ゲームエンジニアとは?
ゲームエンジニアとは、家庭用ゲームやスマートフォンゲームアプリ、PCゲームなどの制作に携わるエンジニアの総称です。
ゲーム開発の分野では業務が細分化しています。主な作業内容によって職種や業務詳細が異なるため、転職を考えるならどのようなポジションにつきたいのか事前に決めておく、希望する分野に特化した企業を選ぶ必要があります。
まずはゲームエンジニア業界における大まかな種類と仕事内容を押さえておきましょう。
ゲームエンジニアの種類
ゲームエンジニアはゲーム開発エンジニアの総称を指すため、種類がいくつかに分かれます。大分類としては「企画職」「開発職」の2種類ですが、ここではゲーム開発の前線で働くエンジニアの種類を見ていきましょう。
ゲーム全体の設計を担う「ゲームプログラマー」、グラフィックを担当する「グラフィックプログラマー」、効果音やBGMに携わる「サウンドプログラマー」など、それぞれの特徴を解説します。
関連記事:
ゲームプランナーとは?仕事内容、年収や求められるスキルも解説
ゲームディレクターとは?仕事内容や年収、なり方を紹介
ゲームプログラマー
ゲームの基本的な動作や、シナリオに沿ったイベント処理を実装する職種です。一般的なゲーム開発エンジニアといえば、このゲームプログラマーを指すことが多いでしょう。
ゲーム全体の設計を担当するゲームプログラマーですが、シナリオやイベント内容の作成などはデザイナーやシナリオライター、プランナーが担当することがほとんどです。主にプログラミング業務を担います。
関連記事:ゲームプログラマーとは - 仕事内容をわかりやすく紹介します
グラフィックプログラマー
ゲーム内で使用する背景やキャラクター、装飾といったグラフィックの描画処理を実装する職種です。
ゲーム内における「視覚的表現」の部分を担当するだけに、影響力の大きい職種といえるでしょう。また、3D表現などは開発シーンが活発であり、常に新しい技術にアンテナを張り巡らす必要があります。ゲーム機のスペックを考慮しながら高品質な描画処理を実現するために、ハードウェア・ソフトウェア両面への理解も必要です。
サウンドプログラマー
サウンドプログラマーはサウンドクリエイターやコンポーザーによって作曲・編曲された音楽や効果音を、ゲームに実装しデジタル化するプログラマーを指します。BGMや効果音、3D空間を考慮した音響処理を実装することもあるでしょう。
近年は、3D空間での音響処理に数学的な知識が求められることも多く、比較的専門性が高い職種です。また、圧縮ファイルの仕様や特性に関する知識、音楽的なセンスなどが必要になります。
ネットワークプログラマー
ネットワークプログラマーは、プレイヤー同士や、サーバー・プレイヤー間の通信が滞りなく進むように、サーバー構築やネットワーク構築を行います。
一般的なネットワークの基礎知識に加え、P2P通信についての知識・スキルも必要になるでしょう。また、ゲームがリリースされたあとは、障害対応を担うケースもあります。
ゲームエンジニアとゲームプログラマーの違い
現場によって分類が異なるため明確な違いはないものの、一般的に要件定義から携わる方を「ゲームエンジニア」と呼び、開発をメインに担当する方を「ゲームプログラマー」と呼ぶことが多いようです。
ただし、「ゲームプログラマー+グラフィックプログラマー」といった具合に、2つ以上の職種を跨ぐケースも珍しくありません。実際の求人内容から、求められる役割を判断していくことになるでしょう。
関連記事:
ゲームプログラマーの志望動機作成のポイントや例文を紹介
ゲームプログラマーの年収は?年収アップの方法や将来性も解説
ゲームプログラマーへ転職する方法は?仕事内容や将来性も解説
ゲームエンジニアの仕事内容
ゲームエンジニアの仕事内容は、「ゲームの基礎を構築する」「ゲーム内に仕様書通りの要素を実装する」「開発する」「リリース前後のテスト、デバッグをする」といった4つが含まれます。ここでは、主な仕事内容を4つのポイントで解説します。
ただし、開発するゲームによって使用する言語、開発プラットフォームやプロダクトの特徴が異なる点に注意しておきましょう。転職の際は自分の身につけたスキルが発揮できる仕事内容かどうか、十分精査することをおすすめします。
ゲームの大枠の構築
