Linuxのおすすめ資格LinuC・LPICとは?違いや難易度を解説

最終更新日:2024年8月8日

サーバーOSとして企業でも多く利用されるLinux。クラウド、仮想化、コンテナといった新しい技術にも欠かせないOSのため、スキルを持ったエンジニアには高い需要があります。特にサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアなどのインフラ領域では、その傾向は顕著です。

しかし、用途や技術の範囲が非常に広いため、Linuxのスキルを示すのは簡単ではありません。そこで、分かりやすくスキルを示せる方法となるのが資格の取得です。

本記事では、Linuxの資格取得を考えている方に向けて資格取得のメリットの説明と、代表的な資格LinuCとLPICを中心に、試験内容や難易度、勉強方法について解説します。

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この記事のまとめ

  • Linuxは、サーバーOSとして企業でも多く利用され、クラウドや仮想化、コンテナなど新しい技術に欠かせないインフラ要素の一つ
  • 資格の取得は、Linuxの広範な用途や技術に関するスキルを分かりやすく証明する方法として有効
  • Linuxの資格の中で代表的なものとして、LPICとLinuCが挙げられる
  • Linuxの資格を取得することで、スキルを高め、キャリアアップや新しい仕事のチャンスを得ることが可能

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Linuxの代表的な資格「LPIC」と「LinuC」の違いと特徴

Linuxに関する代表的な資格として、LPICとLinuCがあげられます。LIPCは世界標準的な資格であり、LinuCは日本国内において最適化された資格です。それぞれ複数のレベルを試験体系として持ち、Linuxを利用するエンジニアのスキルを段階的に示すことができます。

各試験の特徴は、以下の通りにまとめられます。

LPICの 特徴 LinuCの 特徴
・Linux技術者のスキルを認定する資格
・特定のベンダーにこだわらないスキルを証明できる
・グローバル基準で、世界中で20万人以上の認証保有者が存在
・Linux開発に深く関わるグローバル企業のスポンサーも多く、
トレンドが試験に反映されやすい
・CBT方式により、試験の時間と場所の制約が少ない
・4つのレベルの設定取得により、段階的にLinuxに
関するスキルの習得、証明が可能
・出題に関しては、現場で活躍する
エンジニアの参加するコミュニティによる実践的な内容
・「ベンダーニュートラル」の汎用的なスキルを示せる
・国内のLinuxエンジニアの業務内容に照らし合わせて、
利用機会の少ない古い技術範囲は削除し、
現場で役立つ内容に特化

Linuxの資格の世界標準「LPIC」

Linux系OSを扱うITエンジニアの登竜門として長年評価されてきたLPICは、難易度によってグレードが分かれています。実務経験に「LPIC level2以上」の資格がプラスされることで、一定の知識・スキルの証明となります(現在のLPIC-2に相当)。また、Red Hat認定資格試験、Linux Foundation認定資格試験などを取得することで、実務スキルを証明できるでしょう。

LPICは、特定のITベンダーに依存しない中立的で国際的な団体Linux Professional Instituteが運営しているため、第三者視点で汎用的な知識・スキルの証明になり得る資格です。世界で20万以上の認定資格保持者がおり、グローバルに活躍する際にも役立ちます。

Linuxの国内向け資格「LinuC」

日本独自のLinux試験として2018年度から実施されているLinuCは、LPICとは異なり、日本国内の市場に最適化された資格です。LinuCはLPI-Japanが独自に作成しています。

LinuCは、受験者に対してスコアや合否判定だけでなく、合格基準や項目別スコアもフィードバックされます。LPICが3つのレベルに分類されているのに対し、LinuCは4つのレベルに分けられています。

LPICとLinuCの違い

LPICとLinuCはいずれもLinuxに関する知識とスキルを認定する試験です。特定の団体によらないベンダーニュートラルな資格であることも共通しています。

大きな違いは、エンジニアの活躍する舞台を世界と日本のいずれと想定しているかです。

LPICは世界的基準の資格試験で、日本語版はグローバル基準に従って英語版の試験内容を翻訳して作成されています。技術的なトレンドも、世界のトレンドを反映したものです。

