プリセールスのキャリアパスとは?役立つ資格やスキル・将来性も紹介

最終更新日:2024年7月10日

プリセールスは、エンジニア職種と営業、どちらにも近い一面があります。主にクライアントに自社の製品やサービスを販売する際に、技術的な面から営業担当者をサポートをします。

プリセールスからのキャリアパスは、代表的なものとしてコンサルタントがあります。ITコンサルタントやシステムコンサルタントなどは、プリセールスとしての業務経験が活かせるため、キャリアパスとして選ぶ方が多い傾向です。

プリセールスは、営業担当者だけではカバーできない技術的な質問や提案に対応できるため、今後も需要の増加が期待できる職種です。この記事では、プリセールスからの転職を検討している方に向けて、キャリアパスやキャリアアップに役立つスキル・資格、将来性などについて解説します。

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この記事のまとめ

  • プリセールスのキャリアパスは、コンサルタントのほかシステムエンジニアやセールスマネージャーなどが挙げられる
  • プリセールスには、IT/製品の知識やプレゼンテーション、コミュニケーションスキルなどが必要
  • プリセールスのスキルの証明には、マイクロソフト認定資格(MCP)やITパスポート、基本/応用情報技術者試験などが有効
  • プリセールスの将来性は、DXの普及により需要が高まっており、英語力があれば海外赴任や外資系企業での活躍も可能

プリセールス(プリセールスエンジニア)とは

プリセールスとは、営業担当者に同行して、クライアントに技術的な提案などをする職種です。課題や意向を汲み取り、ITに関する知見を駆使しながらクライアントが望む方向に向かうよう商談を支えます。

クライアントとのやり取りや商談・予算の調整、提案書作成などを行う一般的な営業職と比べて、プリセールスに求められるスキルには技術的な側面が重視されます。そのため、商談をサポートするためには、確かな根拠を示した上で説得力のある提案が必要でしょう。

プリセールスはプリセールスエンジニアと呼ばれることもありますが、呼び方が異なるだけで同義です。また、プリセールスと仕事内容が似ていて混同されがちな職種があります。職種の線引きができていないと、描けるキャリアパスが違ったり誤った転職につながったりする場合があるため、認識が曖昧になっている方は、今のうちによく理解しておきましょう。

関連記事:プリセールス(エンジニア)の役割とは|役割、有用な資格も解説

プリセールスの仕事内容

プリセールスの仕事内容


営業担当者をサポートする身として、主に技術的要素についてカバーしていくのがプリセールスの役目です。自社製品への理解度やITに関する知見の深さ・広さが説得力のある提案へつながります。プリセールスの仕事内容は、主に以下の5つがあります。


  • ・自社製品やサービスの紹介

    ・クライアントの要望ヒアリング

    ・自社製品やサービスの提案

    ・導入サポート

    ・導入後のトラブル対応


それぞれを詳しく見ていきましょう。

自社製品やサービスの紹介

プリセールスはエンジニアよりも営業職に近いです。エンジニアのようにシステムの設計をしたりプログラミングを行ったりする業務には携わりません。プリセールスは、自社製品やサービスを紹介するのがメイン業務です。自社製品やサービスを分かりやすく紹介するためには、技術への理解と営業力の両方が必要になります。

クライアントの要望のヒアリング

プリセールスは一方的に製品やサービスを販売するわけではありません。クライアントに合った製品やサービスを提供するために、要望を具体的にヒアリングする必要があります。また、企業によってはクライアントに合わせて製品やサービスをカスタマイズする場合があるので、正確かつ詳細な要望を聞き出したり、潜在的なニーズを引き出したりといったヒアリング力が重要です。

自社製品やサービスの提案

クライアントからヒアリングした内容をもとに、自社製品やサービスの提案を行います。クライアントの要望が抽象的な場合などは、先に具体的な提案を行います。その後、クライアントから細かい要望が出てくる可能性があるので、その場合は、よりブラッシュアップした提案を行い、商談が成立するよう働きかけることが大切です。

