Unityエンジニアとは？仕事内容や将来性、年収事情を解説

• Unityエンジニアの仕事内容
• Unityエンジニアへの転職で必要なスキル
• 未経験からUnityエンジニアになるには
• Unityエンジニアの将来性と年収
• Unityエンジニアに関するよくある質問
• まとめ

Unityエンジニアの仕事内容

Unityエンジニアの仕事内容について解説します。

関連記事：Unityとは？言語の特徴や将来性、活用事例について解説

ゲーム開発における汎用的な処理の実装

Unityエンジニアは、Unityの機能で直観的にゲームの処理を作ったり、プログラミングによって処理を作ったりします。Unityは機能が豊富なのでGUIの操作である程度の処理が作れますが、細かい部分ではプログラミングが必要です。

そのため、Unityエンジニアの仕事では、Unityを使いこなすことと、プログラミングができることの両方が必要になります。また、Unityはマルチプラットフォームに対応しています。OSとしては、Windows・MacOS・Linux環境で使用可能です。Windows環境であれば、Windows独自の開発環境「Visual Studio」との連携も可能なことから、開発効率を格段に向上させられるでしょう。

そもそもUnityとは

Unityは、C++で作成されたゲームエンジンです。ゲームエンジンとは、ゲーム開発をUI操作とプログラミングを組み合わせた形で進められるツールのことです。ゲームエンジンを使用することで、ゼロからプログラミングするよりも効率的にゲーム開発を進められます。Unityが対応しているゲームは幅広く、スマホゲーム、3Dゲーム、VRなどのゲーム開発で使われます。UnityはC++で作成されていますが、Unity上で主に使用されるプログラミング言語はC#です。

関連記事：Unityでできることとは？ゲーム分野以外の活用例も紹介

フロントエンド開発

主にユーザーの目に触れる部分の開発である「フロントエンド開発」では、ゲームクライアントやアプリケーションのUIなど、ユーザーが目視し、操作する部分の開発を担います。フロントエンド開発は、ユーザビリティ（顧客目線での使いやすさ）やUX（顧客体験）を左右する重要な工程です。フロントエンド開発では、グラフィカルな処理を行うプログラムの設計・実装などがメインです。また、APIを活用したサーバーサイドとの連携部分の実装や、HTTP・TCP・UDPを用いた通信設計などを担当することもあります。

サーバーサイド開発

フロントエンドからの要求を受けて動作する、サーバー内の処理を実装します。基本的な仕事内容は、Webエンジニアやサーバーサイドエンジニアと共通しています。ただし、3Dゲーム開発独自の用語・考え方（テクスチャ、シェーダー、マテリアル）などの理解が必要になるでしょう。

開発後のテスト・修正・保守

他のエンジニア同様、Unityエンジニアも開発後のテスト、修正、保守を行います。ゲームは他のシステムに比べると、テストや修正や保守の作業が多いでしょう。細かなバグや仕様変更が発生するケースが多いからです。一定期間経過後にアップデートを行うことが前提になっているゲームも多いです。ユーザーの反応を見て、人気が出るように改良していくような場合もあります。

外部アセット・プログラミングによる拡張機能実装

ゲームタイトル独自の処理や表現の実装には、拡張用言語による追加開発が必要です。Unityでは、拡張用言語としてC#が採用されています。C#を用いた追加開発では、外部アセット（3D画像やキャラクターモデルの原画）を取り込み、プログラミングによってゲームタイトル独自の処理・機能を実装していきます。

具体的には、外部アセットをもとに構築したゲーム内オブジェクトと、任意のコンポーネント（特定の動作を実現するソフトウェア内のパーツ）を結び付けることで、「ビルが崩壊し、コンクリート破片が炎上しながら落下する」といった動的な処理を実現できます。さらに、こうした処理をハードウェアの特性に従って効率よく行うために、マルチスレッドコードを記述したりパフォーマンス重視のコーディングを行ったりと、ゲーム内オブジェクトを滑らかに動かすための処理も実装します。

ゲーム開発以外の分野における開発

Unityは、3Dを用いた産業用のシミュレータ開発やVR、AR関連の開発などでも使用されています。Unityは「身近なものを3D化し、自由に動かす」ことに強みを持つからです。下記は、ゲーム開発以外でのUnityエンジニアの仕事内容です。

自動車業界

デザイン設計をVR空間で行い、精緻な3Dイメージを再現します。CADデータと連携し、現実世界に近い質感で3Dイメージを再現します。

医療業界

Unityを用いて骨格、臓器などを詳細に再現し、外科手術に用いるためのVRシミュレータを開発します。

このように「シミュレーション」の精度を格段に向上させられることが、Unityの強みともいえます。高精度なシミュレーションの実装は、製造業・建設業・医療分野などからの需要が高く、今後はUnityエンジニアの重要な役割となる可能性を秘めています。

