テストエンジニアとは?仕事内容ややりがいについて解説

最終更新日:2024年3月26日

テストエンジニアは、ソフトウェア製品やサービスなどが仕様どおり動作し、バグやエラーなど問題点がないかテストや検証を行う職種です。「テストの計画・設計」「テストの実施」「結果の確認」「分析作業」などの業務を担当します。

テストエンジニアには、効率的にテストを実施し、ソフトウェアの品質確保をすることが求められます。対象の業務範囲は限定的ですが、ソフトウェア開発で重要視される品質に関わる仕事です。

この記事では、テストエンジニアを目指すか検討している方に向けて、仕事内容や必要なスキル、役立つ資格、年収や求人例、キャリアパスなどを解説します。ご自身のキャリアを考える際の参考にしてみてください。

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この記事のまとめ

  • テストエンジニアは、ソフトウェア製品やサービスが仕様どおり動作し、不具合がないことをテストや検証により確認する職種
  • 「テストの計画・設計」「テストの実施」「結果の確認」「分析作業」などの業務を担当
  • ソフトウェアやプログラミング知識のほか、テスト自動化ツールやテスト技法の知識も求められる
  • 目指せるキャリアパスには、プログラマー・テストリーダー・テスト自動化エンジニア・ドメインスペシャリストなどがある

テストエンジニアとは

テストエンジニアとは、ソフトウェア製品やサービスなどが仕様書どおり動作し、バグやエラーなど問題点がないかテストや検証を行う職種です。「テストの計画・設計」「テストの実施」「結果の確認」「分析作業」などの業務を担当します。

従来のソフトウェアのテスト工程は、経験の浅い若手エンジニアが担当していました。しかし、近年ではソフトウェアに対して、高い品質、高度なセキュリティが求められる背景もあり、その結果として豊富なテストの経験値を持つエンジニアがテストエンジニアとして重要視されるように変化してきています。

テスト工程を専任とするテストエンジニアを採用する企業は、まだ多くはありません。そのため、経験豊富なプログラマやシステムエンジニアが、テストエンジニアを兼務する場合も多いです。

テストエンジニアの役割

テストエンジニアの役割は、リリース前に不具合や欠陥がないか動作テストをすることです。不具合や欠陥などがあった場合は、開発担当に改善策を提案します。

リリース後に不具合や欠陥が判明すると、製品や企業の信頼が大きく落ちるおそれがあります。そのため、事前にシステムやアプリケーション、サービスの品質を確保するテストエンジニアの役割は重要といえます。

テストエンジニアと他職種との違い

テストエンジニアと同様にテストを主な業務とするエンジニア職種は複数存在します。テストエンジニアと混同しやすい職種である、テスター、デバッガー、QAエンジニアとの違いを説明します。

テスターやデバッガーとの違い

テストエンジニアと似た職種に、テスターやデバッガーがあります。企業によって、業務内容の詳細は異なりますが、一般的には以下のように定義されています。

テスター・・・あらかじめ決まっているテスト計画に従って、テストを実施する職種
デバッガー・・・デバッグツールを用いて、詳細なテストとその修正を行う職種

ソフトウェア開発において、テストは欠かせない工程です。最近は、テストの自動化ソフトウェアが公開されています。将来的には、テスト自体はソフトウェアが自動化して行い、テストエンジニアがテストの計画や設計を担当するようになるかもしれません。現状でも、テスト自体はアルバイトが実施する企業が多くあります。そのため、テストのみを担当する正社員の採用は減少傾向にあります。

しかし、テストが自動化されても、テストの計画や設計、分析などの上流工程が自動化されるとは考えにくいです。そのような理由により、テストの上流工程を担うテストエンジニアの活躍が期待されています。

QAエンジニアとの違い

QA(Quality Assurance)エンジニアとは、ソフトウェアや製品の品質保証を担当する職種です。

テストエンジニアは、開発中のソフトウェアや製品の不具合やバグのテストを担当します。それに対して、QAエンジニアは完成した製品を、ユーザーが使用して問題がないかチェックするケースが多いことが大きな違いです。

動作確認およびテストにより発生した問題や課題に対し、対応策を検討・示唆することまでが求められる場合もあります。また、アプリケーションが仕様通りに動作するとしても、使い勝手や性能などの非機能要件についても、QAエンジニアのソフトウェアの品質保証の観点から発見できる場合があります。

