ゲームプログラマーの仕事はきつい?その理由や転職に役立つ年収事情も解説

最終更新日:2023年5月8日

ゲームが好きで、ゲームを作る仕事に携わりたいという思いから、ゲームプログラマーを目指す人もいるでしょう。しかし、「ゲームプログラマーはきつい」という声もあります。ゲームプログラマーは、単にプログラミングをするだけではなく、納期に追われたり、多職種と関わったりするため、きついと感じる人がいるのも事実です。
本記事では、ゲームプログラマーの仕事がきついといわれる理由について詳しく解説していきます。また、ゲームプログラマーの年収や必要なスキル、転職方法についてもまとめましたので、ゲームプログラマーへの転職を検討している人はぜひ参考にしてください。

この記事のまとめ

  • ゲームプログラマーは企画書や設計書に基づいてプログラミングを行い、キャラクターの動きや効果音、ゲームシステムの構築などを行う
  • 納期に追われ残業が続いたり、トラブル対応が頻発したりと、きつい一面もある
  • 一方で他で、完成した際の達成感や豊富なキャリアパスなどの魅力もある
  • 未経験から挑戦する場合はスクールなどで知識とスキルを身に着け転職エージェントを活用するのがオススメ

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ゲームプログラマーとは

ゲームプログラマーとは、企画書や設計書に基づいてプログラミングを行い、ゲームを開発する職種です。担当する領域によって、以下のような職種に分けられます。


  • ・サーバーサイドエンジニア

    ・フロントエンドエンジニア


ゲームプログラマーの開発対象となるゲームは多種多様です。コンシューマーゲームだけではなく、オンラインゲームやスマホゲームの開発も手がけます。最近では、スマートフォンの普及により、コンシューマーゲームよりもスマホゲームエンジニアの需要が高まっています。

関連記事:ゲームプログラマーとは - 仕事内容をわかりやすく紹介します

ゲームプログラマーの種類

ゲームプログラマーの種類について解説します。

サーバーサイドエンジニア

サーバーサイドエンジニアは、ユーザーの画面では見えない部分のデータ処理を記述するプログラマーです。データベースやシステムの構築、アップグレードに伴う既存システムの変更を行います。ゲームをリリースする前に、ユーザー視点でゲーム操作に対応した処理の構築や負荷テストを行うこともサーバーサイドエンジニアの役割です。また、リリース後には、サーバーが安定稼働するよう保守も担当します。

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアは、ユーザーが目に見える部分の構築を担当します。操作ボタンやマップ、アイコン、メッセージなどのユーザーインターフェースの実装がメインの業務です。フロントエンドエンジニアの技能によって、ユーザーの使用感が左右されるため、ゲームの評価に大きく関わる重要な役割を持ちます。

ゲームプログラマーが取り扱うゲームの種類

ゲームプログラマーが開発対象とするゲームの種類について解説します。

オンラインゲーム

オンラインゲームとは、インターネット回線を利用し、複数人が同時に参加するゲームのことです。大規模なものは言語やゲームエンジンから開発されますが、小規模なものはWeb開発に使用される言語で開発されるため、サイト上でゲーム開発が完結します。サーバーにゲームのデータを保存したり、ユーザーの入力に対してデータを返したりなど、さまざまなやりとりが発生するため、データベースに関する知識も求められます。

スマホゲーム

スマホゲームは、スマートフォンでプレイするために開発されたゲームです。ここ数年で、個人におけるスマートフォンの保有率が右肩上がりとなっており、スマホゲームの需要も高まりつつあります。
総務省が毎年実施している通信利用動向調査によると、情報通信機器の世帯保有率は、携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末では9割を超えました。なかでもスマートフォンの普及が進んでおり、8割以上の世帯が保有しています。

コンシューマーゲーム

コンシューマーゲームは「Nintendo Switch」や「PlayStation」などの家庭用ゲーム機器でプレイできるゲームです。プレイするためには、専用のゲーム機が必要です。ゲーム機自体の性能が高く、ストーリーを長く作り込むことが多いため、クオリティの高いゲームを開発できる特徴があります。