一方、LinuCは日本市場向けエンジニアの資格試験であり、日本語で設問されています。技術的なトレンドも日本のものを反映しています。

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Linuxの関連資格を取得するメリット

Linuxは主に企業向けITシステムにおいて、サーバーOSとして活用されています。その他にもIoT機器向けとしても注目されているOSです。

市場調査企業「Fortune Business Insights」の2024年6月24日に発表された調査によると、2023年の世界のサーバーOS市場においてLinuxは62.7%のシェアを占有しています。おおよそサーバーの3台に2台がLinuxともいえる人気の高さです。

そのため実務や転職では一定の効力を持つ資格であり、何よりLinuxに対してある程度の知識とスキルがある証明になります。他にも世界的に通用する資格である、Linuxへの理解が深まるといったメリットがあります。

資格の難易度に応じたスキル証明ができる

Linuxには複数の資格試験があり、難易度によってグレードが分かれています。

例えばLPICは3つのグレードがあり、LPIC-1では基本的な操作ができるLinux管理者、LPIC-2では中小規模の混合ネットワーク管理者、LPIC-3ではエンタープライズレベルのLinuxプロフェッショナルを示す資格となっています。LinuCでも3つのレベルとシステムアーキテクト向けとカテゴリを分けており、自身のレベルやスキルセットにあった資格を取得することでスキルレベルを示すことが可能です。

また、この二つの資格はベンダーニュートラルな資格です。外部からの第三者視点で評価されているため、汎用的な知識・スキルを示すことができます。

さらに、実技試験が課されるRed Hat認定資格試験Linux Foundation認定資格試験などを取得できれば、知識だけではなくエンジニアリングとしての実務スキルの証明にもなります。

関連記事:サーバーエンジニアのキャリアパス・キャリアアップ・キャリアプランを解説

LPICは世界的な活躍も見込める

LPIC、Red Hat認定資格試験、Linux Foundation認定資格試験は世界的な団体による認定資格です。取得することで、海外の企業に向けてもスキルを示すことができます。

今後海外で活躍したい場合も、資格の保有によりLinux技術者であることを証明できます。そのため、エンジニアが海外進出も踏まえたキャリアアップを目指す場合によく選ばれる人気の資格です。

Linuxのスキルレベルが上がり仕事やキャリアを広げられる

Linuxの資格取得に向けての学習では、一定の時間を確保して計画的な学習が必須となります。このため、取得後は以前と比較してLinuxスキルが身につきます。求められる内容が高度になるほどより実践的な内容を学ぶため、スキルレベルが上がると同時に仕事にも好影響が及ぶこともメリットのひとつです。

また、Linuxを使いこなせるIT技術者としてのアピールもでき、異業種からの転職や就職に有利となります。資格取得を最終的なゴールにせず、資格を活かすという視点を持てば、キャリアを広げられるでしょう。

転職時に有利になる

エンジニアとしての転職活動において、スキルは重要視されるポイントです。資格の保有で全てのスキルを示せるわけではありませんが、一定の知識の保有は示すことができ、アピールポイントとすることができます。

これまでにLinuxでの実務経験がない場合にも、資格を保有していれば、熱意をもってスキル習得に挑んでいることも伝えられます。履歴書の志望動機や転職時の面接で技術習得に対する熱意を言葉にして伝えるよりも、資格の認定団体という第三者を使って示す方が簡単だと思えるのではないでしょうか。

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LPICの試験内容と難易度

LPICには、難易度順にLPIC-1からLPIC-3までのレベルが提供されています。また、LPIC-3では専門分野によって4つのカテゴリに分けられています。高レベルの資格取得にあたっては、下位のレベルの資格認定を取得していることなどが条件となります。

各レベルごとの試験の詳細については下記の表を参照ください。

レベル LPIC-1
試験 101試験/102試験
試験時間 各90分
出題数 各60問
出題形式 多肢選択式
記述式(穴埋め問題)
合格ライン 非公開(問題ごとの点数は組み合わせに
より異なるとされます。過去の試験では
500/800点が合格基準とされていました)

LPIC-1の認定には、101試験と102試験の
両方に合格する必要があります。
出題範囲 101試験
・システムアーキテクチャ
・Linuxのインストールとパッケージ管理
・GNUとUnixコマンド
・デバイス、Linuxファイルシステム、
ファイルシステム階層標準