導入サポート

クライアントに製品やサービスを提案して商談が成立したら、導入サポートまでをプリセールスが行う場合もあります。開発はエンジニアが行うので、どこまでをエンジニアが担当してどこからをプリセールスが担当するのかは企業によって異なります。エンジニアが導入まで行って、プリセールスは導入サポートやクライアントとのやり取りだけを担当する場合もあります。

導入後のトラブル対応

製品、サービス導入後にトラブルが発生したら、プリセールスが対応する場合もあります。クライアントへの説明や簡易的な対応はプリセールスが行い、本格的な修正などはエンジニアが行う場合が多
いでしょう。詳細は製品やサービス、企業によって異なります。

混同しやすい他職種との違い

プリセールスと似た職種に、ポストセールスやセールスエンジニア、ITコンサルタントがあります。これらの職種は、プリセールスがITを駆使してクライアントに提案したり導入サポートを行ったりするのと同じような仕事内容のため、混同されやすいです。
プリセールスとこれらの職種は何が違うのか解説します。

ポストセールスとの違い

ポストセールスは、日本ではあまり聞きなじみのない職種でしょう。一方で比較的、外資系の企業には設置されている場合があります。ポストセールスのポストは「後ろ」という意味なので、プリセールスから業務を引き継いで営業の技術サポートなどを行う職種です。
プリセールスは商談が成立する前の提案、ポストセールスは成約後の支援やトラブル対応を中心としており、イレギュラーはあるものの主に担当する領域が違います。

セールスエンジニアとの違い

セールスエンジニアは、プリセールスよりも技術寄りの業務を行う職種です。具体的な違いは企業によりますが、クライアントからのヒアリングや提案、導入からアフターフォローまで幅広く担当する場合が多いでしょう。
プリセールスは導入の提案・サポートを主業務とする一方、セールスエンジニアはヒアリングから提案、導入、トラブル対応など全般に携わります。

関連記事:セールスエンジニアに転職するには?仕事内容や必要スキルを紹介

ITコンサルタントとの違い

ITコンサルタントは、クライアントの経営戦略や課題解決のために、ITに関するシステム・ツールなどあらゆる角度から最適な施策を考え、提案・助言を行います。プリセールスは自社サービスの提案や導入支援を行うまでが1つの区切りですが、ITコンサルタントはクライアントの目指すゴール到達まで寄り添い支援していきます。

プリセールスは自社製品の魅力を最大限に引き出しクライアントに対するメリットを主張する役目である一方、ITコンサルタントは経験や高いスキルを駆使し、クライアントにとって最適な施策を提案します。

プリセールスの代表的なキャリアパス

プリセールスはクライアントの課題の解決をサポートする職種のため、業務経験を活かしてコンサルタント系のキャリアパスを目指す方が多い傾向があります。

コンサルタントには、問題解決力および提案力が必要です。また、クライアントと会話する機会が多く、コミュニケーション能力も求められます。これらはプリセールスにも共通するスキルであり、業務をとおして身につけられます。

プリセールスのキャリアパスには、コンサルタント系のほかにも技術系と営業系の複数職種が挙げられます。自分の強みを分析し、能力を存分に活かせるキャリアパスを選択できると良いでしょう。ここでは、プリセールスの代表的なキャリアパスを紹介します。

コンサルタント系のキャリアパス例

プリセールスがコンサルティング業務に特化した強みを伸ばすことで、以下のような職種にキャリアパスを選択することが可能です。


  • ・ITコンサルタント

    ・システムコンサルタント


プリセールスはIT知識や技術的スキル面で自社製品・サービスに依存しがちなので、このようなキャリアパスを望む場合は、より視野を広げてIT関連のスキルを強化していかなくてはなりません。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、クライアントの経営に関する課題および目標、現在の業務や情報システムの状況を調査・分析し、最適なシステムを提案する職種です。クライアントの要望によっては、システムの企画や開発などの工程などのサポートもします。