ゲームプログラマーの業務内容

ゲームプログラマーの主な業務内容について解説します。

プログラミング

クライアントや上長からの仕様書や指示を踏まえて、プログラミング言語を用いてゲームを構築します。メニュー画面を実装したり、シナリオに沿った動作を構築したりするほか、操作ボタンやサウンドの設定など、プログラミングの対象は多岐にわたります。ゲームのシーンが意図したとおりに動作するよう、C++やC言語を用いてプログラミングを行います。

1つのゲームを完成させるために、さまざまなゲームクリエイターがチームとなって動きます。なかでも、ゲームを動作させるというゲーム構築の基盤となる重要な役割を担うのがゲームプログラマーです。
ゲームプログラマーの業務を通じて、自分が手がけたゲームが多くの人に支持されるというやりがいを感じられるでしょう。

デバッグ

プログラミングでゲームを構築したあとは、デバッグを行います。構築されたゲームが想定どおりに動作するかどうかをテストします。プログラムの誤りやバグがある場合は修正していきます。ただし、チームには専門のデバッガーがいることも多いため、ゲームプログラマーがデバッグをすべて行うとは限りません。

運用

ゲームをリリースあともバグの修正やトラブル対応を行い、ゲームが正しく動作しているかをチェックします。実際にゲームをプレイしてみると、動作が不自然だったり、操作のしづらさを感じたりすることも少なくありません。ゲームをプレイするユーザーの目線に立って機能改善を行うことも、ゲームプログラマーの重要な業務です。

特に、ソーシャルゲームではイベントが頻繁にあるため、不具合の修正も多くなるでしょう。また、マップの追加や新機能の実装など、ゲームが稼働している限り、ゲームプログラマーにはさまざまな対応が求められます。
機能改善と新機能の開発は、ユーザーからの満足度や評価に直結する部分であるため、決しておろそかにはできない業務です。

ゲームプログラマーがきついといわれる8つの理由

ゲームプログラマーがきついといわれる8つの理由について解説します。

関連記事:ゲームプログラマーになるには?仕事内容や求められるスキルとは

1.トラブル対応が必要

ゲーム開発中はもちろん、リリース直前やリリース直後に、急なトラブルが発生するおそれがあります。ユーザーの課金に関連する致命的な箇所で不具合が発生してしまうと、ユーザーやクライアントからの信頼を失いかねません。

そのため、ゲームプログラマーは早急に対応する必要があります。また、開発中にクライアントから仕様変更を依頼された場合は、納期直前でも対応しなければなりません。

特に、オンラインゲームやスマホゲームは、リリース後の修正やメンテナンスが不可欠です。ゲーム品質を保ちながら、ユーザーが快適にプレイできる環境を整える必要があり、ゲームプログラマーの負担が大きくなる傾向があります。

2.納期に追われる

ゲーム開発では、納期直前のスケジュール調整が難しいため、激務になるケースが多く見られます。開発前には作業計画を立てますが、デバッグに時間を取られて計画どおりに進まなかったり、突然の仕様変更があったりすることも少なくありません。案件によっては、そもそも納期が極端に短いものもあります。

また、ゲーム開発には多くの費用がかかるため、投入される人員は基本的に必要最低限です。納期に対して常にギリギリの人員、時間でクリアできるように日程が組まれています。

3.残業が多い

ゲームプログラマーに限らず、ゲーム開発やシステム開発の業務では、納期が迫っている、既存システムのバグが多いといった理由で残業が多くなります。
特にリリース前や納期前には、残業や休日出勤が続くことが多いでしょう。また、ゲームがリリースされたあとも、ユーザーからの指摘を素早く吸い上げて改善するために、残業が増えることがあります。このように、ゲームプログラマーの仕事は、繁忙期と閑散期で業務量に大きく差がある点が特徴です。

4.ユーザーから厳しい意見をぶつけられることがある

致命的な不具合が発見された場合や、メンテナンス時間が予定どおりに終了しなかったり、できなかったりした場合、ユーザーからのクレームを受けることがあります。ゲームのストーリーなど、プログラマーが直接関与していない部分についても厳しい意見をぶつけられるケースがあり、精神的にきついと感じる人もいるでしょう。

5.コミュニケーション能力が必要

プログラマーはパソコンに向かって黙々と作業をするイメージがありますが、実際にはただプログラミングをするだけではありません。特に、ゲーム開発はチームで行うため、実装可能な仕様かどうかをゲームプランナーと打ち合わせしたり、人前に立ってプレゼンテーションを実施したりするなど、人と関わる場面が多くあります。人とのコミュニケーションが苦手な人は、ストレスを抱えやすくなり、きついと感じる場合があるでしょう。

