- インフラエンジニアの設計業務について
- インフラエンジニアが設計業務において求められるスキル・経験
- 設計業務を担当できるインフラエンジニアになるには
- 設計業務を担当するインフラエンジニアの年収相場
- インフラエンジニアの設計に関するよくある質問
- まとめ
インフラエンジニアの設計業務について
システム開発プロジェクトにおいて、インフラエンジニアの活躍するフェーズ(工程)はとても多いです。その中でもインフラの設計は後の工程の出来を左右するため、特に重要といわれています。その具体的な内容について確認します。
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全体における位置づけ
システム開発プロジェクトは大きく4つの工程に分けることができます。これはインフラでもアプリケーションでも同様です。
システム開発4工程
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・要件定義
・設計
・開発(構築)
・試験(テスト)
場合によっては、リリースや運用保守フェーズがこれらに加えられることもあります。設計や試験はさらに細かく分類されます。
インフラエンジニアにとって設計はサーバーやネットワーク、クラウドの環境などを、どんなハードウェア(や仮想化技術、クラウド)を使って、どのように設定することで要件の実現をするかを定めることです。要件に沿った環境を作ることがインフラエンジニアの業務の主目的であり、設計工程ではその方式や具体的設定値などを定めていきます。
また、ハードウェアの選定などが行われるのは機器の手配の都合もあって要件定義フェーズのことも多いです。このため、以下では要件定義も含めた業務内容を記載します。
業務内容
インフラエンジニアは各工程でどのような業務を行っているのでしょうか。工程ごとに詳しく解説します。
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要件定義
システム開発プロジェクトにおいて、要件定義ではどのような機能が必要なのかを顧客と確認して、どんなシステムを作るかを定める工程です。この工程において、インフラエンジニアは要件として挙げられたシステム機能およびその性能を満たすインフラ環境の提示が主な業務となります。
例えば、
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・Webシステムで同時に1000ユーザからのアクセスが発生し、ユーザのブラウザ操作から0.1秒以内でレスポンスを返したい
・年間100万件の業務データが格納される予定
といった具体的に想定されるシステム要件、性能要件を満たし、なおかつコストパフォーマンス、拡張性などを考慮した環境を、概要レベルでインフラエンジニアは組み立てられなければなりません。
オンプレミスなのかクラウドサービスを利用するのか、どの程度のハードウェアスペックが必要なのか、データの格納領域はどれだけ確保するのか、OSの種類や仮想化について、など幅広いインフラの知識を総動員する必要があります。
基本設計
要件定義で確認したシステム基盤の概要について、システム構築の際の方針、方式レベルの設計を行います。物理的な構成(あるいはクラウドサービスの利用)、仮想化環境を含めたサーバー数とそれぞれのOS、マシン名やネットワーク接続、サーバーの用途とスペックなどを定めていきます。可用性、冗長性やバックアップ、レストアの方式を決定することも重要な設計項目です。
※注 基本設計、詳細設計については、企業やプロジェクトによりその境目は様々であり本文はあくまで一例です。
詳細設計
基本設計で定めたシステム構築の方針や方式に沿って、具体的にどのようなパラメータ設定、ミドルウェア、ソフトウェアの適用および稼働設定をするのかを定めていきます。インフラ環境はアプリケーションを動かすための土台となるため、アプリケーション開発者が必要とする環境を実現する設計をしなければなりません。
テスト仕様の策定
基本設計、詳細設計で定めた項目に対し、テスト工程でその確認を行うためのテスト項目の策定を行います。要件定義やそれぞれの設計工程で定めた内容が正しく実現されていることを示せる試験項目を作り上げます。
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インフラエンジニアが設計業務において求められるスキル・経験
設計業務はシステム構築の上流工程にあたり、重要な工程であることを前項で説明しました。では、設計を行うために必要となるスキル・経験とはどのようなものなのでしょうか。
インフラ全般についての知識
ハードウェア、ネットワーク、OS、ストレージ、クラウド、仮想化など全てを組み合わせて最適な組み合わせを顧客に提案するためには、幅広く技術のメリット、デメリットを把握していなければなりません。また、インフラに対する投資は高額なため、コストパフォーマンスも考慮した組み合わせを考えることも必要となってきます。
更には可用性、冗長性の確保、セキュリティ、バックアップ、レストアといった運用面から必要となる設定についても、見識と根拠を持って顧客に示せる必要があります。
設計を行うインフラの構築経験
実際に設計を行うにあたって、まったく同じ環境というものは存在しません。しかし、同系の機器、OSなどを使った経験があるのとないのでは、設計構築の品質において大きな差が出ることがあり得ます。近似のインフラ構築経験を積み、設計内容に自信を持てることが望ましいです。
