フロントエンドエンジニアがつらいといわれる8つの理由とは?目指すメリットや適性も解説

最終更新日:2024年1月17日

近年、スマホでのSNS利用や買い物の決済が一般的となり、さまざまなWebサイトが開発・活用されています。Webサイトを開発するIT人材のニーズが高まるなか、ユーザーが直接目にする部分を開発するフロントエンドエンジニアへの転職を検討している方もいるのではないでしょうか。フロントエンドエンジニアの仕事には、最新の技術に触れられる魅力があります。その一方で、業務の煩雑さなどから、「フロントエンドエンジニアはつらい」といわれることも少なくありません。

当記事では、フロントエンドエンジニアがつらいといわれる理由について解説していきます。また、フロントエンドエンジニアの仕事内容や将来性・必要なスキル・転職のポイントなども紹介しますので、フロントエンドエンジニアへの転職を目指している方はぜひ参考にしてください。

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この記事のまとめ

  • スマホの普及やデジタル化の波により、Web業界は活況でフロントエンドエンジニアのニーズは高く転職もしやすい環境にある
  • ただし、職種の特性上Webデザイナーやバックエンドエンジニア職種との連携があり、仕事が予定通り進まないことも多く、仕事がつらいと感じることも
  • フロントエンドエンジニアは需要の高い将来性のある職種でもあり、連携職種も多いことからキャリアアップ先も複数想定され、有望な職種といえる

フロントエンドエンジニアとは

フロントエンドエンジニアの概要や仕事内容、バックエンドエンジニアとの違いについて解説します。「フロントエンド」とは、Webブラウザ側でエンドユーザーが触れる部分を指します。そのフロントエンドの開発を担う技術者がフロントエンドエンジニアです。

フロントエンドエンジニアの仕事内容

フロントエンドエンジニアの主な仕事内容は、Webデザイナーが設計した内容をもとにHTML、CSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を使用して、ブラウザへの表示機能を実装することです。また、デザインやUI/UX設計に関わる場合もあります。

バックエンドエンジニアとの違い

バックエンドエンジニアは、ユーザーからは見えていないサーバー側の開発に携わるエンジニアです。Web開発ではフロントエンドエンジニアもバックエンドエンジニアも欠かせない存在であり、両者がうまく連携してWebシステムやWebサイト、Webアプリケーションなどを開発します。

関連記事:フロントエンドエンジニアの仕事内容とは?スキルや年収、やりがいも解説

フロントエンドエンジニアがつらいといわれる8つの理由

フロントエンドエンジニアがつらいといわれる理由として、以下が挙げられます。

  • 1.他業務の影響を受けやすい

    2.最新技術の入れ替わりが早く常に習得が必要

    3.コーディングする作業が面倒

    4.納期に追われやすい

    5.Webデザイナーの業務まで担当することがある

    6.覚えなければならないことが多い

    7.バックエンドエンジニアに比べて軽視されることがある

    8.職場によっては残業が多い

人によっては他の理由でつらいと感じる場合もあるはずですが、よくある理由としては上記です。

1.他業務の影響を受けやすい

フロントエンドエンジニアは、Web開発でフロント側の開発を担当しますが、他業務の影響を受けることが多くあります。デザインやUI、バックエンド開発のスケジュールが変わり、フロントエンドの開発内容が変更になることも少なくありません。他の工程の影響を受けて振り回されることは、つらいと感じる一因となるでしょう。

2.最新技術の入れ替わりが早く常に習得が必要

Web関連の技術は、入れ替わりが早いことが特徴です。例えば、JavaScriptは進化が早い言語であり、常に最新のスキルを身につけておく必要があります。日々の業務に加えて、最新技術も習得し続けないといけないため、つらいと感じるケースもあるでしょう。また、技術の入れ替わりが早いと、最新版へ更新するためのメンテナンスが必要となり、作業負担が大きくなるおそれもあります。

