自動車・医療・建築……もはや「ゲームエンジン」の枠を超えたUnityの使われ方Unityでできることとは?ゲーム以外の分野も紹介

最終更新日:2021年4月23日

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Unityは、主に3Dゲーム開発において使われる開発用ツール(ゲームエンジン)です。しかし、近年はその特性が注目され、建築や医療などゲーム用途以外の分野でも活用が進んでいます。今後、Unityに関するスキルは、3Dモデル・AR・VRなど扱う分野で強みとなる可能性が高いです。ここでは、Unityの技術的な解説に加え、ゲーム業界以外での活用事例についても紹介しています。

1. Unityとは?

まず、Unityの概要や特徴について解説します。Unityは、C++で作成されたゲームエンジンです。スマートフォン向けのゲームや3Dゲームの開発、xR(VR、ARなど仮想現実系の開発)の分野で使われています。

ゲームエンジンとは?

ゲームエンジンとは、ゲーム開発における一般的な処理を効率よく実装できるツールです。ここで言う一般的な処理とは、映像処理や音響処理などです。よく使われる処理が共通化されているため、実装作業の工数を減らすことができます。また、プログラミング言語の知識が浅いクリエイターでもゲーム開発が進められるように作られています。

Unityの特徴

Unityの特徴は、以下3つです。

コーディングレス開発

Unityは処理の共通化や一般化によって、「コーディングレス開発」を可能としています。コーディングレスは「ノンプログラミング」や「プログラミングレス」とも呼ばれます。文字通りプログラミング作業を大幅に省略するため、高度なプログラミングスキルを持たない人間でもゲーム開発が進めやすくなるでしょう。また、企画力や発想力がダイレクトにゲーム開発に反映されやすくなり、効率的で高品質なゲーム開発が期待できます。

物理エンジン

Unityが持つ2つ目の特徴は「物理エンジンが標準搭載されていること」です。物理エンジンとは、現実世界の物理法則をゲーム内のオブジェクトに適用し、物理演算によってオブジェクトの制御・操作を行う機能です。例えば、オブジェクトに「重力」が加わるような表現や、音や光が波紋を広げるような表現は、物理エンジンの処理によるものです。こうした特殊な表現を外部ツールの力を借りることなく実装できるため、高品質なゲーム開発がスムーズに進められます。

開発用プラットフォーム

Unityはゲームエンジンであると同時に、開発用プラットフォームでもあります。具体的には、ゲーム制作用の補助ツールやビジュアルプログラミングツール(直感的な操作を用いてコーディングレス開発を行うツール)などが含まれます。また、C#を使うことで細かな独自処理の実装が可能であったり、外部アセット(情報資産)を取り込んで独自のゲームを制作できたりと、ゲーム開発に必要な環境がひと通り揃っています。

2. Unityができること(得意分野と強み)

次に、Unityの得意分野や強みについて解説します。Unityが得意とするのは「ゲーム開発」と「xR系コンテンツの作成」です。具体的には、以下のような要素が含まれます。

ゲーム開発の基本的な作業

Unityは、2Dか3Dを問わず、ゲーム開発で頻繁に使われるゲームエンジンです。画像や文字の描画、音声再生はもとより、ゲーム内空間における3Dモデルの配置、ゲームコントローラなどUIとのI/O管理、外部デバイスやサーバとの通信などもカバーします。さらに、前述したように物理エンジンを備えているため、物理演算シミュレーションも可能です。現代のゲーム開発に必要な機能を万遍なく備えており、簡易なゲームであれば特別なスキルや機材なしで制作を進められるようになっています。

直感的なゲーム開発

ビジュアルプログラミングツールを備えるUnityを使えば、頭の中のアイディアを視覚的に再現しやすくなります。企画・構想段階におけるプロトタイプ制作や、実装前のアイディア共有などが容易になるほか、ユーザー視点での開発が可能です。

C#を用いた拡張機能実装

Unityには「Unity Script」と呼ばれる拡張機能が備わっています。このUnity ScriptではC#・Javascriptによる拡張処理の実装が可能です。独自の処理を実装できるため、ハイスキルな人材によるオリジナリティに富んだゲーム制作にも適しています。

VR/ARを用いた表現

Unityは、標準機能として3Dオブジェクトを操作するためのライブラリを備えています。Unityが持つライブラリを使えば、VR/ARのように現実と仮想空間の要素を併せ持つ表現が容易に実装できます。通常、3Dオブジェクトを操作するためには、高度な3D関連のスキルが必要です。しかし、Unityではそれが必要ないため、より小さいコストで高品質なVR/ARコンテンツの制作が可能になるのです。

クロスプラットフォーム対応

クロスプラットフォーム対応とは、「複数の異なるプラットフォームで同一のコンテンツを提供する」ことです。UnityはAndoroid・iOS・linux・windows・xboxなどに対応しており、これら複数のプラットフォームに対してほぼ同一のコンテンツを、同じタイミングで提供することができます。プラットフォームごとに微調整は必要になるものの、何度も同じコンテンツを制作する手間が無いため、効率的でスピーディーな開発が可能になるわけです。

3. Unityができることは「ゲーム開発」以外にも多い

最後に、ゲーム開発以外でUnityができることを業界別に紹介します。

自動車業界

自動車業界では、デザイナーがデザインした車両コンセプトを経営陣に披露し、承認を得る過程があります。デザインは一度で承認されるとは限らず、修正案をいちはやくプレゼンテーションに落とし込む必要があります。Unityはこの「プレゼンテーション作成」において、重宝されています。ある自動車メーカーでは、Unityを用いてデザイン案を最短1日で視覚化できるようになりました。以前ならば外部ベンダーに依頼して数週間かかっていた工程を、大幅に短縮できるようになったとのことです。

医療業界

医療業界では、人間の体内の詳細な3Dモデルを用いて、手術の事前シミュレートを行っています。具体的には、Unityで脳内の3Dモデルを作成し、脳動脈瘤手術のVRシミュレータを構築。事前に高精度なシミュレーションを行うことで、手術に向けた戦略や検討の質が向上し、手術の成功率向上が期待されています。

建築業界

建築業界では、建物の管理に「BIM(Building Information Modeling)」が使われます。BIMとは、建物の設計・施工・維持管理という一連のライフサイクルから得られた情報を集約し、業務効率化やデザインの考案に役立てる手法です。このBIMで必要となる3D情報(BIMデータ)をUnityでリアルタイムに変換し、ごく短時間で3D空間を再現できるのです。常に変化するBIMデータを瞬時に3D化するため、現実世界の変化が3D空間にリアルタイムに反映されるようになっています。

ゲームプログラマーを足掛かりにキャリアアップも

このようにUnityはゲーム業界以外でも活用が進んでいます。したがって、Unityを学ぶことは異業界へ転職する足掛かりになるかもしれません。例えば、ゲーム業界でUnityによる3Dグラフィックス・VR・AR開発のキャリアを積み、建築・医療・教育などのエンジニアとして活躍できる可能性もあるわけです。

4. まとめ

Unityは、3D重視のゲーム開発において普及しているゲームエンジンとして知られてきました。しかし、近年は3Dに強いという特性を活かして建築や医療などゲーム用途以外の分野でも活用が進んでいます。今後は3Dモデルを扱うすべての分野で強みを発揮する可能性が高く、習得しておくことでキャリアの幅を広げることにもつながる可能性が高いと言えるでしょう。

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