ただし、企業によってはテストエンジニアとQAエンジニアの境界はなく、両方の業務を兼務する形を取ることもあります。

テストエンジニアの活躍分野

テストエンジニアは、あらゆるIT関連企業で活躍の場が存在します。テストなくしてITシステム、ソフトウェア、ITサービスの開発は行えないためです。また、インフラ領域でもテストは存在しています。名称は異なることがありますが、IT関連企業ではあらゆる領域でテストエンジニアが活躍しているといえます。

また、DXの推進はIT企業に限らず、あらゆる企業にとって経営上の大きな課題です。近年では、ユーザー企業と呼ばれてきた非IT企業でもITシステム、ソフトウェア、サービスの開発が盛んになっています。当然これらの企業におけるシステムなどの開発でも、品質を確保すべくテストは重要です。テストエンジニアの活躍の場は、より広がっているといえます。

テストエンジニアの仕事内容

テストエンジニアの具体的な仕事内容は大きく分けると上記の仕事に分かれます。各項目ごとに解説します。

テスト計画の策定

テスト計画の策定の工程では、テスト対象の仕様調査とテスト観点の抽出、テスト計画の作成を行います。テストを計画するには、開発者から製品にまつわる情報をヒアリングします。その結果からテスト対象の機能やテスト範囲、テストの優先順位を決めて、計画書を作成します。テストの計画では、実施する試験の概要、対象範囲、スケジュール、必要な環境、テスト関係者などがポイントとなります。

また、テストを実施する環境の手配もこの段階で行います。サーバー上で動作するアプリケーションであれば、サーバー環境が必要です。単体テストや結合テストにおいては自社でサーバーを用意し、システムテスト段階であれば顧客のサーバー環境を借り受けるといった具合に、テスト工程内でも複数の環境の準備が必要となることも珍しくありません。

さらには、テストに向けたデータの準備もこの段階で手配しておきます。業務で利用されているデータをもとにテストを実施する場合には、データの入手や利用許諾、加工までが必要となる場合があります。

計画書に基づいたテスト設計

テスト設計の工程では、テストをどのように実施するか設計をします。具体的には、計画書に基づいて、テスト観点・テスト技法・テストケースなどを決定します。

テスト観点・テスト技法の決定では、重点的にテストを実施すべきポイントと、テスト対象の仕様に適したテスト技法を決めます。

テストケースの決定では、テストの実施手順と確認する内容を具体化します。テストの成否を確認するためには、画面表示やデータベース上のデータなど正しく動作している状態を定義する必要があります。

こうして設計した内容を、テスト設計の仕様書に反映させます。

テストの実行

テスト設計の仕様書を基に、テストを実施します。

テストの実施は、テスト自働化ツールを用いて自動化するケースが増えています。この場合には自動化ツールの用意やツールを使ったテストパターンの表現を用意します。

また、テストはプログラマやシステムエンジニアが行う場合もあります。そのほか、テストの実行だけを行うテスターをアルバイトとして採用するケースもあるでしょう。

テストエンジニアはテストが滞りなく進められるよう、テスト実施者のテスト実行に対して発生する問題に対しサポートを行うことも業務に含まれます。

レポート作成・結果報告

テスト期間中にはプロジェクト管理者に対して定期的に現状報告を行います。全てのテストが終了したらテスト結果をレポートとしてまとめて、上流工程の担当や管理者であるプロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダーなどに報告します。

テスト結果はソフトウェア開発における問題が分析しやすいよう、障害の発生した起因の工程、障害の対象機能、担当者ごとの障害数などをまとめておきます。報告の結果、テストケースの不備や追加テストが必要な場合は、再テストを実施します。

テスト結果の分析・改善提案

テストの結果、ソフトウェアや製品に改善点や不具合が見つかった場合、改善点の提案をします。テスト結果の分析・改善提案では、ソフトウェア品質の担保と顧客目線の機能評価ができるかが重要になります。