関連記事:ITコンサルタントとは?仕事内容や必要なスキル・年収を紹介

システムコンサルタント

システムコンサルタントとは、クライアントの業務内容を分析して、経営課題の改善に向けたシステムを企画・設計する職種です。クライアントからヒアリングした情報をもとに、システムコンサルタントがシステムを設計します。その設計案をもとに、システムエンジニアやプログラマーが開発を進めます。

技術系タイプのキャリアパス例

次にプリセールスの技術系のキャリアパスとして以下が挙げられます。


  • ・SE(システムエンジニア)

    ・プロジェクトリーダー

    ・プロジェクトマネージャー


プロジェクトにおける実際の開発に携わったり全体の工程・予算・タスクなどの管理やメンバーの統率を行ったりする立場へとキャリアチェンジできます。しかし、プリセールスで培った技術的スキルをさらに磨き、足りない知識やスキルを補う必要があるでしょう。

SE(システムエンジニア)

SE(システムエンジニア)は、クライアントの要望を聞き取り、システムの設計をする職種です。プロジェクトや所属する企業によっては、プログラミングを行う場合もあります。そのため、すべての工程に対応できることが望まれます。

関連記事:SE(システムエンジニア)とは?仕事内容・年収・役立つ資格などをわかりやすく解説

プロジェクトリーダー

プロジェクトリーダーは、プロジェクトマネージャーの補佐としてチームメンバーをまとめ、現場を取り仕切る職種です。比較的小規模なチームおよびプロジェクトでは、すべての責任をプロジェクトリーダーが担うケースもあります。現場を率いるリーダーシップやマネジメント力が必要です。

関連記事:プロジェクトリーダーとは?役割や役立つ資格、年収相場を紹介

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、ITシステムの開発プロジェクトの責任者として、企画や業務計画、予算、品質、人員、進捗などの管理を行う職種です。プロジェクトが計画どおりに進行するように、課題やトラブルが発生した場合は、速やかに対処する能力が求められます。プロジェクトの責任を抱える重要な役割のため、品質や納期を管理するマネジメントスキルは欠かせないでしょう。

関連記事:プロジェクトマネージャーとは?役割・仕事内容・必須スキルを解説

営業系タイプのキャリアパス例

プリセールスから目指せる営業系のキャリアパスとして以下が挙げられます。


  • ・セールスマネージャー

    ・フリーランス


プリセールスでの営業サポート経験が活かせます。ただし、技術的側面だけによらないセールス全般の営業スキルが必要です。優秀な成績を収めれば評価され、営業職を率いる立場としてのキャリアパスも望めます。

セールスマネージャー

セールスマネージャーは、営業職の最高責任者として、営業部署やチームの管理をする職種です。営業担当者の教育・販売計画・顧客管理など、多岐に渡る業務があります。また、セールス人材を育成する立場として、営業力を示せる実績やリーダーシップ、手本となる行動が求められます。

フリーランス

フリーランスのプリセールスになる選択肢もあります。ただし、フリーランスだとプリセールスという枠組みでの募集は少ないため、案件の獲得が難しいといえます。IT営業やITコンサルティングの代行業務などの募集は比較的多く見受けられるので、フリーランスで請け負うことが可能でしょう。
プリセールスからのキャリアパスとしてフリーランスを選択する場合は、これまでの経験を活かしてどのような価値提供ができるかを明示することが重要です。

プリセールスのキャリアアップに役立つスキル

プリセールスが理想的なキャリアパスの実現に向けてキャリアアップしていくために、役立つスキルを紹介します。どのようなスキルを習得するかは、ある程度キャリアパスを選定した上で決めるのが望ましいです。キャリアパスを目指すための効率的な手段となるからです。
プリセールスとしての基礎的なスキルは必須ですが、キャリアアップのためにどのスキルが役立つかは人によって異なります。そのため、将来を考えながら習得すべき知識や技術を検討するのが良いでしょう。

