ITエンジニアとは
ITエンジニアとは、情報技術(IT)を取り扱う技術者の総称です。ITの利用にあたっては、アプリケーションやデータベース、インフラ基盤など、さまざまな技術と動作のための環境が必要になります。ITエンジニアはこれらの専門とするITの領域や、担当する工程によって職種が分かれています。
ITエンジニアの職種は資格や法などで規定されているものではなく、企業の文化、慣習により名称と業務内容が定められている職業です。そのため、企業や組織によって差異が大きい職業といえます。
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ITエンジニアの役割
ITエンジニアの役割は、保有するITに関する知識やスキルを活かし、所属する組織や企業の事業に貢献することです。具体的には、ITシステム、ソフトウェア、アプリケーションやサービスといったプログラムの集合体およびITインフラを設計、構築、運用することにより役割を果たします。
各分野により必要とされるスキルや知識が異なる専門的な技術者であるため、構築する対象の種別や利用技術、工程により、ITエンジニアはさまざまな種類に分類されます。
ITエンジニア職の大分類
ITエンジニアには、業務システムやアプリなどを開発する「開発エンジニア」、Web関連のサイトやアプリを設計する「Web系エンジニア」、「インフラエンジニア」とその他エンジニアの大きく4つに分けられます。
また、この大分類を兼任する古スタックエンジニアや領域をまたぐ総合的な知識を有したアーキテクトという職種もあります。ここでは、ITエンジニア職の大分類を見ていきましょう。
開発エンジニア
開発エンジニアとは、業務システムやアプリ、Webサイトなどのプロダクトやサービスの「開発業務」に特化したエンジニアです。設計書に基づき、プログラミングを行う現場の最前線で働く技術者といえます。
開発エンジニアは開発するものによって、システム系やアプリケーション系、組み込み系などに分けられます。一般的にイメージされるプログラミングコードを記述しシステムを作るエンジニアとは、開発エンジニアです。
Web系エンジニア
Webエンジニアとは、WebサイトやWebアプリの設計、開発を行うエンジニアです。開発エンジニアはWeb系に関わらず開発全般を担うエンジニアであるのに対し、Web系エンジニアはWeb関連に特化した技術者が多いです。
Web系エンジニアの中でも2つの種類に分けることができ、「フロントエンドエンジニア」「バックエンドエンジニア」が挙げられます。フロントエンドエンジニアはユーザーが操作するUIなどの表層部分を担当し、バックエンドエンジニアはユーザーの操作を処理する見えない部分の設計と開発を行います。
インフラエンジニア
ITエンジニアの中でも、ITを動かすための基盤、環境(インフラ)を設計、構築、運用する業務を行うエンジニアをインフラエンジニアと呼びます。IT基盤にはサーバーやOS、ネットワーク、クラウド環境、データベースソフトなどのミドルウェアといった領域が存在し、専門とする領域により職種が分かれてきます。ただし、ITインフラの中でも複数の領域を扱い各職種を兼務する場合もあります。
その他エンジニア
ITエンジニアには、上記で挙げた3種類以外にもさまざまな職種が存在します。
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・社内SE
・セールスエンジニア
・ヘルプデスク
・フィールドエンジニア など
ITの知見を持ち、企業内のサポートをしたりセールスにつなげたりといった点が共通点です。その他エンジニアではプログラミング業務が少ない職種もあり、未経験者がITエンジニアを目指す際に比較的参入障壁が低いものもあります。
ITエンジニアの将来性
結論からいうとITエンジニアは求人数も求人需要も多く、今後発展が期待できるIT業界の技術者であるために、ITエンジニアの将来性は高いです。ITエンジニアは一般的に注目されている職業であり、それにともなってITエンジニアの需要は年々増加しています。
ITエンジニアの需要が高い要因には、「IT業界の人材不足」「さまざまな業界がIT技術を求めている」などが挙げられます。現在ではAI、ビッグデータ、IoTなどの知見があるITエンジニアは、企業側からも需要が高いです。
このように需要と供給のバランスが働き手であるITエンジニア側に優位なため、将来性は高いといえるでしょう。
ITエンジニアの職種別の仕事内容と役立つスキル
ITエンジニアには多様な職種があり、それぞれ必要とされるスキルが異なります。自分のキャリアパスを考える上で、各職種の仕事内容と求められるスキルを把握しておくことは重要です。
たとえば、プログラマーにはプログラミングの知識が、サーバサイドエンジニアにはサーバーの知識が求められます。本章では、代表的なITエンジニアの職種の仕事内容と役立つスキルを解説します。