また、テストの実施結果にとどまらず、テストプロセス(テストの行い方)そのものにも目を向け、テストプロセスを改善することも重要な職務です。

テストエンジニアのやりがい

本項では、テストエンジニアのやりがいについて解説します。

テストエンジニアはテストを実施するだけだと、業務の価値を低く見られがちですが、ユーザーの手元にアプリケーションが届く前に障害を検出する最後の防波堤として重要な業務であり、複数のやりがいにつながっています。

社会に貢献できていることを実感できる

どのようなソフトウェアや製品でも、不具合やバグは発生してしまいます。テストエンジニアは、不具合やバグがなくなるまで、考えうる限りのテストを行います。それにより、ユーザーに満足してもらえるソフトウェアや製品を提供します。

ユーザーからの反響がよかったとき、テストエンジニアは企業、組織や社会に貢献できていることを実感するでしょう。

ものづくりの専門家としての考え方を養える

テストエンジニアは、製品開発の最終段階でチェックを行います。そのため、ソフトウェアや製品がどのような設計で作られたかを知る機会を持てます。また機能についても、できることなどの特徴を網羅的に知ることができます。テスト実施時には、製品の利用しやすさ、可用性、レスポンスなどの非機能要件についても考える機会があります。

さらに、テストによるソフトウェア品質の確保という、ものづくりをビジネスとする場合に欠かせない観点についても学ぶことが可能です。

これらの業務の特性から、開発に関するさまざまな知識を得て、ものづくりの専門家としての考え方を養えるようになります。

システム全般の知識やノウハウを身に付けられる

テストエンジニアは、プログラム一つ一つに対する単体テストからソフトウェア製品が完成寸前の全体を通したテストまでを実施します。システムやアプリケーションの詳細な部分から、大きな構成までを見ることとなるため、IT開発およびIT全般に対する知識やノウハウを身に着けられる点もやりがいとなります。

全体と詳細の両方を見ることで、個別のアプリケーションの存在意義やより効率の良い設計・開発についてもヒントが得られ、以降のキャリア形成においても方向性の策定などに大いに役立ちます。

テストエンジニアがきつい・やめとけといわれる理由

テストエンジニアの仕事は、「きつい」「やめておけ」という言説をインターネット上などで見たことはないでしょうか。本項では、テストエンジニアが「きつい」「やめておけ」といわれる理由について解説します。

開発業務が押すとタイトなスケジュールになりやすい

テストエンジニアの仕事は、プロジェクト全体の後半がターゲットとなります。そのため、開発工程が完了していないと、テストが行えません。

開発工程が予定よりも遅延した場合でも、納期を延長することができないケースもあります。その場合、テスト工程の期間が短縮されるケースも多いです。期間は短縮したとしても実施しなければならないテストの量は減るわけではありません。結果的に、テストエンジニアにしわ寄せがきて長時間業務になり残業も増えてしまうことになりやすいです。

単純作業が基本である

テスト業務では、似たような画面や機能が複数存在する場合、同じような作業や単純な作業を地道に繰り返して行うこともあります。これらの作業は、単調な仕事が苦手な方には、つらいと感じるでしょう。こちらについては、テスト自動化ツールの導入などにより緩和が図られている部分でもあります。

バグの特定から原因究明、解決までに必要な知識が広範

ソフトウェアは、膨大なソースコードで作られています。バグを発見したときは、ソースコードを含むシステムの構成要素全体から原因を特定する必要があります。

原因の特定には、プログラミングや関連するミドルウェア製品の構造・仕様など、幅広い知識が求められます。場合によってはOSの仕様や関連するソフトウェアのバージョンが原因の場合もあり、特定には地道な調査が必要となります。求められる知識が広範であることも、仕事がきついといわれる要因の一つです。

自己裁量権が小さい

テスト工程では、開発工程で作られてきたアプリケーションに対しテストを行います。既に作られているアプリケーションですので、基本的に仕様の変更などはできず、上流工程で定められている通りに動作するかを確認することになります。

もし、よりよい設計やプログラミング方法に気づいたとしても、作業工程上アプリケーションに反映することはほとんど不可能です。このような状況を、自己の裁量権が少なく不満に感じるエンジニアは少なくありません。

テストエンジニアに求められるスキル

テストエンジニアに求められるスキルを、技術面・ビジネススキル面・ヒューマンスキル面の3つに分けて紹介します。全てがテストエンジニアになる際に必要となるわけではなく、テストエンジニアとして業務に携わりながらスキルの向上を図るとよいでしょう。