関連記事:未経験からセールスエンジニアを目指すには?役立つ資格なども紹介

ITに関する知識

プリセールスは、営業担当者では対応できない技術的な助言や提案など行うため、IT技術に関する知識が必要です。所属する企業や担当する製品・サービスにより、IT技術に関する知識のレベルは異なります。
営業担当者のサポートとして、クライアントの技術的な質問や要望などに対応できる、IT技術に関する知識があることが重要です。

プレゼンテーションスキル

プリセールスとして、プレゼンテーションスキルを身につけることは重要です。たとえば、営業担当者とともに製品の技術的な説明や提案を行う場合、たとえ理解が難しいIT関連の専門用語でもクライアントに分かりやすく説明できなければ伝わりません。また、内容がよく分からないものに関する提案をクライアントが受け入れるのは考えにくいでしょう。
用語1つひとつや話の組み立て方など細かいところに気を配り、誰にでも伝わる説明ができるプレゼンテーションスキルが必要です。

コミュニケーションスキル

プリセールスに限らず、IT職種はクライアントにヒアリングをする機会が多々あります。要望をうまく聞き出すためには、コミュニケーションスキルが必要です。クライアントと良好な関係を築き、スムーズに意思疎通ができることは、プリセールスにとって大切な要素になります。
また、メールやチャットでやり取りをする機会も多くあるため、文章でも相手に対する敬意や配慮を意識し、円滑にコミュニケーションをとれるスキルを高めておきましょう。

製品とクライアント環境に関する知識

プリセールスには、製品とクライアント環境に関する知識が必要です。製品とクライアント環境に応じて提案内容を決めなくてはならず、営業担当者をサポートするためには必須になります。
クライアント環境を理解することで、要望に対して的確な提案が行えます。それにより、クライアントからの信頼も高まることでしょう。

英語力

プリセールスが英語力を身につけることには、以下のメリットがあります。

  • ・扱える情報量が多くなる

    ・いち早く最新情報に触れられる

    ・案件の選択肢が増える

    ・海外プロジェクトへの参画も可能

英語力があると、当然英語案件に携わることができます。英語でコミュニケーションがとれれば仕事の幅が広がるでしょう。しかし、すぐに英語案件に参画するような英語力を身につけるのは難しいです。
とはいえ、ある程度の英語力を習得すると、情報収集に役立つというメリットがあります。IT技術に関する情報量としては、英語のほうが日本語よりも多いためです。情報収集などで英語力を役立てつつ、最終的には英語案件に参画できるレベルを目指すルートも考えられます。

プリセールスのスキルを証明できる資格

プリセールスになるために、必須の資格はありません。しかし、資格を取得することで、プリセールスのスキルを証明できます。また、プリセールスのキャリアパスを考える上で、資格の取得は有益です。
キャリアパスをより現実的なものにするためにも、スキルの種類や程度を示せる資格を取得し、キャリアチェンジの際に活かせると良いでしょう。ここでは、プリセールスのスキルを証明できる資格を紹介します。

関連記事:エンジニアの転職で欠かせない自己分析のやり方とは

マイクロソフト認定資格(MCP)

マイクロソフト認定資格(MCP)は、マイクロソフト製品に対する知識とスキルをレベル別に認定する試験です。プリセールスの現場では、課題解決のために、マイクロソフト製品との連携が必要になるケースがあります。そのため、多くの企業で使われているマイクロソフト製品に関する認定資格を取得することは、プリセールスのスキル証明につながります。

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)はWord、Excel、PowerPointなどのMicrosoft製品の使用スキルを証明できる資格です。マイクロソフト認定資格と比較すると難易度は低めです。プリセールスの業務に特化しているわけではなく、一般的な事務作業などを想定した資格になります。
しかし、プリセールスはMicrosoft製品を扱う機会があるため、一定レベルのスキル習得、証明に役立ちます。