プログラマーの仕事内容
プログラマーとは、システム開発におけるプログラミングを主に担当する職種です。プログラマーは、システムエンジニアが作成した仕様書に基づいて、プログラムを実装します。
実装が終わればテストを行い、バグやエラーを修正します。多くの場合には、テスト仕様書の作成や障害管理なども担当します。
プログラミングが主な仕事となるため、開発する案件に必要なプログラミング言語のスキルは必須です。開発はチーム作業であり、他メンバーと調整しながら進めていくためコミュニケーションスキルも役立つでしょう。
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システムエンジニア(SE)の仕事内容
システムエンジニアは、システムやソフトウエア開発の全工程に携わる職種です。基本的にはアプリケーションエンジニアを指しますが、ITエンジニアの総称としてもシステムエンジニアという名称を使うこともあります。システムやソフトウエア開発は、設計・開発・実装・テストといった工程を踏むのが一般的です。この工程すべてに携わるのが、システムエンジニアです。
まず、クライアントの要望をヒアリングして要件定義・基本設計を行い、仕様を決めます。設計を詳細にブレイクダウンしていき、プログラマーを取りまとめながら進めます。プログラミング完了後にITシステムなどが仕様通りに作成できているか確認するために、テストを実施するまでが業務内容です。プロジェクトの実行中には定期的に進捗状況や品質試験の結果、リリースに向けたタスクなどをクライアントに報告します。
システムエンジニアは担当する分野に合わせて、システム開発およびプログラム、IT全般に関する広範かつ深い知識が求められます。効率的に必要なスキルを身につけるには、国家資格である「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」などを活用すると良いでしょう。
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フロントエンドエンジニアの仕事内容
フロントエンドエンジニアはWebシステム、アプリケーションにおけるユーザ側の機能(フロントエンド)を開発するエンジニアです。
フロントエンドはクライアントサイドとも呼ばれ、Webシステムではブラウザに表示されるHTMLページの作成を行います。また、HTMLページ上で動作するスクリプトの作成もその業務範囲に含まれます。
近年では、PCからWebページを参照した場合とスマートフォンからページを参照した場合の両者に対応するレスポンシブデザインを組み込むことも多いです。
フロントエンドとはユーザーの目に見える範囲であるため、画面のデザイン、UI、UXといったプログラムの使い勝手にかかわる設計と開発スキルが求められます。開発シーンではコーディングやフレームワークの知識が役立ちます。またサーバサイドとの連携も必ず行うため、サーバサイド処理の知識も役立つでしょう。
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サーバサイドエンジニアの仕事内容
サーバサイドエンジニアはWebシステム、アプリケーションにおけるサーバー側の機能(サーバサイド)を開発するエンジニアです。
Webシステムのサーバー側では、ユーザーの認証やデータベースへのアクセス、業務ロジック、他システムとの連携といった処理を行っています。
サービスやアプリの操作処理を担当するサーバサイドエンジニアは、システム開発への深い知見やフレームワークを利用したプログラミングスキルが役立ちます。また、データベースやサーバー環境などの周辺知識が求められる職種です。
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サーバーエンジニアの仕事内容
サーバーエンジニアとはインフラエンジニアの一種で、サーバーの設計や構築、運用・保守を担当する職種です。設計・構築作業は、目的や用途に合わせた処理機能の提供、ネットワーク回線の速度や電源のバランス、機器のスペックの調整といったハードウェア関連、セキュリティの設定、コストバランス等を考慮して行います。
また、アプリケーションエンジニアなど、サーバーの利用者となる他部門とコミュニケーションをとり、サーバーに必要とされる機能、スペックを満たした環境を作り上げるのも業務の1つです。
近年ではクラウド環境上にサーバーを構築するケースも増えており、その設定はサーバーエンジニアが実施する場合や、クラウドエンジニアと呼ばれる専門のITエンジニアが行うことが一般的です。
