組み込みエンジニアのキャリアに役立つ資格から求められるスキルや知識までご紹介します組み込みエンジニアに役立つおすすめ資格5選|参考書籍や求められるスキルも解説

最終更新日:2022年11月30日

レバテックキャリアは
ITエンジニア・Webクリエイター専門の転職エージェントです

組み込みエンジニアは、家電製品や通信機器、自動車などのハードウェアにソフトウェア(プログラム)を組み込むエンジニアです。近年、IoTの進歩に伴いさまざまなハードウェアがインターネットと接続されるようになりました。このような背景もあり、組み込みエンジニアの需要が高まっています。

組み込みエンジニアになるために資格は必須ではありませんが、取得することで必要な知識が身に付き、スキル証明にもつながります。この記事では、組み込みエンジニアとしてより活躍し、キャリアアップを目指したいという方に向けて、組み込みエンジニアの仕事内容や、組み込みエンジニアになるために役立つ資格と参考書籍、将来性などについて解説します。

組み込みエンジニアについて

まず、組み込みシステムの概要と組み込みエンジニアの仕事内容について簡単に解説します。

組み込みシステムとは

組み込みシステムとは、PCのような汎用的な用途に使用されるのではなく、特定の機能を実現するシステムを指します。具体的には、テレビやエアコンなどの家電製品、スマートフォンなどの通信機器、OA機器、自動車、医療機器などを電子制御するシステムのことを組み込みシステムと言います。

組み込みエンジニアの仕事内容

組み込みエンジニアの仕事内容は、組み込みシステムの設計や開発、テストといった工程からなり、アプリケーションエンジニアと大きく変わりません。一方で、さまざまな機器を制御するシステムを開発するため、CPUやOS、メモリの制御や回路図の設計、ドライバ設計といった組み込みエンジニア特有の知識とスキルが必要になります。

関連記事:組み込みエンジニアとは?仕事内容などを解説します

組み込みエンジニアの年収

レバテックキャリアに掲載されている求人情報を見てみると、組み込みエンジニアの年収は300万円〜1,000万円と非常に幅があります。用途の限られるアセンブリ言語よりも、多くの組み込みシステムで汎用的に使用されるC言語を扱えるエンジニアの方が、年収が高い傾向にあります。

また、プロジェクトマネージャーなどマネジメント職として採用されると700万円以上の年収を提示されやすくなるでしょう。

関連記事:組み込みエンジニアの年収相場は?仕事内容や需要が将来性についても解説

組み込みエンジニアの将来性

インターネットの普及は組み込みエンジニアを含めた全てのIT技術者の需要を後押ししています。

特にIoT(Internet of Thing)が一般化し、パソコンやスマホだけでなく家電などのデバイスがインターネットに接続するようになったことで、組み込み機器はより一般家庭に普及していっています。

特にIoT家電の要となる技術が、外部環境を精密に捉えるセンサーです。

センサーが捉える情報は明るさ、加速度センサー、音センサー、温度センサー、湿度センサーなど様々です。

組み込みエンジニアは、製品の機能に必要なセンサーがどのような情報を読み取ってシステムに反映させるのかを熟知していなければなりません。

さらに、これからは、より人間と一体化していく組み込み機器が増えていくことでしょう。メガネやコンタクトレンズ、さらに体に埋め込む形のデバイスも登場することでしょう。

需要が増すとはいえ、どんな組み込みエンジニアでも生き残ることができるとは限りません。今後、求められている組み込みエンジニアは、技術の進化に適応できるエンジニアのみです。今後も組み込みエンジニアとして活躍するためには、技術と知識のアップデートは必要不可欠です。

関連記事:組み込みエンジニアの将来性|人手不足と囁かれる理由をご紹介

組み込みエンジニアが資格を取得するメリット

組み込みエンジニアに転職したり、仕事をするために、資格が必須というわけではありません。しかし、自身のスキルを客観的に証明するために資格の取得が有効になることが多いです。特に未経験から組み込みエンジニアに転職する場合は、経験がない分、資格を取得していることが明確なスキルの証明として役に立つことでしょう。既に組み込みエンジニアでキャリアアップを狙う際も、資格の存在はスキルの証明のみならず、あなたのスキルアップへの姿勢・意欲を示すものにもなり、プラスに働いてくれます。また、資格の取得は、その学習プロセスにおいてエンジニアとしてのスキルアップに大きく貢献してくれます。

