UIデザイナーの平均年収は? 年収アップの方法やおすすめ資格も紹介

最終更新日:2024年6月25日

Webサービスやアプリなど、さまざまなサービスが生まれるにつれ重要視されはじめたのがUIです。こうしたサービスにおいて、ユーザーが直接触れる面をデザインする職業をUIデザイナーといいます。

UIが重視されるようになってきたこと、それに伴いUIデザイナーの需要も高まってきていることからキャリアチェンジ先として考え、年収が気になるという人も少なくありません。本記事では、比較的新しい職業であるUIデザイナーの年収事情について、相場や年収アップのポイントなどを解説します。

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この記事のまとめ

  • UIデザイナーとは、プロダクトの中でユーザーが直接見て触れる部分のデザイン設計を行う職業
  • UIデザイナーはデザイン業の中では専門性が高い分、平均年収も約600万円と高め
  • 求人をみると給与幅が広く、職場や求められるスキルや実績によって年収が大きく左右される

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UIデザイナーとは

UIデザイナーとは、「UIをデザインする仕事」を行なう職業です。UIはユーザーインターフェースの略であり、アプリの画面や機械の操作パネル、Webサイトのページ全体を指します。端的にいうとユーザーが直接見て触れる部分全般がUIです。

このプロダクトの表層をデザイン設計するのがUIデザイナーです。最終目的はユーザーが迷うことなく快適にサービスを利用できるよう誘導することで、ユーザー視点に立ったデザイン能力が求められます。

関連記事:UIデザイナーとは?仕事内容や年収、Webデザイナーとの違いも解説

UIデザイナーとUXデザイナーの違い

UIデザイナーに似た職種にUXデザイナーがあります。求人にはUI/UXデザイナーと書いてあるため、「どちらも同じ職業」と考える人も多いです。UXとはユーザーエクスペリエンスの略であり、顧客がサービスを通じて得られる体験を指します。

厳密にいうと、UIデザイナーとUXデザイナーは目的が異なります。

  • UI…視覚的効果を重視する

    UX…感覚的効果を重視する

分かりやすくいうと、UXはユーザーが得る最終地点です。UIはユーザーがUXにたどり着けるよう、的確にサポートする役割を担います。UIとUXは相互関係にあるため、それぞれが独立することにはなりません。UIデザイナーがUXデザイナーを兼任するケースも多いです。

関連記事:UXデザイナーとは?年収や適性、UIデザイナーとの違いも解説

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UIデザイナーの平均年収

レバテックキャリアが扱っているUIデザイナーの求人情報を参考に算出すると、平均年収は約600万円です。求人の中には年収1,000万円を超える内容があります。職場や求められるスキル、経験によって年収は大きく左右され、年収アップも十分考えられるといえるでしょう。

また、厚生労働省のjobtagではWebデザイナーの平均年収は約480万円です。国税庁の令和4年民間給与実態統計調査では給与所得者の全体平均年収は約458万円とされていることから、年収は高めの傾向であることが分かります。

デザイナー業は年収が低いとイメージされることもありますが、UIデザイナーは高収入であるといえるでしょう。専門性が高く、プロジェクトによってはデザイン業務以外のマネジメント部分も担当するため、この責任の大きさが年収増につながっていると予想できます。

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UIデザイナーが年収を上げる方法

求人をみると分かるのがUIデザイナーの年収幅です。平均的な600万円から1,000万円を超えるものまでさまざまある理由は、求められるスキルやUIデザイナーとしての経験によって報酬が変化するからです。UIデザイナーとして活躍するのであれば、できるだけ高い年収を得たいと思うのは当然といえるでしょう。そこでUIデザイナーとして年収を上げるための方法をいくつか解説します。

UIの知識を活かしてキャリアアップ

サービスやプロダクトの開発・制作において、UIの知識・スキルはなくてはならないものとなりました。UIの知識・スキルがあれば、平均年収の高いWebプロデューサーやプロジェクトマネージャーなどの管理系職種へのキャリアアップもしやすいです。

UIの知識は現状どの業界にも必要ですが、中でもWeb業界ではより需要が高まりつつあります。Web業界に特化したUIデザイナーとして専門性を高めることで、より転職もスムーズになるでしょう。

好待遇の企業へ転職

求人からみる給与幅の広さの原因には、職場も大きく関係しています。より好待遇の企業に転職すれば年収アップが目指せるでしょう。ただし、高い報酬を支払うには相応の理由があります。より高度なスキルや技術を求めている、UIデザイナーとして一定の経験年数が必要など、必須条件がある求人がほとんどです。好待遇の企業に転職する場合、企業側が求める人材像とマッチしているかを必ず検証しましょう。