サーバーには目的や用途に応じてさまざまな種類があるので、担当するサーバーやOSの種類に合わせた周辺知識も求められます。幅広い知識とスキルが求められるため、「Linux技術者認定資格」や「マイクロソフト認定資格」クラウドサービスの中でも代表的なAWS認定資格「AWS認定」、Google認定資格「Google Cloud認定資格」、「Microsoft認定資格(Azureに関する試験科目)」などの資格や学習が役立ちます。
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ネットワークエンジニアの仕事内容
コンピューターや周辺機器を活用するためには、一定のルールに基づいて接続し相互に通信できるネットワークが必要です。ネットワークエンジニアはこのネットワーク基盤の構築や運用を専門的に取り扱う仕事です。
また、ネットワークエンジニアの仕事は、目的や規模に合わせた適切なネットワークを設計構築し、その後の運用や保守まで行います。ネットワークを不正アクセスから守るためのセキュリティ対策も仕事の1つです。
ネットワークエンジニアには、システムの非機能要件やセキュリティを担保するための設計・構築スキルが求められます。ネットワークエンジニアに求められる要素を学ぶには、「シスコ認定試験」「ネットワークスペシャリスト試験」などが役立つでしょう。
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データベースエンジニアの仕事内容
大量のデータを取り扱うことのできる専用ソフトのことをデータベースと呼び、あらゆるITシステムのバックエンドで利用されています。こうしたデータベースの設計や開発、運用や保守を担当するのがデータベースエンジニアです。
データベースエンジニアは顧客の要件に基づきデータベースの設計を行うため、アプリケーションエンジニアとしての面も持ちます。一方でデータベース全体の設定、チューニングといったインフラエンジニア寄りの業務も行います。
現在、リレーショナルデータベースと呼ばれる仕組みのデータベースが最も普及しているため、その設計、構築、利用のためのスキルおよび操作言語であるSQLのスキルが、データベースエンジニアにとっては必須です。スキルを認定する資格としては、データベースソフトウェアのベンダー資格である「ORACLE MASTER」や、独立行政法人情報推進機構の運営する国家資格の「データベーススペシャリスト試験」などが役立つでしょう。
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セキュリティエンジニアの仕事内容
セキュリティエンジニアは企業や組織の持つIT資産のセキュリティ確保を行う仕事です。業務範囲は幅広く、インフラ、アプリケーションおよび組織体制の構成やルール作り、教育なども含みます。
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・企業や組織の持つITインフラ、IT資産、ITシステムのセキュリティ診断、対策の実施
・企業や組織のセキュリティルール、取り組み体制の構築
・従業員や職員に向けたITリテラシー、セキュリティ教育の実施
セキュリティエンジニアの必須知識とは、IT全般に関する基礎知識、サイバー攻撃や情報セキュリティに関するトレンド、セキュリティ組織に関する規格、法令など広範にわたります。また、アプリケーション開発、インフラ構築の実業務経験によりアプリケーションやインフラの実態に接した経験も役立ちます。
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セールスエンジニアの仕事内容
セールスエンジニアは技術営業とも呼ばれる職種で、営業とエンジニアの間に立って円滑な情報のやり取りを行ったり、顧客との交渉をスムーズに進めることが主な仕事です。IT業においては、顧客とのやり取りでも技術力が説得力につながっており、商談や受注の獲得の場でも大いに役立つため、技術的な知識を持ったセールスエンジニアが求められます。
業務の大きな分類としては、プリセールスと呼ばれる商談成立までの営業業務とポストセールスと呼ばれる受注後のアフターケアがあります。プリセールスでは営業担当者と同席して提案、商談を行い技術的な説明やシステムのデモンストレーションなどを行います。
ポストセールスでは、製品に関する顧客からの問い合わせをスムーズにエンジニアに取り次ぐことや次の商談につなげる活動を行います。
セールスエンジニアは、顧客と信頼関係を築きビジネスを成立させるうえで、ITに関する幅広い知識と経験が役立ちます。相手のレベルに合わせてITに関する情報を分かりやすく説明するコミュニケーションスキルも大切であり、普段から対話レベルを意識すると業務に役立つでしょう。
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ITアシスタントの仕事内容
ITアシスタントは、ヘルプデスクやサポートデスクなどの窓口業務やエンジニアの業務支援などを行う仕事の総称です。呼び方などは企業や組織によって異なりますが、ITエンジニアとしてキャリア向上を図る際のステップとなる仕事といえます。
