です。12カ月分に換算すると4,545,600円となります。ここにボーナスや残業代が加われば、年収はさらに高くなるでしょう。
なお、上記の数字は「情報通信業全体での平均値」である点に注意が必要です。ITエンジニアのほか、営業やバックオフィスで働く人の給与も含んでいます。
すべての産業の平均賃金は311,800円であるため、情報通信業界の平均年収は高めといえます。
IT業界の年代別の年収
年代別のITエンジニアの年収をチェックしていきましょう。「令和4年賃金構造基本統計調査」で公開されている情報通信業全体での年代別(20代前半~40代後半)の年収は以下です。
年齢 | 情報通信業全体の賃金 ※きまって支給する現金給与額のうち、 超過労働給与額を差し引いた額 |
年収換算 ※賃金の12カ月分で換算 |
---|---|---|
20代前半 | 231,600円 | 2,779,200円 |
20代後半 | 279,000円 | 3,348,000円 |
30代前半 | 333,600円 | 4,003,200円 |
30代後半 | 382,000円 | 4,584,000円 |
40代前半 | 426,400円 | 5,116,800円 |
40代後半 | 450,400円 | 5,404,800円 |
全体 | 378,800円 | 4,545,600円 |
ITエンジニアは、経験が年収に反映されやすい仕事です。そのため、基本的には年齢に比例して年収も上がる傾向があります。
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ITエンジニアとしての平均年収の捉え方
ITエンジニアに限らず、平均的な年収は転職などを考えるうえでの参考程度に考えておきましょう。
年収は事業内容や職責などによって異なります。また、地方よりも都心部のほうが年収が高くなる傾向があります。
平均年収を基準に転職先を考えると、自身の興味や想定しているキャリアパス、あるいはプライベートを犠牲にする必要が出るおそれがあります。興味が持てない仕事でスキルを身につけることは困難です。また、スキルを持っていないITエンジニアが年収を上げることも難しいでしょう。
そのため、平均以上の年収を得ることだけを目標にするのではなく、「どういった働き方をしたいか」「その働き方に対してどれだけの給与を望むのか」を考えることが大切です。
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ITエンジニアの年収が決定される要素とは
ITエンジニアの年収を決める主な要素は以下のとおりです。
-
・ITエンジニアの経験・スキル・企業とのマッチング
・ITエンジニアを取り巻く環境
業務経験や専門性、保有する資格など、経験やスキルはエンジニアの年収を決めるうえで基本となるものです。年収アップを目指すためには、ITエンジニアとしてスキルアップすることが大前提となります。
なお、転職活動においては、経験やスキルはアピールしない限り相手には伝わりません。わかりやすい職務経歴書などを作成し、これまでの経験や自分の役職・役割などを端的に示す必要があります。
企業とのマッチングも年収に大きな影響を与える要素です。例えば、DBに関する深いスキルがあったとしても、DBをほとんど使わない現場では評価につながりません。
転職によって年収アップを目指すためには、自分の能力を発揮しやすい求人を見つける必要があります。また、転職では交渉によって年収が変化するケースも多くあるため、「自分がいかに企業にマッチした人材であるか」をしっかりとアピールしましょう。
さらに、エンジニアを取り巻く環境も年収に影響します。技術的なトレンドにより、エンジニアの需要は変化します。必ずしもトレンドに乗る必要はありませんが、常に意識しておくことは重要です。
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ITエンジニアが年収アップを目指すための7つのポイント
ITエンジニアが年収アップを目指すために重要な7つのポイントについて解説していきます。
自分が目指す方向性をはっきりとさせる
まずは「自分が目指す方向性」を明確にすることが重要です。
「年収アップ」だけにとらわれていると、方向性を見失いやすくなります。方向性が定まっていない状態でスキルを身につけようとしても、中途半端な技術ばかりが身についてしまうでしょう。
例えば、「AIの開発は平均年収が高いから」と収入だけを基準に転職を目指しても、興味が持てなければ学習は長続きしません。
スキルアップを目指すのであれば、「ITエンジニアとして将来的にどんな職種でどういった仕事をしたいのか」、それによって「どれくらいの年収を得たいのか」を明確にしましょう。目指すべき方向性と現状を比較することで、身につけるべきスキルが見えてきます。