ゲームシステム自体を構築し、基礎的な動作を実装します。具体的には、UIやウィンドウの制御、戦闘時の仕様、マップ移動などが挙げられます。
主に仕様書通りに構築することが求められるため、エンジニアがこのフェーズで企画に携わることは少ないです。リーダー職など他エンジニアの進捗管理に携わるようになると、「ゲームの大枠そのものの仕様」についても意見やアイデアを求められることがあります。
ゲーム内のイベント・キャラクターの制御
シナリオに沿って、「イベント」に関する処理を実装します。特定の条件を満たした場合にのみ発生するイベント、会話、描画処理などの実装が主な内容です。
キャラクター固有の動作や、任意のキャラクター同士の間で発生するイベントなども実装します。
ゲームエンジン開発のプログラミング
Unityなどのゲームエンジンを活用する場合には、ゲームエンジン内で拡張処理の実装もします。近年はゲームエンジン機能により、効果音の発生や頻繁に使われる描画処理といった共通処理の実装が効率化されています。
ただし、共通処理以外の部分については拡張用言語を用いて、個別に実装していく方法が一般的です。たとえばUnityならC#が拡張用言語して用意されているため、C#でコーディングします。ここで扱うプログラミング言語も開発シーンや分野によって異なります。
開発後のテスト、デバッグなど
ゲームが完成したらテスト・デバッグを行います。ゲームシナリオに沿って処理を一つひとつチェックし、不具合や想定外の動作がないかを確認します。手間のかかる作業ですが、ゲーム全体の仕様や処理を学べるため、経験の少ないゲームエンジニアが担当することも外部からデバッガーを雇って運用することもあります。
ゲームエンジニアの平均年収と求人例
ゲームエンジニアとしての転職を考えるにあたって、気になるのが年収です。2024年9月時点のレバテックキャリアの求人によると、ゲームエンジニア(ゲームプログラマー、ゲームエンジンプログラマー、ゲームデバッカー、ゲームスクリプターを含む)の平均年収は557万円となっています。担当する分野の専門性や企業によって年収は大きく異なり、上下幅が広い点が特徴です。
レバテックキャリアで実際に公開されているゲームエンジニアの求人案件を参考に、業務内容や想定年収などを詳しく見ていきましょう。
ゲームエンジニアの求人・転職情報>
関連記事:ゲームクリエイターの年収を職種別に紹介!年収を上げる方法も解説
コンシューマーゲームを担当するゲームプログラマーの求人例
<想定年収>
300~700万円
<仕事内容>
・コンシューマーゲームプログラミング
・コンバータソフトの作成
・ゲーム開発ツールの作成
・追加プラグインの開発
<求められるスキル>
・C言語、C++を用いた開発経験
・コンシューマーゲーム開発経験
・情報収集能力に長けた人
・物理シミュレーション、クロスシミュレーションなどの知見
企画にも携わるゲームスクリプターの求人例
<想定年収>
310~360万円
<仕事内容>
・MORPGのスクリプト業務
・Lua言語を用いたスクリプト制作、実装
・各種マスターデータ設定
・ゲーム素材管理、他チームへの追加オーダー業務
<求められるスキル>
・ゲームのマスターデータ実装経験
・スクリプト制作経験もしくは同等の経験
・ゲーム企画、ソーシャルゲーム案件の運用経験
・論理的思考、コミュニケーション能力
関連記事:ゲームテスターへ正社員で転職する方法とは?年収や将来性も紹介
環境ツールの開発を行うゲームエンジニアの求人例
<想定年収>
400~1,000万円
<仕事内容>
・環境ツールの開発
・ゲームパラメータ、テキストなどのデータ入力ツールの開発と運用
・ゲームエンジンのエディタ拡張
・ミドルウェア、OSSなどの導入サポート
<求められるスキル>
・C++もしくはC#を用いたソフトウェア開発経験(ゲーム制作以外も含む)
・Windows GUIアプリケーション開発経験
・チームワークスキルのある人
・ゲーム開発のワークフローへの理解
ゲームエンジニアに求められる知識・スキル
ゲームエンジニアに求められる知識・スキルについて解説します。ゲームエンジニアは業務上数学や物理の知識からゲーム開発の知識とスキルなどが必要です。求人にもある通り、全体を通して必須となるスキルは「IT関連知識」「プログラミングスキル」「開発経験」だといえます。