具体的な業務内容には、ヘルプデスクなどでの顧客窓口担当、プロジェクトマネージャーやリーダーのマネジメント業務の支援、各種のドキュメント作成の支援、PCのキッティング作業などが該当します。
業務上Office製品を扱う機会が少なくないため、Office製品の操作スキル、ドキュメンテーションスキルは役立つスキルです。様々なIT利用の場で働くため、IT知識やプログラミングスキルが役立つこともあります。
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ITエンジニアの年収
ITエンジニアの職種ごとの平均年収を、レバテックキャリアに2024年11月時点で公開されている転職・求人情報から算出しました。算出方法は、各職種の上位30件の転職・求人情報に記載されている想定年収の最大値と最小値の中間値を平均年収としています。
職種 | 平均年収 |
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プログラマー | 約621万円 |
システムエンジニア | 約745万円 |
フロントエンドエンジニア | 約648万円 |
サーバーサイドエンジニア | 約709万円 |
サーバーエンジニア | 約591万円 |
ネットワークエンジニア | 約582万円 |
データベースエンジニア | 約737万円 |
セキュリティエンジニア | 約714万円 |
セールスエンジニア | 約618万円 |
ITアシスタント | 約613万円 |
全体的には、500万円台から700万円台がITエンジニアの平均的な年収の相場といえます。ただし、企業や個人の経験・スキルによって年収の金額は大きく異なります。
関連記事:ITエンジニアの平均年収とは?年収を上げるためのポイントも解説
ITエンジニア全般に必要な基礎スキル
ITエンジニアとして活躍するには、いくつかの基本的なスキルが求められます。まず、プログラミングスキルはどの職種でも必要です。
また、顧客や同僚とのコミュニケーション能力、提案力も欠かせません。さらに、ドキュメント作成などに必要な文章作成能力も身につけておく必要があります。
そして、チームをまとめるマネジメント能力も求められる場面があるでしょう。本章では、ITエンジニア全般に必要な基礎スキルについて解説します。
関連記事:IT技術者(ITエンジニア)に必要なスキルとは?
ITの基礎知識
IT全般に関する知識は、どの様な領域のITエンジニアでも必要となります。コンピューターが2進数の組み合わせでどのように成り立っているか、コンピューターの構成とハードウェア、OS、ソフトウェア、ネットワークといった部分に関しては、専門とする分野に関わらず各ITエンジニア職の業務のなかで随時問われます。
プログラミングスキル
ITエンジニアの業務の主な目的となるのは、ITの活用による業務の効率化や価値の創造です。この目的を実現するために、各種のシステムやサービス、ソフトウェア、アプリケーションを構築、運用します。
これらはプログラムの集合体であり、プログラムそのものを作らないエンジニア職でもプログラムへの理解が必要です。
コミュニケーション力
ITエンジニアの仕事となるシステム開発プロジェクトなどは、基本的には複数の人数でチームを組んで作業を分担して取り組みます。また、システム開発においてはクライアントが存在し、その要望を達成することが目的です。
ITエンジニアはコンピュータだけでなく、チームのメンバーや上司、クライアントともやり取りが必要です。そのため、コミュニケーション力が重視されます。
関連記事:ITエンジニアに英語力は必要?習得するメリットや勉強法を解説
提案力
ITエンジニアの仕事は、経験年数を重ねポジションが上がるにしたがって、受け持つ業務範囲が広がります。一人で完結できる開発部分から、複数人が開発を行う範囲の設計やほかのエンジニアの管理を行い、システム開発プロジェクトをより広範に見る立場へと変わるのが一般的です。
そこで必要となるスキルが提案力です。よりシステム全体に対して効率的かつ高品質となる成果をもたらす施策を考え、チームに浸透させることが、ITエンジニアとして上位を目指す場合には求められます。
文章作成能力
ITエンジニアは一人で仕事をするわけではなく、チームや顧客とのコミュニケーションをとりながら業務を進めることが重要です。意思の疎通は業務上必須であり、チャットやメール、文書を作成する機会も多くあります。円滑なコミュニケーションを図るうえで、文章を作成する能力の比重は高いといえます。
また、ITエンジニアの成果物には設計書、テスト仕様書などのドキュメントも多いです。ドキュメントへの記載により、相手に情報を適切に伝えられることは生産性や品質にもつながる直接的な開発スキルの一部といえるため、こちらの面でも文章作成能力は重要なスキルです。
