ゲームプロデューサーの仕事内容とは?必要なスキルなども解説

最終更新日:2024年3月8日

ゲームプロデューサーは、新作ゲームの発売に向けて、関わっているプロジェクト全体を総括しなければならない大事な役割を持つ職種です。責任が大きい分求められるものが多いこの仕事は、誰のためにどういうゲームを制作し、どれだけ売れるかを推測しながら企画することが大切です。特別な資格は不要ですが、ゲーム開発に不可欠な知識や技術は最低限身につけ、スタッフ、予算、ゲームの内容など全体に考慮した仕事が求められます。

この記事ではゲームプロデューサーに興味のあるエンジニアに向けて、仕事内容、必要なスキルや就職する方法、将来性などを説明します。

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この記事のまとめ

  • ゲームプロデューサーの仕事は、市場調査、企画書制作、プレゼンテーション、予算管理、現場のマネジメント、広報活動などがある
  • ゲームプロデューサーに求められるスキルとして、マネジメント能力、判断力、リーダーシップなどが挙げられる
  • ゲームプロデューサーになるには、ゲーム業界で経験を積む必要がある。未経験からは難しいためまずはゲーム関連の会社に就職して開発担当やゲームディレクターから始めるべき

ゲームプロデューサーとは

ゲーム制作における組織構造


ゲームの制作には、プロデューサー、ディレクター、プランナー、クリエイター、デザイナー、プログラマーなど、さまざまな関係者が関わります。その中で、ゲームディレクターは全体を取りまとめる重要なポジションです。

ゲームプロデューサーは、ゲームの「企画・プロジェクト」の総括的なリーダーとしてゲームの立ち上げから売り上げまで全ての過程に携わり、スタッフ、もの、予算を考慮しながらマネジメントします。

新作ゲームの発売に向けて、関わっているプロジェクト全体を総括しなければならない大事な役割を持つ職種です。ゲームプロデューサーの技量がゲームの売れ行きを左右することもあります。

ゲームディレクターとの違い

ゲームプロデューサーと似たような仕事として、ゲームディレクターがあります。
ゲームプロデューサーは、プロジェクトの組織と管理に焦点を当てます。彼らは予算の管理、スケジュールの調整、チームのリーダーシップを担当し、プロジェクト全体の成功を確保します。

一方、ゲームディレクターはゲームのクリエイティブな方向性を指導します。彼らは独自のビジョンを確立し、デザイン、ストーリーテリング、ゲームプレイの要素を監督して、プレイヤーに魅力的な体験を提供します。開発チームと協力してゲームの品質を向上させ、プロジェクトの成功に貢献します。

ゲームプロデューサーとゲームディレクターは、それぞれ異なる役割を果たしながら、プロジェクトの成功に向けて協力します。プロデューサーは経営面での視点を持ち、ディレクターはクリエイティブな要素に集中し、両者が連携してゲーム開発を進めることで、最終的な成功を実現します。

ゲームプランナーとの違い

ゲームプランナーは、ゲームの具体的な要素やフローを計画する重要な役割を果たします。彼らはゲームのルールやレベルデザイン、クエストやパズルの設計など、プレイヤーが直接体験する要素を担当します。ゲームプランナーは、プレイヤーの感情やモチベーションを考慮しながら、ゲームの進行を調整し、プレイヤーが没頭し、楽しめるコンテンツを提供します。彼らはゲームデザインの専門知識と創造力を駆使して、魅力的でバランスの取れたゲーム体験を実現します。

ゲームプロデューサーはプロジェクトのマネジメントやビジネス面を担当し、ゲーム全体の方向性を確保します。一方、ゲームプランナーはゲームデザインの具体的な要素に焦点を当て、ゲームのプレイ体験をデザインします。両者はチーム全体と連携して協力し、成功を目指します。

ゲームプロデューサーの仕事内容

ゲームプロデューサーはプロジェクトの企画や市場調査、チームのマネジメント、予算管理、広報活動の統括を行います。ゲームの売上などの採算の責任をもつ、総責任者です。ディレクターは制作現場の管理者であるのに対して、プロデューサーは全体の統括がメインの仕事です。

市場調査

ゲームの売れ行きや開発や宣伝にかかった費用の採算を取れて、利益を出すことができるかどうかがゲームプロデューサーの評価基準です。ユーザーに求められ、満足度が高い作品を作ってヒットしないといけません。クオリティの高い作品を作ってもヒットしなければ、「クリエイターはしっかり作ってくれたけど、売れなかった」という事実が残り、ゲームプロデューサーとしての手腕は評価されません。そのため、市場でどのようなゲームが求められているのか、最近の流行などを深く調査します。