組み込みエンジニアにおすすめの資格5選と参考書籍

次に、組み込みエンジニアに役立つ資格と、試験勉強する際におすすめの参考書籍について解説します。

1.基本情報技術者試験・応用情報技術者試験

基本情報技術者試験および応用情報技術者試験は、IPAが運営する国家資格試験です。サーバーやネットワーク、プログラミング手法、ハードウェアなどすべてのエンジニアに共通して求められるIT知識が幅広く出題されます。

どちらの資格もエンジニアの登竜門的な位置付けであり、多くのIT企業では就職(新卒)から3年以内程度で取得することが推奨されています。どちらの試験も合格率は20%程度であり、比較的難易度の高い資格です。

参考書籍(本)

『よくわかるマスター 基本情報技術者試験 対策テキスト(富士通エフ・オー・エム株式会社、富士通エフ・オー・エム出版)』
シラバスで記載されている用語を網羅し、試験に必要な知識を体系的に学ぶことができます。

『ニュースペックテキスト 応用情報技術者 2022年度 (TAC情報処理講座、TAC出版)』
オールカラーで図解が見やすい試験対策本です。午前、午後試験ともに対応しており、頻出用語、重要ポイントがまとめられています。過去問を利用した確認問題でアウトプットしながら学習を進めることができます。

2.エンベデッドシステムスペシャリスト試験

IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験で、非常に高度な知識・技能が問われます。対象者は、組込みシステムの設計・構築・製造を主導的に行う者とあるため、中級から上級者向け(実務経験10年以上が目安)の試験です。組込みシステム開発における各工程を主導的に遂行し、開発環境の構築・改善ができることが期待されます。合格率は15%〜20%程度です。

参考書籍(本)

『情報処理教科書 エンベデッドシステムスペシャリスト 2021~2022年版』(牧隆史・松原敬二、翔泳社)
図を多用し、初学者にも理解しやすい構成になっている書籍です。

3.ETEC(組込み技術者試験制度)

ETECは、一般社団法人組込みシステム技術協会が実施する試験です。初級から中級技術者を対象としているため、駆け出しの組込みエンジニアにもおすすめの試験です。

試験は合否判定ではなく、レベル判定が行われます。組込みソフトウェア技術者試験クラス2(エントリレベル)と、組込みソフトウェア技術者試験クラス1(ミドルレベル)に分かれ、それぞれグレードA~Cで評価されます。

クラス2の試験の対象者は、組み込みソフトウェア教育を受けている学生や社内教育を受けたプログラマなどです。CPUやメモリなどの技術要素やソフトウェア設計、テスト技法などが幅広く出題されます。

参考書籍(本)

『組込みソフトウェア技術者試験クラス2対策ガイド』(組込みシステム技術協会、CQ出版)
クラス2の試験に対応した書籍です。出題範囲に沿った内容になっており、効率的に学習できます。組み込みエンジニアに求められる基礎知識を身につけることができるでしょう。

4.OCRES(OMG認定組込み技術者資格試験プログラム)

OCRESは、組み込みシステムの開発者を対象とし、世界130ヶ国以上で実施されている国際的な資格試験です。ファンダメンタル、インターメディエイト、アドバンストの3つのレベルに分かれており、上位レベルの資格に認定されるためには、下位レベルの資格を取得しておく必要があります。

ファンダメンタルではUMLの基礎的な知識を中心に出題され、インターメディエイトではモデル駆動型アーキテクチャやCORBA、アドバンストでは組込みCORBAなどの応用技術が問われます。合格率は非公開ですが、出題される問題のうち約50%の正解で合格となっています。

参考書籍(本)

『組込みシステムのためのソフトウェアエンジニアリング 基礎編』(ジム・クーリング、アイテック)
組込み系システムに関する世界的な名著であり、OCRESの標準テキストとして採用されている書籍です。ソフトウェアの設計、テスト、デバッグ、ドキュメント作成、レビューなど、組み込み開発の基礎的な知識を習得できるため、試験を受けない方にもおすすめの一冊です。

5.JSTQB認定テスト技術者資格

JSTQB 認定テスト技術者資格とは、テスト技法やテストマネジメント、テスト評価に関するスキルを証明する資格です。各国のテスト技術者認定組織と相互認証を行っているため、海外でも有効な資格となっています。

「Foundation Level」ではソフトウェアテスト全般に関する知識が問われ、「Advanced Level」ではテストマネジメントやテスト評価に関する知識が問われます。組み込み系に特化した資格ではありませんが、テストエンジニアリングに関する知識を習得できます。開発する組み込みシステムの品質向上に役立つでしょう。

参考書籍(本)

『ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第4版』(大西 建児・佐々木 方規・鈴木 三紀夫・中野 直樹・福田 里奈、翔泳社)
Foundation Levelの公式試験対策本です。シラバスのバージョン2018に対応しており、試験範囲の解説だけでなく、重要用語や模擬試験も収録されています。試験を受ける人にとって必須の参考書と言えるでしょう。

組み込みエンジニアに求められるスキル・知識

組み込みエンジニアに求められるスキルの種類は、大きく分けて「エンジニアとして必要なもの」と「組み込みエンジニアならではのもの」の2種類に大別されます。それぞれの詳細についてご紹介します。

関連記事:
組み込みエンジニアに求められるスキルとは
組み込みエンジニアが英語を使えることで得られるメリット

よく使われるプログラミング言語

ソフトウェアを開発する上ではプログラミング言語が必要です。プログラミングには多数の種類がありますが、以下に紹介する言語は特に組み込みエンジニアがよく使用する言語になります。

プログラミング言語を扱うスキルは、組み込みエンジニアとして働くための必要不可欠な技術です。

C言語、C++、C#など

C言語は多くの組み込み系のソフトウェアで汎用的に使用されているプログラミング言語で、組み込みエンジニアとして活躍するにあたってはほぼ必須の言語といえます。C言語の特徴として、組み込み系のみならずソフトウェア開発全般で活用できる汎用性、処理速度が早いなどのメリットがあります。ただ、概念が複雑で習得難易度が高く、比較的簡単に習得できるPythonやGoなどの新しいプログラミング言語と比較すると人気は控え目です。だからこそ、習得しておけば必要な場面でキーマンとして活躍することが見込めます。

また、C言語から派生したプログラミング言語であるC++はC言語の処理をさらに速くしたもの、C#はマイクロソフトが作り上げたVisual Studioなどの、統合開発環境を用いて開発ができるJavaとC言語を組み合わせたものです。

Java

JaveはC言語を元にして改良されたプログラミング言語で、こちらも非常に汎用性が高いプログラミング言語です。以前は処理速度が遅く、リアルタイムな動作を要求される組み込み系のソフトウェアではあまり利用されてこなかったのですが、近年ではそのパフォーマンスが大きく改善され、組み込み系のプログラミング言語として広く活用されるようになってきました。押さえておくことでWebアプリやAndroidアプリなど、組み込み系以外の分野でも活用ができるため、人気が非常に高いプログラミング言語です。

アセンブラ

アセンブラは機械語相当の低水準なプログラミング言語で、ハードウェアの制御などに使われます。その難解な見た目とは裏腹に命令の数は少なく習得はしやすいのですが、用途が限られるので優先度としてはC言語やJavaのほうが上になります。

ソフトウェア

代表的な組み込み系OSのうち、最低1つは知識を身に付けておきましょう。一般的なパソコンがWindowsやMacOSなどのOSを使うのと同じように、組み込みの機器には組み込み機器用のOSがあります。


  • ・TRON

    ・T-Kernel

    ・VxWorks

    ・OSEK

    ・Rt-Linux

ハードウェア

組み込みエンジニアの特徴としてWeb開発などと異なる点は、ソフトウェアだけでなくハードウェアの知識が必要な点です。組み込みエンジニアが、まず勉強すべきハードウェアの知識は以下の3つです。


  • ・回路図

    ・CPU

    ・電子デバイス


1つずつ詳しく説明します。

回路図

いくつもの様々なIC(集積回路)がつながっているものを回路図と言います。

組み込み機器は機器ごとに固有のハードウェアがあり、その中のCPUにプログラミング言語で記述したソフトウェアが書き込まれることでデバイスを動作させています。

組み込みエンジニアは何をどのように動かすかを、回路図をもとにプログラミングしていきます。そのため、回路図は必ず読めるようになっておく必要があります。

回路図で使われる記号は多種多様にありますが、例えば電源(電流と電圧を供給する電力源)、スイッチなど代表的なものは理解しておきましょう。

代表的なものを押さえておけば、あとは多くの回路図を読み込む中で慣れていくものです。

CPU(マイコン)

組み込みエンジニアが作ったソフトウェアを動作させてくれるのがマイコン(マイクロコントローラー)です。

各社から高性能な新しいマイコンがどんどん開発されていきますので、1つ覚えたら終わりというものではなく常に情報をリサーチして知っておく必要があります。

メーカーや型番によってマイコンの仕様も変わってくるので、使うマイコンの仕様書は必ず読むようにしましょう。

電子デバイス

組み込み開発で利用される電子デバイスには、


  • ・センサー

    ・スイッチ

    ・モーター

    ・カメラ


など多くの種類があります。

センサーは温度センサー、加速度センサーなど、外部環境の情報をインプット(入力)する電子デバイスのことです。またスイッチは、電気の回路をONしたりOFFしたりする電気部品のことです。