関連記事:プロダクトデザイナーになるには?必要なスキルや資格、年収も紹介

フリーランスとして独立

フリーランスとは企業に所属せず、個人で案件を取得し仕事をする働き方です。UIデザインはインターネット環境とツールがあればできるため、フリーランスで活躍するUIデザイナーも多いです。

企業に所属する場合、どうしても与えられる年収には上限があります。一方でフリーランスは上限がないため、スキルと経験のあるUIデザイナーであれば企業からもらう年収を上回ることできます

ただし、フリーランスは自分で案件を獲得したり経理事務を行ったりしなくてはなりません。デザイン業務以外の作業も増える上、いつでも仕事があるわけではない不安定な部分をいかに解消するかが問われます。

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UIデザイナーの主な仕事内容

UIデザイナーの主な仕事内容には、デザイン制作以外の骨子設計やUI要素の決定といった、一般的なデザインとは異なるものも含まれます。「見やすさ・使いやすさを重視したデザインだけしていれば良い」と安易に考え転職すると、ギャップを感じるでしょう。UIデザイナーへの理解を深めるために、主な仕事内容を押さえておきましょう。

戦略策定

デザインの設計を行う前に、UIの本質であるユーザーについて検証します。ユーザーリサーチによってニーズと要件を理解し、どんな価値を提供するかの戦略を策定します。UIデザインは戦略策定に含まれますが、同時にUXも決定されるフェーズです。

UIデザイナーだけでなくエンジニアなども策定には参加し、クライアントとのやり取りも増えます。戦略策定は設計の根本であるため、時間をかけて行う場合がほとんどです。

UIデザインの作成

デザインの方向性やサービスの目的が決定したら、ユーザーが直接操作するアイコンやボタンなどUIデザインを考案します。アプリやWebサイトだと表層部分がUIにあたるため、見にくさや操作性などユーザー視点でのデザインが求められます。

美しく整ったデザインであることはもちろん、UIデザインはユーザーファーストであるべきです。デザイン力はもちろん、ユーザー理解も大切な要素になります。

ユーザーインタラクションの設計

ユーザーインタラクションとは、ユーザーの行動によって起こる反応です。直感的な操作が可能であればどんな人でも使いやすさを感じるため、デザインによって表現することが求められます。

UIデザイナーはデザイン制作にあまり関わらず、設計を中心に行うこともあります。デザインそれぞれが持つ意味を明確にし、ユーザーがスマートに使用できるよう考慮する必要があるでしょう。また、デザイン意図を提案する、説明するのもUIデザイナーの業務範囲です。

デザインの改善

インターフェースが機能するかどうか、使いやすいかを評価し、改善点があれば直していきます。
たとえば、Webデザイナーだとリリース後はメンテナンスや更新までプロジェクトに関わることはありませんが、UIデザイナーはその後のユーザー分析も担当することが多いです。
ユーザーが意図した行動を迷いなくとれているか、ニーズに合っているかを検証し、改善点を見つけるのもUIデザイナーの主な仕事です。

スタイルガイドの作成

スタイルガイドとは、UIデザイナーがデザインした作品のルールを保つためのものです。ルールブックと呼ばれることもあります。Webサイトのスタイルガイドだと、背景や文字色、テキストフォントや大きさなど細かな要素が記載されています。

スタイルガイドの作成を行わないプロダクトもありますが、あればデザインに統一性が出てコーディング時間の短縮につながるものです。エンジニアやほかデザイナーとのコミュニケーションもスムーズになるため、作業のマニュアルであるスタイルガイドの作成経験があると、強みになるでしょう。

デザインの実装

プロジェクトによっては、UIデザインでなくプロトタイピングツール、デザインツールなどを使ってデザインの実装サポートをします。規模が小さいプロジェクトや人数に限りがある案件では、デザインの実装や制作に直接携わることもあるため、デザインの実装スキルは前提として持っておきましょう。
実装に関わらなくても、改善や調整の段階で関与することもあります。ここでもデザインスキルはもちろん、コミュニケーションスキルも求められるのがポイントです。

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UIデザイナーの年収・スキルアップに役立つ資格

UIデザイナーになるための必須資格はありませんが、一定のスキルが求められ、より専門性の高い人材は収入アップも目指せます。ただし、実務経験が足りない場合は補う要素が必要でしょう。

