ゲームテスターの概要や目指すのに役立つスキル・資格、将来性や年収についても解説しますゲームテスターへ正社員で転職する方法とは?仕事内容も紹介

最終更新日:2022年12月5日

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ゲームテスターとは、ゲーム開発の最終工程として、様々な仕様の不具合をチェックする役割を担っており、ゲーム業界への登竜門としてもよく知られている職業です。将来的にゲーム業界で開発者を目指すのであれば、ゲームテスターとして実績を積むことで道が拓けるでしょう。ただし、正確さや忍耐強さ、緻密さなどいくつかの適性が必要となる職種です。

この記事では、ゲームテスターとして正社員採用されたい方に向け、ゲームテスターとして未経験から正社員に転職するための方法について解説します。

ゲームテスターとは?

ゲームテスター(別名「デバッガー」)は、ゲーム開発がアルファ版(ゲームの基本的な部分はプレイ可能であり、細かなイベントなどは実装されていない状態のバージョン)と呼ばれる一定ラインの段階でプレイしながら、仕様通りに動作が進められるか、不具合の箇所や頻度などをチェックし、その後開発者へ報告します。

ここで言う一定のラインとは、「アルファ版」と呼ばれる段階で、「ゲームの基本的な部分はプレイ可能なバージョン」で、RPGであればメインシナリオ・戦闘といった中核部分は動作するものの、細かなイベントなどは実装されていない状態です。ゲームテスターは、アルファ版をプレイしながら、動作が仕様通りであるか、不具合がどこにどれだけ発生しているかなどをチェックし、開発者へ報告します。

この役割というのは、ゲームプログラマーが兼務する場合もあれば、専門のテスターを採用する場合もあります。したがって、全ての開発プロジェクトにゲームテスターが必要であるとは限りません。テスト工程というのはゲームの品質を左右する重要な工程であり、開発規模が大きくなるほど、ゲームテスターの需要は高まっていきます。

関連記事:ゲームプログラマーとは - 仕事内容をわかりやすく紹介します

ゲームテスターの主な仕事内容

ゲームテスターの主な仕事は、以下でご紹介する3つです。

仕様チェック

設計書や仕様書に沿って、正しく動作が実行されるか。また、画面仕様が想定通りかなどをチェックします。合わせて、シナリオ・グラフィック・サウンドなど、複数の要素が仕様書通りの組み合わせで開発されているかという点もチェックします。

操作性、性能チェック

操作性、反応速度などの性能、いわゆる品質評価(ユーザーの満足レベルを満たせるか、十分な操作性が備わっているか、ゲームの難易度など)を行います。

UIやキーボードの操作性、反応速度などをチェックし、「ユーザーが満足するレベルを満たしているか」「面白さを損ねない操作感を提供できているか」といった視点でチェックを行います。また、ゲーム自体の難易度をチェックすることもあるでしょう。

不具合の記録と報告

仕様チェック、品質評価を繰り返し行い、その結果を報告書(「テスト結果報告書」や「不具合報告書」とも呼ばれる)にまとめ開発者に提出します。この報告書をもとに、開発者は不具合修正(バグフィックス)や仕様変更を行い、次の工程(ベータ版)から完成形(マスター版)へと開発を進めていきます。

未経験で正社員のゲームテスターになるには?

ここからは、ゲームテスターへ正社員として転職するための方法を解説していきます。

アルバイトで経験を積んでから正社員を目指す

ゲームテスターはゲーム開発において最下流工程を担います。そのため、比較的スキルが低い人材でも単価が低ければ採用したいと考えている企業が多いです。結果的に、正社員ではなくアルバイトで募集しているケースも多くなります。

最初はアルバイトで採用してもらい、経験を積んでから正社員を目指すことが可能です。アルバイトから正社員のゲームテスターを目指し、それからプログラミングを勉強して、ゲームエンジニアを目指すといったルートもあります。

ゲームメーカーで開発職になってからテスターを目指す

ゲームメーカーに開発職で就職し、その後テスターになることも可能です。開発職でいったん就職できれば、テスターに転職するハードルはかなり低いでしょう。ただし、ゲームメーカーに開発職で就職するハードルは高いです。

プログラミングスキルがあるか、年齢が若い場合は未経験でも採用してもらえる場合があります。企業の募集を探してみて、募集要項に該当している場合は積極的に応募していくと良いでしょう。業界未経験の場合、選り好みしすぎると就職が困難になるので、スキルアップして転職することを前提に企業を探すのもおすすめです。

