社内SEへの転職・スキルアップに役立つ研修

最終更新日:2024年3月11日

社内SEとは、自社のITシステムやITインフラに関わるさまざまな業務を担当する職種です。システム開発の企画から構築、運用、保守まで幅広い業務を担当しています。また、ITインフラの安定した稼働のためにはネットワークやサーバーの知識も欠かせません。

社内のエンジニア以外の職種の人とも関わる機会が多い職種なので、技術的なスキルや知識だけではなく、ビジネススキルやヒューマンスキルなども磨く必要があります。

この記事では、今後社内SEとして活躍していきたい人に役立つ講座や研修をピックアップしました。ぜひ参考にしてみてください。

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この記事のまとめ

  • 社内SEはITインフラの管理およびヘルプデスクを担当するほか、経営課題解決や業務効率化のための提案をする職種
  • 社内SEは高度で専門的なスキルを必要とし、かつ円滑なコミュニケーション力が求められる
  • 社内SEのスキルアップには研修の受講が有効で、無料/有料問わず豊富に開催されている
  • 社内SEの仕事に活かせる資格として、「基本情報技術者試験」や「ORACLE MASTER」などが挙げられる

社内SEの業務

社内SEの仕事内容は多岐に渡り、必要とするスキルも多いです。そのため、自分が社内SEの仕事を行う上で得意・不得意を見極め、適切な研修によって効率よくスキルアップを目指しましょう。どういった研修を受ければ良いか判断するためにも、詳しい業務内容を把握しておくことが大切です。

社内SEの業務は大きく3つあります。それぞれ解説していきます。

社内システムの構築および保守

社内で利用するITシステムの構築・保守業務があります。たとえば、社内の勤怠システムや各種申請で使用するワークフロー、業務関係のノウハウを蓄積したナレッジシステムなどが挙げられます。

リモートワークを行っている企業では、リモートワークを実現するVDI(仮想デスクトップ)環境の構築や保守も、社内SEが担当します。

さらに、社内のITシステムに障害が発生した場合も対応しなければなりません。障害が発生すると社内業務に大きな影響が及ぶため、迅速な対応が求められます。

社内ネットワークやサーバーの構築および保守

社内SEは社内システムだけでなく、システムを構成するサーバーやネットワークといったITインフラの構築・保守業務も担当します。ITインフラに問題が生じると自社の業務に支障が出る恐れがあるため、不備のないネットワーク構築や安定した環境を保つための保守業務は重要な役割といえます。

とはいえ、システムと同様にサーバーやネットワークも何らかの問題は起こりうるものです。万が一ITインフラに不具合が発生した場合は、復旧のためのスピーディーな原因把握と問題解決力が必要でしょう。

ヘルプデスク対応

社内のITシステムについて、利用者である社員からの質問や相談を受け付けるヘルプデスク業務も、社内SEの仕事の1つです。たとえば、新しく入社・配属された社員、ITに詳しくない社員など、社内システムに慣れない人に対し質問に回答したりサポートしたりします。

ヘルプデスク業務に対応するためには、社内システムの構成や動作を熟知している必要があります。また、よくある質問をFAQとしてまとめて公開するなど、質問や相談の対応を効率よく行うための工夫も必要です。

このように、社内SEは社内システムを構築・運用し、かつシステムの利用を支援する役割を持ちます。

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社内SEに求められるスキル

社内SEの業務を行うには、幅広いスキルが必要です。社内SEは、仕事内容によっては高度なスキルを必要とする場合もあるため、一部では「やめとけ」といわれるほどハードルの高い職種でもあります。また、技術的なスキルに加えて対人関係におけるスキルも求められます。

ここからは、社内SEに必要なスキルを細かく解説します。

ITインフラに関する知識

社内システムを稼働させるITインフラの知識は必須です。ITインフラといっても幅広く、社内のサーバーやネットワークはもちろん、社外のサービスを利用しているのであれば、それらのサービスについても理解しておく必要があります。ITインフラについて、さらに詳しく解説します。