関連資格は企業やクライアントに自身のスキルを実証する材料になります。資格取得に向けた勉強でも身につくスキル・技術があるため、UIデザイナーに関する資格をチェックしておきましょう。

色彩検定

色彩検定とは、色の持つ効果や知識を幅広く取り扱う検定資格です。配色ルールやイメージに合わせた色を理解できると、さまざまなWebサイトデザインやアプリデザインに応用できます。

UIデザイナーはまさにユーザーに見える範囲を担当するため、策定したデザイン設計に合わせて配色する必要があります。色彩検定は難易度も高くなく、色の基礎知識から学べるため転職にもおすすめできる資格です。

 
受験料 概要 難易度 合格率
【3級】7,000円
【2級】1万円
【1級】1万5,000円   
【UC級】6,000円 
・ファッションや美容、出版広告      
 などデザイン全般に役立つ
 色彩能力を認定する資格
・階級によって難易度が異なるが、     
 2~3級とUC級は基礎知識が   
 問われるため難易度は低め
76.8%   
(2021年度)

カラーコーディネーター検定試験

カラーコーディネーター検定試験は色の持つ性質や特性を実証する資格です。色彩検定と内容は似通っているため、どちらかだけの取得を目指しても問題ありません。
役立つジャンルに違いがあり、カラーコーディネーターはファッション分野よりも商品開発や美容に特化しているため、プロダクトのジャンルをカバーするために取得を検討しても良いでしょう。

受験料 概要 難易度 合格率
【アドバンスクラス】 
7,700円
【スタンダードクラス】 
5,500円
・商品開発や美容など、 
 ブランディングに必要な   
 配色感覚や色の特性を 
 認定する試験資格
・スタンダードクラスは
 初学者向けの検定で
 難易度はやさしい、 
 資格取得のきっかけとしても   
 おすすめできる
アドバンス…60.7%
(2022年度)
スタンダード80.2%  
(2022年度)

Illustrator®クリエイター能力認定試験

Adobe Illustrator®️の使用スキルを実証する検定資格がIllustrator®クリエイター能力認定試験です。Illustrator®️は主にロゴやアイコン制作に特化したグラフィックツールのため、UIデザインをするために頻繁に使います。

難易度はさほど高くなく、Illustrator®をある程度使い慣れていれば合格は十分目指せます。試験内容にはビジネスシーンを想定した出題も含まれるため、実際のプロジェクトはどんな様子かを知るためにも取得がおすすめです。

受験料 概要 難易度 合格率
エキスパート:8,800円 
スタンダード:7,800円
・Adobe Illustrator®️の
 使用スキルや知識を問う試験 
・未経験者がIllustrator®️を
 使用できる実証として
 活用できる
・スタンダードの難易度は低く、 
 初心者にもおすすめ
・エキスパートはより実践的な
 内容が含まれるため、難易度
 は高い
71.48%
(2022年度) 

Photoshop®クリエイター能力認定試験

Photoshop®クリエイター能力認定試験とは、サーティファイが運営するAdobe Photoshop®️を使用するスキルや知識を実証する検定資格です。デザインを扱うクリエイター全般を対象としており、スタンダードとエキスパートの2つから自分のレベルに応じた試験を選択できます。

Photoshop®️は独学でも使いこなせるため、「仕事でも活用できる」と証明するためには資格が特に役に立つといえるでしょう。

受験料 概要 難易度 合格率
エキスパート:8,800円   
スタンダード:7,800円
・Adobe Photoshop®️の
 使用スキルや知識を問う試験    
・未経験者がPhotoshop®️を  
 使用できる実証として活用   
 できる   
・スタンダードの難易度は低く、    
 初心者にもおすすめ
・エキスパートはより実践的な
 内容が含まれるため、難易度
 は高い
75.35%
(2022年度)  

ウェブデザイン技能検定

ウェブデザイン技能検定とは、特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が実施する国家検定です。3〜1級のグレードに分かれており、階級が上がるにつれ難易度も高くなり、専門性の高い内容が含まれます。