関連記事:テストエンジニアになるには?仕事内容や求められるスキルを紹介

技術面のスキル

テストエンジニアに求められる技術面のスキルは、以下のようになります。テストの中でも結合テストやシステムテストなどは、インフラや複数のアプリケーションが関連するため、これらを担当するエンジニアには幅広い知識が求められます。

ソフトウェアに関するスキル

テストエンジニアは、ソフトウェアに対するテストに携わります。そのため、ソフトウェアに関するスキルと知識は必須です。テスト対象のソフトウェアが開発される工程や、どのような機能があるかを把握できれば、必要なテストを見分ける判断も可能となるでしょう。

プログラミングスキル

ソフトウェアは、プログラミング言語で開発されています。そのため、テストエンジニアにもプログラミングスキルがあると望ましいです。

その理由として、プログラムの構造が分かっていることで、どのようなテストを行うと効率よくテストができるかがわかることがあげられます。また、テスト実行時にエラーが発生した場合、プログラミングスキルがあれば、エラーの発生箇所をソースコード上で把握できます。その結果、修正案の提案なども可能となるでしょう。

プログラミングスキルは、テストエンジニアとしての業務の幅を広げるスキルです。

テスト自動化ツールの使用スキル

Selenium・Appium・Ranorexなどのテスト自動化ツールの使用スキルがあれば、テストの実行時間短縮やテスト品質の向上に役立てられます。結果的にテストのコスト削減やシステム全体の品質向上にも貢献するスキルです。

テスト自動化ツールは、特に単純な作業の繰り返しや、画面入力などを得意分野としています。単純な作業の繰り返しを避ける役にも立つため、テスト自動化ツールの使用スキルは、積極的に取り入れたいところです。

テスト技法のスキル

テスト技法には、ブラックボックステスト技法やホワイトボックステスト技法などがあります。これらの知識があれば、正確で効率の良いテストを実施できるようになります

プログラムには、入力と出力があります。例えば、ゲームではコントロールスティックを前に倒すと、キャラクターが前に進みます。これをプログラムに置き換えると「スティックを前に倒す」が入力、「キャラクターが前に進む」が出力にあたります。

ブラックボックステスト技法は、プログラムの中身を考慮せず、入力に対して仕様どおりの出力ができるかをテストする技法です。開発者が自らテストしなくても、入力と出力の結果がわかればいいため、経験の浅い担当者にテストを任せることができます。そのため、費用対効果が高いテスト技法だといわれています。

ホワイトボックステスト技法は、プログラムの内部構造を考慮したテスト技法です。入力に対してどのように処理しているかを調べます。プログラムの命令文や条件文を意識したテストであり、開発者が意図していない不具合を未然に発見できるメリットがあります。一方で、システム設計書が正しいという前提でテストするため、設計書が間違っていた場合には誤りに気づきにくい面もあります。

ビジネススキル

テストエンジニアには、ビジネススキルも求められます。テストは企業や組織のビジネスとして行われているためです。具体的なスキルの代表例は下記です。

コスト・リスク面に関するマネジメントスキル

テスト工程に、割り当てられるスタッフや時間には制限があります。効率よくテストをするには、機能の重要度や不具合の発生確率などを考慮して、テストをバランスよく割り振らなくてはいけません。

特定の機能と別の機能の接点は、バグが発生する確率が高く注意が必要です。そのようなリスクには、テストケースを用意しないで行うテスト技法であるアドホックテストなどを取り入れて、重点的にテストを実施します。このようにリスクを低減させつつ、テストのコストを下げるにはマネジメントスキルが必要になります。

品質管理に関するスキル

品質管理には、「狩野モデル」と呼ばれる品質管理モデルがあります。これは品質を「当たり前品質」「一元的品質」「魅力品質」の3つに分類しています。具体的には、以下のようになります。

当たり前品質・・・足りてないと不満で、備わっていて当たり前の品質
一元的品質・・・足りてないと不満で、備わっていると満足できる品質
魅力品質・・・足りてなくても仕方ないが、備わっていると満足できる品質