102試験
・シェル、スクリプト
・ユーザーインターフェースと
デスクトップ
・管理タスク
・必須システムサービス
・ネットワークの基礎
・セキュリティ
レベル LPIC-2
試験 201試験/202試験
試験時間 各90分
出題数 各60問
出題形式 多肢選択式
記述式(穴埋め問題)
合格ライン 非公開
(問題ごとの点数は組み合わせにより
異なるとされます。過去の試験では
500/800点が合格基準とされていました)

LPIC-2の認定には、LPIC-1の認定取得と
201試験と202試験の両方に合格する
必要があります。
出題範囲 201試験
・容量計画
・Linuxカーネル
・システムスタートアップ
・ファイルシステムとデバイス
・ストレージデバイスの
アドミニストレーション
・ネットワーク構成
・システムメンテナンス
 
202試験
・ドメインネームサーバー
・HTTP サービス
・ファイル共有
・ネットワーク クライアント管理
・電子メール サービス
・システムセキュリティ
レベル LPIC-3
試験 300試験/303試験/305試験/306試験
試験時間 各90分
出題数 各60問
出題形式 多肢選択式
記述式(穴埋め問題)
合格ライン 非公開
(問題ごとの点数は組み合わせにより
異なるとされます。過去の試験では
500/800点が合格基準とされていました)

LPIC-3の各専門分野での認定には、
LPIC-2の認定取得と300試験(混在環境)、
303試験(セキュリティ)、
305試験(仮想化とコンテナ化)、
306試験(高可用性とストレージ)
の各試験への合格が条件となります。
出題範囲 300試験 (混在環境) の主要トピック
・Sambaの基本
・SambaとActive Directoryのドメイン
・Samba共有の設定
・Sambaクライアントの設定
・LinuxのID管理とファイル共有

303試験 (セキュリティ) のトピック
・暗号技術
・アクセス制御
・アプリケーションセキュリティ
・オペレーションセキュリティ
・ネットワークセキュリティ
・脅威と脆弱性の評価

305試験 (仮想化とコンテナ化) のトピック
・完全仮想化
・コンテナ仮想化
・VMのデプロイメントとプロビジョニング

306試験(高可用性とストレージ)のトピック
・高可用性クラスタ管理
・高可用性クラスタストレージ
・高可用性分散ストレージ
・シングルノードハイアベイラビリティ

LPICの有効期限と再認定ポリシー

LIPC試験の場合は、2科目の合格が必要な以下について5年間のうちに両方の試験に合格しなくてはなりません。

  • ・LIPC-1

    ・LIPC-2

例えばLIPC-1の101試験に合格し、102試験に受からず合格日から5年以上経つと101試験が無効になります。その場合101試験の再受験からやり直す必要があるでしょう。

LPICの各試験の合格結果について、有効期限は5年で、同一の試験の再受験または上位試験の合格により有効期限を5年以内とする仕組みがあります。

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LinuCの試験内容と難易度

LinuCには、レベル1~3、システムアーキテクトの4つのレベルが提供されています。レベル3では「OS混在環境」「セキュリティ」「仮想化/高可用性」の各専門分野ごとに試験、認定が行われます。

レベル1~3はITSSスキル標準のレベル1~3にマッピングされ、システムアーキテクトはITSSスキル標準のレベル4相当のスキルとされます。

レベル LinuCレベル-1
試験 101試験・102試験
試験時間 各90分
出題数 各60問
出題形式 多肢選択式
記述式
合格ライン 非公表(65~75%程度)
LinuCレベル1認定には101試験と102試験
の両方に合格する必要があります。
出題範囲 101試験
・Linuxのインストールと仮想マシン・
コンテナの利用
・ファイル・ディレクトリの操作と管理
・GNUとUnixのコマンド
・リポジトリとパッケージ管理
・ハードウェア、ディスク、
パーティション、ファイルシステム