活動する分野によっても求められる知識とスキルは異なるため、必須要素をチェックしていきましょう。
関連記事:ゲームプログラマーに必要な資格とは?転職に有利な資格も紹介
ITに関する知識
ゲームエンジニアは常にITツールを用いて開発するため、ITに関する知識は非常に重要です。効率的に作業を進められているか、ITツールを適切に使用できているかが生産性に直結します。
未経験者だとIT関連用語への理解も少ないため、開発現場でのコミュニケーションにも影響します。相手の言葉を理解する上でも、ゲーム制作に必要なコンピューターやブラウザの仕組みなどを理解するためにも、基本的なIT関連知識を身につけておきましょう。
数学・物理学の知識
ゲーム上に表示するキャラクターやオブジェクトは物理演算や座標計算などを元にプログラミングされます。そのため、数学・物理学の知識が必要になることもあるでしょう。
特にベクトルや三角関数、力学などは非常に重要です。イメージした表現ができるようプログラミングをするため、必ず身につけておきたい知識です。
英語力
最新技術の多くは英語で発表されます。そのため、英語力があれば最新情報にいち早く触れることができ、トレンドを知れるだけでなく効率的に開発できるようにもなるでしょう。
また、人気作品は海外でも発売されることが多く、グローバルな情報収集のためにも役立ちます。業務のすべてを英語で行うネイティブさは求められませんが、ある程度読み書きができる英語力が求められるといえそうです。
ゲームエンジン(統合開発環境)の知識、スキル
近年のゲーム開発はゲームエンジンを用いて、開発効率を上げる手法がとられています。代表的なゲームエンジンは「Unity」や「Unreal Engine」などが挙げられます。
特に3DやVR系ゲームの開発では、Unityが有力です。こうしたゲームエンジンは「統合開発環境」の性質も持ち、ゲームエンジン内でゲーム開発全体を賄えます。
プログラミングスキル
ゲームエンジニアには高いプログラミングスキルが必要です。コードを記述しない立場でも、プログラミングスキルがあるとプログラマーなどの他職種とコミュニケーションが取りやすくなり、システム開発を円滑に進められるようになるからです。また、自身のキャリアパスの幅も広がります。
プログラミングスキルは開発シーンやプロダクトによって異なる言語を扱うため、ここでは「コンシューマー向けゲーム開発」「スマートフォン向けゲーム開発」「ソーシャルゲーム開発」の3つに分けてプログラミングスキルを解説します。
コンシューマー向けゲーム開発
家庭用の据え置き機であるコンシューマー向けゲーム開発では、「C言語」や「C++」が用いられるケースが多いでしょう。したがって、こうした言語の習得が必須です。また、PS4やXBOXのように複数のハードウェアが乱立する時代であるため、ハードウェア毎のスペック・特性・仕様に関する知識も必要です。
スマートフォン向けゲーム開発
スマートフォン向けゲーム開発では、主に「Java」「Objective-C」「swift」などが用いられます。また、これらの言語で頻繁に使用されるフレームワーク・ライブラリの知識も必要です。実際の開発現場では、「言語+ライブラリ+フレームワーク」がセットで使用されます。
ソーシャルゲーム開発
ソーシャルゲームの開発では「Java」「HTML5」「Ruby」などを用いるのが主流です。これらに関連するフレームワーク、ライブラリについても知識を備えておくべきでしょう。
ソーシャルゲームに限らず、ゲーム開発ではオブジェクト指向に基づくエンジン、開発環境を使うところもあります。プログラミングスキルを身につける場合は扱える言語を増やすだけでなく、オブジェクト指向の概念や仕組みについても理解しておきましょう。
コミュニケーションスキル
ゲームソフト開発は一人でできる範囲は限られており、どんなに小規模なプロジェクトでも現在は数十人ほど、大規模プロジェクトになると数百人規模になることもあります。前線でゲーム開発に携わる人材のほか、開発を計画するプロデューサーや現場を指揮するディレクターなど、さまざまなポジションの人ともやり取りしなくてはなりません。
今起こっている問題を的確に報告する、円滑にやり取りできるというコミュニケーションスキルはゲームエンジニアに必要です。報告連絡相談ができる人材だとより重宝される傾向にあります。