高品質なテストを実施するには、このような品質管理に関する知識を身につける必要があります。

文書作成スキル

テスト計画やテスト設計などを文書化することも、テストエンジニアの業務です。そのため、最低限の文書作成スキルは必要になります。テスト仕様書を作成した人がテストを実施するとは限らないため、他者が読んでも明確に内容の分かる仕様書とすることが大切です。

Word・Excel・PowerPointなどのOfficeアプリは、業務に支障が生じない程度には使いこなせるようにしましょう。

プレゼンテーションスキル

テストエンジニアは、プロジェクトメンバーに対する品質改善の提案や、顧客へのテスト結果の説明などを行います。その際には、説明用の資料作成や顧客に合わせた説明などが求められます。そのためテストエンジニアには、プレゼンテーションスキルも重要なスキルになります。

ヒューマンスキル

テストエンジニアには、ヒューマンスキルも求められます。こちらも、テストエンジニアとして経験を積む中で向上させていくことが重要です。

忍耐力

テスト計画やテスト設計、テストの実施などの業務は、細かい部分に注意を配りながら、丁寧にやり続ける忍耐力が必要です。その理由には、テストに不具合があると、ソフトウェアのバグの見落としに繋がることがあげられます。

テストの仕様作成からテストの実施、結果のまとめまで、テストエンジニアには見落としがないよう忍耐強く業務に取り組む姿勢が求められます。

発想力

ソフトウェアのユーザーは、開発者が想定しない使い方をすることがあります。そのような想定外の行動を想定できる発想力が、テストエンジニアには必要です。そのためには、あらゆることを想定して、テスト計画やテスト設計をすることが重要です。ソフトウェアの機能や性能だけに着目するだけでは、満足な結果を残すことは難しいでしょう。

この発想力は言い換えればユーザー目線を持つこととも言えます。様々な立場を想定してテストができることで、ソフトウェアの品質を高めることが可能です。

テストエンジニアの仕事に役立つ資格

本項では、テストエンジニアの仕事に役立つ資格を紹介します。ITエンジニアに共通して求められる知識の習得やテストに関する深い理解を得るためにも、資格の取得を目標とした学習は効率的な方法となります。

関連記事:テストエンジニアに役立つ資格4選|取得のメリットも解説

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する経済産業省認定の国家資格です。ITエンジニアが身につけるべきである、コンピューターに関する基礎理論から開発技術、プロジェクトマネジメント、システム戦略など幅広い知識が問われます。基本情報技術者試験は、IT業界に従事している方やITエンジニアを目指している方に人気があります。

JSTQB認定テスト技術者資格

JSTQB認定テスト技術者資格は、世界的なテスト技術者認定組織であるISTQB(International Software Testing Qualifications Board)の、日本加盟組織JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)が実施するテストエンジニア向けの認定資格です。習熟度や内容によって、Core Foundation、Core Advanced、Specialist、Agileの4つにカテゴリ分けされており、その中でも役割や専門分野でいくつかの資格が存在します。

以下、代表的な3つの資格試験について紹介します。

Foundation Level(FL)

Foundation Level(FL)は、ソフトウェアテストについての基本的な知識があるエンジニアが対象の試験です。この試験に合格すると、テスト技法やテストマネジメント、テストツールなどの基礎的な知識があることを証明できます。合格率は50%〜70%程度で、難易度は比較的低い試験です。

Advanced Level テストマネージャ(ALTM)

Advanced Level テストマネージャ(ALTM)は、ソフトウェアテストのキャリアが豊富なエンジニアが対象の試験です。この試験に合格することで、テスト設計やテストマネジメント、テスト自動化、テスト結果の分析などの幅広い知識があることを証明できます。合格率は開催年によってバラツキがありますが、第1回を除いた合格率の平均が約16%程度と難易度が比較的高い試験です。

Advanced Level テストアナリスト(ALTA)

Advanced Level テストアナリスト(ALTA)は、Foundation Levelの資格を取得している業務経験3年以上の方が対象の試験です。この試験に合格することで、テスト分析技法に関する深い知識があることを証明できます。合格率は過去7回の平均で約18%となっており、難易度が比較的高い試験です。

IT検証技術者認定試験(IVEC)

