Webディレクターの年収や必要スキルとは？他業種からの転職についても解説

Webディレクターの年収相場

レバテックキャリアの求人では、Webディレクターの年収相場は平均で600万円程度と推測されます。ただし案件によって年収相場が異なり、また同じ案件でもスキルによって年収に幅があります。具体的には、下は300万円程度、上は1,000万円程度です。

Webディレクターの年収は年代によっても異なる

Webディレクターの年収は年代によっても異なります。具体的な数字はデータの出所によって異なりますが、平均年収の目安としては以下のようになります。

20代	350万円～400万円程度
30代	450万円～500万円程度
40代	550万円～600万円程度

レバテックキャリアの求人は上記よりも高めのものが多いですが、他の求人媒体や統計データを踏まえると、市場では上記の数字程度が相場ということです。

Webディレクターとは

Webディレクターの仕事内容について解説します。Webディレクターの仕事内容は幅が広く、またプロジェクトによっても役割が異なります。そのため詳細はプロジェクトごとに確認する必要がありますが、以下では概ね共通する内容について解説します。

Webディレクターの仕事内容には以下のようなものが挙げられます。

• 
  ・企画・提案

  ・プロジェクト管理・制作

  ・運用

どのプロジェクトでも上記のような業務は担当する場合が多いでしょう。ただし他の職種との役割分担などは、プロジェクトごとに異なります。

企画・提案

企画・提案では、制作するWebサイトやWebサービスの内容を企画し、要件定義や概要設計を行います。そして、クライアントや社内のステークホルダーに提案し合意形成を行います。

プロジェクト管理・制作

エンジニア、デザイナーなどの他職種のメンバーと協力しながら、WebサイトやWebサービスの制作を進めます。制作期間の見積もりを依頼し、プロジェクトの完了予測をもとにして、進行状況を管理しながら制作を進めます。WebサイトやWebサービスをリリースし、公開するところまでが制作のフェーズです。

運用

運用フェーズでは、リリース済みのWebサイトやWebサービスが安定的に稼働している状態を保つだけではなく、新機能の追加や不具合の修正も求められます。

Webディレクターの求人例

レバテックキャリアに掲載されているWebディレクターの求人例を紹介します。求人は定期的に変動しますが、類似する求人が複数あります。実際の求人を見ることで、Webディレクターの業務内容や必要スキルをイメージしやすいでしょう。

制作ディレクション／ワイヤーフレーム作成／新規・既存顧客の要望

担当サイトの運用管理／一人一人の個性や意見を尊重／リモートワーク可

Webディレクターの年収アップに欠かせないスキル

Webディレクターとして年収を上げるためにはスキルアップが欠かせません。しかしWebディレクターはエンジニアなどのように実際に手を動かすことが少ないため、スキルアップの方向性が分かりにくいでしょう。そこで、まずは方向性を定めることで適切な努力ができます。

Webディレクターに求められるスキル

Webディレクターに求められるスキルは多岐にわたりますが、大きくWeb開発スキルとプロジェクト進行スキルに分けられます。Webディレクターは自分自身が手を動かして開発することは少ないのですが、実務スキルを有するWebディレクターの方が制作メンバーとの連携が適切な形になりやすく、また成果物に対する責任も持てます。

Web開発スキル

Web開発スキルとしては、Webの仕組みを理解することや、ユーザーが操作するUIやユーザー体験（UX）について理解することなどが求められます。

プロジェクト進行スキル

プロジェクト進行スキルに該当するのは、ステークホルダーの要求を理解して要件定義や設計に落とし込むスキルや、その内容を説明して合意形成を行うスキル、プロジェクトを計画に沿ってリリースまで進行させる管理スキルです。

問題解決能力

Webディレクターに求められるスキルは幅広いと同時に、変化していきます。言い換えると、何が問題かを把握し、その解決のためのスキル習得や実践が必要になるということです。問題自体は多岐にわたりますが、問題の特定から解決までのプロセスは概ね類似しているでしょう。つまり、問題解決を繰り返せば新たな問題が発生した際にも対処が早くなるということです。

提案力

Webディレクターはクライアントやプロジェクト内のメンバーに対して提案を行う機会が多いです。機会が用意されているというよりは、プロジェクトや成果物をより良いものにするためにWebディレクターが率先して提案する必要があるということです。問題解決能力ともつながってきますが、どうすればプロジェクト、成果物がより良いものになるかを常に考え、それを人に伝える工夫が重要になります。

UI/UXの知識

Webディレクターは成果物を適切に評価、判断する必要があります。出来上がった成果物をサービスとして確認するためには、UI/UXの知識が必須ということです。UIはユーザーインターフェースの略で、Webサイトのデザインなどユーザーの目からすぐにわかる要素です。