Unityエンジニアへの転職で必要なスキル

Unityエンジニアが転職時に身に着けておくべきスキルについて解説します。Unityはあくまでも「開発用ツール」です。また、プログラミングやシステム開発経験をもたない人間でもゲーム開発が進められるように、さまざまな工夫が盛り込まれています。つまり「Unityの操作スキル」が身についていることは大前提であり、プラスαとして複数のスキルが求められるわけです。特にC#や3Dモデリングの知識・スキルは、どの企業でも重視する傾向にあります。

Unityに関するスキル

Unityの操作や仕様に関する知識は、Unityエンジニアの基本です。まずは、公式サイトから無料バージョンをダウンロードし、「ゲームのひな型を使ってキャラクターを動かす」というレベルを目指すと良いでしょう。

Unity認定資格

Unityには、Unity Technologies社が提供するUnity認定資格があります。Unity TechnologiesはUnityを提供しているアメリカの企業です。そしてUnity認定資格は以下のように区分されています。

大枠	想定レベル	小分類
ユーザー	Unity 初心者	認定ユーザー：プログラマー 認定ユーザー：アーティスト 認定ユーザー：VR 開発者
アソシエイト	プロとしてのUnity関連の仕事に 初めて着手する人	認定アソシエイト：ゲーム開発者 認定アソシエイト：プログラマ 認定アソシエイト：アーティスト
プロフェッショナル	2年から4年のUnity関連の職務経験者	認定プロフェッショナル：プログラマー 認定プロフェッショナル：アーティスト
エキスパート	5年以上のUnity関連の職務経験者	認定エキスパート：プログラマー

Unity認定資格はレベルと対象ごとに複数の枠が用意されています。エンジニアの場合は、プログラマーで試験を受けるのが一般的です。またプログラマーはすべてのレベルで対象になっています。現状のレベルに合わせてどのプログラマーの試験を受けるのかを選択し、そこから段階的にステップアップしていくのがおすすめです。

3Dモデリングのスキル

一般的に3Dモデリングは「3Dモデラー」と呼ばれる職種が担当する業務です。しかしUnityを用いたゲーム開発では、Unityエンジニアが外部アセットを活用しながら3Dモデリングを担うことがあります。3Dモデリングは、大きく以下の6つの工程で成り立っています。

こうした工程を独力で完遂させられるレベルであれば、転職時に評価されるはずです。

アセットとメモリ使用量の調整

Unityは3Dモデルを多用することから、メモリ量が不足して動作停止を招くことがあります。Unityエンジニアには、プロファイラ機能を用いて、どのアセットがどれだけのメモリを消費しているかを常に追跡し、適宜調整するスキルが必要です。

ちなみに、AssetBundleという機能を活用することで、アセットを任意の場所にまとめ、状況に応じて読み込ませることが可能です。AssetBundleは実際の開発作業でも頻繁に用いられるため、Unityエンジニアの有用なスキルのひとつと言えるでしょう。

拡張用言語（C#）のプログラミングスキル

Unityでは拡張用言語として、主にC#が使用されています。独力でコーディング・テスト・バグフィックスができるレベルであれば、転職時の評価ポイントになるでしょう。

Unityの仕様・操作に関するスキルは、一般的なITエンジニアであればそれほど高いハードルではありません。3Dモデリングやメモリ調整のスキル、C#の習得に時間を割きつつ、Unityでの独自ゲーム制作を進める、という方向でスキルを磨いてみてください。

イラストやデザインのスキル

Unityエンジニアとその他のエンジニアの大きな違いとして、イラストやデザインスキルが役立つかどうかというポイントがあります。ゲームは他のアプリケーションに比べ、視覚的な要素が大きいからです。

開発エンジニアとは別にイラストやデザイン専門のメンバーが用意されているケースも多いですが、エンジニアもイラスト、デザインのスキルを持っておくに越したことはありません。たとえ実践的には使えないレベルであっても、イラスト、デザイン担当者にイメージを伝える際に役立つでしょう。

UI/UXの知識

UI/UXとは、ユーザーの目に直接触れる部分の使いやすさやわかりやすさといったことです。それぞれ、ユーザーインターフェースとユーザーエクスペリエンスの略です。インターフェースは接点で、エクスペリエンスは体験です。

シナリオ、ゲームの内容、デザインなどがゲームのメインですが、たとえばちょっとしたコマンド選択や、ゲームが始まるまでのメニュー画面などが使いやすいとユーザー満足度がアップします。

業界知識

ここで言う業界知識とは、ゲーム業界に詳しくなるという意味ではなく、Unityがどのような業界でどのような形で使われているかの知識です。Unityはゲーム業界だけでなく、建設業界、アート業界、医療業界などでも使われています。