3.コーディングする作業が面倒

フロントエンドエンジニアは、通常HTML/CSSを使ってデザインや機能面の実装を行います。HTML/CSSは比較的簡単といわれますが、コーディング量が多くなりやすく、デザインや機能面を実装する作業が煩雑になるケースがあります。

4.納期に追われやすい

フロントエンドの開発はデザインやUI、バックエンド側の影響を受け、変更されるケースがあります。バックエンド側の設計変更の完了を待って、納期直前にフロントエンド側の追加作業を行わなければならないこともあるでしょう。当初の計画にはなかった設計変更があると、作業に終われ、残業が発生しやすくなります

5.Webデザイナーの業務まで担当することがある

フロントエンドエンジニアの業務はユーザーの目に触れる部分の開発であり、Webデザイナーの仕事に近いといえます。そのため、企業や現場によっては、Webデザイナーの仕事も兼務する場合があります。予想外に業務範囲が広がることで、つらいと感じてしまうかもしれません。

関連記事:フロントエンドエンジニアはなぜつらい?きついことや大変なこととは?

6.覚えなければならないことが多い

フロントエンドエンジニアはプログラミングや開発ツール、派生するデータベースやバックエンド側の知識も必要です。勉強して覚えなければならないことが多いため、つらいと感じる人もいるでしょう。また知識として覚えれば良いだけでなく、手を動かして生きた知識にしていく必要もあります。

7.バックエンドエンジニアに比べて軽視されることがある

システムのメイン機能はバックエンド側にあります。フロントエンドも処理を実装しますが、表面的なデザインや簡易的な機能が中心です。システムのメインを担っているバックエンドエンジニアに比べて軽視されることがあるでしょう。軽視とまではいかなくても、バックエンドエンジニアの方が平均的に年収が高く、評価されやすい場合は多いはずです。

8.職場によっては残業が多い

フロントエンドエンジニアに限らずエンジニア全般に言えることですが、納期に遅れている場合などは特に残業が多くなりやすいです。このような状況にならないよう納期に配慮している職場もありますが、残業する前提で納期を設定している職場もあります。

フロントエンドエンジニアに転職するメリット

フロントエンドエンジニアに転職することで、以下のようなメリットを得られます。

  • ・最新の技術やツールに触れる機会が多い

    ・ユーザーからのリアクションが届きやすくやりがいを感じられる

    ・キャリアアップしやすい

    ・必要な技術が初めてでも学習しやすい

    ・スキル次第で独立ができる

    ・需要が高く将来性がある

    ・平均年収が高い傾向がある

最新の技術やツールに触れる機会が多い

フロントエンドエンジニアは最新の技術やツールに触れる機会が多くあるため、モチベーションが向上しやすく、自身のスキルアップにつながります。業界の最新トレンドを第一線で体感でき、常に新しい技術を仕事に取り入れられるでしょう。

ユーザーからのリアクションが届きやすくやりがいを感じられる

フロントエンドエンジニアが開発する機能の多くは、ユーザーが直接利用する部分です。ユーザーや顧客など、利用者の声がダイレクトに届くためやりがいにつながります。

キャリアアップしやすい

フロントエンドエンジニアはさまざまな業務と連携するため、他職種の知識が自然と身につきます。バックエンドエンジニアはもちろん、Webデザイナーやフロントエンドエンジニアのスペシャリスト、プロジェクトマネージャーなど、幅広い職種にキャリアアップしやすいといえるでしょう。
まずは、フロントエンドエンジニアとして業務経験を積み、さまざまなキャリアを経験すれば、収入アップも期待できます

必要な技術が初めてでも学習しやすい

フロントエンドエンジニアには、HTML/CSS、JavaScriptなどのスキルが必要です。これらの言語は、初心者でも比較的習得しやすいといわれています。

スキル次第で独立ができる

Webサイトの開発は需要が高いため、フロントエンドエンジニアとして技術を磨き、価値が高まれば、独立してフリーランスのエンジニアになることも可能です。フリーランスエンジニアになると、収入がかなり増える可能性もあります。また、仕事を選びやすくなることや、時間と場所の制約がなくなることもメリットです。