UXはユーザーエクスピリエンスの略で、ユーザーがサービスを通して得られる体験や経験です。UI/UXの知識を元に、サービスをユーザーにとってより良いものにしていくのもWebディレクターの役割になります。

Webマーケティングに関するスキル

Webディレクターは制作メンバーよりも成果物をサービスとして考える必要があります。出来上がったものはユーザーが使い、それが利益につながるので、ユーザー目線や収益化目線が必須ということです。サービスを伸ばしていくためには、Webマーケティングに関するスキルが必要です。

Webディレクターのスキル習得方法

Webディレクターのスキル習得方法には以下のようなものがあります。

• 
  ・書籍を利用してWebディレクタースキルを身につける

  ・Webディレクタースキルに関連する資格を取得する

制作メンバーと比較すると、プログラミングやデザインなどのスキルに特化しているわけではないのでスキル選定しにくい傾向があります。またWebディレクターのスキルは、どんどん手を動かして身に付けるといったものでもありません。そのため、知識習得や資格取得がより有効になります。

書籍を利用してWebディレクタースキルを身につける

書籍を利用して知識を身に付けると、Webディレクターとしてのスキルにつながります。書籍の内容としては、開発やデザインの具体的なスキルというよりは、全般的な考え方やマネジメント、マーケティングに関する内容が中心です。

Web制作全般に関する書籍

Web制作に関する書籍としておすすめなのが「この一冊で全部わかる Web制作と運用の基本」です。企画から設計、デザイン、構築、集客、改善までを解説しているWeb制作の入門書です。

Webディレクターという職種に関する書籍

Webディレクターの業務についての理解を深められるのが「第一線のプロがホンネで教える 超実践Webディレクターの教科書」です。必要なスキルのほか、日々の業務での工夫、キャリアについての考え方についても触れられています。

プロジェクトマネジメントに関する書籍

Webディレクターに求められる進行管理部分については「これ以上やさしく書けないプロジェクトマネジメントのトリセツ」で学べます。これまで多くのプロジェクトを成功させてきた著者が解説するプロジェクトマネジメント入門書です。

関連記事：Webディレクターにおすすめの本10選！未経験・初級者ディレクターに！

Webディレクタースキルに関連する資格を取得する

Webディレクタースキルに関連する資格を取得することもスキル習得に役立ちます。また評価アップにもつながるでしょう。Webディレクターは明確な指標でスキル評価するのが難しいからこそ、資格が評価につながりやすい部分があります。

Webディレクション試験(資格名：Webディレクター)

Webディレクション試験は、Web制作の工程管理、プロジェクト企画、設計、集客施策立案、実施など、Webディレクションスキルを問う内容になっています。

Web解析士

Web解析士は、アクセス解析をはじめとしたWeb解析データを活用し、デジタルマーケティングを通して事業の成果を導くために、データを読み取り、正しい判断ができるスキルを習得することを目標とした資格です。

Webリテラシー試験

Webリテラシー試験は、Webに関わるデザイナー、ディレクター、プロデューサーという主要3職種の最重要知識を集約して、Webに関する標準的かつ必須の知識を理解・運用できる能力を問う内容になっています。

Webディレクターが年収を上げるためのキャリアプラン

Webディレクターが年収を上げるためのキャリアプランとして、以下のようなものが挙げられます。

• 
  ・条件の良い企業へ転職する

  ・専門分野の知識・スキルを磨く

Webディレクターはスキルアップと同時に転職や条件交渉が重要です。エンジニアやデザイナーのようにスキルが客観的にわかりにくいので、その分交渉や進路を考えることなどに力を入れるのがおすすめです。

条件の良い企業へ転職する

同じような仕事内容であっても、企業によって条件が異なります。そのため、条件の良い企業に転職した方が年収も上がる可能性が高いです。所属している企業で条件交渉するのも一つの手ですが、大幅な年収アップは難しい場合が多いでしょう。大幅な年収アップを狙う場合、転職か、もしくはフリーランスへの転身がおすすめです。

専門分野の知識・スキルを磨く

Webディレクターにとっての専門分野とは、開発関連やコンテンツ制作です。マーケティングやマネジメントも専門分野と言えなくはないですが、スキルの指標が明確ではなく、また成果物がないのでアピールしにくいです。

一方で、プログラミングでシステムを作れる、記事を書ける、といった具体的なスキルがあると専門スキルとしてアピールしやすいということです。実際に自ら手を動かして制作もできるWebディレクターの方が戦力になりやすく、信頼も得やすいでしょう。

