未経験からでもなれる!おすすめの書籍や役立つ資格も紹介組み込みエンジニアになるために必要な勉強

最終更新日:2020年7月21日

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家電製品などの商品を開発するとき、機械を的確に制御するためのシステムは不可欠なものです。組み込みエンジニアとは、電化製品や情報機器などのハードウェアにさまざまな制御用システムを組み込んでいくエンジニアのことを指しています。特に2010年代後半から、「モノのインターネット」とも呼ばれるIoT技術が一般化し、インターネット接続に対応したさまざまなデバイスも登場しています。

こちらの記事では、組み込みエンジニアを目指している方に、組み込みエンジニアになるために勉強すべきことを紹介しています。ぜひ勉強の参考にしてみてください。

組み込みエンジニアになるために勉強すべきこと

以下ではまず、組み込みエンジニアを目指す場合、具体的に何を勉強し、どのようなスキルを身につければ良いのかを見ていきましょう。

プログラミングスキルを身につける

組み込みエンジニアを目指す上で、プログラミング言語の勉強は必要不可欠だといえるでしょう。

C言語

組み込み系で用いられる言語の中で、非常に多いのがこのC言語です。重宝される理由としては、組み込み系の主流の開発資産がC言語で設計されていることや、シンプルで互換性が高いこと、処理速度が早いことが挙げられます。OSによって変わることもありますが、C言語は一番関わる可能性が高く、さまざまな言語の基礎となっている言語であるため、最初に学ぶべき言語と言えるでしょう。

ただし、C言語は数あるプログラミング言語のなかでも比較的難易度が高く、途中で挫折してしまう人も少なくありません。1972年に登場した長い歴史をもつプログラミング言語で教材も充実しているため、自分にとって分かりやすい書籍やWebサイトを参考にしながら身につけていくことが重要です。

C++

C++はC言語と近い処理ができるオブジェクト指向言語です。C言語をマスターしたら、C++も理解できるよう勉強しておくと良いでしょう。なぜなら、品質や生産性などを考えると、C言語だけでは難しい部分が出てくるからです。C++はC言語と共通する部分も多いため、互換性が高い言語でもあります。

また、C++の拡張言語にはJavaがありますが、Javaも組み込み系業務で使われる言語の1つとなっています。C++を理解すればJavaの習得も比較的容易になりますので、こちらも併せて学習しておくと良いでしょう。

アセンブリ

アセンブラとも呼ばれるこの言語は、機械製の制御を行う組み込みで使われる言語です。特に、FAXや電卓など数字を使用する組み込みで多く用いられています。アセンブリは機械語に近く、記述もC言語と比べてかなり多くなっているため、未経験者には難易度が高いですが、組み込みエンジニアを目指しているなら習得しておいてデメリットがないでしょう。勉強していくうちにコンピュータに関する知識も増えていくはずです。

ハードウェア、ソフトウェアの基礎知識を身につける

組み込みエンジニアとして仕事をするなら、プログラミングスキルのほかに、ソフトウェアやハードウェア、使用するOSなどについての知識も必要になります。

OSと聞くとWindowsやMacなどを連想する人も多いと思いますが、組み込みシステム開発の現場で多く使用されているのは「ITRON」や「T-Kernel」などといった特殊なものです。特に日本では組込みシステムに採用されているOSとして「ITRON」が高いシェアを誇っています。ただし、最近ではネットワーク機能を搭載した高度な機器が登場しており、それらに対応するために「Linux」や「Windows」といった汎用OSが採用されるケースもあります。

実際に仕事に就く前に組み込み技術を体験することは難しく、知識は現場で教わらないと身につかない場合も多いものです。しかし、たとえばWindowsやMacなどの汎用OSと組み込みシステムに採用されるOSの違いなどを事前に理解しておけば、現場に入った後の理解も速いでしょう。自力で勉強できる部分を見つけ、できる限り基礎知識を身につけておきましょう。

組み込みエンジニアになるための勉強法

組み込みエンジニアにとって不可欠なプログラミングをはじめとしたスキルは、どのように勉強すれば効率的に身につくのでしょうか。

独学で勉強する

組み込みエンジニアという職種はコンピュータ上でプログラミングをするだけではなく、実際にハードウェアを動かし制御することを目的としています。そのため、独学の学習環境だけでは実践に対応できるようなスキルが身につくとは限らず、一流の組み込みエンジニアになるためにはさまざまな案件に携わり経験を積み上げていく必要があります。