IT検証技術者認定試験(IVEC)とは、一般社団法人IT検証産業協会(IVIA)が実施する、テストエンジニアのテスト現場における知識を問う資格試験です。2024年春期より新たな制度を適用し、「アシスタント」「テスター」「デザイナー」「アーキテクト」「エバンジェリスト」の5段階のレベル分けと試験の実施がアナウンスされています。

ソフトウェア品質技術者資格

ソフトウェア品質技術者資格(JCSQE)は、一般財団法人 日本科学技術連盟が主催するソフトウェアエンジニア向けの認定資格です。テストや品質保証にフォーカスがあたっているため、テストエンジニアのスキルを示すにも適しています。

試験対象は、開発者、テストエンジニアなどソフトウェア品質に携わるすべての方を対象としています。試験は、上級・中級・初級の3段階に分類されています。

テストエンジニアの年収・求人例

テストエンジニアの年収・求人例について紹介します。キャリアパスの検討において、役立てていただきたい情報です。

テストエンジニアの年収

2024年2月15日時点で、レバテックキャリアに掲載している募集中のテストエンジニアの求人・転職情報は47件あります。この中から30件を抽出し、年収の最小値と最大値の中間の平均を取りました。これによると、テストエンジニアの平均年収は約540万円と推定できます。

上記の求人・転職情報には最低年収は200万円台から、最大年収は1,200万円と大きな幅があります。テストエンジニアとしての技術力や実務経験、さらにプラスアルファのスキルを保有しているかなどが、年収の幅の要素になっています。より具体的には、テスト自働化に関する知識やスキル、テストチームのマネジメントに関するスキルなどが求められる案件は高い年収を提示している傾向が強いです。

テストエンジニアの求人・転職情報

テストエンジニアの求人例

テストエンジニアの求人例を2つご紹介します。高いレベルのスキルが求められますが、想定年収は高めの案件例となります。

自社プラットフォームのソフトウェアテスト

【業種】
IT・サービス

【想定年収】
600~1000万円

【業務内容】
各種自動テストを用いたリリース速度の改善
ユニットテストの改善

【必要なスキル・経験】
5年以上の、プログラミング言語を用いたソフトウェア開発経験
ユニットテスト実装経験
チームのコード品質や生産性を高める取り組みを検討/実践した経験
GitHub/GitLab などをつかったレビューを含めたチーム開発経験
Linuxその他UNIX系OS上での一般的な操作が行える
QCDや保守性を考慮したテスト設計/ドキュメンテーション能力

アプリケーションの自動テスト環境の構築・運用

【業種】
IT・サービス

【想定年収】
500~1000万円

【業務内容】
アプリケーションの自動テスト環境の構築/保守/運用
(ユーザー向けアプリや乗務員向けアプリなど、複数アプリを連携した自動テスト環境およびテストコードの開発/保守/運用)
自動テストのためのアプリ側コードの改修/保守/運用

【必要なスキル・経験】
スマホ/Webアプリの開発経験(2年以上)
(SwiftによるiOSアプリ開発経験、KotlinによるAndroidアプリ開発経験)
何らかの自動テストコードの作成経験(単体テスト/結合テスト問わない)

テストエンジニアの将来性がないといわれる理由

テストエンジニアの業務には「将来性がない」と言われる場合があります。なぜそのような言説がでてくるのか、代表的な2つの理由と将来性が高まるという説について解説します。

関連記事:テストエンジニアの将来性はない?やめとけと言われるも解説

テスト項目さえあればエラーやバグを見つけられるため

テストエンジニアの仕事の中でもテスト実施に関しては、比較的スキルが低くても実施可能です。複雑な設計や仕様を完全に理解していなくても、あらかじめテスト項目が用意されていればエラーやバグの発見までは実施できるでしょう。

新人エンジニアでも任されやすい業務でもあるので、同じテストを長く続けているだけでは将来性が見込めません。テストエンジニアとしてキャリアアップを考えるのであれば、テスト設計のスキルやテスト技法といった専門性の高さが必要になります。

プログラムを用いて自動化するケース増えているため

最近ではテスト用のプログラムやツールを活用して、テストを自動化するケースが増えてきました。
開発工程のスピードも速くなり、手動のテストでは追いつかないといった問題もあり、単純なテスターの仕事は減少傾向にあります。