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ドキュメントを読み込み、正しい設定を導き出す能力
インフラで利用する機器、OS、サービスなどは実現可能なことが厳密に定められており、それが各種のドキュメントに定められています。設計、設定を行う際には、ドキュメントにひとつずつあたり、裏を取って積み重ねる地道ですが重要な作業が必要です。
パラメータの値が一桁ずれていただけで、システムが稼働しないことまでありえるため、公式ドキュメントを慎重に読み取って設定を行うことが必要となります。
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設計業務を担当できるインフラエンジニアになるには
インフラエンジニアとして最初に担当することが多いのは、手順が明確なことの多い試験工程です。その後、設計書に沿って設定を行う開発(構築)工程の経験を積むことが多いでしょう。
設計はインフラ構築において上流の工程で、間違いがあれば他の工程に大きな影響を与えてしまいます。重責のある設計業務を担当するには、インフラについての広い範囲での知識を付けること、サーバー、ネットワーク、クラウドなど自分の専門とする分野の詳しい知識を付けること、そして構築の経験を積むことが必要です。
また、設計業務のさらに上流工程にあたる要件定義ではシステムで実現できることを決めます。インフラエンジニアはその要件を満たしつつ、コストパフォーマンスの良い構成を提案することが求められます。
アプリケーション担当者、顧客、プロジェクトマネジャーなど多くの人と連携して、重要な事項を決めていくため、コミュニケーションで情報を引き出す力も求められるでしょう。
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設計業務を担当するインフラエンジニアの年収相場
経済産業省による調査「IT関連産業の給与に関する実態調査」(※)を参照するといくつかの面からインフラエンジニアの年収相場を想定することができます。
職種別のデータを見た場合、設計フェーズを担当するインフラエンジニアにあたる職種は「高度SE・ITエンジニア(基板設計担当・ITアーキテクト)」、「IT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等)に関する専門家)」です。前者の平均年収は778.2万円、後者は758.2万円と高い水準にあります。
また、スキル標準レベル別のデータを参照すると、設計フェーズを担当するインフラエンジニアはレベル3(独立して仕事ができる中堅人材レベル)、レベル4(部下を指導できるチームリーダーレベル)に相当すると考えられます。その平均年収は、前者は576.0万円、後者で726.1万円となります。
高いスキルを身に着けた、設計フェーズを担当するインフラエンジニアは需要が高く、年収相場も高くなっていることがうかがえるデータです。
※ 経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」(2023年11月アクセス)
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インフラエンジニアの設計に関するよくある質問
インフラエンジニアの設計に関して、よく聞かれる質問をまとめました。インフラエンジニアの仕事内容や業務を習得するまでのめやす、平均年収などをポイントで振り返りましょう。
Q1.インフラエンジニアの設計の仕事内容を教えてください
設計とはインフラエンジニアが行う4工程のうちの一つであり、「要件定義」「基本設計」「詳細設計」の大きく3つに分けられます。
企業によって内容は大きく異なるため、一概に仕事内容を定義付けることはできません。ただしプロジェクトの品質や成功を左右する重要な工程であり、設計はインフラエンジニアの仕事の基本といえるでしょう。
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Q2.インフラエンジニアの設計の業務をできるまでに何年かかりますか?
3年以上の実務経験が必要といわれています。インフラエンジニアは未経験からでも目指せる職業ですが、業務と平行してさまざまな知識とスキルを身につける必要があり、3年以上の経験があれば上流工程に携わるポジションへのキャリアアップも視野に入れることができるでしょう。
Q3.インフラエンジニアの平均年収はいくらですか?
設計フェーズを担当するインフラエンジニアにあたる職種は「高度SE・ITエンジニア(基板設計担当・ITアーキテクト)」、「IT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等)に関する専門家)」です。前者の平均年収は778.2万円、後者は758.2万円と高い水準にあります。
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まとめ
インフラエンジニアにとって設計フェーズおよび要件定義フェーズはシステム開発プロジェクトの上流工程にあたり、高いスキルが必要とされる業務です。
幅広いインフラに関する知識、構築経験を持ち、インフラ技術のトレンドにも精通していなければ務まらない重要なポジションとなります。その分、年収も高い傾向があります。技術の研さんと上流工程に関わった仕事を行っていくことで、設計工程に関わる機会を増やしていきましょう。
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