- Unityとは?
- Unityエンジニアの年収相場
- Unityを扱うエンジニアの仕事内容
- Unityエンジニアに向いている人の特徴
- Unityエンジニアとして年収を上げていくためのポイント
- Unityエンジニアとして転職する前に取り組んでおきたいこと
Unityとは?
はじめに、Unityの概要について解説します。
Unityの概要
Unityは、米国に本社を構えるUnity Technologies(ユニティ・テクノロジーズ)が提供するゲームエンジンです。Unityなどのゲームエンジンは、ゲーム開発用のプラットフォームとして、スマホゲームやデスクトップゲームを効率的に開発するために使用されます。
たとえば、Unityは「ポケモンGO」など有名なスマホゲームにも使われています。
Unityの特徴
Unityの主な特徴は、以下の4点です。
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・マルチプラットフォーム対応・基本的にプログラミング不要
・さまざまなコンテンツを扱える
・日本語の情報やコミュニティが充実している
Unityはデスクトップ(Windows、Mac、Linux)やスマホ(iOS、Android)、家庭用ゲーム機(PlayStation、Xbox 360)などの端末に依存せずゲーム開発ができます。簡単なゲームであれば、プログラミング不要でGUI操作によるゲーム開発が可能です。
また、2Dだけではなく、3DやVR、ARなど多様なコンテンツを扱ったゲーム開発ができる点も特徴です。
Unityの将来性
ゲームエンジンであるUnityの将来性は高いと考えられます。主な理由は以下の4点です。
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・ゲーム市場の拡大・ゲームユーザー数の増加
・AR/VR市場の拡大
・活用業界の広がり
「ファミ通ゲーム白書 2022」によると、国内のゲーム市場規模は約2兆円を誇り、直近10年間で約2倍に拡大しています。市場拡大に伴い、ゲームユーザー数の増加も顕著です。「Unity Technologiesのレポート」によると、ゲームユーザー数は年々増加しており、特にコロナ禍以降では1日あたりのアクティブユーザー数の増加率が50%を超えています。
また、ゲームに関連する市場として、AR/VR市場の急速な拡大も追い風です。「総務省の情報通信白書」によると、直近5年間でARは約11倍、VRは約5倍に市場が拡大しています。
さらに、Unityはゲーム業界にとどまらず、自動車業界や医療業界、建築業界など他の業界でも活用が広がっています。
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Unityエンジニアの年収相場
Unityエンジニアを目指す方の多くは、年収相場が気になるのではないでしょうか。Unityエンジニアに限らず、エンジニアの年収はスキルや経験、案件内容、求人の募集タイミングなどで大きく異なります。
そのため、画一的に平均年収を割り出して判断することは難しいのが実態です。平均年収を調べることよりも、実際の求人情報を確認していくことが重要でしょう。
Unityエンジニアの求人件数は、「レバテックキャリアの求人検索」(※2022年12月現在)では約200件です。JavaScript(約2,000件)と比べると求人数はまだ少ないですが、市場規模の拡大などを踏まえると今後ますます増えていくと想定されます。
ここでは、レバテックキャリアの求人情報(※2022年12月現在)をもとに、実際のUnityエンジニアの仕事内容や年収を見ていきます。
Unityエンジニアの求人例①:【メタバースエンジニア】福岡/Unity活用のシステム・アプリ開発/事業立ち上げコアメンバー/リモート可
本求人では、メタバース技術を活用して顧客との共同案件開発やオリジナルサービスの開発を行うUnityエンジニアを募集しています。ゲーム開発など、Unityを使った何らかの開発経験があることが必須条件です。
募集概要は以下のとおりです。
・年収:450万~1,000万円
・雇用形態:正社員
・勤務地:福岡県
・仕事内容
・Unityを活用したシステム・アプリ開発
・Android/iOS向けネイティブアプリ開発
・MetaQuest2、VIVE、Hololens2向けXRアプリ開発
・営業同行、顧客要望のヒアリング、要求仕様確認
・提案書作成など
上記の求人では、年収は450万円からスタートで、スキルや経験に応じて1,000万円まで上がる可能性があります。
Unityエンジニアの求人例②:【ゲームエンジニア】クライアントエンジニア/Unity/フレックス制/リモートワーク可
本求人は、Unityを利用したスマホアプリの設計や開発、運用・保守を一気通貫で担当するポジションです。実務経験3年以上のUnityエンジニアを対象としています。
募集概要は以下のとおりです。
・年収:550万~1,200万円
・雇用形態:正社員
・勤務地:東京都
・仕事内容