正社員のゲームテスターを目指す際に役立つスキル

資格を取得する以外にも、ゲームテスターを目指す際に役立つスキルがあります。ここではそれらのスキルについて見ていきましょう。

集中力

ゲームテスターは長時間ゲームをプレイし続けることになります。また、仕事として様々な改善点をチェックしていく必要があります。そのため、ゲームテスターには高い集中力が求められます。

忍耐力

ゲームテスターは長時間同じゲームを操作をするため、忍耐力も欠かせません。また、自分好みのゲームができるとは限りません。それでも長時間コツコツと作業を続ける忍耐力が必要です。

観察力

ゲーム内の細かな動作や設計などのバグを見つけることが主な仕事になるため、観察力も重要なスキルになります。

情報管理力

ゲームテスターはまだ世に出ていないゲームの情報や、リリース後はユーザーの個人情報に触れる機会も多い職業です。情報漏洩しないためのモラル、行動、基本的なIT知識を持ち合わせた情報管理力が必要になります。

たとえば、自分の個人用パソコンにゲームデータを保管し、そのまま外部のクラウドサービスなどにアクセスして、情報を漏洩してしまうようなケースが考えられます。こういったトラブルを起こすと企業にとってダメージが大きいので、ゲームテスターは他のIT職種同様に責任感が大切です。

プログラミングスキル

ゲームテスターとゲームプログラマーを兼ねている場合は、当然プログラミングスキルが必要になります。しかし、ゲームテスターの仕事だけをしている場合もプログラミングスキルがあるとより良いです。

自分でプログラミングができなくても、ソースコードを読めればより良いテストになります。たとえば、ステップ実行しながらソースコードのどこに問題があるのかを特定するようなことも可能でしょう。

さらに、ゲームテスターからゲームプログラマー、ゲームエンジニアにステップアップしたい人はゲームテスターをしながら積極的にプログラミングを学ぶことをおすすめします。

正社員のゲームテスターへの転職に役立つ資格

ゲームテスターに必須の資格はありません。しかし、ゲームテスターを目指す際に役立つ資格は複数あります。これらの資格を保有していることで、スキルアップや評価につながります。以下では代表的な2つをご紹介します。

IT検証技術者認定試験(IVEC)

IT検証技術者認定試験(IVEC)は、その名の通り「IT」関連の業務などを検証する技術員の育成や技術向上、検証スキルの明確化を目的とした認定試験です。高いレベルに上がるほど、ゲームテスターだけでなく、IT業界全般のテスターとして仕事を受注することができるだけの資格を証明できるようになります。

JSTQB認定テスト技術者資格

JSTQB認定テスト技術者資格は、社会インフラで扱われるソフトウェアテストの技術や経験を証明するための資格です。こちらも様々な業界で扱われるソフトウェアのテスター資格として、活用することができます。

ゲームテスターの将来性

ゲームテスターの将来性は、ゲーム業界の将来性とも深くつながりがあります。ゲームに需要があれば、品質維持や向上のために、ゲームテスターの需要は継続します。

近年のゲーム開発は、開発工程の肥大化やスケジュールのタイトさから、品質を担保することが難しくなっています。例えば、クロスプラットフォーム・マルチプラットフォーム対応のタイトルであれば、OSや機種ごとにチェックしなければならない項目が増えるため、テスト工程が増えます。また、ゲーム自体も複雑で長大なシナリオや手の込んだ表現が一般化しており、チェックすべき項目の数は増加傾向にあります。

さらに、ゲーム業界ではゲームテスターから開発職へステップアップが一般化しているため、比較的将来性のある職種です。

ゲームテスターの需要状況

ゲーム業界の需要が高まっているので、ゲームテスターの需要も高まっています。ゲームの需要に関しては、コンシューマーゲームもPCやスマホのゲームも需要が増加し、実際リリース数も増えています。

一時的にコンシューマーゲームの数は減っていましたが、現状は増加しています。コロナ禍の影響もあり、おうち時間が長くなることでゲームへの需要が高まったといえます。

安定したゲームをリリースするためにはゲームテスターの存在は不可欠ですので、ゲームテスターは需要があります。

ゲームテスターの将来性へ不安の声

ゲームテスターへの需要は確実に続くのですが、ゲームテスターが自動化、AI化される可能性はあります。つまり、AIなどのツールのゲームテスターに需要が移行してしまい、人間のゲームテスターの需要は減る可能性があるということです。

特に、単純作業のみを行うゲームテスターだと仕事がなくなっていく可能性は高いでしょう。そうならないためには、ゲームテスター以外の職種にも視野を広げることや、ゲームテスターとしての高いスキルを身につけることが重要です。