ゲームエンジニアに向いている人
ゲームエンジニアとはゲーム開発に携わることから「ゲームに対する興味」が基本として備わっている必要があります。一方でゲームが好きというだけではもう一歩踏み込んだエンジニアとして活躍できないため、業務に必要な思考方法やゲームプレイヤーの視点、開発者の視点も必須です。
以上を踏まえて、ゲームエンジニアに向いている人を4つのポイントに絞って解説します。向き不向きのある職業のため、自分の傾向を知っておきましょう。
ゲームが好き
ゲームエンジニアはゲームの知識を求められるので、ゲームが好きでこれまでたくさん遊んできた人が向いています。どのようなゲームでどんな体験をしてきたのか、各世代ではどのようなゲームがヒットするのかを判断する際に、自身の体験なども役に立つでしょう。
論理的思考ができる
ゲームエンジニアはコンピュータに指示するプログラミングを行うため、論理的思考が非常に重要です。論理的思考とは順序や筋道をたてて、整理する力を指します。どのような流れでゲームが進むのか、処理手順に問題ないかを論理的思考で組み立てられる人はゲームエンジニアに向いているでしょう。
また、論理的思考は限られた納期の中で適切なやり取りをするコミュニケーションスキルにも活かされます。必要なフレームワークやマインドセットは参考書でも身につくため、自信の強みとして学ぶこともおすすめです。
好奇心や探究心が旺盛
プログラミングの技術は常に更新されるため、好奇心や探求心が旺盛な人もゲームエンジニアに向いています。最新の技術を使えば数時間で実装できる内容が、その技術を知らないがために数日かかることはよくあるため、常に最新技術を調べ作業効率化に活かせる人がゲームエンジニアに向いているといえるでしょう。
ユーザーニーズを読み取れる
ユーザーニーズを読み取る力に長けている人もゲームエンジニアに向いています。ゲームのトレンドやプレイヤー層は常に変化しています。そのため、その時代に合ったゲームを作らないと出来栄えに関係なく売上を伸ばせません。ユーザーニーズを読み取り、市場にどのようなゲームが求められているか分かる人はゲームエンジニアに向いています。
未経験からゲームエンジニアになるための方法
ランサーズ求人を見ても、求められるスキルや経験に「ゲーム開発」が挙げられることが多いです。ゲーム開発の経験が無い場合は、「独学で基礎力をつける」「スクール活用などで実践力を強化する」「成果物の作成」「エンジニア経験を積む」という4つのステップが必要になるでしょう。
ゲームエンジニアは比較的参入障壁が低い職業であり、未経験から目指すことは不可能ではありません。ここからは以上の4つのポイントを中心に、業界未経験からゲームエンジニアになるためのコツを解説します。
独学で求められるスキルを身につける
UnityやUnreal Engineなど、無料で利用可能なゲームエンジンを使ってみることから始めます。また、プログラミング言語の学習も同時進行で行いましょう。プログラミング未経験者であれば、Rubyのような「コンパイル不要のスクリプト型言語」が適しています。
以上のように学びやすい言語やツールはありますが、大切にしたいのは携わりたいゲーム開発に必要なスキルを習得することです。まずは自身のキャリアプランを立て、どの分野のゲームエンジニアになりたいのか、そのために必要な学習は何かを整理しましょう。
スクールや専門学校へ入学し、実践力を強化する
独学でスキル習得が難しい場合は、エンジニア養成スクールを活用する方法も検討してみましょう。エンジニア養成スクールは、「現場で通用する即戦力」の育成を目的としたコースを用意しているため、メンターに質問しつつ、成果物の作成を目指して学習が進められます。
スクールや専門学校はオンライン上で開講するものもあり、仕事をしながらスキル習得を目指すことも可能です。基礎基本から応用まで体系的に学べる方法であり、独学で挫折してしまった人にもおすすめです。
成果物を作成する
スクールで用意された課題や、自主製作のアプリやゲームなどの制作を通して、成果物を実績として開示できるようにしましょう。自主制作や自己開発の経験、プロダクトをまとめたものを「ポートフォリオ」と呼びます。特に未経験の場合や求人に「開発経験もしくは同等の経験」が求められる際には、業務経験のかわりにポートフォリオを用意する方法がおすすめです。