スキルマップとなる組込みスキル標準(ETSS)について

組み込みエンジニアとしてのスキルを確認する指標として、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)によって定義された、組込みスキル標準(ETSS)をご紹介します。

組み込みエンジニア本人においても、自身のスキル確認に活用できますし、エンジニアを雇用する側においても、採用を判断する上での指標として使うことができます。

組み込みエンジニアのスキルを可視化し、人材の育成と有効活用を目的として策定されたのがETSSです。

ETSSは次の3つの基準から構成されています。


  • 1.スキル基準

    2.キャリア基準

    3.教育研修基準


スキル基準では、組込みソフトウェアに関する技術スキルを、「技術要素」、「開発技術」、「管理技術」の3つのスキルカテゴリごとに階層的に整理します。分類されたスキル項目に対して、4段階のレベル(初級、中級、上級、最上級)でスキル診断することで技術者のスキル分布を定量的に可視化します。

キャリア基準は、組み込みエンジニアの職種や専門分野と、レベルごとに必要なスキルを定義したものです。

教育研修基準は、組み込みエンジニアの人材育成に関する教育プログラムを定義したものです。

ETSSは、スキルの視覚化のために用いるツールとして利用できます。

関連記事:
組み込みエンジニアの転職で評価されるスキル・経験とは
組み込みエンジニアになるために必要な勉強

未経験からの組み込みエンジニア転職で知っておきたいこと

未経験の状態から組み込みエンジニアへ転職する場合に知っておくとよいことをご紹介します。

組み込みエンジニアに向いてる人

組み込みエンジニアに向いているのはどのような特性を持った人なのでしょうか。

組み込みエンジニアはハードウェアとソフトウェア、両方を扱うことが多いため、工作が好きだったり、何かを組み立てることが好きだった人には向いています。

ソフトウェアをコーディングすることによってハードウェアを物理的に動かすことに楽しさを見出すことができる人であればなおさら向いていると言えるでしょう。

関連記事:
組み込みエンジニアの需要と将来性
組み込みエンジニアはなぜ人材不足なのか

必要スキルの勉強方法

組み込みエンジニアとして必要なスキルは、書籍や研修、オンライン学習サイトなどを通して身につけることが可能です。プログラミング言語をはじめとして多くのスキルは、書籍や座学の研修などでインプットのみおこなうだけでは、なかなか身につけることが難しいものです。インプットした内容を使って実際に自分で開発してみたりといったアウトプットをおこなうことで効率よく身につけることができます。オンライン学習サイトのなかには、Progateのようにブラウザ上でインプットと同時に手軽にアウトプットができるよう、支援してくれるものもありますので、うまく活用して学習を進めましょう。

まとめ

この記事では、組み込みエンジニアに役立つ資格や参考書籍を中心に紹介しました。組み込みエンジニアはソフトウェアに関する知識だけでなく、ハードウェアや電子回路の知識などが幅広く求められます。これらの知識を効率的に学習するためには、資格試験を活用するのが効率的です。スキル証明にもなるため、積極的に活用してみると良いでしょう。

ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア

レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通したキャリアアドバイザーが、年収・技術志向・今後のキャリアパス・ワークライフバランスなど、一人ひとりの希望に寄り添いながら転職活動をサポートします。一般公開されていない大手企業や優良企業の非公開求人も多数保有していますので、まずは一度カウンセリングでお話してみませんか?(オンラインでも可能です)

転職支援サービスに申し込む

また、「初めての転職で、何から始めていいかわからない」「まだ転職するかどうか迷っている」など、転職活動に何らかの不安を抱えている方には、無料の個別相談会も実施しています。キャリアアドバイザーが一対一で、これからのあなたのキャリアを一緒に考えます。お気軽にご相談ください。

「個別相談会」に申し込む

レバテックキャリアのサービスについて

プロのアドバイザーがあなたのお悩みや疑問にお答えします

- 転職個別相談会開催中 -

相談内容を選択してください

※転職活動や求人への応募を強制することはありません

人気の求人特集

内定率が高い

関連する記事

人気の記事

スキルアップ記事トップへ

組込・制御エンジニアの求人・転職一覧