ネットワークエンジニアの設計業務とは?必要なスキルややりがいも解説

最終更新日:2024年5月17日

ネットワークエンジニアは企業や団体における活動を支える基盤として、ネットワークを構築し、その利用をサポートする仕事です。大きくはその仕事は、要件定義、設計、構築、テスト、運用・保守の各工程(フェーズ)に分けることができます。比較的スキル要件が低く、ネットワークエンジニアの仕事への取り掛かりとなるのが運用・保守工程です。この記事では、ネットワークエンジニアを志す人に向けてネットワークエンジニアの運用・保守業務について解説します。

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この記事のまとめ

  • ネットワークエンジニアの設計業務は工程の中の一つで、要件定義の後に行われるのが一般的
  • 設計業務は後の工程への影響が大きくスキルが求められるため、経験のあるエンジニアが担当することが多い
  • ネットワークエンジニアの設計の後の工程には、構築や運用保守がある

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ネットワークエンジニアとは

ネットワークエンジニアは、ITインフラの中でも特にネットワークに関わる作業を担う職種を指します。担当領域は設計から運用まで幅広く、求人・案件によっては全ての工程を1人のエンジニアが手がけることもあるようです。

ネットワークは現在、あらゆる企業・個人にとって身近なものとなっています。人手不足の傾向が指摘されているため、今後も重宝され続けていく職種であると考えられるでしょう。

関連記事:ネットワークエンジニアとは|役割や仕事内容、未経験から目指す方法

ネットワークエンジニアの主な仕事内容

ネットワークエンジニアの主な仕事内容としては、要件定義・設計・構築・運用保守の4つのフェーズ(工程)に分けて考えることができます。

要件定義

要件定義フェーズはユーザーがこれからネットワーク機器の購入を決める段階になります。ネットワークエンジニアはユーザーが実現したいことを理解し、それを元に「どのようなネットワーク機器を何台必要か?」「予算はいくらか?」などの要件をまとめていきます。キャパシティー、可能性、拡張性、コストなどさまざまな観点について検討します。
このフェーズでは最終的に要件定義書を作成して顧客との合意を得ます。

設計

提案時のネットワークの要件をより具体的なものに反映させていくのが設計フェーズです。

設計のやり方としては、必要な設計内容を基本設計書や詳細設計書にまとめ、それを実際の機器の設定パラメータに適用させるという流れが一般的です。また、その設計が正しいかを確認するための検証も行います。どのような項目やパラメータが重要か、また要件を満たすにはそれぞれの機器の設定をどうするかを判断するための知識や経験が求められます。

構築

構築フェーズでは設計書に基づいて実際に機器を設定してシステムを動作させるところまでを担当します。導入する機器の正常動作を確認する受入れ検査、設定投入作業、および機器の設置作業などを担当します。

このフェーズから実際に本番のシステムで使用する機器を扱うことになるので、丁寧な作業が求められますし、何か問題が発生した場合は原因を解析し対応するスキルが必要です。
また、ネットワーク機器を扱う作業があるので、ハ―ドウェアの操作スキルも求められます。

運用保守

保守運用フェーズは実際のサービス開始後となります。

ネットワークを安定稼働させるように管理するのが重要な仕事になります。そのために素早く障害を検知する仕組みを作ります。もし障害が発生した場合、調査によりその原因を特定し早期に復旧作業を行います。

また、ソフトウェアのバージョンアップや機器の交換作業などのメンテナンス作業も必ず必要な業務です。このタイミングで障害が発生するとサービス停止にもつながるので、慎重に対応を行わなければいけません。

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ネットワークエンジニアの設計業務

ネットワークエンジニアの設計業務について解説します。設計業務はネットワークを含むインフラだけでなく、システム開発でも当然必要な工程です。その後の開発や構築のために設計を行うという点では同じですが、ネットワークは対象がハードウェアからソフトウェアまで幅広いです。幅が広い分、システム開発のように細かいソースコードやロジックのようなものまでは記載しない場合が多いでしょう。

システム開発における設計について

ここでは、システム開発全般における設計業務について説明します。

設計は、システム開発の最初に手がけられる工程です。要件定義をもとにシステムを設計した後プログラミングを行う…という流れが一般的と言えるでしょう。
外部設計・内部設計(または、基本設計・詳細設計とも)という区別がなされるのが、設計業務の特色です。前者ではシステムの概要的な部分や、システムおよびユーザーの接点となる部分の設計を行います。その際に大切にしたいのは、クライアントにも理解しやすい設計書を作成するよう心がけることです。

一方後者は、システムの内側、つまりユーザーの目に触れない部分の設計作業を指します。こちらはSQL文や変数など、主としてプログラマー向けの情報について記述するのが特徴です。

ネットワークエンジニアが担う設計業務

それでは、ネットワークエンジニアが担う設計業務とはどのようなものなのでしょうか。

ネットワークエンジニアにとっての設計は、これから作り上げる予定のネットワークについて具体的な内容を決定するための工程です。クライアントと相談しつつ用いる機器やネットワーク構成などを決めた上、ネットワーク全体に関する方向性を設計書に記載。それをベースにしながら、ケーブルの配線ルートや機器の設定値などを確定していきます。なお、構築日程やテスト計画関連の文書もこの段階で作成します。