しかし、社会人になってから組み込みエンジニアを目指す方の多くは、独学で資格を取得したり、プログラミング言語を学んだりして基礎的スキルを身につけています。決して簡単なことではありませんが、ここでは独学で効率良くスキルを身につけるための勉強法をいくつかご紹介します。

プログラミング学習サイトを活用する

マイコンを購入したりスクールに通ったりする予算が厳しい方には、プログラミング学習サイトを活用してみることがおすすめです。

たとえばスマートフォンアプリとして提供している「Progate」では、組み込みシステムに使用されることもあるJavaの学習コースが用意されていて、無料でプログラミングが勉強できます。

また、「ドットインストール」というプログラミング学習サイトでは、C言語やJavaなどの学習動画が無料で閲覧できます。動画1本あたり約3分にまとめられているため、通勤時間や寝る前の時間などを活用して無理なく継続できるはずです。

ただし、これらのプログラミング学習ツールの利用は、あくまでもプログラミングの基本を押さえることが目的であり、その後は実際に手を動かしてプログラムを作りながら体系的に学習していくことが重要といえるでしょう。

PICなどのマイコンを使う

実際にプログラムを組んでマイコンを動かすのは非常に勉強になります。プログラム言語などをすでに勉強していることが前提ですが、特に電子工作が好きな方は楽しく学ぶことができるでしょう。

各マイコンメーカーでは初心者でもマイコンを動かせる入門セットを販売しています。マイコンを作るにはさまざまなツールを揃える必要があり、決して手軽ではないのですが、実際に手を動かす良い機会です。時間や費用に余裕がある方にはおすすめです。

書籍で知識を身につける

数多くの独学の方法の中で最も手軽にできるのが、書籍を読んで知識を身につけることです。以下では、組み込みエンジニアを目指す方におすすめの書籍をご紹介します。

『組み込みエンジニアの教科書』(渡辺登・牧野進二、シーアンドアール研究所)
組み込みエンジニアの基本的な仕事内容から、ハードウェア、ソフトウェアの基本、C言語によるプログラミング、組み込みのソフトウェアの開発プロセスまでを網羅した、まさに組み込みエンジニアにとって必携の1冊です。今後確実に需要が高まっていくIoTやAIといった最新のテクノロジーを活用した組み込みソフトウェア開発についても解説されています。

『これだけ!組込みシステム』(藤広 哲也、秀和システム)
「これだけ!」シリーズの本で、組み込みシステムの全体像を、イラストを使って図解しています。これを知っておけばまずは大丈夫という部分を紹介してくれる一冊です。組み込みをする上で必要な知識はかなり多いため、「浅く広く知識を身に着けておきたい」という方は読んでみてください。自動車、マイコン、家電など、どの分野に進みたい方にもおすすめできます。

『組込み現場の「C」プログラミング基礎からわかる徹底入門』(SESSAME、技術評論社)
C言語の文法を一通り学んだ方むけですが、C言語の基礎力を身に着けたいならこれがおすすめです。LEDを点灯させるプログラムなど、実際にハードウェアを動かすための組み込みに特化したコードが載っています。また、ハードウェアについての初歩的な疑問にも一から答えてくれるため、全く知らないという方でも読みやすい本となっています。

『CPUの創りかた』(渡波 郁、毎日コミュニケーションズ)
4bitCPUを例に、基本原理~設計までを解説してくれます。タイトルに創り方とありますが、実際に作らない人にとってもためになる内容です。CPU周りの知識が深めたい方や、OS周りの開発に関わりたいという方は一読しておくと良いでしょう。一般的な学習用の書籍と比べ、イラストも多く使われているため読みやすいです。

『モータ制御で学ぶ電子回路と組み込みプログラミング』(坂井 亮介(著)・水川 真 (監修)、毎日コミュニケーションズ)
マイコンの開発周りでは頻繁に出てくるモータ制御を題材にした本です。この本では、A/D変換のやり方や、PWM制御、割り込み処理などモータ制御に関わるところを解説してくれます。自動車業界に進みたいという方は読んでおいて損はないでしょう。