関連記事:フロントエンドエンジニアのキャリアパス例は?身に着けるべきスキルや将来性も紹介

需要が高く将来性がある

フロントエンドエンジニアはWeb制作に欠かせない存在です。厳密に言えばバックエンドエンジニアがフロントエンドも開発したりフルスタックエンジニアと呼ばれる幅広いポジションを担当できるエンジニアがフロントエンドを担当する場合もあるのですが、少なくともフロントエンドのスキル自体は需要があります。そのため、フロントエンドエンジニアも将来性があると言えるでしょう。

ただし、上記のように他のエンジニアに代替される可能性もあるのでフロントエンド以外のスキルも積極的に身に付けた方がより良いです。

平均年収が高い傾向がある

フロントエンドエンジニアの平均年収は、レバテックキャリアの求人では700万円程度と推測されます。他の求人でも、平均して550万円程度以上はあると考えられます。またスキルアップすれば平均年収よりも大幅に稼ぐことも可能な職種です。

フロントエンドエンジニアの将来性

SNSの利用拡大やスマホ決済の広がりに伴い、Webサイトの高機能化が進んでいます。HTMLとCSSに加えて、JavaScriptによる動的な機能や、サーバープログラムと複雑に連携したWebサイトも多く登場しています。また、ブラウザが多様化し、HTMLやCSS自体も進化しています。

Webサイトの需要が増加するなか、フロントエンドエンジニアの需要も今後ますます増えていくでしょう。現時点では、仕事も多くフロントエンドエンジニアの将来は明るいといえます。

関連記事:フロントエンドエンジニアの将来性と求められるスキル・資格を解説

フロントエンドエンジニアの適性やスキル

フロントエンドエンジニアには、いち早く新しい技術を取り入れることが求められます。そのため、現在のスキルを維持するだけではなく、常に新しい情報をキャッチアップし、スキルアップを図れる人が向いているでしょう。

また、前述のとおりフロントエンドエンジニアは、バックエンドエンジニアをはじめとしたさまざまなメンバーと連携して開発を進める必要があり、業務間のコミュニケーションが求められます。技術的なスキルに加えて、業務をスムーズに遂行するコミュニケーション能力も必要です。

関連記事:フロントエンドエンジニアに必要なスキル|勉強法も一挙紹介

未経験からフロントエンドエンジニアになるための方法

未経験からフロントエンドエンジニアになるための方法を解説します。前述のとおり、Webサイトの開発は需要が高いため、未経験者でもフロントエンドエンジニアに採用される場合があります。学習の実績を示し、学びたいという意欲が評価されれば、未経験でも採用される可能性は十分にあるでしょう。ただし、未経験の場合は簡易なプログラムやデバッグなどの単純な仕事から入り、徐々にステップアップしていくケースが多いです。

独学でスキルを習得する

書籍やオンラインサイトを使った独学は、気軽に勉強を始められる点がメリットです。無償のオンラインサイトを活用すれば、コストも抑えられます。ただし、独学には忍耐が必要で、慣れていないと挫折するおそれがあるため注意しましょう。

プログラミングスクールで体系的にスキルを習得する

コストはかかりますが、プログラミングスクールを利用すれば確実に短期間でスキルが身につきます。提供されたカリキュラムに沿って、現役エンジニアなどのプロの講師から教えてもらえるため、学習をスムーズに進められるでしょう。

実際にサイトを作成してみる

ある程度のスキルを習得できたら、実際に簡易なWebサイトを作成してみましょう。実践的なスキルが身につくほか、作成したサイトをポートフォリオとして利用でき、転職活動のアピール材料になります

未経験可の募集を探す

スキルに自信がない場合は、未経験可の求人に応募することも選択肢のひとつです。実際に、「業界未経験歓迎」となっているフロントエンドエンジニアの求人も多くあります。より多くのエンジニアを確保するために研修制度を設け、フロントエンド開発の未経験者を積極的に採用している企業も存在します。