エンジニアとしての経験を積む
エンジニア経験がない場合は、1~3年程度の実務経験を積みましょう。Java・Ruby・C#など、ゲーム開発でよく使用される言語で実務経験を積むことで、ゲーム開発以外の分野でも評価の対象になります。
エンジニアは未経験でも育成枠として採用する企業もいます。ゲーム開発という枠組みを超えて就職活動をすれば、IT関連エンジニアで応募可能な求人は幅が広がるでしょう。業務の中で実践的なスキルやコミュニケーション方法も身につけられるのがメリットです。
転職に有利な資格を取得する
転職活動において、客観的な評価を示せる資格は非常に有効です。特に未経験の方はアピールできるポイントがポートフォリオだけになりがちなので、積極的に資格を取得していきましょう。自分のレベルにあわせた難易度の資格や、証明したいスキルなどによってどの資格を取得するか決めると良いでしょう。
転職活動をする
実務経験を積んだあとは、中堅・中小企業を中心に転職活動を行ってみてください。大手企業は、新卒一括採用やハイキャリアの経験者採用に注力する傾向にあるため、まずは中堅・中小企業でゲームエンジニアのキャリアをスタートさせる方法がおすすめです。
ゲームエンジニアへの転職に役立つ資格
ゲームエンジニアになるために必要な資格は特にありません。しかし、現状持っている数字や評価では表せないスキルを証明する方法や学習意欲があることの証明になるため、取得しておくと転職活動で役立ちます。経験のある人にとっては自身のスキル確認にも活用できるでしょう。
特に開発経験が少なく、スキルと知識で経験を補いたい人には資格取得がおすすめです。そこで、ゲームエンジニアとして業務の際に役立つ資格をいくつかピックアップしました。1つずつチェックしていきましょう。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験とは、情報処理の基本が学べる国家資格です。対象者像は「高度IT人材となるために必要な基礎知識・技能を持ち、実践的な活用能力を身につけた者」とされています。
基本的なコンピュータの処理手順やハードウェアの知識まで網羅的に学べるので、ゲームに限らずエンジニア未経験から転職する際に取っておきたい資格の1つです。
TOEIC
TOEICは合否ではなくスコアで評価する英語力を認定するテストです。満点990点となっており、リスニングとリーディング両方が求められます。エンジニア職など英語を扱う職業の場合、社会人平均600点以上からが履歴書に記載できる範囲といわれていますが、明確には「何点以上であれば履歴書に記載できる」と決まってはいません。700~800点のスコアがあれば十分といえそうです。
ゲーム開発の現場によっては英語力が必要となる場面が多く、TOEICの点数が高いほど自分のアピールポイントとして活用できます。また、エンジニアに限らず、ビジネスマンとしても英語力を身につけることは優位に働くでしょう。
Unity認定試験
Unity認定試験とは、人気のゲームエンジンUnityに関する知識や技術を問われる試験です。Unityを提供するUnity Technologiesが実施しており、ゲームエンジニアのスキル証明として役に立つでしょう。
企業によってはUnityの実務経験や理解が求められます。その際にUnity認定試験が実務経験を補う資格として活用できます。試験の難易度は4つの区分で分かれており、エントリーレベルからプロフェッショナルな課題まで今の自分に合うレベルで受験可能です。
関連記事:Unityでできることとは?ゲーム分野以外の活用例も紹介
Java SE 11 認定資格
Java SE 11 認定資格とは世界50ヶ国以上で実施されている国際資格で、主にJavaに関する知識や技術が問われます。こちらの試験はレベルや目的に応じて3段階の試験から選択して挑戦できます。未経験から挑戦する場合は、最も難易度の低いSilverの取得を目指しましょう。
マイクロソフト認定資格(MCP)
マイクロソフト認定プロフェッショナル(MCP)とは、Microsoftが実施しているMicrosoft製品に対する知識や技術を認定する試験です。日本国内でも10万人を超える資格保有者がおり、企業情報に資格取得者を掲載する企業もある人気の高い資格です。