『情報処理教科書エンベデッドシステムスペシャリスト』(松原 敬二・牧 隆史、翔泳社)
エンベデッドシステムスペシャリストの資格を取るための教本で難易度も高めです。リアルタイムOS、ネットワーク、ハードウェアと幅広い分野について深く書かれています。この一冊を理解すればどこの組み込みの現場でも活躍できるはずです。もし自信があれば、資格を取ってしまうのもいいかもしれません。

プログラミングスクールに通って勉強する

効率的な勉強の方法が分からない場合や、具体的に何から手をつければ良いのか分からない方は、プログラミングスクールに通ってみるのもおすすめです。入学金や受講料などのコストはかかってしまいますが、少ない時間をできるだけ有効に活用し最短ルートでスキルを確実に身につけたい方にはおすすめの方法です。

一口にスクールといってもC言語やC++などのプログラミングを勉強するコースや、マイコンを実際に使用して組み込みシステムを体験しながら勉強できるコースもあります。組み込みシステム開発のコースはほとんどの場合、C言語などのプログラミングスキルが身についている方を対象としているため、まったくのゼロから始めるのであれば、まずはプログラミングのコースから受講してみましょう。

スクールによってもカリキュラムの内容や受講スタイル、講師との相性などの問題もあるため、まずは無料体験レッスンなどを受けてみて自分に合ったスクールを吟味してみてください。特に最近ではオンラインでの学習コースも充実しているため、近所にプログラミングスクールがない場合であっても選びやすいはずです。

組み込みエンジニアの仕事に役立つ資格

未経験から組み込みエンジニアを目指す場合、客観的に評価できる資格を取得することも有効です。特におすすめの資格を2つご紹介します。

ETEC」(組込みソフトウェア技術者試験)

ETECは組込みソフトウェア技術者試験ともよばれ、社団法人組込みシステム技術協会が実施してい試験です。合否を判断する認定試験ではなく、グレード評価と正答率評価を通して、受験者の足りない知識・スキルを明白にする仕組みになっています。

試験はエントリーレベルのクラス2、ミドルレベルのクラス1に分かれており、クラス2は受験資格に制限がありませんが、クラス1の場合はクラス2で500点以上の点数を獲得した人のみが受験できます。

試験自体は全国160ヶ所以上の会場で毎日受験できますが、受験料はクラス2が16,200円、クラス1が21,600円と比較的高額です。クラス1はより実践的な内容も含まれているため、組み込みエンジニアとして転職活動をする際には、最低限クラス1の試験は合格しておくと良いでしょう。

OCRES」(OMG認定組み込み技術者資格試験)

OCRES(OMG認定組み込み技術者資格試験)とは世界130ヶ国以上で実施されている組み込みエンジニア向けの資格試験です。OMGとは国際的なコンソーシアムのひとつで、企業や政府機関、さまざまな研究機関も標準化を策定するプロセスに関わっています。

「OCUPファンダメンタル」、「OCRESインターメディエイト」、「OCRESアドバンスト」と難易度によって分かれている3つの試験が存在し、レベルに応じて基礎知識から応用力まで幅広い能力が試されます。国際的に通用する資格でもあるため、グローバル企業での活躍を目指している方にはおすすめの資格といえるでしょう。

組み込みエンジニアの需要と将来性

ITエンジニアの花形といえばシステム開発を担うプログラマーやSEが代表的ですが、そもそも組み込みエンジニアの需要は将来的に高まっていくのでしょうか。

組み込みエンジニアは慢性的な人手不足

そもそも組み込みエンジニアとは最近になって登場した新しい職種ではなく、インターネットが登場する以前から存在していました。世の中に存在している家電製品や建物内の設備など、組み込みシステムの技術がなければ実現できない製品も多いです。

エスカレーターや自動ドアなど比較的単純な作業を繰り返す製品はもちろん、最近ではスマートフォンやスマートウォッチなどのデバイスを開発するうえでも組み込みシステムは欠かせないものとなっています。そのため、高まり続ける需要に対して、組み込みエンジニアの需要が追いつかず、慢性的な人手不足が続いているのが現状です。