ITパスポート

ITパスポートは、IPA(情報処理推進機構)が実施する2009年から始まった国家資格です。この資格は、ビジネスで使える基礎的なIT知識があることを証明します。ITを利用するすべての社会人・学生をターゲットとしており、基本的なITリテラシーを身につけられます。IT業界を目指す方以外にも役立つ資格です。ITパスポートの試験は、全国の試験会場で、原則毎日実施しています。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する、ITエンジニアを目指す方や若手エンジニアを対象とした国家試験です。この試験では、ITエンジニアに必要な基本的な知識や技能が問われます。この資格を取得することで、プリセールスの技術面の基本的な知識を習得したりスキルを証明したりする際に有効です。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験です。基本情報処理技術者試験の上位試験として、ITを活用した戦略の立案や、信頼性および生産性の高いシステムの構築が担える能力があることを証明します。この資格は、プリセールスからのキャリアアップにも役立ちます。

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験です。ITスキル標準のスキルレベル4に該当する、難易度の高い試験になります。
合格することで、高度IT人材として専門分野を持ち、プロジェクトマネージャーに必要な、予算・スケジュール・品質管理などに関する知識を有することを証明します。

PMP®資格

PMP®(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)資格とは、米国のプロジェクトマネジメント協会が主催する国際資格です。この試験では、プロジェクトの立ち上げ・計画・実行・監視コントロール・終結について問われます。この資格を取得することで、プロジェクトマネジメントの専門家であることを証明します。
特に海外の製品・サービスを扱う場合は取得をおすすめします。また、プリセールスからのキャリアパスとして、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーを目指す場合は取得しておくと良いでしょう。

TOEIC

TOEICとは「Test of English for International Communication」の略で、ビジネスの場や日常生活での英語能力を測るためのテストです。プリセールスが仕事上で携わる製品・サービスには、海外のベンダー製品が使われるケースがあります。また、製品やサービスのドキュメント類などは、日本語に対応していないことも多いです。
最新の製品情報やトラブルシューティングに関わる内容などは、英語で記載されている場合が多いため、英語の読解力が問われるでしょう。そのため、こういった場面でプリセールスに英語力があると、仕事がスムーズに進み正しい情報を把握できます。

プリセールスの仕事がつまらない・きついといわれる理由

プリセールスの仕事は「つまらない」「きつい」といわれることがあります。そのようなイメージがつくのは、仕事内容が深く関係していると考えられます。具体的には、精神的な負担を感じやすい業務やスキル、ノルマなどの条件があることで、仕事の魅力が伝わりにくくなっているといえるでしょう。とはいえ、感じ方は人それぞれです。あくまでも、自分が許容できるかを確認するための参考程度にしてください。
ここでは、プリセールスの仕事がつまらない・きついといわれる理由を解説します。

つまらないといわれる理由

プリセールスは、営業サポートという営業担当よりも一歩引いたポジショニングから、高い評価を得るのが難しいといえます。また、企業によっては担当領域が明確に定まっておらず、望まない業務を行う場合もあるでしょう。
プリセールスの仕事がつまらないといわれる理由を具体的に説明します。

評価されにくい場合がある

プリセールスは、エンジニア職と営業職の2つの役割を持つ職種です。そのため、中途半端な立ち位置であると思う方も少なくありません。その結果、低いポジションの扱いになり評価がされにくい場合があります。頑張って評価を得たいと考える人にとっては、プリセールスの仕事がつまらない理由になっているといえるでしょう。

雑多な相談をされる場合がある

雑多な相談をされ、便利屋のような扱いを受けることで、仕事がつまらなく感じる場合もあるでしょう。プリセールスは、エンジニアと営業の両方のスキルが必要なため、必要でない場合でも同行を求められることがあります。結果、本来の業務に注力できず仕事量が増えます。

きついといわれる理由

プリセールスに求められるスキル要件に対しハードルが高いと感じたり、ノルマやクライアントへのIT関連の説明が大変に感じたりする方が少なくないです。一方で、仕事に慣れれば気にせずに済むことや経験とスキルが身についていくうちに解決できることは多いです。
プリセールスの仕事がきついのといわれるのは、主に以下の理由が考えられます。