ハードウェア、ソフトウェア全般

障害が発生した場合には、原因の特定や切り分けを行います。そのためにはハードウェア、ソフトウェア全般のスキルが必要です。

たとえば、社内システムのパフォーマンスが大きく低下した場合、「ハードウェアリソースが枯渇しているのか」「ソフトウェアで処理遅延が発生しているのか」といった切り分けが必要です。システムで稼働しているハードウェア、ソフトウェア両方の知識がなければ原因が特定できず、復旧の目途も立てられません。

社内で稼働しているシステムが多ければ多いほど、それぞれのハードウェア、ソフトウェアを理解する必要があるため、覚える内容も多くなります。

ネットワークに関する知識

社内システムを接続するネットワークの構成を理解しておきましょう。メール、インターネットの利用は当たり前となっており、ネットワークを通じてアプリケーションを利用するケースもあります。そのため、ネットワークで障害が発生し通信ができなくなると、自社の業務に大きな影響を及ぼします。

階をまたいでフロアがあったり、複数箇所に拠点があったりする場合は、ネットワークの構成も複雑です。それらをしっかり構築・保守するためのスキルが求められます。

コミュニケーション能力

社内SEは、社内の多くの人とコミュニケーションをとります。たとえば社内システムの改善案について意見交換をしたり、ヘルプデスク業務で質問者のサポートをしたりするといったケースが挙げられます。

また、システム構築や運用に必要な物品の発注といった社外の人との交渉も社内SEが行います。社内外問わず発生する人との関わり合いの中で仕事を円滑に進めるためには、高いコミュニケーション能力が必要です。

セキュリティに関する知識

情報の取り扱いは年々厳しくなってきており、企業の機密情報や社員の個人情報などのデータを扱うシステムには、厳重なセキュリティ対策が必要です。そのため、社内システムを管理する社内SEはセキュリティに関する知識がなくてはいけません。

特に、外部からの攻撃に対するセキュリティ強化は重要です。日頃からソフトウェアの脆弱性に関する情報やサイバーセキュリティに関する情報をキャッチアップし、必要な対策を施すのも社内SEの仕事です。

関連記事:
社内SEになるには?求められるスキルや資格を解説
社内SEへの転職は難しい?仕事内容や求められるスキルを解説

社内SEにおすすめの研修・講座【無料】

研修は社内SEとしての能力を高めるための効率の良い方法です。独学で得られる知識やスキルもたくさんありますが、それだけでは補いきれない部分もあるでしょう。また、研修を受けることで新たな発見に気づけたり、理解がさらに深まったりするメリットがあります。

ここでは無料で利用でき、かつ社内SEに求められるスキルを幅広く学べる勉強会やセミナーを紹介します。社内SEとしてさらなるスキルアップを考えている方にはおすすめです。

1.connpass

connpassは、誰でも簡単にイベントを主催・参加できるIT勉強会支援プラットフォームです。同じ志を持つエンジニアをつなぐ場としてさまざまなイベントが開催されているため、社内SEに役立つ研修や講座もあります。connpassには以下のような特徴があります。

エンジニア向けの勉強会やセミナーに無料で参加できる

ITエンジニア向けの勉強会が数多く行われています。プログラミングなどシステム開発に関する情報から、気軽に楽しめる座談会やオフ会までさまざまです。メンターは現役のエンジニアも多く、IT業界のリアルな情報を聞くこともできます。

社内SEを目指す人向けの講座もある

connpassではさまざまなテーマの勉強会が開催されますが、これから社内SEを目指したい方向けのセミナーが開催されている場合もあります。ただし、イベント開催は不定期であることが多いため、社内SEを目指す方向けのイベントを見逃さないようこまめにチェックしておくと良いでしょう。

2.プログラマカレッジ

プログラマカレッジは、受講料無料で未経験から最短3ヶ月でプログラマーを目指せるプログラミングスクールです。就職するまでサポートが得られるため、ITエンジニアを目指す学生や転職を考えている方におすすめです。また、ITインフラよりもプログラミングを主に学ぶため、社内SEの中でもシステム開発に関わりたい人にはメリットがあります。

プログラミングスキルが学べる

プログラマカレッジでは、コンピューター基礎を始め、プログラム言語を習得できます。たとえば、以下のような言語があります。

  • ・HTML5/CSS3/JavaScript

    ・PHP

    ・Java

    ・Ruby

ほかにも、システム開発で必要となるMySQLやGitといったツールについても学べます。システム開発の基本が学べるため、社内システムにおいて開発や機能追加などの業務に活かせます。