6.新しいスキルと知識を習得する必要がある

ゲーム業界を含めたIT業界は、次々と新しい技術が生まれる変化の激しい業界です。今年のトレンド技術が、来年には時代遅れになることも珍しくありません。そのため、プログラマーは常に最新の技術に関する情報収集を行い、いつでも使えるようにスキルや知識をアップデートしていく必要があります。

しかし、前述したように、ゲームプログラマーは納期に追われることも少なくありません。多忙な状況のなかで新しい技術を習得するための時間を捻出しなければならないことも、きついといわれる理由の一つです。

7.多職種とのコミュニケーションが大変

ゲームプログラマーの業務は大半がプログラミングですが、ディレクターやシナリオライター、グラフィックデザイナーなど異なる職種のメンバーとのやりとりも多くあります。プログラミングへの理解度は、職種やメンバーによってさまざまです。ゲームプログラマーは、プログラミングを知らない他職種の人にもわかりやすく伝える必要があるため、負担を感じてしまうこともあるでしょう。

また、チームの相性によっては、対人関係がストレスとなり、きついと感じる人もいます。

8.リリース後も修正対応が続く

特にオンラインゲームでは、頻繁にアップデートを実施しなければ、すぐにユーザーから飽きられてしまうため、リリース後の修正対応が多く発生します。定期的なメンテナンスや追加コンテンツの実装が必要となるほか、ユーザーに開始と終了の予定時刻が告知されており、必ず時間内に対応しなければなりません。リリースしたあとも仕様変更により多くの業務が必要となることで、きついと感じる人もいるようです。

ゲームプログラマーのメリット

きついといわれることがあるゲームプログラマーですが、メリットも多く得られます。ここでは、ゲームプログラマーになるメリットややりがいについて解説します。

作り上げる達成感がある

ゲームプログラマーとして働く最大のメリットは、達成感を得られることです。1つのゲームを作り上げるためには、膨大な時間と作業量が必要です。納期に追われるプレッシャーを抱えながら、いくつもの壁を乗り越えてゲームが完成したときは、他の仕事では得られない大きな達成感と感動があります。また、自分が携わったゲームが店頭やネット上に並んでいる様子や、実際にゲームをプレイして楽しんでいる人を見たときは、格別の喜びを感じられます。

ユーザーからの評価が見えやすい

ゲームを作って販売することは、世間からの評価を問うことでもあります。ゲームプログラマーは、レビューサイトやアクティブユーザーなどのデータ数値から、自分の作ったゲームがどのような評価を受けているのかを確認できます。「ユーザーがゲームを購入するためにお店に並んでいる」「スマホゲームを楽しんでいる」といった、ユーザーからの高い評価を得られれば、次のゲーム開発へのモチベーションアップにもつながります。

キャリアパスが豊富

ゲームプログラマーはさまざまな言語を扱うため、サーバーエンジニア、フロントエンジニア、Webプログラマーなどの他職種に必要なスキルが自然と身につきます。もちろんゲームプログラマーとして活躍し続けるキャリアもありますが、多くの選択肢があることもメリットです。
キャリアパスの例として、以下が挙げられます。


  • ・メインプログラマーを目指す

    ・企画職を目指す

    ・フリーランスとして独立する


それぞれ解説します。

メインプログラマーを目指す

プログラミングが好きで、将来的にもプログラマーを続けたい人は、メインプログラマーを目指しましょう。
プログラミングの技術やスキルを高めていくことで、メインプログラマーとしてゲーム開発や企画に関わる機会も増えていくでしょう。
業務としてプログラミング技術に触れることはもちろん、ゲーム業界の最新技術を勉強したり、新たな言語を習得したりするなど、業務以外でプログラミングに触れることも重要です。

企画職を目指す

ゲームの企画職には、以下があります。

  • ・ゲームプランナー

    ・ゲームディレクター

    ・ゲームプロデューサー


いずれは企画職としてゲーム開発に携わりたい人もいるでしょう。その場合は、プログラミング業務で成果を出しながらも、企画の勉強をする必要があります。ゲームプログラマーは、多くの職種と関わり、企画の打ち合わせに同席することもあります。
そのため、企画に必要な知識やノウハウを吸収できる機会も多いはずです。また、ゲームプログラマーとしての経験は、企画職としてゲーム開発に携わる際に役立ちます。ゲームプログラマーの目線で、実現可能な仕様かどうかの判断ができれば、企画をスムーズに進められるでしょう。