・Unityを利用したスマホアプリの設計/開発/テスト/運用/保守
・運営/企画案に対するエンジニア観点での提案(実現性、開発工数、仕様の改善提案)など
上記の求人においても、年収レンジは550万~1,200万円と幅広くなっています。スキルや経験を積むことで、高収入が期待できるでしょう。
Unityエンジニアの求人例③:【PdM】シニアクラス/事業提案案件/イベント運営管理/国内フルリモート可
本求人は、イベント運営管理やランキング施策において、売上やKPIに直結する施策を立案・推進するポジションです。toC向け領域のプロダクトマネージャー経験3年以上のシニアメンバーを対象としています。
募集概要は以下のとおりです。
・年収:700万~1,600万円
・雇用形態:正社員
・勤務地:東京都
・仕事内容
・事業提携案件のプロジェクトマネジメント
・各チームのKPI設計/事業戦略策定
・アプリ内イベント運営管理
・予算管理
・社内の他部署との連携、調整業務など
上記は、Unityエンジニアの求人情報のなかでもマネジメント経験のあるベテラン層向けであり、年収レンジの高い求人です。
Unityを扱うエンジニアの仕事内容
本章では、Unityを扱うエンジニアの仕事内容について、主に以下の5つを解説します。
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・ゲーム開発・開発したゲームのテストや改修・メンテナンス
・データの収集や分析
・要件定義や基本設計などの上流工程
・開発チームのマネジメント
ゲーム開発
Unityを使ってスマホゲームやデスクトップゲーム、家庭用ゲームなどのさまざまなゲームを開発します。
Unityを使うことで、基本的にはプログラミングを行わずに、画面操作だけでゲーム開発ができます。ただし、詳細なゲームの仕様などを実装したい場合は、プログラミングによる独自の調整が必要です。
たとえば、シナリオやサウンドなどの各項目の詳細を表現したい場合は、プログラミングが必要となるでしょう。
Unityでプログラミングを行う場合は、マイクロソフト社が開発したプログラミング言語であるC#を使用するのが一般的です。
開発したゲームのテストや改修・メンテナンス
ゲームの開発だけではなく、開発後のテストやバグ検出時の改修も行います。バグ改修以外でも、たとえばゲームキャラクターの行動ロジックに改善余地がある場合の修正なども仕事の一部です。
また、ゲームのリリース後の定期的なメンテナンス作業も担当します。
データの収集や分析
開発したゲームの稼働状況やユーザーの利用状況などのデータを収集し、分析を行うこともUnityエンジニアの業務範囲です。
データ分析によって判明した改善事項などをもとに、ゲームのアップデートや次回のゲーム開発時の企画に反映していきます。
要件定義や基本設計などの上流工程
実際のゲーム開発やテストに限らず、企画されたゲームの要件定義や基本設計などの上流工程を担当する場合もあります。
上流工程では、クライアントとの要件検討や仕様の合意など人とコミュニケーションをとる機会が増えるでしょう。
開発チームのマネジメント
ゲーム開発業務に慣れてきたUnityエンジニアは、開発チームのマネジメント業務を担当することもあります。
自分自身で成果物を作るだけではなく、チームの進捗状況や課題状況を把握し、チームとしてのパフォーマンス最大化を図るための作業指示などを行います。
Unityエンジニアに向いている人の特徴
自分にUnityエンジニアとしての適性があるか、気になっている方も多いでしょう。ここでは、あくまで一例ですが、Unityエンジニアに向いている人の特徴について解説します。
ゲームに興味がある人
Unityはゲームエンジンであり、携わる業務の多くがゲーム開発に関する仕事です。そのため、ゲームに興味がある人のほうがUnityエンジニアとして働きやすいといえます。
加えて、他の活用業界である自動車業界や医療業界、建築業界などにも興味があるとよいでしょう。
ユーザー体験を深く考えることが好きな人
優れたゲームを開発するためには、ユーザーが没頭できるかどうか、ユーザー体験を重視することが大切です。
どのようにしたらユーザーが楽しめるのかを深く考えることが好きな人は、Unityエンジニアに向いています。
C#の知識・スキルがある人
Unityを使ったゲーム開発では、基本的にはプログラミングが不要です。ただし、細かい仕様や動作などを実装したい場合は、プログラミングが求められます。
Unityエンジニアとしてプログラミングを行う場合は、C#を使うことが一般的です。したがって、すでにC#の知識・スキルがある人であれば、Unityエンジニアとして早期に活躍できる可能性があります。
Unityエンジニアとして年収を上げていくためのポイント
Unityエンジニアになったとしても、自動的に年収が上がる保証はありません。Unityエンジニアとしてのスキル・経験を蓄積していくことが重要です。Unityエンジニアとして年収を上げるためのポイントを6つ解説します。