102試験
・シェルおよびスクリプト
・ネットワークの基礎
・システム管理
・重要なシステムサービス
・セキュリティ
・オープンソースの文化
レベル LinuCレベル-2
試験 201試験・202試験
試験時間 各90分
出題数 各60問
出題形式 多肢選択式
記述式
合格ライン 非公表(65~75%程度)
LinuCレベル2認定には、LiniuCレベル1の
保有と201試験と202試験の両方に合格する
必要があります。
出題範囲 201試験
・システムの起動とLinuxカーネル
・ファイルシステムとストレージ管理
・ネットワーク構成
・システムの保守と運用管理
・仮想化サーバー
・コンテナ

202試験
・ネットワーククライアントの管理
・ドメインネームサーバー
・HTTPサーバーとプロキシサーバー
・電子メールサービス
・ファイル共有サービス
・システムのセキュリティ
・システムアーキテクチャ
レベル LinuCレベル-3
試験 300試験(混在環境)
・303試験(セキュリティ)
・304試験(仮想化と高可用性)
試験時間 各90分
出題数 各60問
出題形式 多肢選択式
記述式
合格ライン 非公表(65~75%程度)
LinuCレベル3各分野での認定には、
LinuCレベル2を取得した上で、
300試験、303試験、304試験の
いずれかに合格する必要があります。
出題範囲 300試験
・OpenLDAP の設定
・OpenLDAPの認証バックエンド
としての利用
・Sambaの基礎
・Sambaの共有の設定
・Sambaのユーザとグループの管理
・Sambaのドメイン統合
・Sambaのネームサービス
・LinuxおよびWindows
クライアントの操作

303試験
・暗号化
・ホストセキュリティ
・アクセス制御
・ネットワークセキュリティ

304試験
・仮想化
・高可用クラスタ管理
・高可用クラスタストレージ
レベル LinuCシステムアーキテクト
試験 SA01試験・SA02試験
試験時間 各90分
出題数 各40問
出題形式 多肢選択式
記述式
合格ライン 非公表(65~75%程度)
LinuCシステムアーキテクトの認定には、
LinuCレベル2を取得した上で、SA01試験、
SA02試験の両方に合格する必要があります。
出題範囲 SA01試験
・システムアーキテクチャ
・ネットワークとストレージの選定
・可用性の設計
・性能・拡張性の設計

SA02試験
・仮想マシンとコンテナの設計
・セキュリティ
・監視と分析
・継続的開発とテスト・デプロイ
・トラブルシューティング

LinuCの有効期限と再認定ポリシー

LinuC試験では、2科目の合格が必要な以下のレベルにおいて、両方を5年以内に合格する必要があります。

  • ・LinuCレベル1

    ・LinuCレベル2

    ・LinuCシステムアーキテクト

レベル1の場合、101試験の合格日から5年以内で102試験に合格できない場合、101試験は無効になります。

再認定ポリシーとは、有効期限である認定日から5年以内に同一レベルの認定の再取得もしくは上位レベルの認定の取得をすることで、有効期限が維持できる仕組みを指します。

LinuC試験レベル1の認定者は有効期限の設定上5年以内に2つの試験(101と102もしくは201と202)に合格する必要があります。まず、201試験に合格してもその時点では「レベル1認定者で201試験に合格した」だけの状態であり、レベル2認定者ではありません。ここでレベル2を目指さずレベル1認定者として現状維持するとしても、再度101と102試験両方に合格する必要があります。

また、201試験、202試験に合格しレベル2保持者となれば、レベル1の有効期限はレベル2認定日から5年後に再設定されるように、上位資格を取れば下位資格の優位性も延長できます。

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Linuxに関する資格の勉強方法

Linuxに関する資格を勉強する場合には、まず前提としてPCとインターネットを用意し、PCやクラウドサービス上に仮想環境としてLinux環境を構築しましょう。実際にコマンドを操作して、OSに触れられる環境を用意することで学習の理解度を深めることができます。インターネット上に実際に環境構築を行った手順を掲載しているサイトもあり、参照しながら進めるのがよいでしょう。

この環境とあわせて利用できる資格の勉強方法を紹介します。

各資格の認定パートナーを利用する

LPIC、LinuCでは、それぞれの資格のための学習に向けた認定パートナー制度を設けています。認定パートナーを利用して学習のサポートを受けることが可能です。

・LinuC:LPI-Japanアカデミック認定校制度
・LPIC:トレーニングパートナー

オンライン学習を活用する

オンラインの学習コンテンツを利用するのも一つの手段です。オンライン学習では動画やテキストによるものがメイン。各種の企業が提供するものや、団体により無償で提供されるものもあります。