プログラマーコース

プログラマーコースでは、Javaの習得とともに、Javaに関するスキル証明ができる資格「Oracle Certified Java Programmer Silver SE11」の取得も目指せます。Javaはマルチプラットフォームのアプリケーションを開発できるため需要が高く、資格を取得しておくと社内SEへの就職・転職に有利です。

クラウドエンジニアコース

クラウドエンジニアコースでは、ネットワークやデータベース、Linux、SQLなどの技術が習得でき、実務で通用するレベルのスキルを身につけられます。また、システム開発から運用・保守に至るまでに必要となる、Linuxのスキルを認定する「LinuC」を無料で受験できます。

社内SEはシステム周りのITインフラを管理する役割を担うため、このコースは仕事に必要な知識と技術をカバーできる内容といえます。

社内SEにおすすめの研修・講座【有料】

有料の研修では、サーバーやネットワークなどのITインフラに関するスキルを身につけるものがおすすめです。無料の研修と比べると内容が充実しており、より実践的な知識・スキルの習得が期待できます。社内システムによって学ぶべき内容が異なるため、実務で役立つスキルを優先的に学んでいくと良いでしょう。

1. KENスクール

KENスクールは就職・転職・資格取得に強いことで知られ、開校34年以上の実績を持つパソコンスクールです。独自の学習システムと手厚いサポートで未経験からプロに育てる教育方針をとっています。また、「LPI-Japan」や「Adobe」のパートナースクールとして正式に認定されており、信頼のおける教育機関といえます。

速習CCNA+Linuxレベル1+Windows Server構築コース

ネットワーク業界へ転職・就業を考えている方や、現在インフラ系の仕事に従事している方、基礎スキルを習得したい方におすすめの講座です。社内サーバーやルーター・スイッチなどのインターネットワーキング、Linuxの技術が習得可能で社内SEの実務でも役立つスキルを基礎から学べます。受講後に目指せる職種としてはサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアなどが挙げられます。

受講時間:150時間(9ヶ月)
受講料:45万9,800円(税込)
取得資格:CCNA、LPIC-1

Linuxレベル2試験対策講座

Linux技術者の育成を目的としており、実践形式でスキルを習得できる講座です。受講期間内は回数無制限で学習可能です。Linux環境でサーバーやクライアントを扱うためのロジカルシンキング、実践的なスキルが身につきます。知識と技術の両面から理解できるようになり、より高度な技術を習得できるでしょう。ただし、Linuxレベル1の資格保持者が対象です。

社内システムにおいてLinuxサーバーを構築しシステムを稼働している場合は、本講座を受講すると業務に役立ちます。LPICの資格を取得できれば、技術力のアピールにもつながります。

受講時間:30時間(3ヶ月)
受講料:13万6,400円(税込)
取得資格:LPIC-2またはLinuCレベル2

2. insource

insourceは、研修・IT支援のコンサルティング事業として、現場で役立つIT人材育成のための多くの研修を実施しています。最新の現場の声を反映した品質の高いコンテンツが強みです。場所を問わずに受講できる「オンライン講座」、1名から参加可能な「公開講座」、オーダーメイドの「講師派遣」の3つの手法で全国展開しています。

情報セキュリティマネジメント研修

情報管理における最新の動向やセキュリティマネジメントなどが学べます。社内SEとして情報の安全確保のためにとるべき具体的な行動も分かるようになるでしょう。主に、企業の情報システム部門やリスク管理部門などを担当する方を対象としています。

社内SEは、社内システムを管理する立場としてセキュリティに関する知識は欠かせません。機密データや個人情報を適切に管理し、サイバー攻撃などへの対策を講じる必要があります。その点においてこの研修は社内SEの業務に有益といえるでしょう。

受講期間:1日間
受講料:3万6,600円(税込)

事例から学ぶシステムトラブル対策の考え方

システムトラブルが発生した際に、発生状況や対策実施状況を確認できるような実践的知識を学びます。開発や運用フェーズでの注意するトラブル対策ポイント、システムトラブルマネジメント、システムの構築手順などを身につけ、安全性や信頼性の高いシステム開発を目指すことが可能です。この研修はシステムの開発・運用・品質管理担当者やプロジェクトマネージャーなどを対象としています。