ゲームエンジニアはデータや進捗管理、仕様書の確認をする際にMicrosoft製品を扱う基本スキルが求められます。営業や販売など他業種からのエンジニア転職では、MCPを保有しておくとコンピューターを扱う経験を補うことができるでしょう。
CGエンジニア検定
CGエンジニア検定とは、コンピューターグラフィック(CG)に関するソフトやハードウェア、CG開発に関する知識や技術を認定する試験です。ゲーム開発にCGは欠かせないため、ゲームエンジニアとしてCG業界に未経験から挑戦する人やグラフィック関連の業務に携わりたい人、デザイナーへの転身を考えている人におすすめの資格試験です。
ゲームエンジニアのキャリアパス
ここからはゲームエンジニアのキャリアパスについてご紹介します。ゲームエンジニアは「ゲームを実装する」という前線で働くエンジニアのため、次のキャリアプランとしては企画や運用、現場を指揮する役職が用意されています。エンジニアとしての経験をどのように活かしたいかによって選びましょう。
ゲームエンジニアの方が次のステップで挑戦する職種はゲームプランナーとゲームディレクターが代表的です。それぞれを詳しく見ていきましょう。
ゲームプランナー
ゲームプランナーとはゲームの設計をする職業です。ゲームエンジニア時代の知識や経験をもとにどのようなゲームが売れるのか、ゲームをデザインしていきます。
主な業務内容は、新作のゲーム開発やプロジェクトを進める際に、企画書や仕様書を作成してゲームの基本構成を考えることです。ゲームエンジニアはこの「企画書」を元に開発を進めますが、エンジニアの仕事そのものを作るポジションがゲームプランナーになります。
ゲームディレクター
ゲームディレクターは制作現場を統括するポジションです。各パートごとの責任を負いゲームエンジニアやゲームプランナー、デザイナーに指示を出していきます。
ゲームエンジニアは主に開発に携わりますが、その開発工程の納期や全体の指揮がゲームディレクターの仕事です。現場監督、プロジェクトリーダーとも呼ばれ、ゲーム開発には欠かせない存在です。ゲームディレクターの采配によってプロジェクトの品質が左右されるため、責任も多い分やりがいも感じられる職業といえるでしょう。
ゲームエンジニアの将来性
ここからはゲームエンジニアの将来性について解説していきます。ゲーム業界は今後伸びる可能性が高く、市場は年々拡大傾向です。注目されている業界であり、結論として将来性は高いといえますが多数存在するゲームエンジニアの中で、他者とは違う差別化を作ることで、将来的にも安定して続けられるでしょう。
ゲームエンジニアの将来性について、考えておきたいことを見ていきましょう。
今後のゲーム市場の動向
ゲーム市場は年々拡大傾向にあるといわれていますが、モバイルゲーム市場をファミ通ゲーム白書2024を参考に見てみると、2023年のモバイルゲーム世界市場は前年比98.6%の8兆7916億円とやや落ち着いた伸び幅となっています。多数のコンテンツで溢れる現代ではゲーム市場だけが成長しているとは言い切れませんが、それでも注目されており人気のあるコンテンツです。
市場増加にしたがってゲームエンジニアの需要も求人数も増えることが予想されます。成長幅が熟成期に入ったもののゲーム開発が減少するとは考えられず、したがって将来性の期待できる市場です。
今後も求められる人材になるには
市場が盛んなゲーム業界では、ゲームエンジニアの中でも自分の強みを持つ人材が求められます。便利な開発ツールが登場する中で「人間が担う部分」が少なくなり、単にプログラミング技術の高さだけではなく提案力や最新技術の動向に目を向け取り入れられる人材が重宝されるでしょう。
特にゲーム業界ではトレンドの移り変わりが早く、流行シーンを着実に捉えられることが大切です。将来的にも求められる人材になるには、継続して学習していく意欲も必要になるでしょう。
ゲームエンジニアに関するよくある質問
ゲームエンジニアを目指す人の中でよく聞かれる質問が「年収は?」「仕事内容は?」という部分です。また、検索では「ゲームエンジニアはやめとけ」などネガティブなワードもあるため、実際の働き方も気になるでしょう。
そこで、ゲームエンジニアに関するよくある質問をまとめました。本記事を振り返る意味でも1つずつチェックします。
Q1. ゲームエンジニアがきついといわれる理由は何ですか?