営業とエンジニアどちらのスキルも必要

プリセールスは、営業とエンジニア術どちらのスキルも必要です。企業によっては、営業担当者と変わらないレベルの、営業スキルを求められることもあります。製品や新たな技術に関する知識も、継続的に身につけていかなくてはならず、そのためには多くの時間と労力が必要になります。しかし、双方のスキルを高いレベルで身に着けることができれば、今後のキャリアパスにおいて大きな武器になることは間違いないでしょう。

ノルマが課せられる場合がある

企業によっては、プリセールスにも営業と同じく売上などのノルマが課せられることがあります。クライアントへの技術的な質問の対応や提案だけでなく、売上を意識しなくてはいけないため、仕事内容がきついと感じてしまうこともあります。

IT知識がない顧客への説明が複雑

プリセールスはIT知識がない顧客に対しても分かるように説明する場面があります。プリセールスの対象は一般企業なのでIT担当者がいるとは限りません。分からない相手には専門用語の使用をなるべく避けたり、複雑な仕組みを分かりやすくかみ砕いて説明したりなど、細かいところまで意識して工夫する努力が必要です。
説明が伝わらないと契約につながらないため、どのように説明すれば知識がない人にも伝わるのか、日々模索することになるでしょう。

プリセールスエンジニアの平均年収

プリセールスの平均年収をレバテックキャリアに掲載されている求人をもとに算出しました。2024年4月10日時点では、プリセールスの平均年収は約674.5万円です。下限と上限の平均幅は、約457~892万円でした。

年収が高めの求人では、プリセールスで募集しているものの、プロジェクトマネージャーやリーダー経験のある即戦力となれる人材が求められる傾向が見られます。

プリセールスエンジニアの求人例

プリセールスの求人例として、レバテックキャリアに掲載されているものから一部抜粋して紹介します。プリセールスとセールスエンジニアを同じ条件で募集している企業が多いようです。

【募集職種】
プリセールス/セールスエンジニア

【年収】
560~800万円

【主な仕事内容】
・顧客の現状や要望をヒアリングしIT知見を活かした課題解決策を提案
・商品/サービスの提案資料作成
・商品/サービス導入時の技術的サポート
・ステークホルダーの検討と外部企業とのコラボレーションの企画進行 など

【求められる経験・スキル】
・ITインフラの設計/構築の経験(2年以上)
・提案書、プレゼン資料などビジネス文書作成の経験
・コミュニケーションスキル
・ネットワークやサーバー、セキュリティの知見
・お客様の課題解決にやりがいや喜びを感じられる方

【扱う技術】
OS:Windows

プリセールスの仕事のやりがい

プリセールスのやりがいは、仕事の成果を実感しやすいことです。プリセールスは、顧客のメリットを追及しながら同時に自社の利益にも貢献できます。

仕事では、営業担当者を技術面で支えたり顧客の導入サポートをしたりします。そのため、感謝される場面が多く、自分の仕事が誰かのためになっているやりがいを感じられるでしょう。また、営業担当者とともに商談を進めるため、うまく成約につながったときに喜びを分かち合えるのもやりがいの1つといえます。

人に感謝されたり達成感や喜びを共有したりできる環境で働けるのはプリセールスの醍醐味でしょう。

プリセールスの将来性

企業のITへの対応は、加速し続けています。DXの普及などに伴い、製品の技術的な質問対応や提案を行うプリセールスの役割は、ますます重視されています。
クライアントと直接向き合うプリセールスは、コンピューターでは代替しにくいスキルを持つ職種です。商談が成約につながるかどうかは、担当者の人柄や信頼関係によるところも大きいといえます。このような点からも、プリセールスはなくなる可能性が低い職種といえるでしょう。
営業担当者だけでは解決できないケースでも、技術に詳しいプリセールスが同行することで、商談がスムーズに進みます。また、プリセールスが技術的なサポートをすれば、クライアントに製品のメリットが伝わりやすくなります。
現状ではプリセールスの需要がすぐになくなるとは考えにくいです。しかし、AI技術が急速に普及しているため、業務が部分的に代替されるなどの懸念点はあります。そのため、プリセールスとして与えられた業務だけでなく、スキルを増やしたり磨いたりして自分自身の将来性を高められるように高い意識を持ち続けると良いでしょう。