Red Hatでは、無償でオンラインコースの提供があり、Linux Foundationでは、無償でオンライン学習教材の提供を行っています。

Linuxの資格の勉強におすすめの学習サイト

ping-t
エンジニア向け資格試験の情報を集めたサイトです。LPIC、LinuCも対象としており、いずれもレベル1はコンテンツを無料で利用することが可能です。

LPICの公式サイト
LPI Learningとして、LPIC-1の2試験などについて学習教材が提供されています。

LinuCの公式サイト
学習環境構築ガイドをはじめ、無料で使える学習補助教材を提供しています。

参考書や過去問題集で理解を深める

試験によっては参考書、過去問題集が出版されている場合があります。これらを利用することで、試験の対策を効率的に行うことが可能です。

参考書や過去問題集を利用する場合には、試験のレベルと対応した参考書・過去問題集を利用しましょう。以下に一例をあげています。

Linuxの資格の勉強におすすめの参考書

Linuxの資格の学習におすすめの学習参考書を紹介します。受験するレベル、試験科目、バージョンを確認してご利用ください。

『Linux教科書 LPICレベル1 Version5.0対応』(翔泳社、中島 能和、濱野 賢一朗)
LPIC受験者の間で表紙の色から「あずき本」として親しまれているほど認知度の高い教材です。

本書は、LPI-incの認定テキストとして出題範囲を分かりやすく解説し、力試しの練習問題・仕上げの模擬試験を学習することで効率的に合格へと導いてくれます。

『Linux教科書 LinuCレベル1 Version 10.0対応』(翔泳社、中島 能和、濱野 賢一朗)
定評のある「Linux教科書」のLinuC版です。

LPI-Japan公認の教科書であり、その信頼性は高いです。各章末に練習問題、巻末には模擬試験が収録されており、学んだことを徹底的に練習できます。

Linuxの資格の勉強におすすめの問題集

Linuxの資格に向けた学習では、問題集の利用も有効な方法です。受験するレベル、試験科目、バージョンを確認してご利用ください。

『Linux教科書 LPICレベル1 スピードマスター問題集 Version5.0対応』(翔泳社、山本 道子、大竹 龍史)
LPIの認定するLinux教科書のLPICレベル1の問題集です。問題と解説のセットで、試験対策に有効です。分野別問題+模擬試験1回分の合計504問が掲載されています。

『Linux教科書 LinuC レベル1 スピードマスター問題集 Version10.0対応』(翔泳社、山本 道子、大竹 龍史)
Linux教科書のLinuCレベル1向け問題集です。問題と解説のセットで、テンポよく学習できます。分野別問題+模擬試験1回分の合計472問が掲載されています。

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Linuxに関する資格の勉強時間目安

Linuxの代表的な2つであるLPIC、LinuCの各資格試験について、公式サイトにてレベル別に学習の目安の期間が記載されています。学習前の知識量などにより学習期間は異なるためあくまで参考値となりますが、取得を目指した学習の際には、目標設定に利用すると良いでしょう。いずれの試験も計画的な学習が前提となります。

LPIC

LPICの試験へ合格するための勉強時間の目安は下記といわれています。独学を基本としているため、スクールなど試験専用の対策講座を受講すれば、勉強時間の短縮はできると考えられるでしょう。

LIPC-1 1か月~3か月程度
LIPC-2 3か月~半年程度
LIPC-3 半年~1年程度

LIPC-1では経験者か未経験者かによって勉強時間は異なり、LIPC-2を受験する場合も同様です。1日にかけられる勉強時間の長さも加味する必要があるため、確実に合格を狙いたい場合は余裕をもって学習を進めましょう。

LIPC-3では高度な専門性が求められます。LIPC-2と異なり難度が大きく上昇しており、経験を積んだ技術者でも1年かかるケースも珍しくありません。それゆえ希少価値は高く、高度な技術力の証明になるのも事実です。