設計は構築と共に上流工程に位置付けられる工程であるため、携わった経験があれば高いスキルを有する人材とみなされるかもしれません。参画できる求人・案件の幅もより広がるでしょう。

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設計を行う上で求められるスキル

ネットワークエンジニアが設計を行う上でどのようなスキルが求められるのでしょうか。ネットワークエンジニアならではのスキルもあれば、IT業界、その他の業界でも幅広く求められるスキルもあります。また根本的な考え方なども重要です。

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コミュニケーション能力

他の職種と同様に、ネットワークエンジニアにとってもコミュニケーション能力は大切なスキルと言えます。開発メンバー、クライアントを問わず、多数の人とやりとりしながら仕事をする職種だからです。各関係者と確実にコミュニケーションが取れていれば、プロジェクトがスムーズに進行するでしょう。また、クライアントに提案する際も、営業力を含めた対話の力が鍵となる可能性があります。

ネットワークエンジニアは専門的な技術職ですが、システム設計においては顧客のニーズを引き出すヒアリング能力が必要です。また、トラブルがあったときに事象の内容や業務影響などを正しく伝える力が必要になります。

ネットワーク全般に関する知見

ネットワークエンジニアはネットワークに関する基本的な知識やネットワーク機器の詳細な設定方法について把握していることが必要です。

ネットワークエンジニアが担う業務には、他職種(サーバーエンジニアやシステムエンジニアなど)の分野の作業が含まれるケースがあります。求人・案件によって必要なスキルが変わることもあるため、ネットワークエンジニアとして活躍するためには幅広い知識と技術を要すると考えていいでしょう。ネットワーク周辺では、スイッチやルーターといった各種機器やサーバー、オペレーティングシステムに関する知識、セキュリティ技術などです。

セキュリティ全般に関する知見

現在、セキュリティ技術はビジネスを行う上で必ず考慮するべき事項であり、今後ますます必要とされるテクノロジーです。ネットワークセキュリティの観点から脅威に対する対策として、ファイアウォールやIDS、IPSなど数々の技術を把握しておく必要があります。

ネットワークエンジニアは、不正なアクセスを防止することも重要な仕事のひとつです。ネットワークに障害が起こると、業務の遂行に影響が出てしまい、大きな問題になる場合があります。
障害を予防するために、また障害が起こったときも迅速に対処できるように普段から準備しておく必要があります。

自ら学んでいこうとする意欲

保守・運用から設計・構築のフェーズにステップアップしたいとお考えの場合、普段からの仕事に対する向き合い方が重要となります。たとえ誰かから技術を教えてもらえなくても、今自分自身でできることを行おうとする姿勢・積極的にスキルを身に付けていこうとする意欲を持ち続けること。それらがキャリアアップに繋がるポイントと言えるでしょう。

関連記事:ネットワークエンジニアに必要なスキルとは?スキルアップ方法も解説

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ネットワークエンジニアの仕事のやりがいとは

ネットワークの構築は苦労をともなう場合もありますが、無事に繋がったときはひときわ達成感を感じることができます。特に大規模なネットワーク構築の現場は半年、1年という長期にわたるため、それだけ達成感が大きくやりがいがある仕事だと言えます。

また、ネットワーク障害が起きた際に、指揮を執るのもネットワークエンジニアの仕事です。ネットワークが復旧した後、各システムが正常に動くかはそれぞれのシステム担当が確認します。データの流れに沿って順番に検証を行うプロセスを進めるにあたって、頼れる存在になります。

関連記事:ネットワークエンジニアの残業時間や休日事情について

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ネットワークエンジニアに関するよくある質問

ネットワークエンジニアに関するよくある質問と回答を紹介します。ネットワークエンジニアの仕事内容や適性について把握しておくことで、自分がすべきことがある程度明確になるでしょう。スキルアップの方向性や、そもそも自分にネットワークエンジニアが合っているのかなどを把握できます。

Q1. ネットワークエンジニアの設計とはどのような仕事ですか?

ネットワークエンジニアの設計は、ハードウェアからソフトウェアまでネットワークをどのように構築するかを設計する工程です。要件定義の後に行うのが一般的です。設計の内容によって後の工程がうまくいくか決まってくるので、ネットワークエンジニアの中でもスキルのある人が設計を担当する場合が多いでしょう。

Q2. ネットワークエンジニアの仕事内容を教えてください

ネットワークエンジニアはネットワークの要件定義、設計、構築、運用、保守などの業務を行います。ハードウェアからソフトウェアまで幅広く対応するのが特徴で、物理的な機器を搬入するようなこともあります。またクライアントの要望を適切にヒアリングし、提案することも重要です。

Q3. ネットワークエンジニアにはどのような人が向いていますか?

ネットワークエンジニアに向いている人の特徴として、ネットワークに関心がある、集中して作業に取り組むことができる、チームやクライアントとコミュニケーションを取るのが苦でない、といったものが挙げられます。

関連記事:ネットワークエンジニアのキャリアパス|キャリアアップの要点も解説

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まとめ

ネットワークエンジニアは、ITシステムの基盤を支える仕事です。将来的には全てのものがネットワークでつながると言われています。ネットワークエンジニアは社会のインフラを作る仕事とも言えるでしょう。エンジニアに興味があればその選択肢の一つとしてネットワークエンジニアを考えてみてはいかがでしょうか。

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