フリーランスとして独立する

ゲームプログラマーからフリーランスとして独立する人もいます。
フリーランスになったあとは、ゲームプログラマーとしてではなく、企画職も並行して仕事を請け負う人もいます。
現在の会社でキャリアプランを実現できない場合は、独立してキャリアを形成していくことも視野に入れておきましょう。

ゲームプログラマーの年収

ゲームプログラマーの年収は、働いている企業や扱うゲームの種類、役割、スキルによって幅があります。基本的には、経験年数や実績などが評価されるため、学歴や年齢に関係なく高い報酬を得られます。
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」では、2021年のプログラマーの平均年収は523万円、ハローワーク求人統計データの月給は32.1万円となっています。

国税庁が公表した令和3年の「民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は443万円であるため、プログラマーの年収は平均よりもやや高いことがわかります。

レバテックフリーランスに掲載されているゲームプログラマーの求人によると、フリーランスゲームプログラマーの平均単価報酬は、78万円で、年収にすると936万円です。(2023年3月時点の上位10件の平均単価)
平均年収は500万~800万円と幅がありますが、経験やスキルがあれば、会社員よりも稼げる可能性があるでしょう。

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ゲームプログラマーに必要なスキル

ゲームプログラマーに必要なスキルについて解説します。

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ゲームプログラマーになるには?仕事内容や求められるスキルとは

プログラミングスキル

ゲームプログラマーには、プログラミングスキルが必須です。プラットフォームやゲームメーカーによって使用する言語は異なりますが、少なくとも1つのプログラミング言語は読み書きできなければいけません。ゲーム開発では、JavaやC#、C++などが多く用いられているため、これらのスキルを習得しておくと、ゲームエンジンを使用する際にも役立ちます。

ハードウェアやネットワークに関する知識

ゲームプログラマーは、開発途中やリリース後にトラブルが発生した場合、ユーザーに不利益がないよう、スピーディーかつ適切に対応しなくてはなりません。プログラミングのスキルだけではなく、実際にプレイする機器や、通信するためのネットワークに関する知識も押さえておく必要があります。

コミュニケーションスキル

ゲーム開発はチームで行うため、さまざまな人とコミュニケーションをとる必要があります。プログラミングをスムーズに進めるために、情報の共有や効率化のための提案などを行うこともあるでしょう。また、リードプログラマーになった場合は、チームをまとめるリーダーシップスキルも必要です。

ゲームプログラマーに転職するステップ

ゲームプログラマーに転職するステップについて解説します。

関連記事:未経験からゲームプログラマー・ゲームエンジニアになる!業界別転職ノウハウも解説

独学やスクールでスキルを習得する

プログラミングを学ぶためには、独学で習得する方法や、スクールに通って習得する方法があります。プログラミングスクールでは、基本から実践までスケジュールに沿って学ぶことができ、講師に直接質問や相談できる点がメリットです。ゲームプログラマー向けのコースがあるスクールもあるため、複数のスクールを比較検討してみてください。

また、独学でもプログラミングの習得は可能です。書籍やインターネットサイト、レッスン動画など、プログラミング初心者向けの学習ツールが豊富にあるため、「学習にお金をかけたくない」「自分のペースで学びたい」という方は、チェックしてみましょう。ただし独学の場合、途中でつまずくとそのまま挫折してしまうおそれがあるため注意が必要です。学習する時間を作り、意欲を持って取り組みましょう。

転職エージェントを活用して転職活動する

プログラミングのスキルがある程度身についたら、転職活動を始めましょう。多くの企業は即戦力になる人材を求めているため、未経験者向けの求人であってもスキルをしっかりとアピールすることが重要です。ポートフォリオや簡単な成果物を用意しておくと、よい印象を与えられます。

直接求人に応募するのが不安な場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。希望や条件に合う仕事を紹介してもらえるほか、転職に関する悩み相談や、履歴書や職務経歴書の添削なども受けることができ、スムーズに転職活動を進められます。

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