企画書制作

調査結果を元に自社の強みやスタッフの得意などを活かしながらどのようなゲームを開発するかを決めていきます。一人で大枠を決めることもあれば、クリエイターやプランナーと意見を交換しながら方針や細部を詰めていきます。開発規模によりますが、開発してからリリースするまでに1~2年、大規模なものだと5年を要することがあるため、数年先のヒットを想定した企画にする必要があります。

プレゼンテーション

企画書が完成したら、役員などの経営陣の前でプレゼンテーションをします。企画が通過したらスタッフを編成して開発に入ります。企画がとおらなければ再度企画を練り直し、通過するまで繰り返します。自分がどれだけ面白いゲームだと思っていたとしても、他の人が面白いと思ってくれなければサービスとては成り立ちません。そのため、どれだけ魅力的で構築する価値のあるゲームなのかを客観的に伝えるためのプレゼンテーションは重要な仕事と言えます。

予算管理

開発のための人件費や告知などをするための広告費用などの予算を管理することもゲームプロデューサーの仕事です。もし開発が遅れることがあれば、追加の人件費を確保するために資金調達をすることもあります。また、販売戦略などに応じて広告非を調整することも予算管理の一つです。
予算管理はゲームプロデューサーにとって、プロジェクトの成功に欠かせない要素の一つであり、経験と洞察力が求められる領域です。

現場のマネジメント

実際の現場の管理はゲームディレクターが行いますが、スタッフの配置やスケジュール管理などはディレクターと連携してゲームプロデューサーも行います。また、開発チームとのコミュニケーションを円滑に行い、情報共有や意思決定のプロセスを管理します。進捗状況の報告や課題の解決、チームのモチベーションの維持なども担当します。

広報活動

ゲームの開発の終了が見えてきたら、ヒットさせるための広報活動をしていきます。コラボカフェなどのイベントの開催や体験版のリリースなどタイトルにユーザーが触れる機会を増やしていきます。
また、告知や雑誌への掲載のために、マスコミの取材対応をすることもあります。
これらの広報業務を通じて、ゲームプロデューサーはゲームの知名度向上やユーザーエンゲージメントの促進に貢献し、ゲームの成功を支えます。

ゲームプロデューサーに求められるスキル

責任が大きい分、求められるものが多いこの仕事は、誰のためにどういうゲームを創出し、どれだけ売れるかを推測しながら企画できるプロデュース能力が最も求められるでしょう。今までにない新しいゲームを世の中に創出するための発想や、それに至るまでのマネジメントをこなせる能力があればプロデューサーとして活躍できるかもしれません。

トレンドを意識した作品、発売するタイミング、納期、クオリティのバランスを図りながら、自身が培ってきた経験や広い視野、高いアンテナを活かし、世間に認められるゲーム作りをしていくことが大切です。

マネジメント能力

まずは現場のチームを引っ張っていくためにマネジメント能力が必要です。
スケジュール管理や不測の事態に対応する際の流れの整理、開発進捗の管理など全体がスムーズに進行するようにするスキルが必要です。
また、上で述べたとおり、ゲーム制作には多くの役割・ポジションの人が関わっているため、ステークホルダーも多くなります。各立場の人と円滑にコミュニケーションをとりながら、マネジメントしていくことがゲームプロデューサーには求められます。

判断力

不測の事態が発生した際にどうやって乗り切っていくかを判断する力が必要です。問題を解決するために必要な指示などは経験で培われていく部分であるため、ある程度の場数は必要になるスキルです。

リーダーシップ

チームのメンバーの状況とプロジェクトの状況を把握して適切な指示を出していく必要があるため、リーダーシップを発揮することが求められます。
そのためにも、様々な立場の人とコミュニケーションを取ることが上手な人が良いでしょう。

ゲームプロデューサーの仕事に役立つ資格

ゲームプロデューサーとして仕事をするために必須の資格はありません。
しかし、持っていることで仕事に役立つ資格はあります。

ここではゲームプロデューサーの仕事に役立つ資格を紹介します。

CGクリエイター検定

CGクリエイター検定はCG-ARTS協会が主催するCGデザイナーの民間資格です。
CGの制作などの映像制作の基本的なスキルを証明する検定です。ゲームだけでなくアニメーションや映画などの制作に携わる人におすすめの資格です。
種類はベーシックとエキスパートの2つがあり、ベーシックは基礎的な内容でエキスパートは専門的な内容を問われます。