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・VR/ARコンテンツに関する業務経験を積む・C#の知識・スキルを高める
・UI/UXの知識・スキルを高める
・Unityを扱う業界の知識を深める
・チームマネジメントや上流工程の業務にシフトしていく
・Unity認定資格を取得する
VR/ARコンテンツに関する業務経験を積む
「総務省の情報通信白書」がまとめたAR/VR市場規模の拡大傾向からもわかるとおり、ゲーム関連でもVR/ARコンテンツの需要は今後増加していくと予想されます。
そのため、VR/ARコンテンツを使ったゲームの開発経験があると、よりよい条件で転職できる可能性があり、年収アップにつながるでしょう。
VR/ARコンテンツを使ったゲーム開発が未経験の場合は、実際に自分自身でVR/ARのゲーム体験をしてみることも有効です。
C#の知識・スキルを高める
Unityの特徴の1つは、プログラミング不要でゲーム開発ができることです。しかし、ゲーム上の表現に幅を持たせたい場合、プログラミングが必要となるケースも少なくありません。
そのため、Unityの使用言語であるC#の知識・スキルを高めることで、Unityエンジニアとしてできることが広がり、年収アップを実現しやすいでしょう。
UI/UXの知識・スキルを高める
ゲーム開発においてグラフィカルな処理などを行う際は、UI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザー体験)に関する知識が重要です。
UI(ユーザーインターフェース)はユーザーがゲーム上で直接触れる画面やデザインを指し、UX(ユーザー体験)はユーザーがゲームを通じて得られる喜びや感動といった体験を意味します。
ゲーム開発の目的は、ゲームを通じてユーザーが満足する体験を提供することであるため、UI/UXの観点をしっかりと押さえることが重要です。
Unityを扱う業界の知識を深める
ゲーム業界をはじめ、自動車業界や医療業界、建築業界など、Unityを扱う業界の知識を高めることも大切です。
業界知識が深まれば、よりユーザーの満足度向上につながるコンテンツの企画・開発を行えるようになるでしょう。
チームマネジメントや上流工程の業務にシフトしていく
ゲーム開発業務だけではなく、チームマネジメントや要件定義、設計もできるようになると、Unityエンジニアとしての価値が高まります。
活躍の幅を広げることで、より高収入な求人にも挑戦できるようになります。
Unity認定資格を取得する
資格によって年収アップにつながる確実な保証はないものの、Unity認定資格を取得することで一定レベルのスキルを証明できます。
たとえば、Unity認定資格のなかでもエキスパートやプロフェッショナルなど高度レベルの認定を取得すれば、より希少性の高いUnityエンジニアを目指せます。
その結果、よりよい条件の求人に応募できる可能性が高まるため、Unity認定資格を取得することは有意義といえます。
Unityエンジニアとして転職する前に取り組んでおきたいこと
Unityエンジニアとしての転職を検討中の方に向けて、事前に取り組んでおくと役立つことを3つ紹介します。
・Unityを使って実際にゲーム開発を経験してみる
・書籍や動画で勉強する
・「Unity認定ユーザー:プログラマー」の取得を目指す
Unityを使って実際にゲーム開発を経験してみる
Unityエンジニアの業務内容の一例として、レバテックキャリアの求人情報(※2022年12月現在)に以下の記載があります。
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・Unityを利用したスマホアプリの設計/開発/テスト/運用/保守
事前の取り組みとして、実際にUnityを使って簡単なゲームアプリなどを試作してみるとよいでしょう。
試作品を自分のポートフォリオとして活用することで、開発スキルのアピールにもつながります。
書籍や動画で勉強する
Unityを使ったゲーム開発は、いきなり自分でやろうと思っても難しい場合もあります。その際は、書籍や動画を使って知識を深めることがおすすめです。
さまざまなUnityの参考書やYouTube動画などがあるため、自分に合った教材で学習できます。
「Unity認定ユーザー:プログラマー」の取得を目指す
Unityエンジニアに転職するために資格は必須ではありませんが、スキルや意欲をアピールするうえで、Unity認定資格は効果的です。
Unity認定資格の第一歩として、「Unity認定ユーザー:プログラマー」の取得を目指すとよいでしょう。
「Unity認定ユーザー:プログラマー」であれば実務経験を求められないため、Unityをこれから勉強する方や、Unity認定をはじめて受ける方におすすめです。
Unityエンジニアは、しっかりと自分で学習していけば未経験からでも挑戦可能です。Unityエンジニアへの転職を実現し、エンジニアとしてさらなるステップアップを図っていきましょう。
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