組み込みエンジニアは将来性の見込める職種

インターネットが登場する以前から存在していた組み込みエンジニアですが、そもそもなぜ今となって改めて注目される存在となったのでしょうか。その背景にはIoT技術の発展があります。

IoTとは一般的に、あらゆるものをインターネットに接続し、ビッグデータを収集したりものを制御したりすることを目的とした技術です。たとえば自宅の鍵をオンライン経由で施錠・解錠するスマートロックや、不在時でも自宅に設置したカメラでスマートフォンから確認できるネットワークカメラなど、多様な使い方が実現できます。

ものにインターネット接続の機能を搭載するとなると、組み込みシステムを構築するノウハウが必要不可欠です。たとえば、スマートロックを開発しようと考えた場合、鍵そのものを開発するノウハウ以外にも、オンライン経由で鍵を制御する仕組みが求められます。

このように、IoTが社会に広く浸透していく過程において、これまでIT分野とは無縁だと思われてきた業界においても、今後は組み込みシステムのノウハウが不可欠になっていくと予想されます。ITエンジニアは全般的に人手不足で需要が高い傾向にありますが、特に組み込みエンジニアの場合は今後ますます需要が高くなっていくと予想されているのです。

未経験可の求人も出ている

組み込みエンジニアという職種はコンピュータ上でプログラミングをするだけではなく、実際にハードウェアを動かし制御することを目的としています。そのため、独学の学習環境だけでは実践に対応できるようなスキルが身につかないこともあり、一流の組み込みエンジニアになるためにはさまざまな案件に携わり経験を積み上げていく必要があります。

多くの企業では組み込みエンジニアとして実務経験がある人材を募集していますが、もし未経験から目指すのであれば、C言語やC++に対応したシステム開発に携わっていくのが良いでしょう。また、組み込みエンジニアとして未経験から直接開発に携わることは難しいが、テストや運用担当など幅広い職種が募集されており、未経験からであっても挑戦できるポジションが増えています。

組み込みエンジニアに向いている人の特徴

一般的なシステム開発の場合、主にコンピュータ内で動作するプログラムを構築するため、物理的に存在するものを開発することはありません。しかし組み込みシステムの開発においては、ハードウェアを制御するためのシステム開発を担うことになるため、開発したものが完成した際には大きな達成感を味わうことができます。そのため、自分のプログラムで動く機械を作ってみたい方や、ものづくりが好きな方ににとっては、組み込みエンジニアという職種は向いている可能性が高いです。

一方で、システム開発を行う際には原因不明のエラーや不具合が発生することも少なくありません。なぜエラーが発生したのか、原因を根気よく探りながら解決策を見出だせるような人や、それ自体を楽しいと感じられるような人も組み込みエンジニアに向いているといえるでしょう。

組み込みエンジニアの平均年収

需要が高い組み込みエンジニアですが、実際の年収相場はどうなっているのでしょうか。レバテックキャリア上にある実際の求人例を参考に見てみましょう。

【想定年収】
300~800万円
【業務内容】
通信機器、車載機器等の組み込みソフトウェア開発
【求められるスキル・経験】
・組み込みシステムとしての開発経験
・C、C++、C#、Java、Servlet、Oracle、ITRON等の開発経験
・顧客および社内でのコミュニケーション能力

ITエンジニアのなかでも組み込みエンジニアの年収は極端に高いものではなく、平均的な相場といえるでしょう。しかし、大手企業の傘下にある会社で自社グループ内の開発を手掛けているところもあり、安定した収入が見込める傾向にあります。

組み込みエンジニアのキャリアパス

組み込みエンジニアとして活躍の幅を広げていくためには、できるだけ多くの開発経験を積んでいくことが何よりも重要です。たとえばC言語での開発を経験した後は、C++やJavaなど複数の言語を勉強し、活躍の幅を広げていくことも考えられます。

また、さらなるステップアップを目指すためにはAIやIoTといった先端テクノロジーとの関わりも不可欠。従来の組み込みシステムの開発だけではなく、付加価値の高いスキルや経験を積み上げていくことがキャリアパスを考えるうえで重要な要素といえるでしょう。

組み込みエンジニアとして十分な経験を積み上げていくと、開発案件を統括するプロジェクトマネージャーや、エンジニアとしてトップクラスのスペシャリストへの道も見えてきます。

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