将来的に挑戦したい仕事や、習得したい技術を明らかにしたうえで学習に取り組めば、効率もアップするでしょう。
スキルの向上
自分の目指す方向性が定まったら、スキルの向上を図りましょう。スキルを向上させるには以下2つの方法があります。
-
・技術の幅を広げる・特定分野の専門性を高める
ITエンジニアとしてジェネラリストを目指すのか、スペシャリストを目指すのかによってスキルアップの方法は異なります。
なお、技術は日々進歩しているため、どちらの方向へ進むにせよ、継続的な学習が欠かせません。
また、技術の幅を広げたい場合は、興味の範囲内で技術的なトレンドについても意識してみてください。
人脈を広げる
人脈を広げることが、年収アップにつながる可能性もあります。業界のイベントやカンファレンス、ITエンジニアの勉強会などに参加するのがおすすめです。
他企業のエンジニアやフリーランスのエンジニアとコミュニケーションを取ることは、学習や転職活動を進めるうえでよい刺激となります。また、業界のトレンドを掴むためにも役立ちます。人脈を通じて、スタートアップの立ち上げなどのチャンスに巡り合うこともあるでしょう。
副業にチャレンジする
副業ができる環境にあれば、クラウドソーシングなどにチャレンジしてみることもおすすめです。副収入を得られることはもちろん魅力ですが、いつもと異なる環境やドキュメントで開発を行うことで、エンジニアとしての知見を広げられます。
また、会社や業界によって仕事のやり方は異なるため、他の企業文化にふれられたり、企業を見る目が養われたりすることも副業のメリットです。
自分を活かせる職場を見つける
スキルがあっても、それを活かせる職場がなければ年収アップは見込めません。「いつか転職したい」と考えているITエンジニアの方も、情報収集は早めに始めるのがおすすめです。
どの企業でどういった技術が求められているのか、想定年収はどれくらいなのかなど、具体的な情報にふれておくと、実際の転職活動をスムーズに進められます。
上司・同僚にフィードバックを求める
長所を伸ばし、弱点を克服することは、ヒューマンスキルを向上させるうえで欠かせません。一方、自分の長所・弱点は、自分ではなかなか気づきにくいものです。長所・短所を明確にするには、上司や同僚などにフィードバックを求めるのが効果的です。また、上司からのフィードバックはキャリア形成に役立つことも多くあります。
フィードバックを求める際には「自分の長所・短所をはっきりとさせたい」「自分の方向性を明確にしたい」と伝えておくと話がスムーズになります。
チャンスには積極的に手を上げる
チームリーダーなどへの昇進は年収を上げるための王道です。転職を考えている方であっても、仕事があれば積極的にこなす、プロジェクトでリーダーシップを発揮するなど、日々昇進のチャンスを狙うべきでしょう。
現職での経験や身につけたスキルが転職市場でも評価の対象となり、年収アップへとつながる可能性もあります。
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年収アップを目指すITエンジニアにおすすめのスキル
年収アップを目指すITエンジニアが身につけておきたいスキルについて解説します。
IT関連スキル
ITエンジニアとして年収アップを目指すのであれば、IT関連スキルの向上は欠かせません。ただし、IT関連スキルは非常に幅広いため、自分の興味や目指す方向性に合わせて習得するべきスキルを選んでください。ここでは、代表的なIT関連スキルを紹介します。
クラウドサービス
AWSなどのクラウドサービスは日々機能を拡張させており、企業・病院・大学など幅広い業界や業種で使われています。また、基幹システムの運用、研究開発環境の構築など用途もさまざまです。クラウドサービスの利用は、今後ますます広がると予想されます。
一方で、クラウドサービスは独自の用語が多く、ITエンジニアであっても簡単には理解できません。そのため、身につけておくと評価につながりやすいスキルといえます。
情報セキュリティ関連
不安定な国際情勢により、サイバーセキュリティの重要性はますます高まっています。基幹システム構築やWebサービスの運営など、IT関連のほとんどはセキュリティを意識しなくてはなりません。技術の幅を広げたいITエンジニアにとって、注目するべきスキルのひとつです。
コンテナ
開発の現場における効率化を進めるうえで注目されている技術に、コンテナがあります。
コンテナは簡易的に仮想化を行う技術で、開発・テスト・実行などの環境構築にかかる手間を削減できます。クラウドとの相性もよく、今後ますます広がっていくと予想されます。