ゲームエンジニアはきつい仕事というイメージはされがちです。ゲームの公開や納期前になると残業続きになってしまう場合があること、休日対応もあることが理由として挙げられるでしょう。また、公開後も不具合が発生した場合には、修正するよう素早く対応しなければなりません。
緊急的な対応が必要になるためライフワークバランスの取りにくさが指摘されていますが、IT企業全体でも働き方を見直す動きや残業を減らす組織改革が行われています。
関連記事:ゲームテスターとは|仕事内容や求人例、きついといわれる理由も紹介
Q2. ゲームエンジニアの年収はいくらですか?
2024年9月時点のレバテックキャリアの求人によると、ゲームエンジニア(ゲームプログラマー、ゲームエンジンプログラマー、ゲームデバッカー、ゲームスクリプターを含む)の平均年収は557万円となっています。
ただし、担当する分野の専門性や企業によって年収は大きく異なり、上下幅が広い点が特徴です。ゲームエンジニアにも種類があり、それぞれで年収も異なるためあくまで参考として捉えておきましょう。
Q3. ゲームエンジニアの仕事内容を教えてください
ゲームエンジニアの仕事内容は、ゲームの設計をする、プログラミングを行いゲームを構築する、構築したゲームを検証するなど多岐にわたります。基本的に仕様書通りにゲームの要素や枠組みを実装するのが主な仕事であり、リリース後もアップデートやバグ修正作業を行うケースもあるでしょう。また、ゲームエンジニアの種類によっても作業内容は異なります。
Q4. ゲームエンジニアはどのような人に向いていますか?
ゲームエンジニア・ゲームプログラマーは、以下のような特徴がある人に向いています。
-
・ゲームが好き・論理的思考ができる
・好奇心や探求心が旺盛
・ユーザーニーズをくみ取れる
・チームメンバーやクライアント、ユーザーと適切なコミュニケーションがとれる
ゲームに興味があることはもちろん、開発側で仕事をするには時代のニーズに合う作品を作れるよう、トレンドを意識した開発が重要となります。
関連記事:ゲームプログラマーに向いてる人とは?求められるスキルや転職のポイントも解説
まとめ
ゲームエンジニアは拡大傾向にあるゲーム業界の前線で働く職種です。ゲームユーザーの増加や注目される業界であること、ゲームの種類や開発手法が多様化する中で、人気のある職業ですがその業務内容は細分化されています。
踏み込むのにハードルの高さを感じることもあるゲームエンジニアですが、ゲーム市場でのキャリア形成としては基本的な立場にあります。未経験でも業務理解と使用ツールの知識と技術を身につければ目指せる職業のため、気になる人は当記事を参考にゲーム業界のキャリアをスタートしてみましょう。
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通しており、現状は転職のご意思がない場合でも、ご相談いただければ客観的な市場価値や市場動向をお伝えし、あなたの「選択肢」を広げるお手伝いをいたします。
「将来に向けた漠然とした不安がある」「特定のエンジニア職に興味がある」など、ご自身のキャリアに何らかの悩みを抱えている方は、ぜひ無料のオンライン個別相談会にお申し込みください。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが、一対一でさまざまなご質問に対応させていただきます。
「個別相談会」に申し込む
転職支援サービスに申し込む
※転職活動を強制することはございません。
レバテックキャリアのサービスについて