LinuC

LinuCの公式サイトに掲載されている学習時間の目安は下記です。

LinuCレベル1 1か月~3か月程度
LinuCレベル2 3か月~半年程度
LinuCレベル3 半年~1年程度
LinuCシステムアーキテクト 半年~1年程度度

学習未経験の場合を前提としているため、学習経験のある人の場合にはより短い学習期間での習得が望ましいでしょう。

Linuxそのものの学習に関する内容については、Linuxの勉強方法とは?習得のメリットやおすすめ書籍、サイトも紹介で解説しています。

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Linuxの資格を活かしたキャリアパス

Linuxは幅広く利用されているサーバーOSです。スキル証明ができるLinux関連資格を持つことで活躍の場を広げることができ、キャリアパスの選択肢も広くすることに繋がります。また、Linuxに関する知識をベースにして、さらに専門性の高い分野の知識を得て、キャリアアップを図ることも可能です。

以下では、Linuxの資格を活かせる職種と仕事内容を解説します。

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアとは、システムが稼働するサーバーの設計、構築、管理などを行うエンジニアです。システムの種類によってサーバースペックや処理能力を検証して構築し、リリース後は設置したサーバーが正常に稼働できるようメンテナンスや監視を行います。

サーバーエンジニアを目指すのであれば、Linuxの資格を取得し、さらに自身でサーバーを設置するなど実践的スキルを身につけることが重要です。企業によっては研修制度が整っており、未経験から知識を深めつつ働ける場合もありますが、未経験からサーバーエンジニアを目指すのなら資格を活用するのもひとつの手段です。

関連記事:サーバーエンジニアとは?仕事内容や他職種との違い、平均年収も解説

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアとは、クラウド上で稼働するシステムのインフラ部分の設計、構築、管理を行うエンジニアです。近年では、クラウドサービスの活用をインフラ構築の第一の選択肢とする企業も増えていることから注目されている業種といえるでしょう。

クラウドエンジニアはクラウドサービスを正しく使うスキルが必要であり、Linuxの資格取得で得たサーバーの知識が活きる仕事といえます。

関連記事:クラウドエンジニアの需要が高い理由を解説!将来性や年収も紹介

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーとはIT戦略や開発においてプロジェクトを立ち上げる際、プロジェクト全体をまとめる仕事を担います。主にプロジェクトのスケジュール管理、品質管理、予算管理や人材確保を担当します。

プロジェクトマネージャーはサーバーエンジニアなど、エンジニア職の経験者がほとんどです。業界知識に加え円滑なコミュニケーションが取れるなどソフトスキルも重要視され、エンジニア職のキャリアステップ先のポジションだと考えておきましょう。

関連記事:プロジェクトマネージャーに役立つおすすめの資格と難易度を解説

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Linuxを扱うエンジニアに役立つそのほかの資格

Linuxに関する資格は、世界共通資格として国際的な知名度の高いLPICとクラウド技術など現在で求められるサーバー構築・管理スキルの証明であるLinuCの2つが有名ですが、それ以外にもRed Hat認定資格試験Linux Foundation認定資格試験などが存在します。いずれも優劣はなく、Linuxを扱うエンジニアにとって有用な資格です。

RedHat認定資格試験

RedHat認定資格試験は、Linux系ディストリビューションの中でも、特にエンタープライズに強い「Red Hat系」の資格試験です。実技試験を伴うため難易度が高いことで知られています。以下の2つの試験以外にもRedhat管理者向けの資格や、各種分野別のスペシャリスト認定もあります。

  RHCSA(EX200) RHCE(EX294)
概要 ・Red Hat Linuxを用いた大規模システムに
おける管理者、ITスペシャリストを目指す
エンジニア、DevOpsエンジニア向け資格

・管理の知識を問われる試験
・RHCSAの上位資格であり、タスクの自動化、
先進テクノロジーの統合、効率と
イノベーションに向けた自動化のスキル
を備えることを認定する資格

・DevOps 環境のシステム管理者の
スキルを実証する試験
試験範囲 ・ファイル、ディレクトリ、コマンド
ライン環境、およびドキュメントを
処理するための基本的なツールの理解