3級は合格率も高く、初心者にはおすすめです。業界の経験がない人やWeb知識の基本を身につけたい人にも向いているので、まずは3級の合格から目指しましょう。

受験料 概要 難易度 合格率
【1級】
学科: 8,000円 /
実技: 2万5,000円             
(実技はペーパー実技含む)  
【2級】
学科: 7,000円 /
実技: 1万6,000円
【3級】
学科: 6,000円 /
実技: 8,000円  
※23歳未満の在職者は4,000円
※23未満の在職者以外は6,000円
・Webデザイン系資格の中でも数少ない国家資格であり、Web全般の知識と実技が問われる ・等級が上がるごとに難易度が、高まるため、基礎基本や初学者 には3級からの受験がおすすめ 3級:60~70%     
2級:30~40%
1級:10~20%
(年度によって異なる)        

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「UIデザイナーはやめとけ」といわれる理由

UIデザイナーを検索すると「やめとけ」というネガティブワードもサジェストに表示されます。将来的には「UIを人間がデザインする必要がなくなるのでは」と懸念されているためです。実際、UIデザインは現状AIなどのツールを使って業務を効率化することも多いです。

しかし、完全にAIに代替することはできず、最終決定は使用するユーザーの理解が十分できている人間が行います。そのため、将来的にも必要とされるUIデザイナーになることが大切です。たとえば、単なるデザイン作業だけでなくユーザーの行動分析力やクライアントとの要件定義がスムーズに行えるソフトスキル面に長けたUIデザイナーを目指すのがおすすめです。

また、デザイン業界はUIデザイナーに限らず「給与が低い」「納期のある仕事だから激務になりやすい」とイメージされることも「やめとけ」といわれる要因といえるでしょう。こちらも、必ずしもUIデザイナーの働く環境が悪いわけではありません。

関連記事:Webデザイナーは将来性がない?後悔しないために知るべきこと

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未経験からUIデザイナーになるには

UIデザイナーの年収ややりがいを知り、「未経験からでも挑戦したい」という声も聞かれます。結論からいうと未経験からUIデザイナーを目指すのは不可能ではないものの、難易度は高いといえるでしょう。

UIデザインはどのジャンルにも必要な要素ですが、デザインをするためには基礎的な知識とスキルが必要です。さらに、UIデザイナーの中でも満足のいく年収を得るには、実務経験が問われます。

そのため、デザイン制作に特化しており参入障壁の低いWebデザイナーからキャリアをスタートさせたり、ディレクターやプロデューサーから転身したりするのが近道といえます。まずは業界経験を重ね、資格などで実務経験を補ってキャリアチェンジを狙うのが現実的な方法です。

その他、「未経験からUIデザイナーになるには?必要なスキルや転職のポイント」の記事でも詳しく解説しています。

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UIデザイナーに関するよくある質問

UIデザイナーに関して「結局年収は期待できるのか」「どんな仕事をするデザイナーなのか」という質問がよく聞かれます。これらは、転職するうえでの決め手となる要因です。イメージとの乖離があれば、転職はうまくいかないでしょう。UIデザイナーは比較的新しい職業です。UIデザインの注目度が高まる中で、よくある質問を今一度押さえておきましょう。

Q1. UIデザイナーは稼げますか?

レバテックキャリアの求人をもとにすると、UIデザイナーの平均年収は約600万円です。これはデザイナー業の中でも高い分類であり、年収そのものは期待できる職業だと考えられます。給与の上下幅が広いため、なかには年収1,000万円を超える求人もあり、個人の持つスキルや経験によって年収アップも狙えるでしょう。

Q2. UIデザイナーとはどのような職種ですか?

UIデザイナーはプロダクトの中で、ユーザーが直接見て触れるユーザーインターフェースを設計します。UIデザインを行うデザイナーであり、主にWeb業界で活動する人が多いです。
アプリやWebサイトでは、ユーザーはアイコンやボタンを操作してサービスを得ますが、この操作面を作るのがUIデザイナーです。

Q3. UIデザイナーにはどのような人が向いていますか?

UIデザイナーはデザインのみを行うのではなく、社内外とのやり取りも多く発生する職業です。プロジェクトを円滑に進めるコミュニケーション能力のある人、ユーザー視点に立てる人、ものづくりに興味を持ち改善点をすぐ見つけられる人はUIデザイナー向きです。

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まとめ

UIはどのジャンルでもユーザーとサービス提供側を結びつける大切な部分です。このプロダクトの顔ともいえるUIをデザインするのがUIデザイナーです。専門職のため年収も比較的高く、企業選びやスキルアップによって年収の増加も見込める職業といえます。UIデザイナーを目指す場合は、適性や市場をしっかり把握し、納得できる年収のポジションを選ぶことをおすすめします。

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この記事の監修

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