マネジメントスキル
ITエンジニアの仕事は、プロジェクトチームを組んで行うことが多いです。一人で最初から最後まで、全てを担当することはほとんどないでしょう。
特にプロジェクトを管理するポジションになると、マネジメントスキルが求められます。チームとしてのパフォーマンスを最大限に引き出すには、各メンバーの強みを活かし役割分担を行い、納期に間に合わせる進捗管理能力も重要です。
ITエンジニアの仕事全般に役立つ資格
ITエンジニアを目指す際に、仕事全般に役立つ資格の取得・保有はスキルを示すために役立ちます。ITエンジニアは資格が必須の仕事ではありませんが、一定のスキルを第三者が証明してくれるため、就職や転職で活用できます。また、自身のスキル確認のために資格取得を目指す人も多いです。
本章では、ITエンジニア全般に関連した資格を紹介します。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営し、経済産業省が認定するITエンジニア向けの国家資格試験です。ITエンジニアとしてエントリレベルのスキルと知識を示せます。
エントリレベルといっても対象範囲は広く、コンピュータの基礎理論、ハードウェア、ソフトウェア、プロジェクトマネジメント、IT戦略に至るまで幅広く出題されます。プログラミングに関する問題もあるため、ITエンジニアの仕事に広く役立つ知識を得られる資格です。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験も基本情報技術者試験同様に、IPAが運営する経済産業省認定のITエンジニア向けの国家資格試験です。基本情報技術者試験より1ランク上の応用レベルのスキルと知識を示せます。
技術力に関しても実務レベルのスキル保有を示せるため、就職や転職時にもアピールできる資格です。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験はIPAが運営し、経済産業省が認定するITシステムの利用者部門のセキュリティーリーダーに向けた国家資格試験です。エンジニア向けでなく、ITシステムの利用者に向けた資格ですが、顧客となるユーザーのセキュリティに関する動向やITリテラシーなどが問われ、業務上で役立てられる資格です。
Cisco技術者認定
Cisco技術者認定はネットワーク機器を扱うCisco社によるネットワーク技術者向けの資格試験です。コンピュータネットワークの構築に関する一般的な知識とCisco社製品に対する知識などが問われます。5段階のレベルとテクノロジー別に試験が分かれており、スキルにあわせて受験することが可能です。
ネットワークエンジニアにとっては、取得に向けた学習によりスキルと知識が取得でき、直接的にスキルを示せる有用な資格です。
ネットワークとはあらゆるITエンジニアにとって活用する機会があり、体系的に知識を身に着けて役立てる上でも重要です。
ITエンジニアになる難易度はどれくらい?
ITエンジニアに必要なスキルは仕事の内容や立場によって異なります。そのため、職種により難易度も大きく異なります。
IT業界は急速に変化しており、常に新しい知識や技術を学ぶことが求められます。また、顧客のニーズに合わせて柔軟に対応する能力も必要です。
これらの知識やスキルは努力すれば身につけることができるので、好奇心が強く自発的に学び続けられる人や顧客の役に立ちたいという強いモチベーションがある人はITエンジニアに向いているでしょう。
また、ITエンジニアへの転職の求人情報の中には未経験者が対象のポテンシャル採用もあります。IT人材は不足する傾向が継続中であり、未経験から転職した場合にも教育制度を設けてスキルを身に着けられる環境を用意している企業も多々あります。
ITエンジニアのやりがい
ITエンジニアとしてのやりがいは、自分が開発したシステムやプロジェクトを無事に完遂したときの達成感や感動です。また、自分が手掛けたサービスやシステムがメディアなどで取り上げられたときの喜びも大きいでしょう。
プロジェクトの達成感や成果はもちろん大きなやりがいですが、エンジニアとしての成長やスキルアップも同じくらい重要です。プロジェクトのプロセスで新しい知識や技術を学ぶことで、自己成長を実感できます。そのため、ITエンジニアにとって、学び続ける姿勢や向上心が大切な要素です。
また、直接的に立ち会うシーンは少ないのですが、自分達の作ったITシステムやアプリケーションを利用して、顧客の課題が解決された、良くなったと感じられたときも、仕事に対する充実感を得られます。
ITエンジニアに向いている人
ITエンジニアに向いている人には、いくつかの共通点があります。まず、新しい技術やトレンドに興味を持ち、好奇心が強いことが挙げられます。
また、物事を論理的に分析し、柔軟に対応できる適応力も重要です。さらに、コミュニケーション能力が高く、相手の話に耳を傾けられる人も向いています。