しかし、新機能のテスト計画や設計などでは、依然として自動化が難しく手動でないと対応できません。また、テスト自動化ツールへのテストケースへの設定もエンジニアの作業が必要です。テスト工程において人でしか対応できない作業は存在するため、一定数のテストエンジニアは必要といえるでしょう。

セキュリティ問題の深刻化により将来性があるという考えも

サイバー攻撃の複雑化および被害の深刻化が進んでおり、企業や組織では経営上の大きなリスクとして捉えられることが増えています。従来では考えられていなかった攻撃方法も今後登場することが予測されるため、ITシステムやアプリケーションの開発においてより高いセキュリティを担保するためにもテストは重要です。セキュリティリスクへの対策として、テストを充実させることのできるテストエンジニアは将来性が高いといえます。

テストエンジニアへの転職方法

テストエンジニアはエンジニア未経験者からでも比較的目指しやすいエンジニア職種です。他のエンジニア職種や未経験から、テストエンジニアを目指す転職方法について解説します。

エンジニア経験者の場合は経験をどう活かすかをアピールする

エンジニア経験者の場合は、いままで経験した知識やスキルがテストエンジニアの業務に活かせることをアピールしましょう。システムエンジニアの経験があれば、仕様書について理解があることがアピールできます。また前職がプログラマの場合は、プログラミングの能力がアピールできます。併せて、テストエンジニアに関する資格を取得しておくといいでしょう。

エンジニア未経験者の場合はテスターから目指すのがおすすめ

テスターの求人募集では、未経験者歓迎の求人も多くあります。まずはテスターとしてテスト業務のキャリアをスタートして、経験を積んだ後にテストエンジニアを目指すといいでしょう。

未経験からテストエンジニアを目指すために、関連資格を取得することも転職のアピールポイントになります。テストエンジニアは、資格の取得が必須の職業ではありません。ですが、資格を保有することで、学習意欲があることをアピールできます。もちろん資格によって、企業から評価もされるでしょう。

資格の取得に並行して、テストエンジニアに求められるスキルを磨くことも重要です。即戦力として活躍できるように、必要な知識やスキルを身につけましょう。

関連記事:未経験からテストエンジニアになるには?求人例や年収相場も紹介

テストエンジニアのキャリアパス

テストエンジニアのキャリアパスについて紹介します。テストエンジニアからキャリアアップ、キャリアチェンジする選択肢としては、以下で紹介するような職種があります。

プログラマー

テストエンジニアからプログラマーへのキャリアパスは、キャリアや待遇においても大幅アップが見込まれます。

テスター経験があるプログラマーであれば、バグの少ない安定性あるプログラムを意識する目線も持ち合わせているので開発現場では重宝されるでしょう。規模によってはテスト工程をプログラマーやシステムエンジニアが担当することもあるので、マルチな活躍を期待されるかもしれません。

テストリーダー・テストマネージャー

テストリーダーやテストマネージャーは、テスト工程やテストを実施するチームの管理を担当します。大きな規模のテストは、テスト設計やテスト実施などの工程別にチームが結成されます。チームそれぞれに、テストリーダーがいる場合もあります。またテストマネージャーは、テストリーダーより上位の立場として、テスト工程の全体を管理をします。

そのため、テストリーダーやテストマネージャーには、テストエンジニアとしてのスキルや経験だけでなく、高いマネジメント力が求められます。

テスト自動化エンジニア(SETエンジニア)

テスト自動化エンジニア(Software Engineer in Test:SETエンジニア)とは、テストの自動化を策定・実行し、テスト工数の削減を含めたテストの効率化や生産性向上、ソフトウェアの品質向上を担います。またテスト自動化のソフトウェアの選定や、自動化されたテストの結果の分析も担当します。

テスト自動化エンジニアは、既存のテスト工程を熟知している必要があります。そのため、テストエンジニアとしての経験を活かすことができるキャリアパスです。またメンテナンスコストを考慮して、コストの自動化の判断をする必要があるため、コスト管理のスキルも求められます。

QAエンジニア

QAエンジニアは品質保証エンジニアとも訳される職種で、ソフトウェアやアプリケーション、サービスの品質を確保することが果たされる役割です。開発中にもテストをすることはありますが、特に完成品としてユーザーに提供する前の段階でユーザーの視点に立ったテストを実施することで、ソフトウェアの品質を確保します。