受講期間:1日間
受講料:3万8,500円(税込)

社内SEの業務や転職に役立つ資格

社内SEとして活躍するには、研修の受講だけでなく資格取得も有効です。社内SEの業務は非常に幅広いため、それに伴う知識がなければ業務にも支障をきたします。

また、これから社内SEに転職したいエンジニアにとっても、資格はアピール材料となります。採用担当者が「社内SEに向いているかどうか」を検討する際に、業務に関わる資格の有無が判断基準となる場合もあります。

今後のスキルアップやキャリアを築いていくために、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
社内SEの業務には以下のような資格が役立ちます。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する国家資格です。ITに関わる人材に最低限必要な基礎知識が幅広く問われます。情報処理技術者試験の中では「レベル2」の位置付けで、令和5年度12月の合格率は41.7%です。

コンピュータ・システムの構成やソフトウェア、データベース、ネットワーク、セキュリティなど社内SEの業務に必要かつ役立つ知識が問われます。試験は随時実施されており、四肢択一式の「科目A」「科目B」の両方に合格すれば資格を取得できます。

社内SEとしてキャリアアップしていきたいのであれば、このような基礎レベルの資格は取得しておくべきといえます。基本情報技術者試験に合格したあとは応用情報技術試験やほかの専門的な資格に挑戦し段階的にスキルを向上させていくのが一般的です。

ORACLE MASTER

ORACLE MASTERは、日本オラクル株式会社が運営する「Oracle Database」の管理スキルを認定する資格です。「Oracle Database」は世界で高いシェア率を誇っているため、認定されれば国内外でスキルを証明できます。

認定には4つのグレードがあり、「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の順に難易度が高くなります。「ブロンズ」はデータベース管理の基礎レベルのスキルを認定するものなので、社内SEであれば「シルバー」以上を目指すのがおすすめです。

難易度は高いですが、社内SEの業務に役立つだけでなく、ほかのエンジニアとの差別化をはかるには非常に有効な認定資格です。

社内SEに関するよくある質問

社内SEへの転職は比較的難しいといわれているものの、キャリアパスの1つとして希望する人は依然として多いです。しかし、社内SEの仕事内容は非常に範囲が広いため、想像とのギャップが生じてしまいがちです。転職を検討していて不安要素や疑問がある場合は早めに解消しておくべきでしょう。

ここでは、社内SEに関するよくある質問に回答します。

Q1. 社内SE研修の内容は何ですか?

社内SEに必要とされるシステムやネットワークといった、ITインフラに関する基礎知識を学べます。また、情報管理におけるセキュリティマネジメント、業務効率化や課題解決のための分析・提案力を養えます。社内SEの仕事はさまざまな知識を必要とするため、研修も幅広く体系的に学べる内容です。

Q2. 社内SEに向いている人はどんな人ですか?

社内SEの仕事内容は多岐に渡り専門的な知識を必要とするため、スキルの向上に前向きな人が向いています。また、人との関わりも多いので良好な対人関係を築ける人柄も大切です。ITインフラやセキュリティなどに関する高度な技術を持ち、社内外の人との円滑なコミュニケーションがとれる人が社内SEに向いています。

Q3. 社内SEが担当する工程はなんですか?

社内SEは、システムの企画・開発から導入・運用・保守まで担当します。システム周りのトラブルや不具合が発生した場合のヘルプデスクの役割も担います。さらに、企業の経営課題の解決および業務効率化のためにシステム導入の提案をするのも社内SEの仕事です。

まとめ

本記事では、社内SEの仕事内容および必要なスキル、そして必要なスキルを習得するのに役立つ研修について紹介しました。研修は無料で利用できるものもあり、ITインフラやシステム開発のスキルだけでなく、コミュニケーション能力も伸ばせます。

社内SEは高度かつ専門的なスキルを必要とする、やりがいのある職種です。社内SEとして今後活躍できる人材となるためにも研修や講座を有効活用し、積極的に資格取得に挑戦すると良いでしょう。

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