さらに、細部にこだわり、丁寧に作業を行える人も資質があるといえます。これらの特徴を持つ人は、ITエンジニアとして活躍できる可能性が高いでしょう。
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ITエンジニアの面接質問集42選!各種回答例を紹介
ITエンジニアの採用面接 - 自己紹介で見られるポイント【例文付き】
未経験でITエンジニアになるには
未経験でITエンジニアになるには、何らかの方法でスキルと知識を習得することが必要です。具体的な方法としては、大学や専門学校の情報系学科に進学するのが一般的ですが、IT専門スクールやオンラインスクールに通う方もいるでしょう。
ほかにも、独学でスキルと知識を習得する人もいます。それぞれの方法には長所と短所がありますが、重要なのは自分に合った方法を見つけることです。本章では、未経験でITエンジニアになるための代表的な方法を紹介します。
情報系の大学や専門学校に進学する
高校生以下の学生で、ITエンジニアの仕事を希望しているなら、大学の情報系学科や専門学校でコンピューターの仕組みやプログラミング言語などの知識を学ぶことをおすすめします。実際にプログラムに触れ、スキルを磨くことが可能です。在学中に資格を取得したり、インターンを経験したりすると就職の際に強みになります。
IT専門スクールに通う
社会人向けのIT専門スクールも数多くあります。Webのオンラインで完結するスクールや短期間で学ぶブートキャンプ型、資格取得まで支援してくれるものまで幅広いスクールがあります。コストはかかりますが、短期的に集中してスキルを高めたい場合には有効な方法です。
独学する
近年は、プログラム学習サービス、アプリも多くリリースされており、初心者でもスムーズに独学に取り組める環境が整いつつあります。具体的な学習方法としては、PCを用意し、書籍や学習サービスなどのサンプルを実際に作成して動作させてみることです。
例えばApple社は、自社で開発した言語・Swiftに対して「Swift Playgrounds」という無料の学習サービスやコミュニティを提供しており、独学が可能な環境を整備しています。独学は自分のペースで進められるメリットがありますが、進捗管理や学ぶ分野の選定、どのような手段で学習するかなどを自分で決める必要があるため、挫折しやすくなるのがデメリットです。
ITエンジニアの仕事に関するよくある質問
本章では、ITエンジニアの仕事に関するよくある質問と回答を紹介します。ITエンジニアを目指す方から寄せられる質問の中には、仕事の内容や働ける年齢、必要なスキルなどに関するものが多く見られます。
仕事の実態や求められる能力について理解を深めることで、自分に合ったキャリアパスを見出すことが可能です。ITエンジニアとしてのキャリアを検討する際には、これらの情報が参考になるでしょう。
Q1. ITエンジニアは何をする仕事ですか?
ITエンジニアとは、情報技術(IT)を取り扱う技術者の総称です。その仕事は、ソフトウェア開発やネットワーク構築、システム運用・保守など多岐にわたります。また、ITエンジニアは、専門とする技術分野や担当する工程によって、さまざまな職種に分類されます。
関連記事:ITエンジニア・クリエイターの履歴書作成マニュアル【テンプレート付き】
Q2. ITエンジニアは何歳まで働けますか?
ITエンジニアの仕事は年齢に関係なく求められるため、長く活躍することが可能です。一般的な定年制度はありますが、優秀なエンジニアには延長雇用の道も開かれています。ただし、IT業界は常に変化し、学び続ける姿勢が求められます。
Q3. ITエンジニアに必要なスキルは何ですか?
ITエンジニアに必要なスキルは専門分野や担当する工程によって異なりますが、共通の基礎スキルも存在します。基礎的なスキルには、ITの基礎知識やプログラミングスキル、コミュニケーション力、提案力、文章作成能力が含まれます。さらに、役職によってはマネジメントスキルも重要となるでしょう。
まとめ
ITエンジニアとは、情報技術を扱う職種の総称です。さまざまな職種が存在し、それぞれの専門領域に対する知識とスキルを持ち、顧客の課題をITを用いて解決する仕事です。
ITエンジニアには、基礎的なIT知識やプログラミングスキル、専門分野に関する知識、コミュニケーション力、提案力、マネジメントスキルなどが求められます。多様なスキルが求められる専門性の高いイメージがありますが、未経験からでもIT専門スクールや独学でスキルを習得することでITエンジニアになることは可能です。
ITエンジニアは、年収も高くやりがいのある仕事です。この記事を参考に、ITエンジニアになるための情報収集やスキルアップに役立ててください。
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