資格を取得する

資格取得に挑戦することで、フロントエンドエンジニアに必要なスキルを体系的に学べます。転職時にはスキルを証明できるほか、仕事に対するやる気もアピールできるでしょう。次章では、フロントエンドエンジニアに関する代表的な資格を紹介します。

関連記事:未経験からフロントエンドエンジニアになるには?志望動機の書き方も解説

フロントエンドエンジニアの仕事に役立つ資格

フロントエンドエンジニアに必須の資格はありませんが、取得しておくと転職活動や実際の業務で役立つ資格はあります。エンジニアの技術は移り変わりが早いため、常に新しい知識や技術を学びスキルアップできるよう、資格取得を目指すのもよいでしょう。

HTML5プロフェッショナル認定試験

HTML5プロフェッショナル認定試験は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが運営する認定試験です。HTML5、CSS3、JavaScriptなど、最新のマークアップに関する技術力と知識を証明します。
レベル1と2があり、それぞれ以下の内容が問われます。

  • レベル1:マルチデバイスに対応したWebコンテンツ制作の基礎の実力。

    レベル2:システム間連携や最新のマルチメディア技術に対応したWebアプリケーションや動的Webコンテンツの開発・設計の能力。

Webクリエイター能力認定試験

Webクリエイター能力認定試験は、株式会社サーティファイのサーティファイWeb利用・技術認定委員会が運用する認定試験です。WWWで利用される技術の世界的な標準化を図るW3Cに準拠した、セマンテックなマークアップスキルを測定・認定します。

スタンダードとエキスパートがあり、それぞれ以下の内容が問われます。

スタンダード

セマンテックWebを理解し、HTML5をマークアップすることができる。また、CSSを用いてHTMLの構造を維持しつつ、Webページのデザインやレイアウトを表現できる。

エキスパート

レイアウト手法や色彩設計など、ユーザビリティやアクセシビリティを考慮したWebデザインを表現できる。また、スクリプトを用いた動きのあるWebページの表示、マルチデバイス対応、新規サイトを構築できる。

関連記事:フロントエンドエンジニア向けおすすめ資格12選!難易度順でご紹介

フロントエンドエンジニアに関するよくある質問

フロントエンドエンジニアに関するよくある質問と回答を紹介します。フロントエンドエンジニアを目指すべきか迷っている人や、求められていることを把握して適切な努力をしたい人は先人の疑問と答えをあらかじめ把握しておくと判断や行動しやすいです。

Q1.フロントエンドエンジニアに向いている人はどんな人ですか?

フロントエンドエンジニアに向いている人は、スキルアップのための努力を継続できる人、ユーザー目線で作れる人、業務効率化ができる人、柔軟な対応ができる人などです。フロントエンドはユーザーの目に直接触れる部分なので、そこにやりがいを感じられる人には合っているでしょう。

Q2.フロントエンドエンジニアに求められることは何ですか?

フロントエンドエンジニアに求められることは、HTML、CSS、JavaScriptなどの言語スキルです。他にも派生する知識やユーザーの利便性を考えることも重要ですが、まずはメインで使用する言語スキルは必須になります。

Q3.フロントエンドとバックエンドの違いは何ですか?

フロントエンドはユーザーの目に触れる画面側、バックエンドはサーバーの内部の処理です。そのため、開発の担当領域が違います。また担当が異なる結果、求められるスキルや平均年収も変わってきます。

まとめ

フロントエンドエンジニアはつらいと言われることがありますが、実際つらい面もあるでしょう。エンジニア全般につらい部分はあるはずですが、フロントエンドならではの悩みなどもあるかもしれません。ただしフロントエンドのスキルは今後も需要があり、スキル次第で収入も上がりやすいです。

重要なこととしては、フロントエンドのスキルだけではなく、バックエンドや他のスキルも身に付けていくことです。フロントエンドだけだとスキル的に軽視されることがあるのも事実で、またバックエンドに比べるとAIやツールで自動化されやすいこともあります。

そのため、フロントエンドエンジニアというよりは、フロントエンドも含めて全般的に対応できるエンジニアを目指すのがおすすめです。

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