単純作業では網羅できないテストケースを作れる、テストのためのAIを使いこなすことができる、といったスキルがあれば時代が移り変わっても淘汰されにくいはずです。

ゲームテスターの年収

ゲームテスターの年収は、雇用形態によって大きく変化します。「アルバイト採用」の場合は、時給900~1400円程度が主流です。これに対し、正社員採用の場合は、年収300~450万円程度がボリュームゾーンになっています。以下は、実際の求人例です。

正社員採用の求人例

【想定年収】300~400万円
【業務内容】ゲームにバグがないかプレイして確認する、エンジニアの補佐として議事録を作成する仕事など。
【求められるスキル・経験】学歴、経験不問 、パソコンを利用した業務経験がある方

【想定年収】276~300万円
【業務内容】ゲーム・アプリ・システムなどのプログラム動作確認・ システムの動作・インフラの動作に不具合が無いかテスト・不具合の報告。
【求められるスキル・経験】学歴・職歴不問

アルバイト採用の求人例

【時給】824円〜
【業務内容】未発売のゲームの仕様書に沿ってプレイして不具合をチェック
【求められるスキル・経験】ゲームが好きな方、ゲームテスターの経験不問

両者の違いは「キャリアアップを前提としているか」という点にあります。正社員採用の場合は、ゲーム開発者(プログラマー)へのステップアップを前提とした採用であることも多いため、プログラミングスキルの習得を視野に入れてスキルアップを目指すと良いでしょう。

ゲームテスターのやりがいとは

ゲームテスターは将来性があり、非常に魅力的な職業です。しかし、単純作業も多く、ネガティブなイメージもあるかもしれません。では、どのようなやりがいがあるのでしょうか。

専門知識が身につく

開発エンジニアとの連携を取る機会も多く、広い範囲での仕事を把握することや、専門スキルが認められることによって、開発事業に参加できる機会にも恵まれる可能性があります。

新作ゲーム開発に携われる

ゲーム好きな人にとっては、世に出ていない新作ゲームを誰よりも先にプレイする、もしくは開発に携われるという点は、ゲームテスターの魅力のひとつでもあるでしょう。ゲーム開発に携わることで、エンドロールに自分の名前が登場することになれば、高い満足感も得られます。

ゲームテスターのキャリアパス

ゲームテスター自体も将来性のある職業ですが、自動化される可能性が高いということでした。自動化の波にのまれて仕事を失わないためには、ゲームテスターからのキャリアパスを視野に入れることが重要です。では具体的にどのようなキャリアパスがあるのでしょう。

ゲームプログラマー

ゲームテスターからゲームプログラマーを目指すパターンは王道でしょう。最下流工程であるテストの工程から、一つ上の工程のプログラミング工程にステップアップする流れです。ゲームテスターとしてゲームプログラムにある程度触れているので、ゲームプラグラマーとしても経験が役立ちます。

ただし、単にゲームを動かすテストをしているだけだと肝心のプログラミングスキルが身についていない可能性があります。ゲームプログラマーになりたい場合はプログラミングスキルが必須なので、ゲームテスターのうちから現場でソースコードを理解するように心がけることや、独自にプログラミングの勉強を進めることが重要です。

関連記事:未経験からゲームプログラマー・ゲームエンジニアになる!業界別転職ノウハウ解説

テストエンジニア

テストエンジニアはゲームテスターと似ていますが、テストエンジニアの方がテスト工程内では上流工程を担当することになります。具体的には、テストエンジニアがテスト方針やテスト項目を決定し、テストエンジニアが作成した内容に従ってゲームテスターがテストを進めていく流れです。

ただし、テストエンジニアとゲームテスターの関係はプロジェクトによって異なり、そもそも両方が配置されているとは限りません。ゲームテスターがテストケースを作成する場合もあります。ゲームテスターとして働いている中でも、よりテスト全体に視野を広げていくことが重要です。

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QAエンジニア

QAエンジニアは、完成物の品質を保証するエンジニアです。ゲームテスターやテストエンジニアはテストの工程を担うエンジニアですが、QAエンジニアはテスト後、最終的に品質をチェックすることになります。

しかし、QAエンジニアの作業は下流工程というわけではありません。すべての工程が完了した後に最終チェックをする立場なので、QAエンジニアは高いスキルが求められる傾向があります。ゲームテスターとしてテストスキルを高めるほかに、プログラミングなどのスキルも求められる場合が多いでしょう。

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まとめ

ゲームテスターという職業は、まだ世に出る前の開発過程に参加し、使用や動作の不具合などをチェックすることが主な役割となる職業です。他業種からの未経験者なども採用範囲内になっている企業も多く、それでいて将来は開発エンジニア候補としても取り組めるだけの将来性も持っている魅力的な職業になります。

将来性が高い分、必要とするスキルを身につけておく必要もありますが、非常にやりがいを感じることのできる仕事を得ることができるでしょう。

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