関連記事:転職エージェントとは?8つのメリットやデメリット、利用の流れを解説

DXの普及により需要が増す見込み

DX(デジタルトランスフォーメーション)により、企業のビジネスモデルが続々と変革しています。DX時代の到来で、ITエンジニアの需要は増すばかりです。これにより、さまざまな分野の業界でも、ITの知識とスキルを持つプリセールスの需要は更に高まるでしょう。

英語力があれば海外赴任や外資系企業で活躍しやすい

プリセールスは、もともと外資系企業での活躍が多い職種です。外資系企業は、商談におけるプリセールスの存在を重視します。また外資系企業におけるプリセールスの給与は、日本国内の企業に比べると高い傾向にあります。
そのため、英語力があれば、海外赴任や外資系企業で活躍しやすい職種といえるでしょう。

プリセールスに関するよくある質問

プリセールスは複数の職種と混同されがちだったり、業務範囲が企業によって違ったりするため、どのような仕事なのか正しく理解できていない方が多いようです。また、プリセールスからの転職を目指している方からは、キャリアパスについての質問が多数寄せられます。その中でも、プリセールスとプリセールスから目指せるキャリアパスの違いに関する質問が多いです。
以下でプリセールスに関するよくある質問と回答を紹介します。

Q1. プリセールスはどのような仕事ですか?

プリセールスは、以下のような業務を行います。

  • ・自社製品やサービスの紹介

    ・クライアントの要望ヒアリング

    ・自社製品やサービスの提案

    ・導入サポート

    ・導入後のトラブル対応

業務ではヒアリングや提案、技術サポートなどを行います。そのため、プリセールスは営業スキルと技術知識の両方が求められます。

Q2. プリセールスと営業の違いは何ですか?

プリセールスは営業担当者が担えない技術面でのサポートができる点が大きな違いです。プリセールスは営業とエンジニアの中間的な役割を担いますが、販売だけでなく技術的な提案やクライアント課題の解決も業務に含まれるため、営業とは異なる面も多いでしょう。そのため、エンジニア出身のプリセールスも多いです。

Q3. プリセールスとコンサルの違いは何ですか?

プリセールスは製品やサービスを商品として営業を行います。一方で、コンサルは自分自身が商品の主軸で、ゴールはクライアントによって異なるため幅広いスキルが必要です。プリセールスのように製品やサービスが固定されていない分、提案の自由度があります。

Q4. プリセールスエンジニアに向いているのはどんな人ですか?

プリセールスエンジニアの仕事は、製品やITの専門用語についてなど複雑なことを分かりやすく説明する必要があります。そのため、それらを理解するための勉強熱心さと、誰にでも分かりやすく伝える能力の両方が必要です。自分の知識や技術を刷新していく姿勢をもち、分からない人にも教えられる人が向いているでしょう。

Q5. ポストセールスとプリセールスの違いは何ですか?

ポストセールスはプリセールスが営業を行い、製品やサービスの導入段階になってから引き継ぐ職種です。主に成約後の導入支援やトラブル対応などを中心に行います。日本だとあまり一般的ではないポジションですが、外資系企業だと設置されている場合があります。

まとめ

この記事では、プリセールスからの転職を検討している方に向けて、キャリアパスや必要なスキル、役立つ資格、将来性、年収などについて解説しました。
プリセールスのキャリアパスは、代表的なものはコンサルタントです。そのほか、システムエンジニアやセールスマネージャーに転職するケースもあります。
ただし、キャリアパスを実現するためにはプリセールスの経験だけではなく、キャリアパスに合わせて既存のスキルを磨いたり新しい分野について勉強したりする努力が必要です。
プリセールスの需要は、DXの普及により今後も増すことでしょう。また、英語力があれば、海外赴任や外資系企業で活躍も可能です。この記事を参考に、プリセールスからの転職を目指してみてはいかがでしょうか。

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