ベーシックの難易度は比較的低く、受験者の約64%が合格していますので、しっかりと対策していけば合格は難しくないでしょう。

CGエンジニア検定

CGクリエイター検定と同様にCGエンジニア検定もCG-ARTS協会が主催する検定です。
CGを開発・設計するエンジニアやプログラマの能力の評価を目的とした資格で幅広い知識が求められます。
例えば座標変換やCG理論、CGシステム、知的財産権などが出題されます。

こちらも同様にベーシックとエキスパートの2種類の試験がありますので、まずはベーシックの合格を目指してみてはいかがでしょうか。

ゲームプロデューサーになるには

ゲームプロデューサーとして活躍している方々は、一般的に大学やゲーム企画科などの専門学校出身でゲームメーカーやゲーム開発会社に就き、経験を積まれています。ゲームプロデューサーになるには、まずゲームディレクターからスタートし、その後ステップアップしてゲームプロデューサーになることが多くあります。

未経験からは難しいためまずはゲーム関連の会社に就職する

中には他業種から転職し、未経験からゲームプロデューサーとしてスタートされるケースもありますが、これは特化した知識だけを評価するのでなく、広範な分野の知識や技術や経験をもつ人材を評価する傾向もあるようです。

開発担当やゲームディレクターからスタート

これはゲーム業界の激しい変化に対応するべく、常に情報のアンテナを高く張り、スピーディにプロジェクトを進められるスキルがあれば、ゲームプロデューサーへの道へと進むことが可能になるでしょう。

とはいえ、やはり全体を把握し、動かしていくにはプログラミングやグラフィックといったゲーム開発に不可欠な知識や技術は最低限必要といえます。より品質の高いゲームを生み出すためには、これらの知識や経験を活かしながら全体を見ることが求められます。

ゲームプロデューサーの将来性

国内の家庭用ゲームの市場規模は2021年で3613.9億円で2016年と比較して130億円ほど成長しています。また、スマートフォン向けゲームの市場は2021年に2兆295億円で2016年は1兆361億円と大きく成長していることがわかります。年々ゲームの需要は増加しているため、ゲームプロデューサーの需要も高まり、将来性がある仕事と言えます。

ゲームプロデューサーの年収

一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会が2019年に発表した「ゲーム開発者の就業とキャリア形成2019」によるとゲームプロデューサーの平均は683.9万円と日本の全体の平均と比較しても高い水準です。なお、携わるプラットフォームによっても年収は変わります。家庭用ゲーム機やスマートフォン向けゲームでは大きな差はありませんが、VRゲームに携わる場合は平均が100万円ほど変わります。

ゲームプロデューサーに関する質問

最後に、ゲームプロデューサーに関する質問に答えていきます。

Q1. ゲームプロデューサーとディレクターではどっちが偉い?

体制上、ゲームプロデューサーはプロジェクトの組織と管理において上位の立場にあります。ゲームプロデューサーは予算やスケジュールの管理、チームのリーダーシップ、ビジネスの面を担当します。一方、ゲームディレクターはゲームのクリエイティブな方向性を指揮し、デザインやストーリーテリングを監督します。両者は協力してゲームの成功を追求する役割を果たします。

Q2. ゲームディレクターの仕事内容は?

ゲームプロデューサーは、プロジェクトの計画や市場調査、チームの管理、予算の管理、広報活動の統括などを担当します。ゲームプロデューサーはこの他にも企画書の作成や経営陣へのプレゼンテーションなども行いますが、主な仕事はプロジェクト全体の統括となります。

Q3. ゲームプロデューサーのやりがいは?

ゲームプロデューサーのやりがいは、自らの手でプロジェクトを進め、ゲームの完成に関わることにあります。自分のビジョンを具現化するプロセスで、クリエイティブなアイデアを形にし、プレイヤーに感動や楽しさを提供することができます。ゲームプロデューサーとして、自らが関わったプロジェクトが世に送り出され、多くの人々に愛されるゲームとなる喜びは、この職業の最大の醍醐味です。

まとめ

ゲームプロデューサーの仕事内容はマネジメントや調整、外部対応など全体を統括する業務が多く、責任も大きいものです。その責任と引き換えに年収も高く、将来性もある職種で、携わった作品がヒットした際にはやりがいも大きく感じられることでしょう。ゲームプロデューサーを志す人はまず資格の勉強をしながら、未経験を受け入れている企業に転職を考えてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修

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