VR技術や3D技術の需要が高まれば、より多くの業界で今後Unityが使われる可能性があります。こういった事情を把握しておくことで、自身のキャリア選択の幅が広がるでしょう。

未経験からUnityエンジニアになるには

Unityの実務経験、その他エンジニアとしての実務経験がなくても、Unityエンジニアになることは不可能ではありません。ただし、何も準備しなくて良い、Unityの学習経験がゼロでも良いというわけではありません。

Unityを含むプログラミング言語を学ぶ

UnityはUnityの操作で多くの機能を作れますが、細部を作り込むにはプログラミングスキルが必須です。Unityで使用頻度の高いプログラミング言語はC#です。そのため、Unityの使い方とC#をあわせて学べばUnityエンジニアとして実践的なスキルが身に付きます。UnityとC#を学ぶために役立つ書籍とサイトをご紹介します。

おすすめの書籍

Unityの教科書 Unity 2020完全対応版 2D＆3Dスマートフォンゲーム入門講座
実際にゲームをしながらUnityとC#を学べるようになっています。最初は簡単な2Dゲームからスタートし、徐々に難しいゲームにステップアップしていきます。レベルデザインなどゲームならではの内容も含まれているので、ゲームが好きな人なら特に楽しみながら学習を進められます。

Unityの寺子屋 定番スマホゲーム開発入門
こちらもスマホゲームを開発しながら学べる書籍です。放置ゲームとサイドビューアクションゲームを作ります。UnityとC#のスキルも身に付きます。

おすすめのサイト

Udemy（ユーデミー）
Udemyはプログラミングの動画学習サイトです。いろいろなプログラミング言語のコンテンツがあり、Unityも含まれています。オンラインで自分のペースで学習できるので、多くのプログラミング学習者が愛用しているサイトです。

TechAcademy（テックアカデミー）
TechAcademyはオンラインプログラミングスクールです。オンラインプログラミングスクールは数多いですが、Unityのカリキュラムを提供していないスクールもあります。プログラミングスクールなら効率的なカリキュラムで学習できることはもちろん、メンターに質問することもできます。

ポートフォリオを作れるレベルを目指す

Unity未経験からUnityエンジニアとしての就職を目指す場合、まずは自力でゲームを作成し、それをポートフォリオにするのが得策でしょう。ポートフォリオのゲームを実際に見てもらい、スキルを証明するということです。

当然短期間で商品になるレベルのゲームを開発することは困難なのですが、簡易的なゲームであっても一定の評価にはつながるはずです。また独学で作っているので、今後自力で学習して成長していく人材だとアピールすることにもなります。

関連記事：未経験からUnityエンジニアとして就職・転職する方法とは？

転職エージェントを活用する

転職エージェントを活用すると、エージェントが転職希望者の希望を聞いて適切な求人を紹介してくれます。また書類選考や面接対策のサポートもしてくれるので、自分で転職サイトから求人を見つけて応募するよりも合格率が高くなります。より自分に合った企業を高い合格率で受けられるということです。

Unityエンジニアの将来性と年収

Unityエンジニアの将来性と年収について解説します。

将来性は堅調

将来性については「今後も堅調な需要の伸びが予測されるため、それなりに高い」と言えます。Unityエンジニアの主戦場である「スマートフォン向けゲーム市場」は、一時の爆発的な伸びはないものの、堅調に推移しています。

また、ゲーム開発以外の分野でAR/VRを用いたシミュレーションが一般化していることから、今後は活躍の場が広がるかもしれません。さらに、最小限のリソースで迅速かつ高品質な開発を求められる今、Unityのもつ手軽さ・汎用性の高さが評価されています。

ただし、ゲームエンジンはトレンドの移り変わりが激しいため、Unity以外のゲームエンジンが流行する可能性も想定しておきましょう。Unity以外のスキル（3Dモデリングやプログラミング）は継続的に磨いていくべきです。

関連記事：Unityエンジニアの需要は高い？VR制作にもチャンス

他業界からの参入が増えている

コンシューマーゲームの需要は減っていますが、スマホゲームの需要は伸びています。その結果ゲーム全体の需要は伸びていて、ゲームエンジニアの必要数も増えています。需要増加に伴い他業界からの参入も増えます。

特にゲーム以外のエンジニアからゲーム業界に転職するパターンは多いです。たとえばWebや業務システムを開発していたエンジニアがゲーム業界に転職するということです。以前はWebや業務システム開発からゲーム業界に転職するのはハードルが高かったのですが、需要が増えている分門戸が広がっています。