・シンプルなシェルスクリプトの作成
・異なる実行レベルでの起動、プロセス
の識別、仮想マシンの起動と停止、
サービスの制御など、システム運用

・パーティションと論理ボリュームを使用
したローカルストレージ設定

・ファイルシステムとファイルシステム
属性 (許可、暗号化、アクセス制御リスト、
ネットワークファイルシステムなど) 

・ソフトウェアのインストール、更新、
コアサービスなど、システムのデプロイ、
設定、保守

・ユーザーとグループの管理

・基本的なファイアウォールと SELinux の
設定などセキュリティ

・基本的なコンテナ管理
・マルチシステム環境のデプロイ、管理、サポートを
自動化するために必要な知識

・デプロイおよび構成の専門知識を補完するための
自動化スキル

LinuxFoundation認定資格

LinuxFoundation認定資格は、米国を拠点とする技術系の非営利団体(Linux Foundation)が主催する資格試験です。日本国内での知名度はそれほど高くないものの、グローバルでは評価の対象になり得る資格です。

ブロックチェーン・コンテナ・仮想化などの内容が盛り込まれており、現在のITインフラの実情を反映した試験内容となっています。LPICやLinuCと比較した場合、全体的に難易度が高めです。前述のRed Hat系資格と同様にパフォーマンスベース(実技)の試験です。

2022年をもって日本語を話す試験監督によるサポートは終了していますが、試験内容はいずれも引き続き日本語で表示されます。

2024年7月16日時点では下記の2つを含めて49の認定資格が提供されています。

  LFCS(LFCS-JP)
-Linux Foundation認定システム管理者
LFCE(LFCE-JP)
-Linux Foundation認定エンジニア
概要 ・基本的な情報技術機能、特にクラウド
コンピューティングに関するユーザーの
専門知識とスキルを証明する試験

・管理者/エンジニアとしてITのキャリア
をスタートさせる方向け
・実際のシステム管理者が直面する実務タスクと
シナリオをパフォーマンスベースで試す試験

・Linuxシステム管理者およびオープンソースエンジニア
の初期レベル向け
対象 ・Linuxの基礎
・システム管理の基礎
・クラウド コンピューティングの基礎
・セキュリティの基礎
・DevOpsの基礎
・アプリケーションと開発者のサポート
・運用の展開
・ネットワーク
・ストレージ
・基本コマンド
・ユーザーとグループ

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Linuxの資格に関するよくある質問

Linuxの資格に関するよくある質問とその回答を紹介します。

Linux資格を取得することでエンジニアはキャリアパスに活かすことが可能です。いずれの団体の資格も段階的なレベルごとに資格を提供しているため、キャリアプランと照らし合わせながら計画的に知識とスキルの習得をする必要があります。

Q1. Linuxの上位資格は?

Linuxにおける最上位資格は、「LPIC-3」と「LinuCレベル3」です。LPIC-3は、エンタープライズレベルのLinuxシステム管理者に求められる能力を評価、認定する資格です。LinuCレベル3は、Linuxの高度な技術分野における知識やスキルを評価し認定します。

Q2. LPICレベル1の試験料はいくらですか?

LPICレベル1の試験料は2024年7月16日時点で1試験あたり200USDです。LPICレベル1を取得するには、101と102の試験に合格する必要があるため、資格取得の費用は合計400USDと高額です。試験の受験料は合格しなかった場合でも払い戻しされないため、事前に詳細を確認しておきましょう。

Q3. LinuCとLPICの違いは何ですか?

LPICはLPI(Linux Professional Institute)が運営する世界標準の資格で、グローバルな視野に立った知識・スキルを証明できる点が特徴です。一方、LinuCはLPI-Japanが作成した日本国内に最適化された資格であり、合格基準や項目別スコアも明示される点が特徴です。

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まとめ

Linuxは、サーバーOSとして企業でも多く利用され、クラウドや仮想化、コンテナなど新しい技術に欠かせないOSです。資格の取得は、広範な用途や技術に関するスキルを分かりやすく証明する方法として有効なため、エンジニアにとっても有用といえます。

本記事では、LPICやLinuCをはじめとしたLinuxに関連した資格についてメリットを説明し、試験の難易度や勉強方法について解説しました。

Linuxの資格を取得することで、スキルを高め、キャリアアップや新しい仕事のチャンスを得ることができます。Linuxに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

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