IT以外のスキル
ITエンジニアとして市場価値を高めるためには、ITとは直接関係ないスキルも重要です。身につけておきたいスキルを3つ紹介します。
英語力
近年では、開発を海外に外注するケースが増えており、ITエンジニアにとって英語力は役立つスキルのひとつです。技術と英語ができるエンジニアがいれば、細かなニュアンスを正確に伝えられるほか、問い合わせへの対応もスムーズです。
また、英語力があると、最新トレンドにいち早くふれられるメリットもあります。AWSのような日々進化しているサービスの最新機能は、英語でリリースされます。技術系の情報も英語が圧倒的に多いのが現状です。
ただし、完璧に英語を話せる状態を目指すと、挫折してしまうおそれがあるため、まずは技術系の資料がある程度読める状態を目指してみてください。技術系の資料はシンプルな英語で書かれているものが多く、なじみのある内容であるため、比較的理解しやすいでしょう。
英語力をさらに高めれば、外資系企業への転職や海外で働くという選択肢も広がります。
ソフトスキル
マネジメント職を目指すのであれば、コミュニケーション能力やリーダーシップといったソフトスキルも欠かせません。
ソフトスキルを身につけるためには、ソフトスキルに優れた人をマネすることが近道です。職場にコミュニケーション能力の高い上司や先輩がいる場合は、どのような態度でスタッフに接しているのかをチェックしてみてください。
ドキュメント作成能力
ドキュメント作成能力の向上も、ITエンジニアとしてのスキルアップにつながります。ドキュメント作成は、ほぼすべての現場で求められます。一方で、ドキュメント作成を得意としているエンジニアは多くありません。
自信をもって「ドキュメント作成が得意です」と主張できれば、転職活動において高い評価を得られるでしょう。
実際に業務でドキュメント作成を行う機会があれば、「どうすれば誤解を減らせるか」「端的に伝えられるか」「そもそもフォーマットはこのままでよいのか」などを意識してみてください。
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ITエンジニアが転職で年収アップを実現するためには
転職によって年収アップを実現したいITエンジニアが意識しておきたいポイントを解説していきます。
多くの求人情報にふれる
転職で年収を上げるためには「条件のよい求人情報」を見つけ出すことが重要です。できるだけ多くの求人情報にふれておけば、条件のよい求人に巡り合う可能性が高まります。また、相場感も掴めるため、条件を見る目が養われることもポイントです。
なお、同じITエンジニアでも、業界によって年収は異なるため、情報収集を行う際には幅広い業界の求人をチェックしてみてください。
求める年収をはっきりとさせておく
「年収をアップさせたい」と曖昧なイメージを描くのではなく、「残業代を含めて●●万円」と具体的な数字を考えておきましょう。
求める年収を明確にすることで、自分のスキルがその年収に見合うのか、見合わない場合はどういったスキルを磨くべきかなど、具体的なアプローチにつなげられます。また、具体的な条件を決めておけば、求人を絞り込みやすくなるでしょう。
履歴書・職務経歴書は準備しておく
転職活動において、履歴書や職務経歴書は必ず提出を求められる書類です。フォーマットは自由である場合が多いため、転職活動を始める前に作成しておくのがおすすめです。
定期的にアップデートしておけば、理想的な求人に出会った際に作成の手間を省けるほか、伝えたいことを漏れのない状態でアピールできるでしょう。
履歴書や職務経歴書を作成する手間が省ければ、自己PRの作成や面接対策に時間を充てることができ、転職活動を効率的に進められる可能性があります。
余裕をもったスケジュールを立てる
現職を続けながらの転職活動では、時間に追われるケースも少なくありません。プロジェクトによっては、転職活動が忙しいときに限ってトラブルが舞い込むこともあるでしょう。そのため、転職を考え始めたらすぐに情報収集を始め、時間的余裕をもって臨むことが重要です。
エージェントを利用する
転職をスムーズに進め、年収をアップにつなげたい場合には転職エージェントの活用もおすすめです。
エージェントに登録し、具体的な条件を伝えておけば、条件に合った求人情報だけを提示してもらえるため、求人検索にかかる手間を大幅に削減できます。また、職務経歴書のブラッシュアップや、カウンセリングを通じた自己分析など、転職活動に役立つさまざまなサービスを提供しているため、転職活動を有利に進めるために役立ちます。
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