現在の需要（求人数）

レバテックキャリアでの2023/10/9現在のUnity関連の求人は477件です。Unityという特定のプラットフォームに限定した求人で数百の求人があります。またUnityの求人はゲーム関連が中心ですが、バーチャル店舗、VTuber用プラットフォーム、ライブ配信アプリなどトレンドとなっているツールの求人も複数あります。

Unityがゲームだけでなく、新しい技術と相性が良いということがわかります。今後はゲーム以外の分野でのUnity求人はより増えていくでしょう。

求人例と年収イメージ

実際の求人からUnityエンジニア求人の年収を紹介します。募集企業により年収の幅はさまざまですが、3D技術やイラスト力などを磨き、業務の領域を広げたり、リーダークラスに求められるマネジメントスキルやコミュニケーションスキルを身に着けたりすることで、高年収を狙えるでしょう。

スマートフォン向けゲームアプリの開発企業

バーチャルカラオケ配信アプリの開発企業

Unityエンジニアに関するよくある質問

Unityエンジニアに関するよくある質問をご紹介し、それに回答していきます。

Q1. 独学でのUnityの勉強方法はどうすれば良いですか？

独学でUnityの勉強を進めるにあたって、まずは教材を選択します。教材の選択肢として、大きく分けると本、Web上の文章、動画が挙げられるでしょう。どの方法が良いというわけではなく、学習できる時間や好みで選んでください。

たとえば、隙間時間で勉強する場合は本やWebの文章の方が学習を進めやすく、音声や映像の方が頭に入りやすい人は動画の方が合っている、といった考え方です。

関連記事：未経験からUnityエンジニアを目指す人向け｜学ぶべきこと・学習ステップについて解説

Q2. フリーランスUnityエンジニアの案件を教えてください。

VRや3D技術の業務活用事例が増え、Unityが幅広い業界で使われるようになっています。しかし、現状案件数として多いのはソーシャルゲームです。そのため、Unityエンジニアを目指すのであればソーシャルゲームを主眼に置くことをおすすめします。とはいえ、もともとゲームが好き、ゲームを開発したいといった理由でUnityエンジニアを目指す人が多いのではないでしょうか。

Q3. Unityエンジニアの平均年収はいくらですか？

レバテックキャリアの求人では、Unityエンジニアの平均年収は600万円程度と推測されます。一般的なエンジニアと同程度でしょう。Unityはゲーム以外にも幅広い開発で使われるようになっていますが、現状は開発対象による大きな年収差はありません。

関連記事：Unityエンジニアの年収は？仕事内容や向いている人の特徴も解説

Q4.Unityエンジニアに将来性はありますか？

Unityはゲームはもちろん、AR/VRといった今後伸びる可能性の高い技術と相性が良いです。そのため、Unityの将来性は高いと言えます。ただし、Unity以外の新しいプラットフォームが急速に発展し、Unityのシェアが落ちる可能性もあります。市場動向に目を向けて、新しいプラットフォームが出てきたら試してみることでエンジニアとしての市場価値は上がりやすいでしょう。

関連記事：Unityエンジニアに転職するには｜必要なスキルやアピールしやすいポイントについて解説

Q5.Unityエンジニアに向いているのはどのような人ですか？

Unityは幅広い開発に使われるようになっていますが、主軸はゲームです。そのため、基本的にはゲーム開発がしたい人に向いています。またUnityを使ったゲーム開発に関する書籍やオンライン上の情報は充実しています。結果的に、今Unityを使ってゲーム以外のシステムを開発しているエンジニアも、入り口はゲーム開発の場合が多いでしょう。

ただし、今後よりゲーム以外の分野でUnityが使われるようになっていけば、入り口がゲーム以外のシステムのUnityエンジニアも増えていくと考えられます。

まとめ

Unityは、3D重視のゲーム開発において、近年急速に普及している開発用ツール（ゲームエンジン）です。Unityを用いるゲームプログラマー、エンジニアである「Unityエンジニア」は、注目される職種のひとつです。今後はゲーム開発以外の分野でも活用が見込まれているため、若手ITエンジニアのキャリアパスとしては有望だといえるでしょう。Unityエンジニアとして活躍するには、C#の知識・スキルや3Dグラフィックスの知識なども身に着けておくとよいでしょう。

ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア

レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通しており、現状は転職のご意思がない場合でも、ご相談いただければ客観的な市場価値や市場動向をお伝えし、あなたの「選択肢」を広げるお手伝いをいたします。

「将来に向けた漠然とした不安がある」「特定のエンジニア職に興味がある」など、ご自身のキャリアに何らかの悩みを抱えている方は、ぜひ無料のオンライン個別相談会にお申し込みください。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが、一対一でさまざまなご質問に対応させていただきます。

「個別相談会」に申し込む

転職支援サービスに申し込む
※転職活動を強制することはございません。

レバテックキャリアのサービスについて