テストエンジニアのテスト技法などに関するスキルと知識を活かすことができるキャリアパスです。

品質コンサルタント

品質コンサルタントは、ソフトウェアの品質確保や品質改善のための提言を行う職種です。テストエンジニアとして、ソフトウェアの品質の知識や品質向上のためのスキルを身につけて、テスト実施の経験を積むことで品質コンサルタントを目指すことができるでしょう。

ドメインスペシャリストスペシャリスト

ソフトウェアテストのスペシャリストとして、ドメインスペシャリストという道もあります。ドメインスペシャリストとは組込や金融といった分野で、特定の領域・業界(ドメイン)に特化して専門性を高め、テスト業務全体の効率化を図ることが目的になります。

より上流工程で経験を積めることもあり、プロジェクトマネージャーに近づけるキャリアパスを描くことも可能です。知識・スキル・経験を備えたベテランのテストエンジニアなら、ドメインスペシャリストはふさわしい道といえるでしょう。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャー(PM)は、開発プロジェクトにおける現場の責任者です。そのため高度なITスキルに加え、契約などの事務的なスキルや予算管理の知識も求められます。さらには、チーム全体をまとめるコミュニケーション能力、メンバーを管理するマネジメント経験も必要です。

テストエンジニアからプロジェクトマネージャーを目指すにあたっては、テストの設計に加えて進捗管理など管理業務を経験することで可能性が広がります。テスト工程はもちろんのこと、プロジェクト全体に多角的に参加して経験を積むことが必要になるでしょう。

テストエンジニアに関するくある質問

テストエンジニアに関するよくある質問と回答をまとめました。テストエンジニアの概要を掴む上でお役立てください。

Q1. テストエンジニアの仕事内容を教えてください。

テストエンジニアの仕事は、「テスト計画の策定」「計画書に基づいたテスト設計」「テストの実行」「レポート作成・結果報告」「テスト結果の分析・改善提案」などテストに関する一連の業務を担います。

Q2. テストエンジニアのやりがいとは何ですか?

テストエンジニアのやりがいは、ものづくりの専門家としての考え方を養えることや、社会貢献が実感できること、様々なテストを通してITやソフトウェアに対する知見を深められることなどがあります。

Q3. テストエンジニアに求められるスキルとは何ですか?

テストエンジニアに求められるスキルは、技術面ではソフトウェアに関するスキルやプログラミングスキル、テスト自動化ツールの使用スキル、テスト技法に関する知識などがあります。ビジネススキルとしては、コスト・リスク面に関するマネジメントスキルや品質管理に関するスキル、文書作成スキル、プレゼンテーションスキルなどがあります。また忍耐力や発想力といった、ヒューマンスキルも求められます。

Q4. テストエンジニアに向いてるのはどんな人ですか?

テストはアプリケーションやシステムの細かい部分を一つづつ確認する作業です。論理的かつ詳細に仕様を確認しながらテストを積み上げることが最も基本となります。ものごとに細かく粘り強く取り組め、最後までやり遂げられる人が向いています。

まとめ

テストエンジニアは、ソフトウェア開発におけるテスト工程に特化したエンジニア職種です。

従来、テストは経験の浅いエンジニアが担当するケースも少なくはありませんでした。しかし、近年ではテスト工程におけるソフトウェア品質の確保および業務の効率化を目的として、スキルの高い専門的なテストエンジニアを置くケースが増加しています。

テストエンジニアには、技術的なスキル、ビジネススキル、ヒューマンスキルが求められます。具体的には、技術スキルとしては、ソフトウェア開発における知見、プログラミングスキル、テスト自動化ツールの利用スキルなどです。ビジネススキルとしては、マネジメントスキルや品質管理スキル、文書作成スキルがあげられます。ヒューマンスキルでは、忍耐力や発想力が重要です。

未経験からも目指しやすく、業務に従事しながらスキルの向上を目指せるため、エンジニアとしてのキャリアパスの第一歩として選択しやすい職種といえます。また、自分の専門領域をテストに定めた場合には、テストに関する知見を深めるために欠かせないキャリアパスとなります。

これからテストエンジニアを目指す方は、必要なスキルや役立つ資格を参照して、キャリア形成にお役立てください。

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この記事の監修

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