Webディレクターのキャリアパス

Webディレクターのキャリアパスとして、以下が挙げられます。

• 
  ・プロダクトマネージャー

  ・プロジェクトマネージャー

  ・Webマーケター

これらの職種はWebディレクターの上位資格というわけではありませんが、Webディレクターからの転職やフリーランスとしての転身で選べる職種です。

プロダクトマネージャー

プロダクトマネージャーは、WebサービスやWebサイトなどのプロダクトの価値を最大化させることに特化した役割を担います。プロダクトの価値は何か、なぜその機能が必要なのかといった「Why」を突き詰めます。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーの役割は、制作過程を管理することです。複数プロジェクト、社内での関連プロジェクトすべてなど、規模は異なりますが、各プロジェクトの進行状況の把握、遅延の兆しを検知した場合に、どのように予定通りにプロジェクトを進行させるのかを検討します。

Webマーケター

Webマーケターは、Webサイトを分析し、より良い状態に改善するための提案や施策を行います。コンサル寄りのスキルに特化した職種です。

関連記事：Webディレクターとは？仕事内容や求められるスキルについて

他職種からWebディレクターへの転職のポイント

他職種や未経験からWebディレクターへの転職のポイントを見ていきましょう。それぞれの職種での経験やスキルをどのように活かせるのかについて解説します。アピールポイントなどを適切に把握しておくことで、転職成功率アップや条件アップにつながるでしょう。

エンジニアからの転職のポイント

エンジニアからWebディレクターへ転職する際は、下記のポイントを踏まえて、転職後に自身のスキルを活かす方法や業務上の場面をイメージし、採用面接でアピールしましょう。

• 
  ・実装など下流工程の経験を企画・設計などの上流工程に活かせる

  ・実装の見積もり等でボトルネックを予測しやすく、進行管理に活かせる

  ・制作後の運用コストの削減や運用方法の最適化をリリース前に意識できる

テスターやQCQA（テスト設計者）、カスタマーサポートからの転職のポイント

テスター、QCQA（テスト設計者）、カスタマーサポートからWebディレクターに転職したい場合は、下記のような経験やスキルをアピールするとよいでしょう。

• 
  ・仕様上バグが発生しやすい箇所を理解しているため、品質管理に活かせる

  ・利用者が問い合わせを挙げやすい箇所を理解しているため、品質管理に活かせる

  ・テスト工程に携わった経験を、テスト実施やバグ修正の効率化に活かせる

未経験からの転職のポイント

未経験からWebディレクターに転職を検討する際は、業務経験を積みやすいアシスタント職や、テスターなどの別職種での転職を経由してWebディレクターを目指すことを検討しましょう。

• 
  ・Web開発に関する知識を独学で習得する

  ・Webディレクターのアシスタントなど限定的な業務から開始する

  ・テスターなど別の職種での経験を積んでから、Webディレクターにジョブチェンジする

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Webディレクターに関するよくある質問

Webディレクターに関するよくある質問と回答を紹介します。Webディレクターの適性や年収について知っておくことで、自分がWebディレクターを目指すべきなのか、年収を上げるにはどうすれば良いのかといったことがわかります。

Q1. Webディレクターに向いている人はどんな人ですか？

Webディレクターはエンジニア、デザイナー、クライアントなどの間に立って取りまとめる立場です。Webディレクターが適切にコミュニケーションを取ることで、プロジェクトが円滑に進行します。全体に配慮して、うまく連携できる人がWebディレクターに向いています。

Q2. Webディレクターの平均年収はいくらですか？

求人ボックス給料ナビによると、Webディレクターの平均年収は498万円です。Webディレクターはエンジニアやデザイナーと比較すると上流工程を担っている職種ですが、平均年収としてはそこまで高いわけではありません。むしろエンジニアの方が高めの場合が多いでしょう。

Q3. Webディレクターの年収を上げるにはどうしたら良いですか？

Webディレクターの年収を上げるためには、プログラミング、デザイン、コンテンツ制作、SEO、マーケティングなど派生するスキルを身に付けることが重要です。Webディレクターだけでなく、他のポジションも担当できるようになると、より年収は上がりやすいでしょう。

まとめ

Webディレクターの平均年収は、エンジニアなどに比べるとやや低めの水準です。ただしひとことにWebディレクターと言っても業務内容は幅広く、高いスキルが求められるプロジェクトもあれば、どちらかというと事務的な役割の場合もあります。

たとえば、プログラミングやサービスを伸ばすためのマーケティングスキルなどがあると、年収が上がりやすいでしょう。またWebディレクターというカテゴリーだけにこだわるよりも、スキルの幅を広げ、必要に応じて複数の職種で対応できると年収アップにつながるはずです。

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